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第一線で活躍するヒーローたちの「仕事」「挑戦」への思いをつづる

Vol.250 俳優/タレント ウエンツ瑛士
自分が意思を示せば周りも動き出す

Heroes File Vol.250
掲載日:2022/5/27

ウエンツ瑛士さんの写真1

4歳から芸能界に入り、30年以上活躍し続けているウエンツ瑛士さん。
2018年秋からはイギリスへ単身留学。自身を完全にリセットし、人間的にも一回り成長させて帰って来た。
そうして帰国後2年。気力が充実し「今はスーパーマン状態です」と笑うウエンツさんに、現在の仕事への向き合い方などについて語っていただいた。

Profile

うえんつ・えいじ/1985年東京都生まれ。4歳でモデルデビュー、9歳で役者デビュー。俳優活動のほか情報番組のコーナーMCやバラエティー番組への出演などでも活躍。2022年6月8日(水)から東京・渋谷のPARCO劇場で上演予定の音楽劇「てなもんや三文オペラ」に出演。

東京・渋谷のPARCO劇場で2022年6月8日(水)から、パルコ・プロデュース2022「てなもんや三文オペラ」が上演予定だ。差別と貧困、資本主義社会を痛烈に風刺した名作「三文オペラ」を元に、1950年代の大阪を舞台に戦後を駆け抜けたアウトローたちを描いた物語。出演するウエンツさんは「演劇でしか表現できないようなものがたくさん詰まっていて、非常にエネルギッシュな舞台です。主人公を演じる生田斗真とは小学生時代からの旧友。座長である彼の力に少しでもなれるよう頑張ります」と語る。

ウエンツさんは4歳でモデルデビューした。その後、ドラマや映画、舞台とエンターテインメントの世界で幅広く活躍している。10代半ばには小池徹平さんとのデュオ「WaT」を結成し、音楽活動も行っていた。更に20代はその多才さが評価され、バラエティー番組にも引っ張りだこだった。「多様な現場で色んな人に出会えるのがとにかく楽しかった。自分がやりたいことだけでは成長が止まってしまう気がしていたので、想定外のオファーでも喜んでお受けしていました」

ウエンツ瑛士さんの写真2

そうやって走り続けてきたウエンツさんだが、30歳の頃、イギリス留学を考え始めた。「たくさんのお仕事をいただけてありがたかったし、面白かった。でも、あまりにも毎日が慌ただしくなり、20代後半あたりからモヤモヤしていたんです。もっと核になるものが欲しい、芝居の実力もつけたい、それにドイツ系アメリカ人の父が異国の日本にやって来て暮らしたのってどんな感覚だったんだろう、とか。とにかく色々な思いが重なって、ほどなく留学したいと所属事務所に申し出ました」

当時、複数のレギュラー番組を抱えていたのもあって当然のように反対される。「知人からも、帰ってきたら仕事はないよと散々心配されました。僕自身も仕事を失う怖さはあったので、厳しい意見をいただく度に『他人に迷惑を掛けてまで留学は成し遂げたいことなのか』と自問自答を繰り返しました。でも、考えれば考えるほどどんどん自分の覚悟が強くなっていったんです。何より興味深かったのは、僕が留学すると決めたら思いがけない分野の人たちとの出会いがあったことです。さまざまなものが整理され、自分の決断一つでこれだけ周りが動き出していくものなんだと実感しました」

こうして、イギリス留学が実現したのは32歳の時。「でも今思い返せば、留学したいと事務所に伝え、実現するまでの2年間の出来事には数々の学びがあり、僕にとっては意義のあるものでした」

何かを失っても「次」は必ず訪れる

ウエンツ瑛士さんの写真3

子どもの頃から芸能界で活躍してきたウエンツさん。18年秋からの約1年半、活動を休止してイギリスのロンドンへ留学した。

現地では語学学校へ通い、夜は演劇やダンス、ボイストレーニングなどのレッスンを受けた。また、小劇場で全編英語での二人芝居にも挑戦している。「何より、国籍を問わずさまざまな価値観を持つ友だちがたくさんできたことが良かった。実は仲のいい友だちを作るのって結構大変なので。そういう努力を日本では怠けていたなという気づきもありました」

帰国したのは20年春。戻ってきてからは精神的にとても楽になったという。「正直、留学前は仕事を失うことが怖かったのもあり、人の期待に応えなければというのが最優先だった気がします。それが、1年半ほど日本を離れていたのに幸い仕事環境が以前とさほど変わらなかったので、気持ちが楽になり、何にもとらわれなくなった感じがします」

何かを失っても次に新しいものが訪れる。たとえ失って後悔したとしてもそれを糧にすればいい。ウエンツさんはそう考えられるようになった。留学経験を経て気持ちをリセットしたからこそ出てくる思いだろう。「そんなこと昔は全然頭に浮かばなかったでしょうからね(笑)。間もなく出演予定の音楽劇『てなもんや三文オペラ』も、今この時にしかできないと思うからこそ全力で頑張れるんです」

以前にも増して八面六臂(ろっぴ)の活躍を見せているウエンツさんだが、最近どの現場でも感じているのは若い世代の台頭だという。「今までとはまた違う感覚で僕をプロデュースしてくれたり、演出してくれたりする20代の人たちに出会えているのが新鮮です。僕は今36歳で、世間的には中間管理職のようなポジション。僕より上の世代と若い人たちとの間を取り持つ役目を果たす機会も増えていて、それもまた新たな楽しみになっています」

少し年齢が上の先輩として、若い人たちには「無理をしてほしい」と思っている。「もちろんその人なりの無理でいいんです。方法論が書かれた本を読んだだけでは自己実現はできない。ちょっと無理して自分で動く、考えるということのアドバンテージはめちゃくちゃ大きい。それなくして夢をかなえるとか、幸せになれるとかというのは難しいと思います」

誰かが目標を持って頑張っている姿を見ること、それが自身の原動力だと語る。「最近だと友人の子どもが中学受験をして合格したと聞いて、よし僕も頑張ろうって思いましたね」。日々見聞きしたもの、感じたもののすべてを吸収し、ウエンツさんは進化し続けている。

ヒーローへの3つの質問

ウエンツ瑛士さんの写真4

現在の仕事についていなければ、どんな仕事についていたでしょうか?

とにかく色んな人とおしゃべりしたいので、それが可能な仕事であれば何でもやってみたいです。

人生に影響を与えた本は何ですか?

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』などブレイディみかこさんの著書です。僕が留学していたイギリスのことが書かれているせいか、一緒に体験しているような気持ちになれるんです。そんな感覚に親しみが湧くのでブレイディさんの本は何冊か読んでいます。

あなたの「勝負●●」は何ですか?

あえて普段どおりに過ごします。何も変えない。わりと意気込むタイプで初日などはただでさえ緊張してしまうので、変わったことをして更に緊張感を高めたくないんです。

Infomation

パルコ・プロデュース2022「てなもんや三文オペラ」に出演!

ウエンツ瑛士さんが出演するパルコ・プロデュース2022「てなもんや三文オペラ」が2022年6月8日(水)~30日(木)に東京・渋谷のPARCO劇場で公演予定だ。原作はベルトルト・ブレヒトの戯曲「三文オペラ」。ロンドンの貧民街を舞台にした音楽劇で、日本でもこれまでにさまざまな演出家・キャストによって上演されてきた。鄭義信さん作・演出による今回の上演作は、1950年代の混沌(こんとん)とした大阪が舞台。“戦争”を背負いながらも“戦後”をたくましく生き抜いていくアウトローたちの物語である。主人公マックを演じるのは生田斗真さん、そしてウエンツさんはマックの恋人ポールを演じる。そのほかにも渡辺いっけいさんや根岸季衣さん、福田転球さん、福井晶一さん、平田敦子さんら個性あふれる実力派の俳優たちが勢ぞろい! 「この時代の人たちが持っているエネルギーの埋蔵量って、今の僕らには推し量れないものがありますよね。それを演劇で伝えられたらいいなと考えています。今回は関西弁のテンポやリズムも重なり合ってエネルギッシュな舞台になると思います。皆さんも体調には気を付けて劇場へ足を運んでいただけたらうれしいです」とウエンツさん。

公式サイト:https://stage.parco.jp/program/sanmon
※福岡、大阪、新潟、長野での公演も予定。

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