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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.115ジャーナリスト 堀 潤
グレーな社会を変えたい

Heroes File Vol.115
掲載日:2014/4/18

堀 潤さんの写真1

「自分の信じるやり方で情報を発信していきたい」と2013年4月、12年間勤めたNHKを飛び出した堀潤さん。現在は動画投稿による市民ニュースサイトを主宰するほかフリーのジャーナリストとしてさまざまなメディアで活躍している。目指すは真実を届け続け、メディアへの不信感を払拭することと、誰もが当事者意識でニュースに関わることのできる社会の実現だ。

Profile

ほり・じゅん 1977年兵庫県生まれ。立教大学文学部ドイツ文学科卒業後、2001年NHK入局、13年退局。現在はフリーのジャーナリスト、NPO法人「8bitNews」代表、テレビの情報番組「モーニングCROSS」(TOKYO MX/朝7時~8時25分)のキャスターなどで活躍。監督映画「変身 - Metamorphosis」も上映中。

正直な報道を追求したい

4月1日から新しい朝のテレビ番組「モーニングCROSS」(TOKYO MX)が始まった。視聴者からニュースを募ったり、ソーシャルネットワークを積極的に活用したりするなど、これまでにない視聴者参加型のニュース情報番組で、堀さんはそのメーンキャスターを務めている。

元NHKのアナウンサー。「ニュースウオッチ9」のリポーターや「Bizスポ」の司会などを務めてきた堀さんが、突然のように退局したのは昨年4月のこと。福島原発事故以降のNHKの報道姿勢について、自らの意見をツイッターで発信したことが局内で問題となった。その後、10カ月の米国留学を経て戻ったが、原発事故をテーマに堀さんが撮ったドキュメンタリー映画「変身」のことも指摘を受けてしまった。

「『変身』も原発の責任を糾弾するためではなく、一瞬にして全てを失うことがあるのだという不条理さと、一度原発事故が起きると長年にわたって影響を及ぼし、しかも解決策はないのだという現実を知ってほしくて製作しました。でも局内で理解してもらうのは難しかった。このままでは僕のやり方での情報発信はできないと思い、辞めることにしました」

グレーな世の中を変えたかった

堀 潤さんの写真2

そもそも報道を目指したきっかけに松本サリン事件がある。高校時代、何の罪もない会社員が容疑者のように扱われるのを目の当たりにした。当時は政治や経済が混沌(こんとん)とし始めた時期で、中小企業の倒産やリストラを苦にした自殺、さらには若年層による凶悪な事件も相次いでいた。

「あの頃を思い出すとグレー一色、悲しい出来事ばかり。しかもメディアがあおることで一層、事態を深刻化させているような気がしてならなかった」

大学ではプロパガンダに興味を持ち、メディアの在り方に対して関心が深まっていた。

「だからNHKに入って日本のメディアを変えようと思った次第です。と言いつつ一応、民放も受けて、そちらは全部不合格。それならフリーでもいいから週刊誌などの記者になろうと考えていたら、幸いにもNHKに受かりました」

そして退局した今も、メディアを変えたいという思いは変わっていない。そのために力を入れているのがウェブサイト「8bitNews」の運営だ。これは、一般の人々が情報発信者として映像を投稿するニュースサイトである。

「市民が電波を公共のものとして利用できる権利をパブリックアクセスと言います。この権利の定着と、市民の発信をメディア関係者が生かす仕組みの構築が課題です」。その第一歩が「モーニングCROSS」となりそうだ。

ひと息入れると仕事も心も楽になる

NHKには12年間在籍した。「僕の中には今もNHKの血が流れていると思うほど、いろんなことを学んだ場です」

特に印象深いのが「ニュースウオッチ9」。リポーターとして数々の事件や事故、災害現場へ出向いた。目撃者を探し、関係者の証言を取るなどの取材を独自に行い、そこから浮かび上がる真実を報道する。それが使命だという気概に満ちた番組チームだった。

「社会問題を通して今まで見えなかった日本の骨格が見えてくる、というような感覚もあって刺激的でした。公共放送局としてどう社会貢献していけばいいのかもここで徹底的にたたき込まれた気がします」

いつ事件が舞い込むか分からない。それだけに常に気を張る状態だったが、ある時上司から「俺たちの仕事はどんな場所にいても社会に通じている。それさえ忘れなければ、息抜きもした方がいい」と言われた。以後、携帯電話だけは握り締めつつ、時間があればふっと町を眺めたりするようになった。

「最近の若い人にはまじめな方が多く、仕事に根を詰め過ぎる傾向がある。だから一回挫折すると、その反動で心が折れてしまうことも多い。そうならないためにも適度な息抜きが必要です。その方が仕事のクオリティも高まります」

フリーになって2年目に突入した。堀さんの志に共鳴し、一緒に理想のメディアの在り方を追求しようという仲間がたくさん現れた1年だった。

「社会に対して不満や不信感があるけれど、どうせ変わらないさと諦める前に、専門性を持った人たちがアイデアを出し合い、話し合える環境を整え、何かしら解決策を導いていく、そんな社会にしたい。そのためにどのメディアをどう活用すればいいのかは、今後も考えていきたい事です」

おろおろしながらも人のために動きたい

堀 潤さんの写真3

幼い頃、転校が多くいじめられた。でも、反対に優しい人もちゃんといる。実際、どんなに嵐が吹き荒れていても、隣に傘を差しかけてくれる人がいれば、心は温かくなる事を肌で感じる瞬間も何度かあった。そのせいか宮沢賢治の「雨ニモマケズ」が好きだ。

「困っている人がいれば大丈夫ですか? と声をかけ、弱っている人がいれば手伝いましょうと手を差し伸べる。そんな人でありたいと思っています。僕が唯一社会に貢献できるスキルがあるとしたら、人の声に耳を傾けること。そしてそれを伝えること。だから、宮沢賢治と同じようにおろおろしながらもそれを続けたいですね」

人と比べないと決めている。自分はまだまだだと思って努力する。信念を貫く強さと行動力はそこから始まっている。

ヒーローへの3つの質問

堀 潤さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

美容師。高校時代、成績が悪かったので先生も僕は就職すると思っていたみたいです。その時考えたのが美容師でした。髪の毛をカットしてセットすることで、その人を気持ちよくしてあげられる。心のケアにつながる仕事という点が魅力でした。

人生に影響を与えた本は何ですか?

宮沢賢治ですね。やはり「雨ニモマケズ」のような自分でありたい。それと、自作の映画タイトルにもしたカフカの「変身」。世の中がいかに複雑で不条理かを学んだ一冊でした。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

シルバーのバングルです。学生時代、ドイツ留学中に購入し、以来身に着けています。こう見えて意外に緊張する性格なんです(笑)。また、何かを握っていると安心できるので、NHK時代はいつもハンドマイクにしてもらっていました。

Infomation

堀潤さんが朝の顔に!
TOKYO MX「モーニングCROSS」

2014年4月からスタートした朝の情報生番組「モーニングCROSS」。そのメーンキャスターを務めるているのが堀さんだ。NHK時代を含め、長年の報道現場で培われた豊富な知識とニュースへの造詣の深さを買われての起用。「気になるニュースがここにある」をキーワードに、東京の朝に必要なニュースを幅広く取り上げている。視聴者からもニュースを募るという新感覚の情報番組。東京の朝が一気に変わりそうである。
・月曜~金曜の朝7時~8時25分
・出演:堀潤、脊山麻理子

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