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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.113映画監督 深川栄洋
映画が、先生だった

Heroes File Vol.113
掲載日:2014/3/20

深川栄洋さんの写真1

会話劇を主体とした独特の作風。丁寧な演出で俳優の魅力を引き出し、確かな人間ドラマを描き出す。多くの俳優からも絶大な信頼を得ている気鋭の若手監督、深川栄洋さん。18歳から映画の世界にのめり込み、約20年。最近は、ただ映画製作に取り組むのではなく日本映画界における自分の役割についても考えるようになったそうだ。

Profile

ふかがわ・よしひろ 1976年千葉県生まれ。専門学校で映画制作を学び、自主映画がPFFアワードに入選し、注目を集める。2004年「自転少年」で商業映画監督デビュー。主な作品に「狼少女」「60歳のラブレター」「白夜行」「神様のカルテ」「くじけないで」など。最新作「神様のカルテ2」が3月21日(金・祝)から全国東宝系にて公開。

好きな女の子に導かれて

新進気鋭の映画監督だ。どこかノスタルジックで、エモーショナルな人間ドラマを描くことに長(た)けている。

最新作「神様のカルテ2」もその一つ。原作は夏川草介さんの同名小説。2011年に公開された前作は、若き内科医師の苦悩と成長に焦点を当てた物語だったが、今作では3組の夫婦を軸に家族、仕事、医療、そして人とのつながりといった複数のテーマを重層的に投げかけている。そのせいか、何か大切なものが心により深く、じんわりと優しく伝わってくるようだ。

深川さんが18歳の時、付き合った女の子が映画好きだった。彼女のために先回りし、情報を収集しようと映画館に通っていたら、自分がハマってしまったという。

「映画は一つとして同じものがないし、登場人物はみんな何かしら問題を抱えていた。僕もそうだったので、人生や人との向き合い方を学べた。多感な時期、唯一僕の先生になってくれたのが映画でした」

映画の世界を志し、専門学校へ。録音技師の勉強をしていたが、先生に脚本なども書くよう勧められ、道が変わった。

「僕の脚本を仲間が面白いと言ってくれたので映画を作ったのですが、これが最高に楽しくて。カメラを回しているだけで、ものすごい高揚感があったんです(笑)」

卒業制作映画「全力ボンバイエ!」がいくつもの賞を獲得。だけど監督としては続くと思えず、「脚本家なら」と自宅にこもって書くことに専念した。「でも思いはあるのにうまく書けない。1年で嫌になり、もう少しだけ映画を作ってこの道をあきらめようと決めました」

自主上映の成功でプロになる決意

深川栄洋さんの写真2

ところが自主映画2本が立て続けに、ぴあフィルムフェスティバルのPFFアワードに入選する。いよいよ夢を捨て切れなくなったが、どうすれば映画界へ入ることができるのかが分からない。そこで考えたのが自主上映だった。

「自ら劇場へ売り込みました。『僕の映画、最高に面白いので上映してください』って。チラシを作る時も大物俳優さんの事務所に『監督の深川ですが』と電話して感想コメントをもらったり。誰かに引っ張り上げてもらおうというより、自分で何とかしなければと思い、動きました」

初めての自主上映作は「自転車とハイヒール」。キャパシティ100人の会場に170人が押し寄せた。自分の作品を観(み)てくれる人がいる。ただそれだけで幸せだった。

「その時の感動は忘れられない。光景は今もまぶたに焼き付いています。プロでやっていこうと覚悟を決めたのは、あの瞬間でした」

20代は熱に浮かされていた

深川さんの初の劇場用長編映画は「狼少女」だが、その直前に制作した「紀雄の部屋」という作品が自身にとって大きな転機になったという。

「自費ではなく商業映画として作品を作ってみようと考え、資金集めを自分でやってみたんです。スポンサーを獲得し、契約するため会社も起こしました。その過程で、映画を1本作るのにどうお金が動くのかをしっかりと学びました」

振り返ると、20代は熱に浮かされていた時期だったという。自分の発表の場を必死に求め、チャンスがあればそこで自分のやりたいことをやるのだ、と。「意気盛んでした。でも、それがあったからこそ、今の僕があると思います」

深川さんの実家は内装業。中学時代から手伝っていた。

「映画監督になると決めた後も、収入を得るため手伝っていました。僕の仕事は、クセのある職人さんたちを取りまとめたり、作業工程の段取りを決めたりすること。当時は嫌で仕方なかったのですが、これが今の仕事にすごく役立っている。どんな経験も無駄はないものだと実感しています」

映画館に人を呼べる作品を作りたい

深川栄洋さんの写真3

ここ数年、話題作に取り組むことが多くなり、おのずと自身の使命みたいなものを考えるようになったという。

「前は自己満足を求めていましたが、今は映画に興味のなかった、新しいお客さんを映画館に呼び込める作品を作らなくては、と。それが自分の役割のような気がしています。僕のように映画で人生を救われたという人を僕の映画で増やしたいし、日本映画の裾野を広げたいという思いも強い」

映画館では、上映が終わると必ずお客さんと一緒にエレベーターに乗る。「あそこが良かった」「あの人が今イチ~」といった会話を聞くためだ。

「エレベーターの中ではまさに熱い論争が繰り返されている。その時、お客さんの晴れやかな表情を見るのが楽しくてたまらない。次回作も頑張ろうという励みにもなります」

大きな挫折もなく、よくここまでやってきたと自分でも思う。しかし、ただ単にラッキーだったわけではない。

「どんなに気持ちが焦っていても、一歩前へ進みたいという時は必ず全体の流れを見る。一つの選択がその後の多くの選択を生み、つながっていくと思うので、それが今後の自分にどんな意味をもたらすのかを、わりとちゃんと見極めてから行動しています」

それでも悩んだら、困難な方を選ぶ。「その方が失敗しても精神的には健やかでいられる気がして」。夢を現実に変えていく人には、前向きな行動力と思考力が備わっている。

ヒーローへの3つの質問

深川栄洋さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

家業の内装屋をそのまま継いでいたと思います。

人生に影響を与えた本は何ですか?

アメリカの作家、トリイ・ヘイデン著「シーラという子 ―虐待されたある少女の物語―」です。作者のまなざしが、僕が人に接する時の距離感に似ている気がしてとても共感しました。同時に、作者のまなざしというものは作品にとても影響を与えるし、それは読者や観客にも伝わるものなのだと教わりました。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

勝負お墓参りですね。暑いなか、雑草を抜いたりなど、やらなくてもいいと思えることを一生懸命やると、妙にすがすがしい気持ちになれるんです。だから、気持ちを切り替えたくなったらお墓参りに出かけます。

Infomation

映画「神様のカルテ2」が2014年3月21日(金・祝)全国東宝系ロードショー

11年夏に公開され、ヒットした映画「神様のカルテ」。その続編がこの春公開となる。前作は青年医師、一止(櫻井翔)が悩みながらも成長していく姿を描いたものだったが、今回は3組の夫婦を通して、「仕事とは何か?」「家族とは?」「人間らしく生きるとは?」といったテーマを重層的に投げかけている。単なる続編ではない、新たな1本の人間ドラマに仕上がっていて、前作を観ていない人も深い感動に満たされるだろう。

監督:深川栄洋
出演:櫻井翔、宮﨑あおい、藤原竜也、要潤、吉瀬美智子、朝倉あき、原田泰造、濱田岳、吹石一恵、西岡徳馬、池脇千鶴、市毛良枝、柄本明ほか
http://www.kamisamanokarute-movie.jp

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