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朝日新聞×マイナビ転職 Heroes File

vol.39 俳優 伊藤英明 より多くの人に届けたい


今秋公開した、シリーズ映画の完結編『THE LAST MASSEGE 海猿』が大ヒット。
さらに、これまでにも数々の話題作に出演している俳優、伊藤英明さん。
安定した演技力で、着実にキャリアを築いている実力派だ。
デビューのきっかけから、自身を役者として人間として成長させてくれた作品への思いなどをうかがった。

再び巡ってきた俳優へのチャンス

端正な顔立ちに澄んだ目。柔らかな口調でありながらも、どこか凜(りん)としたたたずまいを感じさせる俳優・伊藤英明さん、35歳。
「この年齢になって、おれってこうだったかなあと思うことはあります。若い頃はいい意味でバカだったし、怖いものなしで何にでも向かっていくところもあった。でも今は、ワンクッション置き、本当にこれでいいのかなと考えてから行動することも多くなって。それと、昔は恥ずかしくて言えなかったことが今は平気で言えるから不思議。好きだよとか、大事だよとか(笑)」

芸能界入りは18歳。美男子コンテストでの準グランプリ受賞がきっかけだった。だが、最初に入った事務所とは折り合いがつかず、いったん辞めて芸能界から離れている。
「子どもの頃、病弱で入退院を繰り返していたので親に面倒のかけ通しでした。だから大人になってからも親に負担をかけるのが嫌で。その事務所にいると自立が難しかったので辞めました。その後はずっとアルバイト生活。とび職や解体工事など肉体労働が多かったですね」

それが、約2年が過ぎたある日のこと、焼き肉屋の前で並んでいたら今の事務所のスタッフに声をかけられ、再び役者の道を歩むことになる。
「バイトはどれも楽しかったのでそんな先のことまでは深く考えていなかったけれど、心の奥にいつか役者として表舞台に立ちたいという思いはありました。チャンスをくれた今の事務所に感謝しています」

職人気質のプロたちが自分を成長させる

とはいえ、この世界ですぐにうまくいくとは思っていなかった。過剰な期待感も全くなかったと振り返る。
「何でもそうだけれど、一生懸命やったからといって報われるとは限らない。何より、明日どうなっているのか分からないのがこの世界だから」

そんな伊藤さんが「一生、役者として頑張っていこう」と思えるようになったのは、様々な作品を通して出会った人たちのお陰だという。
「現場では、職人気質の志の高いプロたちが死に物狂いで作品づくりに取り組んでいる。しかも周りを気遣いながら。その中で仕事ができるなんて本当に幸せだな、と。同時に、僕の出演作を心待ちにしてくれるファンの方々がいる。そのありがたさに気づいてから、僕自身の仕事に対する姿勢も変わりました。責任感が芽生えたというのかな」

今は「一人でも多くの人に観(み)てもらい、楽しんでもらいたい」。その一心で、また次の作品に取り組んでいる。


PROFILE

いとう・ひであき 1975年岐阜県生まれ。映画、ドラマを中心にコメディーからシリアス、アクションまで多彩な役柄をこなす。今年9月には7年間取り組んできた映画シリーズの第3作『THE LAST MESSAGE 海猿』が大ヒットを記録。11月30日から白井晃演出、中島かずき作の舞台「ジャンヌ・ダルク」(赤坂ACTシアター)に出演。仏国王シャルル7世を演じる。


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