転職ノウハウ

応募企業の探し方や履歴書の書き方、面接のポイントから円満退職の秘けつまで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!

Heroes Fileロゴ

第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.86アニメーション映画監督/脚本家 神山健治
今の時代の正義を問う

Heroes File Vol.86
掲載日:2012/10/26

神山健治さんの写真1

近未来を舞台としたSF作品を中心にアニメーション史に残るヒット作を相次いで紡いできた神山健治さん。一貫しているのは「その時代時代のヒーローを描いてきた」ということ。そんな神山さん自身のこと、最新作のこと、そしてアニメの可能性や役割などについて伺った。

Profile

かみやま・けんじ 1966年埼玉県生まれ。映画『AKIRA』『魔女の宅急便』などの背景美術に参加、『人狼 JIN-ROH』で演出を務める。2002年『ミニパト』で映画監督デビュー。代表作品にテレビ「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズ、「精霊の守り人」「東のエデン」など。自ら脚本も手掛けた監督最新作『009 RE:CYBORG』が12年10月27日(土)から全国にて2D/3D公開予定。

現代に合ったヒーローを描く

アニメーション映画監督、神山健治さんの最新作『009 RE:CYBORG』が公開される。自ら脚本も手掛け、SF作品の金字塔とも言うべき故・石ノ森章太郎さんの漫画『サイボーグ009』を、2013年の現代を舞台に新たな物語としてよみがえらせた。また、全編を3DCGで制作するという自分にとって新たな試みにも挑戦し、実写映画のような立体的な映像を実現している。

「石ノ森先生は『神』とは、『人間』とは、そして『正義』とは、といった深遠なテーマを40年以上前の少年漫画で描いていた。骨太な作品の存在を改めて知ってもらう上でも、今回のリメークは非常に意義深いと思いました」

神山さん自身も、テレビアニメ「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズや、「精霊の守り人」「東のエデン」などといった数々の作品でその時代ならではのヒーローを描いてきた。

「今は世の中が複雑になり、100人いれば100通りの正義があってもおかしくない時代。ヒーローも成り立ちにくいし、悪の定義も一律ではない。それでも、人としてやるべきことをやった人間こそがヒーローなんだという部分は貫いてきました。だからこそ今回の『009』でも、今の時代になすべき正義とは何かということをテーマにしました」

理想論と言われてもいい。「むしろ、アニメだからこそ理想を語りたかった」と言う。

持ち込んだ企画書は全て不採用

神山健治さんの写真2

神山さんがアニメの制作を志したのは14歳の時だ。

「映画『スター・ウォーズ』を観て、あれを自分で作りたいと思いました。いろいろ調べてみたのですが、当時は日本であの実写を撮るのは無理だなと。その後テレビアニメの『機動戦士ガンダム』に出会い、アニメなら『スター・ウォーズ』も作れるに違いないと思ったんです」

それ以降は何の迷いもなくアニメ一筋。高校では美術部でアニメを作り、卒業後は上京しても自主制作を続けた。

「映画を完成させれば監督デビューができる、と思い込んでいました。でも映画は完成しないし、仲間も抜けていく。さすがにこのままではまずいと思い、背景美術のスタジオへ就職しました」

そこで技術を学んだ。また、人脈を広げたいと思った神山さんは絵を描く作業だけではなく、自ら率先して電話番も担当。そのかいあって人脈もでき、3年後にはフリーとなって美術の仕事を続けた。その傍ら、自作の企画書や脚本を制作会社へ持ち込むことを、約2年間続けたという。だが、そんな努力のかいもなく、企画が採用されることは一度もなかった。

必要とされることから再スタート

20代後半、ひたすらアニメーション映画の企画書を制作会社へ持ち込んでいた神山さん。だがある日「企画書だけ提案していても、実際には作品を作っていない。ただ逃げているだけかもしれない」と思い、売り込みを一切やめた。身銭を稼ぐため続けていた背景美術の仕事も、「このままでは中途半端だ」と思い、辞めた。

その翌日だった。「作業がストップしてしまい、困っている作品がある。1週間で絵コンテを描いてほしい」という依頼が舞い込んだ。オリジナルではないけれど、必要とされることをやってみよう。神山さんは引き受け、併せて演出も担当し、見事にその作品を完成させた。そしてその1カ月後、映画『人狼JIN-ROH』の演出が決まった。

「気持ちを切り替え、監督になるためだったら何でもやろうと決めたその次の日から、思いがけず監督人生が始まったという感じでした」

映画監督デビュー作の『ミニパト』、その後のテレビアニメ「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズなども人から頼まれたもので、本来、自分のやりたかったオリジナル作品ではない。

「でもやってよかった。どんな作品でも大なり小なり自分らしさは絶対出ますし、代打でも影武者でも、ちゃんと仕事をすれば誰かが見てくれ、評価してくれる。そしてそれが次につながっていく。こうやって人に役立つこと、求められていることを地道にやっていく方が結果的に夢に近づけるのだと気づいたんです」

スタッフをいかに納得させるか

神山健治さんの写真3

アニメ制作は完全なる共同作業だ。最新作『009 RE:CYBORG』も約100人のスタッフが関わっている。「脚本や絵コンテはあっても、どんどん状況は変化するので、どこへ着地するかは実は誰も分かっていない。そんな中、監督はその先頭に立ち、最適な決断をしなければならない。少しでもひよったことを言えば見透かされ、スタッフの気持ちが離れてしまう。とにかく制作中はいろんな意味で日々闘いです」

それでも辞めることを考えたことはないという。14歳の時、「アニメだったら自分の表現したいものがうまく伝えられる」と感じた部分は、不思議と今も変わらない。「アニメはもともと現実のものではないがゆえに真実が描きやすく、伝えやすい。そこが何よりの魅力だという思いも、昔と全く同じですね」

意外にサービス気質。「最終的にはスタッフにもお客さんにも喜んでもらえるような作品を作りたい」。そのための努力は惜しまない。神山さんは静かにそう決めている。

ヒーローへの3つの質問

神山健治さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

革職人。革というマテリアルはとても魅力的。経年変化はエンタメです(笑)。

人生に影響を与えた本は何ですか?

J・D・サリンジャー。ですが10代後半にサリンジャーを読んだがために、人生を遠回りしたような気がします。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

革を身にまといます。

Infomation

終わらせなければ始まらない。
映画『009 RE:CYBORG』が2012年10月27日(土)から全国公開

単行本発行部数1千万部を超える、SF・サイボーグ漫画の原点『サイボーグ009』。故・石ノ森章太郎の未完の傑作を、神山健治監督が現在を舞台にした完全オリジナルストーリーのアニメーション映画に生まれ変わらせた! キャラクターには一切の手描きを使わず、全編3Dで制作されている点にもぜひ注目だ。

公開:10月27日(土)から新宿バルト9ほか全国ロードショー
原作:石ノ森章太郎
脚本・監督:神山健治
公式サイト:http://009.ph9.jp/

朝日新聞とマイナビ転職が厳選した求人を掲載中!
朝日新聞xマイナビ転職ロゴ
  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
自分を向いて歩こう。マイナビ転職

豊富な転職・求人情報と転職ノウハウであなたの転職活動を支援する【マイナビ転職】。マイナビ転職は正社員の求人を中心に“日本最大級”常時 約8,000件以上の全国各地の豊富な求人情報をご紹介する転職・求人サイトです。毎週火・金更新であなたの希望の職種や勤務地、業種などの条件から検索することができます。職務経歴書や転職希望条件を匿名で登録するとあなたに興味を持った企業からスカウトされるサービスや、転職活動に役立つ職務経歴書サンプルや転職Q&A、会員登録をすると専門アドバイザーによる履歴書の添削、面接攻略など充実した転職支援サービスを利用できる転職サイトです。