【原因別の対処法】仕事がつらい…… と感じる状態から抜け出すための方法とは?
更新日:2024年07月18日
3つに分類あなたの「仕事がつらい」原因はどれ?
監修者相場 聖
心理の専門家、組織活性化コンサルタント/株式会社メンタルグロウ、株式会社ヒューマンエナジー 代表取締役
記事まとめ(要約)
- 「自分の考えは甘い」などと思わず、ネガティブな感情を払しょくする
- 仕事にやりがいを感じている人は、仕事がつらいと感じにくい
- 自分ができないことよりも、できることに目を向ける
- 小さな目標を達成する度に、自分自身を褒めて頑張りを認めてあげる
- 自分が他人に期待をし過ぎていることを自覚し、意識的になくしていく
仕事をしている人の中には、これまでに「仕事がつらい」「辞めたい」と考えたことがある人もいるのではないでしょうか。
「仕事がつらい=甘え」だと捉えたり、自分を責め過ぎたりする必要はありません。実際に、メンタルヘルスの専門家である相場聖氏は、「9割以上の人が『仕事がつらい』と感じている」と述べています。
そこで、仕事がつらいと感じている人の実態や、仕事がつらい状態から抜け出すための解決法を原因別に伺いました。
併せて、つらいと感じている時に「やってはいけないこと」もまとめました。仕事のつらさを解決する糸口を探ってみてください。
9割以上の人が「仕事がつらい」と感じている
働く人の多くは、「仕事がつらい」「辞めたい」と感じています。始めに「仕事がつらい」という状況を客観的に知るためのポイントをチェックしましょう。
仕事がつらいのは甘えではない
仕事がつらいという感情は、「甘え」ではありません。多くのビジネスパーソンが抱く感情ですので、「仕事がつらい」と感じても自分を責める必要はないです。
例えば、仕事に行くのがつらい時に「自分は精神的に弱いのかな」「つらい状況から逃げてしまうと、逃げ癖がついて今後も上手くいかなくなるかも」と悩んでいる人もいるかもしれません。
更に、上司や同僚が生き生きと働いている姿を目の当たりにすると、周囲に弱音を吐くことができず、思い詰めてしまう人もいるでしょう。
「仕事がつらい=甘え」という受け止め方は、すでに傷ついている自分の心に追い打ちをかけることになり、過剰なストレスで心身に影響を及ぼす可能性があります。
私は、企業向けのメンタルヘルス研修などで多くの人と接する機会がありますが、個人的な印象としては9割以上の人が、仕事がつらいと感じているように思います。だからこそ「自分の考えは甘い」などと思わず、ネガティブな感情を払しょくすることに意識を向けましょう。
仕事のつらさは人それぞれ違う
一口に「仕事がつらい」といっても、内容や程度は人それぞれ異なります。
9割以上の人が仕事がつらいと感じながら働いていると言いましたが、ストレスを感じる要因は人それぞれ異なり、一般的には人間関係に関するストレスが一番多いといわれています。
ほかにも業務量が多くて悩んでいる人もいれば、仕事の内容自体が自分に合わずにつらいと感じている人もいます。もちろん、その原因が一つとは限りません。実際には、いろいろなストレス要因が重なっていることがほとんどです。
仕事がつらいと感じる原因を3つに分けて解決法を紹介
仕事がつらいと感じる原因を「仕事」「自分」「環境(職場環境)」の3つに分けて、具体的な対処法などをご紹介します。
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「仕事」に原因があるケースの解決法
「仕事の量が多い」「責任が重い」「仕事の裁量が小さい」などの仕事に原因がある場合は、仕事の捉え方や向き合い方を変えることで解決する可能性があります。
解決策と具体的な向き合い方をご紹介するので、取り入れられるものがあれば早速挑戦してみてください。
ワーク・エンゲージメントを高める
仕事そのものに対して「つらい」と感じている人は、ご自身の仕事への向き合い方、仕事に対する考え方を見つめ直してみると良いでしょう。
「やらされている」「やらなくてはいけない」という受け身の感覚や、義務感を持って仕事をしていると、どうしても後ろ向きの考えになりがちです。つまり、仕事がつらいと感じやすいメンタルになってしまいます。
逆に、「自発的にやっている」「自分のためにやっている」という思いで仕事に向き合うと、ワーク・エンゲージメントが高まりやすくなります。
ワーク・エンゲージメント(Work engagement)とは、直訳すると「仕事のやりがい」や「働きがい」という意味を持ちます。ワーク・エンゲージメントが高いほど、仕事を肯定的に捉えられるようになり、どんな状況でも精神的なストレスを感じにくくなるのです。
自分の成長目標を持つことが大切
では、どうすればワーク・エンゲージメントは高められるのでしょうか。どんな会社や仕事にも業務上の目標というものがあると思いますが、それとは別に自分の「成長目標」を持つことが重要です。
どんなに小さなことでも良いので、それを達成した時に「自分がうれしいと思えるか」「少しでも成長したと感じられるか」という基準で成長目標を立てて動いてみると、自然と仕事への向き合い方が変わってきます。
「忙しくてつらい」「裁量が小さくてつまらない」という発想ではなく、その環境の中で「自分のためにできることをしよう」と思えるようになるはずです。その結果、ワーク・エンゲージメントも高まってくるでしょう。
ちなみに、ここでは「仕事」に起因するストレスへの対処法としてワーク・エンゲージメントを高めることをご紹介しましたが、原因が何であろうと仕事がつらいと感じる状態から抜け出すために、ワーク・エンゲージメントを高めるのは有効な方法です。
冒頭に、9割以上の人が「仕事がつらい」と感じていると話しました。では、残りの1割はどのようなタイプの人かと言うと、ほとんどがワーク・エンゲージメントの高い人なんです。
つまり、仕事に「やりがい」を感じている人は、仕事がつらいと感じにくいということです。ワーク・エンゲージメントは、ストレスなく働くうえで重要なファクターであることを覚えておいてください。
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「自分」に原因があるケースの解決法
「仕事を好きになれない」「自分に自信が持てない」「将来に不安を感じている」という方は、もしかすると仕事への向き合い方が原因かもしれません。
「できること」に目を向けたり、小さい目標を達成する度に自分を褒めたり、学び続けて自分のスキルを高めたりすることを意識することで、「仕事がつらい」という感情を軽減できる可能性があります。ぜひチェックしてみてください。
「できること」に目を向けよう
自分ができないことよりも、「できること」に目を向けることが大切です。「仕事ができない」「仕事を好きになれない」という気持ちが、ストレスの原因になっている人もいます。
そのため、このようなネガティブな感情から目を背けて、まずは「できること」を紙にすべて書き出してみましょう。「できる」ということは、「能力を発揮できる=自分に向いている」と考えられます。
向いている仕事は成果が出やすく、繰り返し「誰かの役に立っている」と実感を持つことができます。この誰かの役に立つ感覚を「貢献感覚」と言いますが、向いている仕事を続けることで、自分の中に貢献感覚が培われていくのです。
また、成果を出して「できた」「やれた」という成功体験が積み重なると、自分の能力に対する自信(自己効力感)も生まれてくるものです。こうした感覚がワーク・エンゲージメントにつながり、その結果「できる仕事」が「好きな仕事」に変化することも少なくありません。
小さい目標を達成する度に自分を褒める
自己効力感につながる成功体験を得るために、有効な手段として挙げられるのが「段階的に成長目標を設定する」ことです。あまり遠い目標を設定してしまうと、達成できないことにストレスを感じ、自信を失うことになりかねないため、できるだけ目標を細分化することが大切です。
そして、小さな目標を達成する度に、自分自身を褒めて頑張りを認めてあげましょう。そうしたプロセスを通じて成長していくことで自信が付き、自己効力感も高めることができるのです。
なお、自分自身を評価する時には、しっかりと「自分軸」を持つようにしてください。他者からの評価を気にしたり、他者と自分を比較したり、「他人軸」で見てしまうと自分の頑張りを素直に認めることができず、自信を高めることにつながりません。
「自分が立てた目標に対して、やるべきことがきちんとできたのか」あくまでも自分の成長を基準として、評価するようにしましょう。
ちなみに、「自分軸が大切」というのは、あくまでも自分の成長目標に関する話です。仕事に関しては自分の考えに意固地になって自己中心的になってはいけませんから、しっかりと他者からの評価・視点も意識しつつ仕事に取り組むようにしてください。
学び続けて自分のスキルを高める
自分に自信を付ける方法として非常にシンプルなのが、「技術・能力を高めること」です。自分自身の技能が上がれば、できることも増え、自然と自信につながっていきます。とはいえ、学ぶ意欲を持ち続けることは簡単なことではありません。
そこで重要なのが、やはり成長目標です。「自分がどうなりたいのか」「仕事を通じて何を得たいのか」といった目標・目的をしっかりと持つことが、継続して学ぶために必要不可欠な要素と言えるでしょう。
こうした成長目標を持つことは、自分の自信を高めることだけでなく、将来に対する漠然とした不安を払しょくすることにも役立ちます。「将来のキャリアビジョンが描けない」状態は、ワーク・エンゲージメントを低下させ、仕事がつらいと感じる原因の一つとなり得ます。
しかし、目標をしっかりと持ち、自分が目指す将来像とそこに至る成長プロセスがイメージできれば、先が見えないストレスは解消することができます。
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「職場環境」に原因があるケースの解決法
「上司や同僚と馬が合わない」「会社の方針になじめない」「自分の実力や成果が正当に評価されない」という悩みを抱えている場合は、「職場環境」が原因である可能性があります。
具体的な内容や程度によっては、今すぐ対応が必要な場合もあります。具体的な内容を確認してみましょう。
勝手な思い込みをなくそう
職場環境にまつわるストレス要因は、下記のように多岐にわたります。
- 上司や同僚との相性が悪い
- 周りからのサポートがない
- 会社の方針や社風になじめない
- 自分に対する評価が低い
など
こうした周りの環境が原因で仕事がつらいと感じている人に、根本的な考え方として意識すべきことが2点あります。
(1)考え方や価値観は人それぞれ違う
一つは、「そもそも、考え方や価値観は人それぞれ違う」ということです。大前提として、「自分と他人の考え方が違うのは当たり前」という認識を持つようにしましょう。
そうすれば、「どうして私の考えを理解してくれないんだろう……」と現状のギャップに悩むのではなく、「どういうふうに伝えれば、考え方の違う人に理解してもらえるだろう」とギャップを埋める方法を前向きに考えられるようになります。
(2)役割期待を持たない
そしてもう一つ、「役割期待」を持つこともやめましょう。役割期待とは、「あの人は、こういうことをしてくれるだろう」「ここまでやってくれて当たり前」という勝手な思い込みのことです。職場に限らず、家族や友人との関係でもよくあると思います。
例えば、「ハッキリとお願いしていたわけでもないのに、期待どおりに行動してもらえなくてガッカリした」誰しも、そんな経験を持っているのではないでしょうか。
期待される側としては、「そんなこと知らないよ」「聞いてないよ」という話ですが、この役割期待がズレてしまうと、人は「納得できない」「許せない」とストレスを感じるようになります。
まずは自分自身が他人に期待をし過ぎていることを自覚し、意識的になくしていくこと。そして、「こうしてほしい」という思いがあるのであれば、それを相手にしっかりと伝えることが人間関係を円滑にする第一歩と言えるでしょう。
「正しい伝え方」を身に付ける
「自分と他人は違う」という認識を持ち、「役割期待」を持たないように意識するだけで、職場環境に対する不満は大きく改善されるはずです。そのうえで、「こうしてほしい」「こんなところにストレスを感じている」という自分の考えをしっかり伝えていくことも、メンタルヘルスの観点ではとても重要なことです。
とはいえ、自分から言いにくいこともありますし、場合によっては人間関係がギクシャクすることもありますから、伝え方には気を使ったほうが良いでしょう。そこで知っておいてほしいのが、「アサーティブ・コミュニケーション」という手法です。
アサーティブ・コミュニケーション(assertive communication)とは、雑誌やネット媒体でも取り上げられることが多いので、もしかしたら耳にしたことがあるかもしれません。
分かりやすく言うと「相手の立場を尊重しながら、自分の言いたいことを伝え、相手に受け止めてもらうコミュニケーションスキル」のことです。ここでは、その代表的な技法の一つである「DESC法」をご紹介したいと思います。
D(Describe)=描写する(事実や状況を客観的に伝える)
E(Express)=表現する(自分の意見を伝える)
S(Specify)=提案する(相手に期待することを明示する)
C(Consequences)=結果を伝える(提案の結果と代案を示唆する)
アサーティブ・コミュニケーションの具体例
具体例を挙げながら、アサーティブ・コミュニケーションを解説するので、自分の状況に置き換えて考えてみましょう。
ここでは、上司から定時1時間前に「本日中にこの業務をお願いしてもいい?」などと無理な要求を受けた時の受け答えにアサーティブ・コミュニケーションを活用する方法をご紹介します。
D=事実や状況を客観的に伝える | 本日中の提出ですね |
E=自分の意見を伝える | 引き受けたいのですが、今日はどうしても外せない予定があるので、 |
S=相手に期待することを明示する | 本日中だと半分までしか進めることができません。締め切りを延ばすことは可能でしょうか? |
C=提案の結果を示唆する | 明日の午前中までであれば、余裕を持って提出できます。 |
上司に対して、敬意を示しつつ代替案を提案すると、こちらの主張も受け入れてもらいやすくなるでしょう。
一方的に「今日は予定があるので難しいです」などと断ってしまうと、相手に悪い印象を与えてしまいます。
反対に「はい。分かりました」と無理な要望も引き受けてしまえば、心身共に疲弊するので避けたほうが良いでしょう。
「自分の評価に納得がいかない」「会社の方針や職場環境に疑問・不満を感じる」という時にも自分の意見をストレートに主張するのではなく、DESC法を使って伝えてみると良いでしょう。
マニュアルどおりに実践するだけで、相手に言いたいことを伝えながら、人間関係も円滑にすることができます。ぜひ、あらゆるシーンでアサーティブ・コミュニケーションを意識してみてください。
パワハラやいじめなどがある場合は相談をする
パワハラやいじめなどが職場で横行している場合は、まずは信頼のおける上司や同僚に相談をしましょう。
できるならば、友人や家族にも相談をし、自分一人で抱え込まないようにすることが大事です。
上司や同僚がハラスメント加害者の場合もありますので、もしも周囲に信頼できる相手がいない場合は、人事部やコンプライアンス担当部門など、社内相談窓口に相談をしてください。
その際に重要なのは、事実として具体的に「いつ」「どこで」「どのような」ハラスメントを受けており、「どのような被害」が生じているか? を明確に伝えるという点です。
職場内に担当部署が設置されていない会社では、会社が契約している外部相談窓口に相談したり、その窓口契約もなされていない場合、外部の法律の専門家(弁護士など)に相談することも、選択肢の一つとして持っておくことを推奨します。
いずれにしても、自分一人で抱え込まないことが何より大切なことです。
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つらいと感じている時に「やってはいけないこと」
仕事がつらいと感じている時には、一人で悩まないことが大切です。また、「辞める」「辞めない」の二者択一は避け、つらさを解消できる手立てがないかしっかり検討することも必要です。
ただし、状況によってはすぐに今の職場を離れたほうが良いケースもあることを覚えておきましょう。
ここではやってはいけないことを詳しく解説します。
一人で悩まない
「仕事がつらい」「辞めたい」と考えている時に、周囲に相談せずに一人で抱え込む人もいるでしょう。
一人で悩みを抱え込みやすい人の特徴としては、責任感が強かったり、相手に弱みを打ち明けられない、あるいは素直に人に頼るのが苦手などが挙げられます。ついつい一人で頑張り過ぎるとキャパオーバーになり、心身共に疲れ切ってしまうでしょう。
仕事がつらいと感じているなら、信頼の置ける相手に悩みの一部でも良いので打ち明けてみましょう。話すことで自分の考えや感じていることが整理され、負担を軽減させることにつながるかもしれません。
また、客観的なアドバイスをもらうことで、気持ちの整理がつくケースもあります。
「辞める」「辞めない」の二者択一は避ける
ここまで、仕事がつらいと感じている時に「やるべきこと」として、ストレス要因別に対処法をご紹介してきました。
では、逆に「やってはいけないこと」はどんなことでしょうか。それは、会社を「辞める」「辞めない」の二者択一で考えることです。
決して「絶対に転職してはいけない」わけではありませんが、職場を変えても同じようなストレスを抱える可能性は大いにあります。「辞めれば必ず解決する」というわけではありませんから、まずは現在の環境の中で何ができるかを考え、ここで紹介したような対処法も含め、今までと違うことを実践することをおすすめします。
仕事がつらいということは、現状がうまくいっていないということです。それなら、とにかく今とは違う方法を試してみれば良いのです。
もし、それがうまくいったら、それをひたすら続けてみる。そのまま良い状態が続いたら、もっと良くなる方法を考えてみる。そういうシンプルな思考で行動することで、環境を変えずとも解決の道筋が見えてくるはずです。
転職するにしても、きちんと自分のストレス要因と向き合い、新しい職場で今までとは違った考え方や方法を意識することが必要だと思います。
すぐに今の職場を離れたほうが良いケースもある
まずは今の環境で頑張ってみることをおすすめしましたが、すでにメンタル不調の症状が出ている場合は話が違います。すぐに職場を離れて休養すべきです。
一つの基準としては、「元気が出ない」「食事ができない」「眠れない」など、いつもと違う状態が2週間続いたら病院に行ってください。メンタル不調と診断された場合は、とにかく仕事から離れて機能が回復するまで静養することが大切です。
無断欠勤や勢いでやめることはしない
仕事がつらくても無断欠勤や、勢いで辞めることはおすすめできません。特に事前連絡なしでの欠勤は、業務に支障が出たり、社内だけでなく取引先や顧客に多大な迷惑を掛ける恐れもあります。
厚生労働省が公表する「東京労働局 しっかりマスター 労働基準法 解雇編」によると、会社の就業規則に基づいて減給や解雇を言い渡される可能性もあるので、必ず連絡をしましょう。
また、勢いで辞めると、次の職場が決まるまで一定期間収入が途切れるので、焦りから転職先を妥協してしまう傾向にあります。自分の決断を後悔することがないように、計画的に休暇の取得や転職活動を進めましょう。
仕事がつらいと感じる原因を自分で探る方法
「仕事がつらいけど、その原因がよく分からない」と悩む人も多くいます。ここではつらい原因を自分で探る方法を下記の2つに分けて紹介するので、しっかりとストレス要因を把握しておきましょう。
ストレスに感じていることを書き出してみる
つらい原因を突き止めることで、適切に対処できます。まずは、今抱えているストレスをすべて書き出してみましょう。
自分の感情を素直に書き出すことで、モヤモヤとした感情や、漠然とした不安、自分の置かれている状況について客観的に捉えられるようになります。
仕事とプライベートに分けて、嫌なこと、不安な気持ち、納得いかないことなどを思い付くままに書き出してみましょう。
自分がどんなことにストレスを感じやすいのか傾向が見えてくるので、仕事がつらいと感じる原因も自覚できます。ストレスの原因となるものを避けることで、つらさが軽減されるはずです。半年に1回くらいのペースで「ストレスの棚卸し」をすることをおすすめします。
自身の体調や気持ちに変化はないか考えてみる
仕事がつらい状態が長く続けば、メンタルに不調をきたすことがあるので注意が必要です。例えば、特定の業務の前に腹痛があったり、上司と話している時に動悸がしたりする場合は、それがストレスの原因となっている可能性が高いでしょう。
厚生労働省の「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」では、以下のような症状が2週間以上続く場合、専門家に相談することを推奨しています。
- 寝付きが悪くなった
- 落ち込みやすくなった
- 趣味などが楽しめない
- 気持ちが焦ってイライラしやすい
- 疲れやすい
- 思考力や集中力が低下する
など
まとめ
仕事がつらいと感じる原因と、その状況から抜け出す方法について解説しました。9割以上の人が仕事に対し「つらい」「辞めたい」という感情を抱いているようです。
つらさが慢性的に続いているなら、原因を突き止めたうえで適切な対策法を考えましょう。実際に対策を講じても改善が見られない場合は、環境を大きく変えることも検討してみてください。
同じ職場で長く働くことも大切かもしれませんが、自分にとって本当に適した仕事を見つける努力も必要です。
監修者
相場 聖
心理の専門家
組織活性化コンサルタント
株式会社メンタルグロウ、株式会社ヒューマンエナジー 代表取締役
さまざまな企業や自治体・官公庁・医療法人などに対して、メンタルヘルス対策やハラスメント対策などのコンサルティングや教育研修を手掛けています。
主な著書に、『ビジネスパーソンのための折れないメンタルのつくり方』『[図解] 結果を出す人がやっている ストレスを味方につける方法!』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがあります。
マイナビ転職 編集部
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