「キャー!」という悲鳴と共に現れたのは全国の県、市などがそれぞれに作成したご当地キャラクター。多くは地域のイメージアップやPRを目的に誕生しましたが、認知効果はどれほど高まっているのでしょうか?
というわけで今回は全国のご当地キャラクターの認知度のランキングです。
ランキングは「地域ブランド調査2016」における、47都道府県および1,000の市区町村ごとの「ご当地キャラクター」の認知度(%)より作成しました。(例えば1位の彦根市の場合、37.8%が彦根市のご当地キャラクターを知っているという結果であり、ひこにゃんの認知度とは限りません。)
ご当地キャラクター(各都道府県、市区町村)の認知度ランキング
1位ひこにゃんは初代招き猫?
栄えある1位はひこにゃんの彦根市。ご当地キャラブームの火付け役と言われるだけあって、2位以下を10ポイントほど引き離すぶっちぎりのトップでした。
こんなエピソードがあります。彦根藩主の井伊直孝が鷹狩に出た帰りに、弘徳庵という小さな寺の前で、中に入るよう手招きする猫を見かけました。直孝が猫を追いかけて寺に入ったところ、突然激しい雷雨に見舞われたことから、猫の手招きは「福を招き縁起がいい」として「招き猫」が誕生し、寺には招猫堂が建てられたと言います。
2007年に「国宝・彦根城築城400年祭」のイメージキャラクターとして誕生したひこにゃん。彦根に観光客と福を招くだけではなく、ご当地キャラブームも招きましたね。
2位はくまモン。ダイエット失敗で降格?
いまや日本中で大人気のくまモン。「熊本県営業部長」兼『熊本県しあわせ部長』という肩書きの公務員だとか。名刺には「いちおう、公務員です」と書いてある(ほんとかなぁ~)。ちなみに、鶴屋百貨店の1階に部長室があって、出張と休暇の日以外は、そこに出勤するらしいですよ。
2010年に九州新幹線開通に向けて、熊本県のPRキャラクターとして誕生した時には痩せていたが、熊本のおいしいものを食べ過ぎて、体型がま~るくなると共に人気も上昇。2015年には健康のため取り組んだダイエット失敗により、1カ月間の降格処分(営業部長代理)を受けてしまったんですよ。1位の座を狙うには、出世を諦めて、ぜひもっと丸くなってほしいんだモン……。
なお、3位の熊本県もくまモン効果が大きいのですが、実は「ひごまる」というお城の形をしたキャラクターがいます。2007年誕生でくまモンの先輩にあたるそうです。
ご当地キャラクターの認知度ランキング11位以下の順位
4位ふなっしーは非公認。兄弟は274人!
ふなっしーは、タレントや声優としても活躍するという「型破り」のキャラクターで、千葉県船橋市在住の「梨の妖精」なんだとか。
2011年11月に一人の船橋市民が、名産の梨をモチーフにして勝手に誕生したのですが、市役所などに売り込んでも受け入れてもらえなかったんだそうな。
誕生日は138年7月4日。本名は「フナディウス4世」または「船田梨男」。兄弟は全部で274人(?)で、ふなっしーはその4男とのこと。
ちなみに船橋市の産品ブランドPRキャラクターとして誕生した「船えもん」という船橋宿の目利き番頭もいます。こちらは公認だけど、ふなっしーが前に出すぎているためか、認知度はもう少しといったところ。
博士のトリビア
―全国区には、女性に人気が不可欠? ―
ご当地キャラが、男女のどっちに人気が高いかを分析してみたところ、驚く結果がでたんじゃ。
まず、女性からの人気が高いのは彦根市、船橋市、群馬県、熊本市、愛媛県の順。いずれも認知度ランキングの上位が並んでおる。ちなみに愛媛県はバリィさんが人気じゃの。もともとは今治市のキャラクターじゃが、最近は愛媛県のキャラとしても活躍しているようじゃ。
ところが、男性からの評価の方が高いのは、福岡市、島根県、青森県、宮崎市、岡崎市の順。認知度ランキングでは岡崎市の13位が最高。
つまり、人気を高めるには、女性に支持されるようにしないといけないということじゃの~。
(※参考)福岡市の公式のご当地キャラは不在で、聖徳明太子(「めんたいし」と呼ぶ)など乱立状態。
認知度上位のキャラクター、どれだけ知っていますか?
上位ランキングの中で急上昇したのは天童市。5位はチーバくんを有する千葉県。2007年に千葉国体のために誕生。2011年1月11日に千葉県のご当地キャラに昇格(?)。横顔が千葉県の形をしているのが特徴です。
6位の奈良県はせんとくん。「きもかわ」ブームの発祥とも言われていますね。奈良県葛城市のご当地キャラの蓮花ちゃんと交際中だが、恋敵が登場とのうわさも……。
ぐんまちゃんの群馬県は上昇してついにベスト10入り。2014年にゆるキャラグランプリで優勝した実力が実を結びつつありそう。なお、東京・東銀座にある群馬県のアンテナショップの名前は「ぐんまちゃん家」です。
10位の茨城県は、これまでのハッスル黄門に加えて、非公認のねば~る君も活躍中です。
ジモーちゃんのつぶやき(・o・)
うわぁ~、みんな人気があっていいなぁ~。あこがれのひこにゃん、くまモン、ふなっしーに、せんとくん。さすがにランキング上位のキャラは個性的だよねぇ。
単にかわいい? だけじゃダメみたいだね。そういえば全国に何千体もあるってことだけど、ほとんどは名前も知らないということなんだよね。生存競争が勃発、なんてことになると怖いなぁ。ぼくもガンバらなくっちゃ。
ところで、僕の人気は何位くらいなんだろう……
市区町村ランキングの説明
「地域ブランド調査2016」は、1,047の地域(1,000市町村及び47都道府県)を調査対象とし、全国3万人が各地域のブランド力を徹底評価する日本最大規模の消費者調査です。2006年に調査を開始、毎年実施し今回で11回目の実施となります。
調査はそれぞれの地域に対して魅力度、認知度、情報接触度、各地域のイメージ(「歴史・文化のまち」など14項目)、情報接触経路・コンテンツ(「旅番組」など経路14項目、「ご当地キャラクター」などコンテンツ9項目)、観光意欲度、居住意欲度、産品の購入意欲度、地域資源の評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など16項目)などを質問。また、出身都道府県に対する愛着度、自慢度、自慢できる地域資源など出身者からの評価などを調査しています。
市区町村の調査対象は全ての市(790)、東京特別区(23)、それに認知度がある程度高く、地域ブランドへの取り組みが積極的な町村(187)の計1,000市区町村です。
マイナビ転職 編集部
執筆:ブランド総合研究所
(http://tiiki.jp/news/survey2016)