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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.221 お笑い芸人/漫画家 田中光
「苦手」を削り落として「得意なこと」を伸ばす

掲載日:2020/8/21

田中光さんの写真1

SNSへの投稿から始まった1コマギャグ漫画「サラリーマン山崎シゲル」。単行本となってすでに5巻まで発行されているが、この漫画を描いているのがお笑い芸人の田中光さんだ。
今回の取材に当たって田中さんも、突飛な言動でいつも部長を困らせている山崎シゲルのような人だったらどうしようと思っていたら、いたって温厚な常識人だった。
しかも飽くなきまでに「お笑い」を追求し続ける、真の芸人であった。

Profile

たなか・ひかる/1982年京都府生まれ。京都精華大学を中退し、大阪の吉本興業で10年間活動。上京後はグレープカンパニーに所属。ギャグ漫画『サラリーマン山崎シゲル』シリーズが人気に。「たなかひかる」名義の絵本『ぱんつさん』が2020年7月、第25回日本絵本賞を受賞。

お笑い芸人で、漫画家としても活躍している田中さん。その代表作は、シュールなギャグ漫画『サラリーマン山崎シゲル』シリーズ。発行部数累計30万部を超えるヒット作だ。

京都府出身。絵を描くのが好きでいったんは大学の芸術学部へ進学するも、中学時代から夢見ていた芸人を目指して中退。大阪の吉本総合芸能学院(NSC)に入り、幼なじみと漫才コンビを組んで10年間活動する。

「お笑いライブには出ていたのですが、それだけでは食べていけなかったのでほとんどアルバイトに明け暮れました。人前に出るのが苦手という性格を矯正して社交性を身に付けたくて、居酒屋のホールスタッフやお米屋さんなど接客業のバイトをしていましたね」

20代半ばには、お笑いのコンテストである「M-1グランプリ」で準決勝まで2回進出、「キングオブコント」でも1度準決勝まで進んでいる。「でも、そこ止まり。ネタを考えていたのは僕だったのですが、一体何が足りないんだろうとずっと悩んでいました」

30歳になり、相方が辞めることになって田中さんも同じ決意をする。「もう面白いことを考えなくてもいいんだと、解放感がすごかった。でも1週間経ったら、やっぱりお笑いを作りたいという気持ちがわき上がってきましたね」

田中光さんの写真2

ちょうどそのタイミングで誘ってくれた芸人仲間と、今度はトリオを結成。このまま大阪でズルズル続けていても仕方ない、白黒つけるためにもと上京した。幸いすぐに所属事務所も決まり、3人で共同生活をしながらライブに出始める。結構面白いネタを作っているという自負はあったものの、売れない。3年目に入ったころ、田中さんはトリオを抜けることにした。

実はその1年前、大きな転機があった。先輩芸人の又吉直樹さんに、どうしたら売れるのかと相談した時のことだ。又吉さんは「売れる方法は分からないけれど、何か特技を伸ばしておくといいよ」とアドバイスをくれた。田中さんはその一言をきっかけに自分をあらためて見つめ直し、考え方も大きく変えた。

「それまでは、できないことも努力すれば何とかなると思って何でも取り入れようとしていました。でも実はどんなにあがいたところで無理なことは無理、苦手なことは苦手なんです。だから自分にとっての無理・苦手を削り取る作業をしました。そうしたら自身の核みたいなものがむき出しになって見えてきたんです」

こうして浮かび上がってきた「得意なもの」は大喜利と、大学時代までやっていた絵を描くこと。「ならば、これからはこの二つを伸ばしていこうと心に決めました」

最低ラインを更新していけばレベルは上がる

田中光さんの写真3

2013年からSNSに1コマ漫画「サラリーマン山崎シゲル」の投稿を始めた田中さん。この漫画が注目を集め、著名人によるリツイートで人気に火がついた。山崎シゲルの奇抜な言動と、それをゆるく受け止める部長のやり取りが不思議なおかしみを誘う作品だ。

30代になって先輩芸人の又吉直樹さんから助言を受け、漫画を描き始めた。そのころから田中さんは人に頼ることができるようになったという。「ずっと人に助けを求めるのが苦手でした。でも、芸人として売れなくて追い詰められ、どうしたらいいか分からず思い切って助けを求めたら、自分にできないことを周りがフォローしてくれるようになったんです。気持ちが楽になっただけでなく、ますますやりたいことに集中できるようになりました」

お笑い芸人と漫画家。二足のわらじを履いているのかと思いきや、そうではないという。「表現方法が違うだけで、僕にとってはどちらも『お笑い』。『サラリーマン山崎シゲル』は、こんな部下がいたら嫌だという大喜利を延々とやり続けている感覚です。ネタのアウトプットを漫才やコントではなく絵という形で実現している感じ。実は大阪時代にやっていた漫才が、まさに山崎と部長のやり取りそのもの」

ほかにも『レタス2個分のステキ』『私たち結婚しました』などの作品を発表。更に企業とのタイアップで漫画を描くことも増えた。しかも、どれも常人の発想を超えた、一種、どこか先を行くような面白さがある。その発想はどうやって出てくるのか。

「筋トレと同じだと思います。例えばキリンは首が長いだけが特徴ではないですよね。ではほかに何があるのか。そうやって一つの物を色んな角度から見て面白さを見つけるのが昔から好きで、毎日筋トレみたいに続けているので筋力として身に付いているんだと思います」

また、どんなにスランプに陥っても、「面白い」を形にするうえで常に最低ラインの更新、つまり少しずつ上を目指すことを意識しているという。「100%面白いものにしたいけれど、毎回は難しい。でも、最低ラインを死守することで底上げができる。そうしていけば、今年の80%も去年の100%と同じレベルの面白さにはなっているはずだと思うんです」

そして更に田中さんは、芸人だからこそできる構成や発想をほかの形でもアウトプットしていきたいと考えている。その第1弾が絵本『ぱんつさん』だ。20年7月、この作品でお笑い芸人初の「日本絵本賞」を受賞した。そして「次は海外で、『お笑い』の発想を生かした何かをやってみたいと考えています」。

ヒーローへの3つの質問

田中光さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

部屋にこもって黙々と物を作るのが今でも好きなので、そうやって何かしらを作っていたと思います。陶芸とか絵とか、あるいは段ボールを使ってみたりとか。

人生に影響を与えた本は何ですか?

長新太さんの絵本『ころころ にゃーん』。ピンクのペン1本で描かれている絵本です。丸い物がころころ転がって来て、寝ているお母さん猫の背中に乗っかります。「にゃーん」、子猫でした。次々に子猫がやって来て、お母さんの背中に乗っかって「にゃーん」と言うだけ。0歳から2歳児向けの絵本ですが、ピンクしか使っていないし、内容も超シンプル。ファンキーですごく好きです。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

シンプルですが赤いパンツをはきます。「勝負だ!」という時には赤い物を買うことが多いですね。

Infomation

漫画『サラリーマン山崎シゲル』シリーズ発売中!

2013年4月からツイッターやブログなどで公開し始めた、1コマギャグ漫画「サラリーマン山崎シゲル」がブレーク。14年に書籍化され、現在5巻まで発行されていて部数はシリーズ累計30万部を超える大ヒット。「こんな部下がいたら嫌だ! という大喜利を延々と続けている感じ。これも僕の好きなお笑いの表現方法の一つです」と田中さん。ぶっ飛んだ行動を取る山崎シゲルと、そんな彼を優しく受け止める部長の軽妙なやり取りがシュールで思わず笑ってしまう。読めば読むほどクセになりそうで、気分転換にもおすすめ。

絵本『ぱんつさん』が賞を受賞!

「たなかひかる」名義で初めて描いた絵本『ぱんつさん』が、今年7月に「第25回日本絵本賞」を受賞した。「お笑いの発想で制作した絵本です。内容もメッセージ性もまったくありません。ただただ子供たちの柔軟な考えが育つ材料になればいいなと思い、作りました」と田中さん。子供だけでなく、大人の心までも柔らかくしてくれそうな一冊。意表をつく展開に思わず笑ってしまうはず。

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5月9日(金)更新

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