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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.33シンガー・ソングライター 植村花菜
歌うことで乗り越えてきた

Heroes File Vol.33
掲載日:2010/8/20

植村花菜さんの写真1

祖母との思い出を綴った「トイレの神様」が大ヒット中の植村花菜さん。今まさに契約打ち切りになろうとしていた状況を打ち破る、起死回生のヒットが生まれるまでの道のりを聞いた。

Profile

うえむら・かな 1983年兵庫県生まれ。2005年5月にシングル「大切な人」でデビュー。10年3月にリリースしたミニアルバム「わたしのかけらたち」の中の「トイレの神様」で注目される。9月にセルフカバーを中心にしたアルバム「花菜~My Favorite Things~」をリリース予定。

歌手になると決めた日から1日も欠かさず歌ってきた

トイレ掃除を懸命にするとべっぴんさんになれると教えてくれた、亡き祖母との暮らしと別れをリアルにつづった「トイレの神様」がヒット中の植村花菜さん。のびやかだが切ない歌声が聴く人それぞれの思い出を掘り起こしている。

小学3年生の頃から植村さんは実家の隣に住む祖母と2人で暮らしていた。それは祖父の死で落ち込んだ祖母を元気づけたいとの思いから。植村さんの母親は離婚後、一人で子供4人を育てていたが、祖父の死をきっかけにそれまで仲良しだった家族がぎくしゃくし、以後植村さんは家族のオアシスになろうとしてきた。

歌手になろうと決めたのは8歳の時。映画『サウンド・オブ・ミュージック』で、家族が楽しく歌う姿に魅了され音楽の力を感じたからだという。
「子供の頃から、どんなにしんどい時でも歌っていれば元気になり乗り越えられるという気持ちになりました。歌手になると決めて以来、歌の練習を1日も欠かしたことはありません。自分の歌を録音して聴いてはダメな部分をチェックしていました」

高校卒業後は音楽の専門学校に進学。慣れないギターで初めて曲を作った時には、すぐに路上に歌いに行った。
「曲が出来た瞬間、とにかく誰かに聴いてほしくて。気がついたら駅前の路上で出来立てのこの1曲だけを2、3時間歌っていました(笑)」
以来、頭の中は曲作りのことばかり。アルバイト先の居酒屋ではエプロンのポケットにコースターをしこみ、歌詞がうかべばメモ。1日に何十枚もたまるコースターを帰宅後にまとめ、ギターで弾いた。

デビュー5年目に訪れた契約打ち切りの危機

植村花菜さんの写真2

路上で歌っていたある日、路上ミュージシャンの全国大会への出場を勧められる。腕試しに受けると、1200組の中からグランプリを獲得。22歳でデビューが決まった。
「分かりやすくて、人の心にすっと入り、聴いてくれた人が元気になれる曲を歌いたい」との思いで4年間がむしゃらにがんばり、シングルを9枚、アルバムを4枚リリース。しかし思った結果が全く出ない。
「その間、自分では常にリリースする曲は最高にいい曲だと思っていましたが、なかなか植村花菜という存在を世に知ってもらえなくて。また、販売戦略なども1人で考えてCD作りをしていたので限界も感じていました」

徐々にリリースのペースが落ち、仕事も減少。2009年の夏、来年にはついに契約が打ち切られるだろうと確信する。しかし彼女にはまだ5枚目のアルバム作りのチャンスが残されていた。

自分を深く掘り下げて「トイレの神様」が誕生

植村花菜さんのメジャー最後になるかもしれないアルバムのテーマは「私のルーツ」。
「これでメジャー契約解除になっても、音楽は続けようと決めていました。ライブハウスでアルバイトをしながら活動するとか、一(いち)からやり直す覚悟はあった。でもやっぱりメジャーで活動したかったから、しがみつけるだけしがみつこうと。何より自分にはまだやりきっていない感があった。もっとレベルの高い曲を書きたいし書けるはず。なのに出来ない。そんなつらさの中、最後にどれだけこの1枚で納得できるものが出来るか賭けようと思った。もともと超がつくほど前向きな性格なんです」

プロデューサーから、素顔の植村さんの魅力をもっと伝えてはというアドバイスを受け、さらに自分を掘り下げる。そこでクローズアップされたのがトイレの神様のことを教えてくれた祖母との暮らしだ。
「自分ではそんな個人的な思い出が曲になるとは思わなかったけれど、それはまぎれもなく私のルーツ。作文から書き始め、悲しいことを思い出しながら作りました」

契約打ち切りを跳ね返す起死回生のヒット

植村花菜さんの写真3

渾身(こんしん)のデモテープができた時、まさに契約打ち切りを伝えるためにレコード会社のスタッフがやってきたという。
「その前に何も言わずにこの曲を聞いてくれ」とその曲にほれこんだ所属事務所の社長が曲をかけると、レコード会社の社員の心も動く。約10分というほとんど異例の長さの曲は宣伝がしにくいと言われたが、植村さんはこの曲の良さが失われるからと一切削らなかった。そして初めて大阪のFM局で「トイレの神様」が流れた途端、大反響で「泣けた」「祖母を思い出した」と番組のBBS(電子掲示板)には開局以来最多の書き込みがあふれたという。

「本当にがけっぷちだったので涙が出るほどうれしかった。自分には運がないのかも、とめげたこともあったけれど、この5年間悩んでやってきたことが何一つ欠けてもこの曲は生まれなかったと思います」
その曲が収録されたアルバムは一気にヒット。
「シンガー・ソングライターは、ほんの数分で人の心を動かせるすばらしい仕事。だから作り手は骨身を削って曲を書き、自分をさらけ出さないといけない。この曲で自分にしか出来ない音楽が分かり、書きたいのは人や絆(きずな)、家族だと分かった。人は大きな幸せや遠くばかりを見ていると目の前の幸せが分からなくなります。私は日常のささいな幸せを感じられる曲を歌い、大きなことは言えなくても、悩んでいる人が前に進むためにそっと背中を押せたらうれしい」

ヒーローへの3つの質問

植村花菜さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

2つあります。1つは福祉の仕事。もう1つは接客業。学生時代にハンバーガーショップや居酒屋でアルバイトをしていましたが、接客がすごく好きなのでお客様に喜んでもらう工夫をいろいろしていたんです。私は、自分のすることで人が笑顔になってくれることにとっても幸せを感じるんです。今の仕事もそうですね。

人生に影響を与えた本は何ですか?

「アンネの日記」です。実はあんまり本は読まなかったのですが、この本は文章を書くことへの影響を受けましたね。私は小学5年生の時から今までずっと日記を書き続けているんです。「アンネの日記」で、アンネが日記に「キティ様」と呼びかけて書き始めていたように、ある時期は私も「誰々さんへ」という書き出しで日記を書いていました。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

勝負禁酒です。お酒が好きなので普段はよく飲むのですが、ライブやコンサートなど歌う前の日は絶対お酒を飲みません。

Infomation

9月15日に最新アルバム「花菜~My Favorite Things~」をリリース

植村花菜さんが今までにリリースした多くの曲から、本人のお気に入りの曲をセレクト。新しい命を吹き込んで歌うセルフカバー10曲に書き下ろしの新曲を含めた11曲を収録。植村さんと交流の深いアーティストたちも多数ゲスト参加する。「植村花菜は、『トイレの神様』だけじゃなくて、こんなにいろんな曲があるんだということを、ぜひ感じていただければと思います」(植村さん)

定価/¥2,800(税込)
発売元/キングレコード

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