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朝日新聞×マイナビ転職 Heroes File

vol.52 女優 小西真奈美 悩む前に体を動かす


話題の舞台や映画に出演を重ねる小西真奈美さん。
その魅力のベースには、たおやかな外見に似合わない根性と体力があった。
いきなりつかこうへいさんの舞台に投げ込まれた芝居の原点から、
女優として成長してきた道のりを、まっすぐ語ってくれた。

探検ごっこで体力を培った幼少時代

スレンダーな長身に愛らしい小顔。確かな演技力が評価されている小西真奈美さんの次回作は、国際的に活躍する青山真治監督の映画『東京公園』だ。作品では穏やかな情景に、それぞれ事情を持つ男女が描かれるが、彼女が演じるのは、年の離れた義理の弟への思慕を抱えて生きる独身の姉役。抑えていた気持ちがあふれ、切なくてハラハラする二人のシーンは必見だ。

「私の役はぱっと見はあっけらかんとしていますが、内面に複雑な思いを抱えています。問題のシーンでは、そんな彼女の情熱がぽろっとこぼれるけれど、その出し方が分からないもどかしさを表現したかった。あのシーンはカットがなかなかかからず、弟役の三浦春馬君と役の感情をいつまでキープすればいいのかという緊張感がすごくて。その熱がよかったのか、後で自分で見てもハラハラしました」

印象的な女優になった彼女はデビュー以来、日本の名だたる監督たちに次々と出演を乞われてきた。その魅力の秘密は外見にそぐわぬパワフルな体力と気力。それが培われたのは鹿児島での子ども時代だ。
「活発で、遊びといえばおままごとより探検ごっこや海水浴。夢は特になく、高校生まで自分の世界は友だちのことがほぼ全て。でも卒業を前に友人とはいずれ別の道を歩まなければならないと意識し、初めて自分と向き合って自分に何ができるのかを模索しました。やりたいことは分からなかったけれど好奇心が旺盛だったので、モデルの話をいただいた時は『悩む前にやっちゃえ!』とお受けしたんです」

ひたむきに挑戦した先にあった舞台デビュー

上京し、雑誌などのモデルを始めて数カ月の頃、観劇をきっかけに、過酷で有名な演出家つかこうへいさんのワークショップへ参加することに。
「演技のお稽古かと思っていたのに、その98%は走る、踊る、立ち回る、という体力勝負な日々。それが1日10時間も続くので、あまりの厳しさに参加者はどんどん脱落し、振り落とされていく。私は体力だけは自信がありましたが、ダンスや立ち回りなどが明らかに一番だめで周囲の目も冷たくて。どうしたらできるのか、休み時間も他の人の振り付けなどを見て繰り返していたので、落ち込む暇はありませんでした」

そのひたむきさと体力が評価されたのか、数百人の参加者が数人になる最終日まで乗りきった小西さん。実はこれはつかさんの舞台オーディションで、何も知らなかった彼女は仰天しつつも新人女優役で舞台デビューが決まる。しかし稽古本番の激しさはワークショップの比ではなかった。


PROFILE

こにし・まなみ 1978年鹿児島県生まれ。1998年つかこうへい演出の舞台「寝盗られ宗介'98」で女優デビュー。2002年には初出演の映画『阿弥陀堂だより』でブルーリボン賞新人賞、日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。2009年には初主演映画『のんちゃんのり弁』で毎日映画コンクール女優主演賞を受賞。6月18日(土)公開予定の映画『東京公園』に出演する。


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