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アナタの魅力をドンドン引き出す、キャリアコンサルタント緒方僚のズバリ! WEB履歴書作成法
第15回 30代・女性。転職回数は6回。しかも業種・職種に一貫性がない!
今回の相談者:
氏名 五十嵐 直子(仮名)
年齢 38歳
転職回数 6回
現職 離職中
志望業種・職種 貿易業務・国際業務 その他一般事務
転職の理由 新卒で計測・制御・計量の技術メーカーの大手企業に就職し、幅広い業務経験を積む。その後、スキルアップを目指し、旅行・アパレル・医療業界など、様々な業界で新たな経験を積むも、「長く働ける会社」に巡り合うことができず、現在7度目の転職活動中。
相談者が作成したWEB履歴書
お悩みポイント
  • 書類選考が通らなくなってきた! どこが問題なのかを知りたい
  • 長く勤められる会社に入りたいが、なかなか巡り合えない
尾方さん まずは、五十嵐さんがこの企画に応募された理由を教えてくれますか?
五十嵐さん はい。本命の企業に出合うために2年も転職活動をしているのですが、以前に比べて書類選考で履歴書が通らなくなってしまったのです。転職回数の多さと年齢が一因だとは思うのですが、そのほかに問題があれば知りたいと思いました。
尾方さん そうですか。確かに転職回数6回というのは多いですね。簡単にこれまでの職歴を説明してください。
五十嵐さん 1社目は輸送用機器の大手企業で、9年間勤めました。ここではプラント設計、営業・貿易事務、法人のルート営業を各3年ずつ経験しました。2社目は専門学校で教材作成、3社目はブライダル会社で経理・総務業務を担当しました。4社目、5社目では、医療関係の会社の事務でした。このとき通関士の資格をとったので、それを生かして通関業務に就きたいと思い、6社目は倉庫業・物流業の会社に入りました。しかし実際には搬入・搬出の作業がメインだったので退職したのです。7社目は旅行会社で、お客様にクーポンを郵送するなどの雑務を担当していました。
尾方さん ずいぶん幅広い業界で、職種もいろいろ経験されていますね。しかし、転職活動ではそこがネックになります。転職回数の多さや年齢の理由で履歴書が通らなくなっているのも確かですが、業務や職種に一貫性がないのもその一因になっていると思いますよ。職歴のどこかに一貫性がないと、人事は履歴書を見たときに「この応募者は何ができるのか」「何が得意なのか」をつかめないのです。ココがポイント!
業種・職種がバラバラでも、「一貫してマネジメントをやってきた」というような統一感が出ればいいのだ。あるいは、現在に至るキャリアの道筋にストーリー性があれば、採用担当者は「この応募者はこういう過程を経てきたから、うちを希望しているのだな」と納得できる。

次の希望は何かありますか?
五十嵐さん できれば営業事務か貿易事務をやりたいと思っています。また、最後の転職にしたいと思っており、環境の整った会社を希望しておりますが、長く勤められる働きやすそうな会社に、なかなか出会えません。
尾方さん 五十嵐さんにとって、働きやすい会社というのはどんな会社ですか?
五十嵐さん 言われたことだけをやる“伝書鳩的な仕事”は避けたいのです。将来的には決裁権をもって仕事ができる環境が望ましいと思っています。また、土日が休みで残業が法定範囲内の普通の会社がいいと思っています。本音を言えば、大手企業に戻れたらいちばん嬉しいのですが……。
尾方さん 分かりました。
尾方が斬る!
  • 「何が得意か?」が、ひと目で読み手に伝わるような書き方にすべし!
  • 場当たり的ではなく、戦略的な転職をしよう!
セールスポイントがひと目で伝わるように要約を入れよう
尾方さん 五十嵐さんの履歴書のいちばんの問題点は、“パッと見”で何が五十嵐さんの得意なことなのかがさっぱり分からないことです。おそらく、多くの採用担当者の第一印象も同じでしょう。ココが落とし穴!
履歴書は「第一印象」が非常に重要。履歴書は細部にまでこだわって書くことも大切だが、それ以上に、採用担当者がパッと見た時に「どういう印象を受けるか」を考えることも重要だ。

業種、職種などに一貫性があれば、「この応募者は、この業界についてはかなり詳しいんだな」「この応募者は経理のプロなのだな」などと分かる。しかし残念ながら、五十嵐さんの職歴にはそれがない。加えて、転職回数が多く、職務経歴の記述もかなり多くなっています。採用の現場では履歴書を隅から隅までじっくり読んでもらえる可能性は低いのです。
五十嵐さん 確かに面接に行くと、採用担当者は企業ブランドが目に付くようで、私を面接するよりも、話がそれることが多いという印象を受けました。
尾方さん そこまで極端ではないにしても、斜め読みに近いことはあるはずです。このとき、たとえ斜め読みをされても、相手に最低限「自分の得意なこと」が分かるような書き方をしたほうがよいのです。
五十嵐さん どんなふうに書けばいいんですか?
尾方さん 各職務内容欄の冒頭に要約を付ける方法があります。この職場で「何をしてきたのか、何を身に着けたのか」をひと言でまとめるのです。といっても、ありのままを書いたのでは、履歴書に一貫性が出ません。そこで、履歴書を書くまえに「私は今後このプロとして仕事をしていく」という軸を決めて、それに沿った内容を書くのです。ココがポイント!
転職回数が多い、または勤務年数が長く、職務内容にボリュームがでる場合は、各職務内容欄の冒頭に【要約】などのタイトルを入れ、アピールポイントを強調するという方法がある。【要約】部分だけを拾い読みした時に、「何がいちばん得意なのか」が伝わるような書き方をしよう。
五十嵐さん 軸ですか……。
尾方さん そうです。転職市場では、年齢があがればあがるほど「何かのプロであること」が求められます。20代なら実務経験や将来性だけで転職できる可能性もありますが、30代は「私はこの仕事に関してはプロです。誰にも負けません」という売りが必要になってくるのです。五十嵐さんは、次は営業・貿易事務を希望されていますよね。だとすると、「私は営業・貿易事務のプロだ」ということが軸になるでしょう。要約はここに沿って書いていきます。

採用担当者が、要約部分だけを拾い読みした時に、「この応募者はこういうことができるんだ」と分かるような書き方をしてください。また、「営業・貿易事務のプロ」となった経緯、流れ、成長度合が見えるような書き方ができればベストです。これで転職回数の多さや業種・職種の一貫性のなさをカバーできます。
五十嵐さん なるほど。
尾方さん また、要約部分は応募先の企業によって、強調部分を変えるといいでしょう。応募先が商社なら、「通関士の資格をとり、通関業務を経験したこと」を強調するのです。今の履歴書は「あれもこれも書いて、できるだけ応募職種と重なる職歴を増やそう」という書き方になっていますが、逆にそれが「何ができるのか分からない」という印象を与えてしまっています。ですから、「この応募先にはここで勝負する」というポイントを決め、そこを強調する書き方にしたほうがよいでしょう。採用担当者が、「なるほど、だからこの人はうちの会社を希望しているのだ」と分かるようにするのです。人事はココを見る!
会社を辞める前に、「この会社でできることはすべてやったか」を考えよう。そして履歴書には、達成したことや努力したことをきちんとアピールすることが大切。それがないと、人事は「この応募者は、すぐに辞めてしまうのでは?」と思ってしまうからだ。
五十嵐さん はい、分かりました。
先を見据えて企業を選ぼう!
尾方さん ところで、五十嵐さんはどうしてここまで転職回数が増えてしまったのでしょう?
五十嵐さん それぞれ辞めた理由がありまして、1社目を辞めたのは単純に「旅行業界で働いてみたかったから」でした。2社目は、転勤が決まり、土日が休めない勤務形態になることにストレスを感じるようになったからです。3社目は、残業が異常に多かったのと書類の作成がすべて手書きだっため、パソコンスキルを伸ばせないのが不安になったためです。4社目は派遣社員だったため、契約満了で退社しました。5社目は実質的なリストラ。6社目、7社目は、長く勤めるのには難しい職場環境だったため、退職のほか余地がありませんでした。
尾方さん なるほど。もう少し「先を見据えた転職」をしたほうが良かったですね。
五十嵐さん 私はとにかく長く勤められる会社に入りたいと思っているんです。しかし実際に入社してみると「3年いる社員は長いほう」と聞かされるようなパターンが多いんです。長く勤められないのなら次を探そうと思うようになり、会社を辞めることに抵抗がなくなってしまいました。
尾方さん 30代後半の女性がひとつの会社に長く勤めるには、2つの方法があると思いますよ。ひとつは、社員が20人から30人規模の会社で、月次などの簡単な経理と総務全般を担当するという方法。小規模のベンチャー企業では、これらの業務を社長がやっていて任せられる人を探しているという場合があります。

もうひとつは、給与や雇用形態にこだわらずに、実務経験を徹底的に積むという方法があります。五十嵐さんの場合、「営業・貿易事務のプロ」というには、正直なところ経験が足りません。そこで、まずは誇張なく「私は営業・実務のプロだ」と言えるくらいの実務経験を徹底して積む。そうすれば、その会社で長く必要とされるようになるし、その次の転職では本命を狙えるかもしれません。 つまり、次の転職ではもう少し戦略的になったほうがいい。いきなり「長く勤められる会社」を探すのではなく、その次の会社で長く勤められるようにするために次の会社では「何をするべきか」、を考えるのです。実務経験を徹底して積むためなら、いっときは、土日出勤や残業、待遇や給与にこだわらないことも必要でしょう。一見遠回りに見えますが、長く勤められる会社に出合うためには近道です。
五十嵐さん それは、考えていませんでした……
尾方さん 五十嵐さんは5社目でリストラされたとおっしゃっていましたけれど、特に小規模の会社では、「女性社員がリストラされにくくなるコツ」というのがあるんですよ。
五十嵐さん え? ぜひ教えてください!
尾方さん それは、会社のなかの「見えない権限」を握ることなんです。たとえば、「文房具の注文は自分以外はできない」ようにしてしまう。社内で効率的な文房具注文のシステムを作り、そのシステムは自分がいなければ稼働しない、というような状態にしてしまうんです。こういう「見えない権限」をたくさんもっていると、会社にとって「辞められては困る人」となる。社内での存在価値が高まるんです。履歴書の書き方からは話がずれてしまいましたが、景気が後退している今、特に30代後半以降の女性には必要な処世術ですよ(笑)。
五十嵐さん 本当にそうですね。今日はどうもありがとうございました。
尾方のズバリ!ポイント
五十嵐さんは転職回数が多いのですが、お話を聞くと、どこの会社でもしっかり仕事をこなし、活躍されていたのが伝わってきました。しかしこれといった「メインの売り」がない。何でもこなせる能力をもっているけれど、「誰にも負けない何か」はない。つまり「器用貧乏」になってしまっている感じを受けました。「メインの売り」がうまく伝えられていなかったのも、履歴書が通らなくなった一因でしょう。30代後半からの転職では「器用貧乏」はメインのアピールポイントにはなりません。「今後、自分は何のプロでやっていくのか」をしっかり考え、履歴書もそこを軸に書き直す必要があります。また、今後「誰にも負けない何か」を身に着けられれば、1社で長く勤められるようになるし、転職のチャンスも広がると思います。
尾方が作る応募者のWEB履歴書を見る
相談者の感想
以前に比べて書類選考が通りにくくなり、自信をなくしていました。自分なりに「ここをアピールすべき」と思っていたところがあったのですが、そことは別のアピールポイントを見つけていただいたのでよかったです。また、これまで言葉で表現できていなかったアピールポイントがあることも分かってよかったです。どうもありがとうございました。
相談者の感想
尾方 僚(おがた りょう) 尾方 僚(おがた りょう)
リクルーティングコンサルタント  日本女子大学非常勤講師
大手就職情報会社に9年間勤務後、コンサルタントとして独立。大学、企業人事向け講演や、企業の採用コンサルテーション・研修に従事する。各メディアへの採用、人事系コメント多数。日本女子大学ではキャリア副専攻科目「社会にでるための自己表現」を担当。最新刊は「100人の前でもキチッと話せる本」(インデックスコミュニュケーションズ)。その他編著書として「就活(勝)道2007」(新星出版)、「こんな人こそ外資へいけ」(廣済堂出版)、「AERAMOOK 就職のことがわかる本」(朝日新聞社)など多数。
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