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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.104クリエーター 大宮エリー
勇気と無知で乗り越える

Heroes File Vol.104
掲載日:2013/8/2

大宮エリーさんの写真1

映画監督、作家、脚本家、演出家、CMプランナー、ラジオパーソナリティーなど、多岐にわたって活動を展開する大宮エリーさん。「思いを伝える」をテーマにした個展も好評を得た。その八面六臂の活躍ぶりには目を見張るものがある。だが本人はまだ悩み中。「これから」を真剣に考え始めたところだと語る。

Profile

おおみや・えりー 1975年大阪府生まれ。東京大学卒業後、電通を経て2006年独立。『海でのはなし。』で映画監督デビュー。著書『生きるコント』ほか。13年8月5日(月)から「大宮エリー展」をギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催予定。9月に大阪の中之島デザインミュージアムにて個展「愛の部屋」(仮題)を開催予定。

「知らない」を長所と思い込む

映画監督に、ドラマや舞台の脚本・演出、CMプランナー、作家、テレビの音楽番組の司会、ラジオパーソナリティーなどボーダーレスに多才ぶりを発揮する大宮さん。2012年には「思いを伝える」という初めての個展も開催。言葉を通じて自分の心を見つめ直すきっかけにしてもらおうと、さまざまな仕掛けを施した体験型の個展は反響も大きく、1万2千人以上を動員するヒット企画となった。

「会場で泣き崩れる人、何度も足を運んでくれる人がいて、今まで体験したことのない手応えを感じました。そんな多くの人に喜ばれたことがうれしくて、何か個展って面白いな、いいなと思っていたら13年は5つも開催する予定に(笑)」

その一つが8月に銀座で行われる「大宮エリー展」だ。自身がこれまで手掛けてきた仕事をほとんど全て展示する。

「まだ自分を振り返るほどの年齢でもないし、代表作があるわけでもなくためらいはありますが、一つひとつが私の生き様、仕事様であることには違いないと。改めて作品群を眺めてみると、知識も技術も経験もないのに、映画を撮る羽目になったり、脚本を書く羽目になったり。恐ろしい人生です(笑)。でもこうして育ててもらいました。感謝しかないです」

初めての分野に挑戦する時、あったのは勇気のみ。「私の武器は『無知の知』なのかなあ。知らないからこそ出てくる発想もある。門外漢であるというコンプレックスを長所と思い込んでやってきました。いじめられっ子だったので、人に頼まれたり必要とされたりするとうれしくて、それが原動力になって引き受けてしまう」

20社以上落ちた就職活動

大宮エリーさんの写真2

順風満帆に見えるが、20代は挫折も多かった。病気の父を治したい一心で薬学部へ進むけれど、目指す研究者には向いていなかった。就職活動でも落ちまくる。「自己PRして不合格。人格を否定された気持ちになりました」。そして最後に受かったのが広告会社の電通だった。職種はコピーライター。「幼い頃は文章を書く人になりたかったのですが、言葉の仕事は天才がやるものだと諦めていた。でも、そうではないと就職活動で知りました」

仕事は楽しかったし、会社も好きだった。でも結局7年で退社。「自分は組織には向いていないんじゃないかと思ったんです。出張申請やホワイトボードに行き先を書くなどの行為が苦手で、私がいたら周りに迷惑を掛けるんで」

先のことは考えていなかった。「でも、ここから本当の人生が始まった。誰も守ってくれないという緊張感はあったけれど、いろんな扉が開いた」。映画、そして作家の道へ――。

緒形拳さんの言葉がいつも心の中に

06年公開の映画初監督作『海でのはなし。』は1日で脚本を書き、2日で撮影した。

全編に音楽バンド、スピッツの曲が流れ、詩情を誘う映像の美しさが話題となり、ロングラン上映に。お陰で映画監督のオファーが12本も舞い込んだ。しかし映画はたくさんの人を巻き込む。恐ろしくなって全てを辞退したら、仕事が全くなくなってしまった。

「どれか一つでも受けておけば次につながったのにと悔やみました(笑)。そんな時にいただいたのが演劇の仕事。初めてだったのですが、ここでびびって断ったらまた後悔すると思い、飛び込みました」

この時、ふと頭をよぎったのが俳優の故・緒形拳さんに言われた言葉。広告会社の電通にいた時、CMの仕事で一緒になり、その際「(演劇の脚本など)長いものを書いたらどうだ」とアドバイスをもらった。

「私にとっては大きな衝撃でした。超一流の人にそんな風に声を掛けてもらえて。ああ、私にもそんな未来があるのかなと一瞬だけ(笑)思えた。でもすぐ、そんなわけないなと。ただ緒形さんの一言はずっと心にあって、そういう無意識のことがもしかしたら人生を動かすのかもしれない」

手紙を書く心持ちで作品を紡ぎ出す

大宮エリーさんの写真3

さまざまな依頼を受け、その度に新たなチャレンジを続ける大宮さんだが、どの仕事においても感謝の気持ちだけは忘れないという。「依頼してくれた人が私に何を望んでいるのか、すごく考えます。それとみんなが、私の作品を観(み)てくれてハッピーになったり、明日学校や会社に行くのが楽しくなったりするものを作りたいという思いは、どの仕事にも共通しています」

「実は仕事はそんなに好きじゃないんです。飲んだり食べたり、自然の中でボーッとしたりするのが好き」。だから常に表現したいという衝動はなく、手紙を書くような感覚で作品を作るという。

そんな大宮さんにとって仕事とは何なのか。「自分の存在意義につながるものです。必要とされているという安心感。だめな自分なのに、感謝しています。ただ正直悩んでもいます。この間までは、いろいろやるのが私なんだと思っていましたが、そろそろ命懸けで一つのことに取り組む時期に入っているんじゃないかなと。この先どうやっていきたいのか、自分の軸は何なのか。ずっと、学生の頃と変わらず自分探しですよ」

傑出した才を持ちながら、いつも全力で取り組む大宮さん。人を思い、自身の可能性も探り続ける彼女だからこそ、また新たな作品で人々を楽しませてくれるに違いない。

ヒーローへの3つの質問

大宮エリーさんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

留学でもいいのですが、海外に身を置いて暮らしてみたかったですね。パリ、ニューヨーク、スペインのどこかで、カフェの店員をしてみるっていうのもいいな。憧れます。

人生に影響を与えた本は何ですか?

私の生きる原点になっているのは、「大どろぼうホッツェンプロッツ」です。大人になってから読んだものでは矢沢永吉さんの「成りあがり How to be BIG ―矢沢永吉激論集」と「アー・ユー・ハッピー?」。独立した頃に立て続けに読みました。生きるってすごくダイナミックなことなんだなと思いました。要は「成りあがろう」ではなく「エンジョイしよう」って内容なんですよね。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

特にないのですが、しいて言えば深呼吸です。

Infomation

「大宮エリー展」

1万2千人を動員した「思いを伝えるということ展」、そして続く「生きているということ展」(いずれも渋谷パルコミュージアム)で、見る者の心の奥底にある繊細な想いや葛藤をみずみずしく表現した大宮エリーさん。今回はこれまでに手掛けたワーク(仕事)を一気に振り返る。まさに彼女の頭の中が解明されるユニークな展覧会だ。
日程:2013年8月5日(月)~28日(水)、日曜休館
開館時間:午前11時~午後7時(※土曜は6時まで)
場所:ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)(電話03-3571-5206)
入場無料
公式サイト:http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/

その他
◎大宮エリー作・演出の「プラネタリウムのためのソナタ」を上映 。9月7日(土)~11月24日(日)コニカミノルタプラネタリウム“天空”in東京スカイツリータウンにて、9月14日(土)~11月17日(日)コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine Cityにて。
◎個展「星空からのメッセージ展」9月11日(水)~30日(月)コニカミノルタプラザにて。
◎大阪でも個展。9月から中之島デザインミュージアムにて個展「愛の部屋」(仮題)を開催。
詳しくはHPにて:http://ellie-office.com/

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