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アナタの魅力をドンドン引き出す、キャリアコンサルタント緒方僚のズバリ! WEB履歴書作成法
第5回 “資格の人”と思われないためには
今回の相談者:
氏名 土井 優太(仮名)
年齢 27歳
転職回数 1回
現職 離職中
志望業種・職種 総務/人事・労務/法務/一般事務・庶務
転職の理由 大学卒業後、スーパーに入社。売り場における主任補佐として実績をあげるが、将来の展望がみえずに悩む。そんな折、知り合いから聞いた社会保険労務士の話に興味を持ち、同資格の取得のために退社を決意する。
相談者が作成したWEB履歴書
お悩みポイント
  • 離職期間が長く、職務内容を具体的に書けない
  • 未経験なので、資格しかアピールがない
尾方さん WEB履歴書を書いてみて、土井さんがもっとも悩んだのはどのあたりですか?
土井さん 職務内容のところです。食品スーパーに勤務していたのですが、辞めてから2年半経っているので忘れていることも多くて……。
尾方さん 土井さんのWEB履歴書を見ると、業務内容として「電話応対、接客、パートのオペレーションの組立て、パートのマネジメント」と書いていますね。たしかにこれでは、土井さんがどのように仕事をしていたのか、実際のところがまったくわかりません。どのような状況で働いていたのかを、もっと詳しく説明してくれますか?
土井さん はい。新入社員研修を受けたのち、畜産部に配属されました。精肉売場の担当です。畜産部は社員が4名、パート・アルバイトが13名で、通常は社員2名を含む8名体制で売場を担当していました。
尾方さん 1日の仕事の流れはどんな感じでしたか?
土井さん 朝の6時半に出社して、まずは連絡ノート、メール、前日の売り上げのチェックをします。そして開店時間までに商品の生産、品出し等をして売場づくりをします。パートの方に業務の指示出しもします。開店後も常に売場が充実するようにしなければならないので、商品の生産、品出しをしながら、その合間に発注業務がありました。閉店後はレポート作成などをして23時に退社、というのが平均的な流れでした。
尾方さん 入社後1年弱でサブチーフとなり、他店舗に異動になってますね。このときに、業務の内容は大きく変わりましたか?
土井さん はい、パートの方のシフト作成や商品の発注、売場展開の企画などが新たな仕事として加わりました。
尾方さん 売場展開の企画とは、たとえばどんなこと?
土井さん お肉を使った季節の料理を紹介して、その食材となる商品の売場を広げるなどしました。たとえば夏場なら、「バンバンジー」を紹介して鶏の胸肉を充実させるのです。
尾方さん なるほど。職務内容にも今のような具体的な話を盛り込むと、わかりやすくなりますよ。「売場展開の企画」だけでは、他業種の人には何のことだかよくわかりません。ココがポイント!
職務内容は、「接客」「パート・アルバイトのマネジメント」など、簡潔にまとめすぎると読み手にうまく伝わらない。具体的にどのような接客をしたのか、どのようにマネジメントしたのかを書き込もう。
土井さん はい。
尾方さん この会社に2年半勤務して、退社したわけですね。辞めた理由は?
土井さん 同僚のお兄さんが社会保険労務士として活躍していることを聞いたのです。それで社会保険労務士の資格に興味をもち、資格の予備校に通うために辞めました。
尾方さん 辞めた理由は本当にそれだけ?
土井さん 実は……、本音を言うと労働時間が長くて仕事がキツかった、という面があります。自分の仕事にあまり誇りをもてなかったこともあります。
これまで何社か面接を受けてきたのですが、この質問は必ず聞かれました。「辞めた本当の理由はなんなの?」と。
尾方さん ほかの退職理由があることを、面接官は見抜いているからですよ。(笑)
土井さん そうなんですか……。履歴書に退職理由を書く場合、どこまで本当のことを書いたらいいのですか?
尾方さん 履歴書には本音を書かないほうがいいですね。人事はココを見る!
後ろ向きな退職理由(会社や仕事の不満など)を履歴書に書かないこと。履歴書上では「一身上の都合で退職」とまとめる場合も、退職理由は面接で必ず聞かれる。前向きな理由を考えておこう。
土井さんは次の職種に人事を希望していますが、人事部は、採用シーズンなどになると連日終電、週末もナシという会社が多いですよ。「労働時間が長くてキツかった」と書けば、「じゃあ、うちの仕事も無理なのでは?」と思われてしまいます。

履歴書には、「前職でパートの方などの管理をしてみて、業務の効率をあげることに興味をもった。前職では人事にいける可能性が少なかったので、資格取得のために退社した」といった流れにまとめるといいでしょう。
土井さん わかりました。
尾方が斬る!
  • “希望職種の人事”の視点で、業務の棚卸をするべし!
  • ビジネスの現場では、所詮、資格は資格!
職務内容は、希望職種に近い部分を中心に書く!
尾方さん では履歴書の修正に入りましょう。土井さんの場合、いちばんのネックは実務経験がない点です。社会保険労務士の資格を取った努力は認めますが、残念ながら転職市場で求められるのは資格はもとより実務経験なのです。

では土井さんのように実務経験がない人は、どのように自分をアピールするべきかといえば、前職で希望職種に近いことをいかにやってきたかを示すしかない。ココがポイント!
職務内容は、これまでやってきた業務をストレートに書くのではなく、希望職種に近い仕事を中心にまとめる。「これまでこのような(希望職種に近い)仕事をしてきた。だから転職して希望職種に就きたいのだ」という流れになるように。

土井さんが希望する人事の仕事は大きく分けて「給与計算」「勤怠などの労務管理」「採用・研修」の3つがあります。土井さんの前職での業務には、労務管理に近いものが含まれますから、このあたりを掘り下げていきましょう。

パートの方たちは年上の女性が多かったと思いますが、彼女たちに効率よく働いてもらうために何か工夫したことはありませんか?
土井さん パートの方たちに、緊急連絡先として自分の携帯電話の番号を教えていました。悩みがあったら相談してほしいと思って。「同僚のあの人が嫌い」とか「仕事内容がキツイ」などの悩み相談が結構かかってきました。
尾方さん 「あの人が嫌い」といった相談には、どのように対処しました?
土井さん 仲の悪い人同士を同じラインに置かないようにし、別のラインで同じ作業をしてもらうようにしました。同じラインだと嫌いな人に意地悪して作業が滞る可能性がありますが、別のラインで同じ作業なら競争心を煽れるかなと。
尾方さん なるほど。仲の悪さを逆に利用して業務の効率をあげたわけですね。ほかにスタッフの管理で工夫したことはありませんか?
土井さん 週末になると、試食販売の方が派遣されてくるんです。以前は、その方たちが来る度に売場などについての説明を口頭でしていましたが、それでは効率が悪いと思い、業務指示書を作成したんです。それをまずは読んでもらい、わからないところがあったら質問してもらうようにしました。
尾方さん そのような、職場に新たなルールを設けたり、人を適切に配置して業務の効率化をはかることは人事の重要な仕事ですよ。

土井さんのいまの履歴書では「これまで接客をやってたが、社会保険労務士の資格を取ったので人事をやりたい」という流れになってしまっています。これでは採用側は納得しません。職務内容は「前職で人の配置や管理に興味をもち、具体的にこうやって業務の効率をあげてきた」ということがアピールできる内容にするとよいでしょう。
土井さん はい、わかりました。
自信のあるところが自己PRになるとは限らない!
尾方さん では次に自己PR欄の修正に入りましょう。土井さんは、自分のどこがいちばんの「売り」になると思いますか?
土井さん 2年半、必死に勉強して、社会保険労務士の資格を取得したことです。実は、高校も大学も推薦入学だったので集中して勉強した経験がなかったのです。
また、資格の予備校時代に幅広い年齢層の友だちが多くできて、いまでも情報交換をするなどして良い関係が続いています。なので、勉強に対する意欲や協調性が「売り」になるかなと。
尾方さん うーん、それはちょっとズレている気がしますね。自信のあるところが履歴書上の自己PRになるかというと、必ずしもそうではないんです。
転職の際の自己PRは、「希望職種のビジネス上で、もっとも生かせる部分はどこか?」という観点で考えましょう。
土井さん ビジネス上で生かせる部分なんて、いまの僕にあるんでしょうか?
尾方さん こうしてお話していても、土井さんは良い姿勢でメモをとりながら、こちらの話を真剣に聞いてくれています。ここまで話してくれた内容からも、土井さんは物事に一生懸命取り組み、かつ素直な人だなという印象を受けますよ。
きっとほかの社員やパートの方からも職場で慕われていたと思います。つまり、職場に「敵」をつくらない人柄ですよね。

実は、人事部で働くにはこの「人柄の良さ」は重要なポイントなのです。人事は会社のバックヤード。人事は社員が気楽に何でも話せるような雰囲気をもち、かつ話をきちんと聞いてあげられる人柄が大事なのです。でも、ただの「良い人」ではよくなくて、ダメなところはダメとビシッと言わなくてはいけない。

土井さんが前職でパートの方たちの相談を受けつつも、それを逆に利用して業務の効率化をはかったように、「温かさ」と「クールさ」の両方をうまく使える人が人事向きなのです。ですから、土井さんは「人事職への自己PR」になる部分を十分もっていると思いますよ。
土井さん そうですか。そういう視点で考えたことがありませんでした。
尾方さん といっても、履歴書に「素直で誠実です」とストレートに書いても説得力はありません。素直さと誠実さが読み手に伝わるような具体例を書きましょう。
「資格を取ったからできる」という態度は厳禁!
土井さん 実は、自己PRがうまく書けなかった理由の一つに、実務経験がないうえにブランクが長くて引け目を感じていることがありました。
尾方さん 前職を退職してから2年半の間に、アルバイトはしなかったのですか?
土井さん 資格の予備校に通っている2年間は勉強のみで、最後の半年だけ都の「禁煙キャンペーン」のアルバイトをしていました。
尾方さん たしかに、勉強をしていたとはいえ、2年間働いていないというのは採用側としては気になる点ですね。
土井さん それはどういう意味で気になるんですか?
尾方さん 純粋に「どうして働かなかったのか?」「生活費はどうしていたのか?」という疑問があるし、きっとビジネス感覚が鈍っているだろうなという危惧があるんです。面接でも聞かれる部分だと思うので、半年間のアルバイトも職務内容に書いておいたほうがいいでしょう。
土井さん わかりました。
尾方さん 引け目を感じているという点については、ここはもうある意味、開き直りましょう。実務経験がない点や長いブランクができてしまったことは、過去の事実として変えようがありません。たしかにマイナスではあるけれど、仕方がない。ではどうするべきかといえば、これまで自分がやってきたことに自信を持ってアピールするしかないと思いますよ。

ただし、謙虚さを忘れないように。「実務経験はないけれど、資格を取ったからできる」という態度は、採用側にもっとも嫌悪感を与えます。ココが落とし穴!
たとえ取得が困難な資格でも、所詮、資格は資格。実務経験には到底及ばない。この点を肝に銘じよう。「資格を取ったからできます」というニュアンスの自己PRにならないように注意しよう。
ビジネスの現場は、資格を取ったから即通用するほど甘いものではありません。
採用担当者は実務のプロで、その厳しさを誰よりも知っています。一生懸命がんばって資格を取った人にありがちな、「資格を持っていますから」という横柄な態度にならないように気をつけてください。
土井さん はい、気をつけます。どうもありがとうございました。
尾方のズバリ!ポイント
お話を伺っていて、土井さんは誠実で物事に一生懸命取り組む人、という印象を受けました。パートの方たちの悩みをしっかり聞き、かつその後の対処は情に流されずクールに判断するあたりは、土井さんは人事向きの人です。ただし、実務経験がないのが大きなネックです。土井さんの場合、人事部での経験はないものの前職でそれに近い仕事をいかにやってきたかをどこまで伝えられるか、が履歴書作成のポイントになるでしょう。また人事向きの人柄であることが読み手に伝わるように履歴書にエピソードを明記することも重要です。
尾方が作る応募者のWEB履歴書を見る
相談者の感想
尾方先生の面談を受けてみて、業務の棚卸しがまったくできていなかったことに気付きました。希望職種である人事の視点で業務の洗い出しをするという作業をこれまでしていなかったので、とても為になりました。また、自分ではたいしたことないと思っていた部分が、意外とアピールポイントになることがわかったのもよかったです。
相談者の感想
尾方 僚(おがた りょう) 尾方 僚(おがた りょう)
リクルーティングコンサルタント  日本女子大学非常勤講師
大手就職情報会社に9年間勤務後、コンサルタントとして独立。大学、企業人事向け講演や、企業の採用コンサルテーション・研修に従事する。各メディアへの採用、人事系コメント多数。日本女子大学ではキャリア副専攻科目「社会にでるための自己表現」を担当。最新刊は「100人の前でもキチッと話せる本」(インデックスコミュニュケーションズ)。その他編著書として「就活(勝)道2007」(新星出版)、「こんな人こそ外資へいけ」(廣済堂出版)、「AERAMOOK 就職のことがわかる本」(朝日新聞社)など多数。
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