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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.93俳優/クリエーター 井浦 新
役が情熱をたぎらせる

Heroes File Vol.93
掲載日:2013/2/22

井浦 新さんの写真1

俳優として精力的に映画、ドラマの活動を続けるかたわら、自ら立ち上げたブランドのデザイナーとしても活躍する。さらに昨年暮れから今年にかけては、初の写真展を東京と箱根で開催。なぜ、次々と新たな挑戦をし続けるのか。井浦新さんの奥に潜む「熱」を探りたい。

Profile

いうら・あらた 1974年東京都生まれ。99年に映画俳優デビュー。最新出演作『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』が3月2日(土)から全国公開。3月3日(日)まで、箱根彫刻の森美術館にて写真展「井浦新 空は暁、黄昏れ展」開催中。ファッションブランド「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」のデザイナーとしても活躍。

普通の人を演じる難しさと面白さ

役柄によってがらりと印象が変わる。昨年は三島由紀夫や崇徳院などを演じて話題を呼んだ井浦新さんが、最新映画『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』ではどこにでも居るような男性・中田を演じている。

「普通の人だって喜怒哀楽があり、人生があるので、何も演じないわけではありません。今回は御法川修監督の『デヴィッド・ボウイをイメージしてください』という言葉を軸に演じるよう心掛けました(笑)」

ボウイには、人に楽しんでもらえばもらうほど心では泣いている、道化師のような印象があったという。

「中田には男のずるさやダメさがある。でも、心ではいつも泣いていて自分を責めている。もちろん内なる部分は決して表には出さないのですが、そういうものをまとっている男としてそこに居たら、きっと中田という人間の奥行きも出るし、主人公すーちゃんの心を表すためのアシストにもなるのではないかと。あくまで感覚的なことです」

言葉を選びながら丁寧に話す。そんな、繊細な感性と誠実さが綿密な役作りにつながっているのだろう。だが「元々はものづくりに興味があり、まさか自分が俳優になるとは思いもよらなかった」そうだ。

是枝監督に誘われ、ものづくりの現場にハマる

井浦 新さんの写真2

19歳でモデルデビューしたものの、23歳で辞めて前からやりたかった洋服作りの仕事を仲間と始めた。その矢先、是枝裕和監督に誘われ、思いがけず主演することになったのが映画『ワンダフルライフ』だ。

「戸惑いながら現場に入ったわけですが、これがもう楽しくて楽しくて(笑)。様々なプロが集まって監督が見たい景色を作り上げていく。その姿がとても美しかったし、そこに居ることが心地良かった。間違いなくものづくりの現場でした。だから役柄や内容などは関係なく、あの楽しい現場に行きたいという気持ちだけで次の仕事を受けたりしていました。あくまで現場の一人として参加している感覚だったので、役者という仕事の面白さにはなかなか気づけませんでした」

そんな井浦さんの役者魂に火をつけたのが、若松孝二監督の映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』だった。

「命懸けで生きようとした人を演じることで、自分でも驚くほど、僕の内側にある情熱をたぎらせることができた。同時にそんな感覚を経験できたことが心底うれしかった」

若松監督との出会いも大きい。演出だけでなく、人間として一途で純粋な生き様に強い衝撃を受けた。それ以降、井浦さんの作品への取り組み方は百八十度変化していった。

若松監督の言葉で自らの可能性が開く

映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』での撮影中、若松監督と2人きりになった。その際「君は役を選ぶな。何でもやれ」と言われたそうだ。

「人生こそ芝居。本当は芝居なんて誰でもできる。実際、誰でも日常生活で話す相手によってしゃべり方や身ぶりそぶりを変えたり、自分らしさを出そうとしたりしているだろう。でも、カメラの前でそれをやり続けられるのは役者だけ。作品ごとに様々な人間の人生を演じることで、それが誰かの力になることもある。そんな特権を持ったすごく楽しい仕事なんだぞと話してくれました」

その瞬間、パーンと何かがはじけ、一気に自分の心が開かれていくのを感じたという。

「だから、今はどんな役にもチャレンジします。特に難しい役、できそうもないと思う役ほど燃えますね。いろんな人間を演じることで、自分でも見たことのない自分をどこまで発掘できるかということも楽しんでいる感じです」

俳優業だけでも忙しいのに、同時にクリエーターとしての活動も続けている。2007年には自身がデザインするものづくり集団を立ち上げ、日本の伝統工芸品など国産品にこだわったアイテムを制作。さらに昨年暮れには写真家としてデビューし、現在、神奈川県・箱根彫刻の森美術館で初の写真展を開催している。

「最初、写真は僕にとって単なる記録にすぎなかった。ところが続けていると『どうしたらこんな風に撮れるのか』『なぜ僕は同じ時刻の朝日や夕日ばかり撮っているのか』など新たな課題や疑問が出てくる。それをクリアするとまた次のステージが訪れて――。仕事とか趣味など関係なく、そうやって興味を持ったことはとことん突き詰めていく。その作業が好きなんだと思います」

失敗こそが大きな力になる

井浦 新さんの写真3

行動派の井浦さんだが、10代は何でも頭で考えがちだった。「でも、時間は命。経験してこそ次が見えてくると気づいてから変わりました」

多くの経験がより充実した人生につながる。だからこそ、若い頃は苦労し続け、遠回りし続けた方がいいという。

「失敗を繰り返していると、ある日それが大きな力となって突然訪れてくれる。一つの失敗が、自分にしか咲かせられない花の大きな栄養の一滴になる。だから、むしろ失敗やできなかったことを大事にして生きた方がいい。なんていうことを、おっさんになって僕は気づきました(笑)」

中途半端は苦手。好奇心と探究心でさっそうと行けるところまで突き進む。はたから見ていても気持ちがいいほどの生き方だ。

ヒーローへの3つの質問

井浦 新さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

歴史や文化が好きなので、民族学者か考古学者か学芸員だと思います。

人生に影響を与えた本は何ですか?

「天よ、我に仕事を与えよ 奥平剛士遺稿」です。パレスチナ解放と世界革命のため、ロッド空港(現ベン・グリオン国際空港)で銃撃戦を繰り広げてしまった青年の遺稿です。なぜ彼がそこまでしてしまったのか、真意を知りたくて20代の頃読みました。実際には当時の報道とは全く異なり、力強い文章から、短い命を完全燃焼させた彼の純粋さ、真面目さ、ひたむきさをひしひしと感じ、情熱をかき立てられました。何が正義で何が悪なのかを自分なりに考えるきっかけを与えてくれた一冊です。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

撮影現場や写真展の準備などに入ると、ずっと同じ服を着ています。撮影なら初日が基本のワードローブで2、3の服を着倒す感じ。写真展の準備ではつなぎのみ。自分では全く無意識の行動で「また、同じ服を着ている」と指摘され、最近気がつきました。

Infomation

ライフ・イズ・ちょこっと・ビューティフル
映画『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』

素朴な画と核心をついたリアルなセリフが、現代を生きる女性たちの心をつかんだ、益田ミリの人気4コマ漫画「すーちゃん」シリーズを映画化。主演は柴咲コウ、真木よう子、寺島しのぶ。いくつかの選択と向き合う瞬間を丁寧に描いた、傷つきながらもたくましく生きていく、大人たちの物語。彼女たちの姿が自分にとって大切なものは何かを気づかせてくれる。

公開/2013年3月2日(土)から全国ロードショー
原作:益田ミリ「すーちゃん」シリーズ(幻冬舎)
監督:御法川修
脚本:田中幸子
出演:柴咲コウ、真木よう子、寺島しのぶ、染谷将太、井浦新、他
公式サイト:http://sumasa-movie.com/
配給:スールキートス

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