2014年に開局50周年を迎えたテレビ東京。その際できたスローガンは「まっすぐ、ずっと。」だ
2014年の開局50周年に合わせて誕生した、テレビ東京の局キャラクター「ナナナ」。その名はバナナと7チャンネルを掛けたものだ。局に居候するバナナ社員という設定で、番組やイベントの宣伝、多様なグッズ展開に加え、オンラインゲームなど社外とのコラボまで活動を拡大し、人気が急上昇している。
公式ツイッターのフォロワーも5万人を超えるなど子供はもちろん大人にも人気が高い。そんな多忙なナナナは、社内のプロジェクトチームによって生まれ、今は戦略立案から運営までを広報部が中心となって担っている。
この開発プロジェクトチームのスタートから現在まで、中心メンバーとして関わってきたのが桐生さんだ。「お陰様で今、ナナナにはたくさんのお声掛けをいただいています。とてもありがたいです」
桐生さんは営業局の内勤から、番組の二次使用にかかわるソフトライツ局を経て広報へ。日常の広報業務から派生する形で、「デジタル7chプロジェクト」や「50周年プロジェクト」に参加してきた。そして13年1月、キャラクター開発プロジェクトの立ち上げを担当することとなった。
「以前から、局のキャラクターが欲しいと社内からの要望が高かったんです。過去にもキャラクターがいたことはありましたが、なかなか定着せず、新たなキャラクター作りにはちょっと踏み出せませんでした。でも今回は開局50周年というきっかけもあり、力が入りましたね」
キャラクターの作り込みに使用したバリエーション案とCMの絵コンテ
桐生さんの上司をリーダーに、番組制作やコンテンツビジネス、編成、アニメなど各部署から横断的に選んだ約20人でチームが組まれた。
何度も意見を交わしていく中で、視聴者にテレビ東京のことを知ってもらえて、社内でも使いやすいキャラが求められていることが分かった。
制作の土台となったのは、50周年を控えて全社的に思案されていた「テレビ東京らしさ」を突き詰めること。
開局以来、独自路線を貫いて脈々と受け継がれてきたテレビ東京のDNA。これについて当時、社長が語った中に、スローガンの「まっすぐ、ずっと。」、そして「他局のやらないことをやる」といった分かりやすい言葉があり、社員がそれを共有できた。「だから同じ方向を見てスタートでき、よりどころにもなりました」
この精神に基づき、社外コンペで募集したキャラ案は130種類ほど。その集まった、可愛い動物や人などの「生き物」の中に、ひっそりと「バナナ」もいた。
ナナナのグッズは、現在50種類を超え続々と増えている
テレビ東京の局キャラクター「ナナナ」。その制作にあたった当時、どんなキャラにするか、コンペによって集まった案を、桐生さんたち開発プロジェクトチームは何段階かに分けて絞っていった。
ポイントはテレビ東京らしさと、末長く老若男女に愛されるもの。選ばれたのは、可愛い「生き物」にまぎれて最終選考までしぶとく残っていた「バナナ」のキャラだった。
「意外でしたが、ずっと気になる存在だったんです。実は皆もそうだったけれど『バナナはないよな』と思っていたとか(笑)」。賛否両論あったが、「失敗を恐れず、他局がやらないことをやる」というテレビ東京のDNAに立ち返り、また、他局のキャラは動物が多いということなども踏まえ、かえってテレビ東京らしいというのが決め手になってバナナになったと言う。
キャラを作り込む作業では、表情にこだわり、目の位置などもミリ単位で試行錯誤。キャラの運用方法も積極的に意見が飛び交い、将来こう使っていきたいという活用方法の夢リストを作った。
「各現場の思いを反映させたい。そう考え、さまざまな意見を整理してフィードバックし、最善の結論に到達できるようなアシストを心掛けました」
2013年9月にキャラ発表。同時に名前を公募し、年末「ナナナ」に決定した。
発表後すぐ社内外にお披露目に回った。「ナナナを目にして皆が笑顔になってくれるのが本当にうれしいです。賛否両論あったので歓迎してもらえて安心しました」
桐生さんの上司で、プロジェクトのリーダーだった門司玲子さん(右から2人目)と“ナナナ隊”
ナナナは局のイベントや番組で本格的に活躍していく。番組のMC(進行役)や、スポーツの各競技でもプロ顔負けの演技を見せ、人気も上昇。無料通信アプリ「LINE」のスタンプやオンラインゲームなど、今の展開は夢リストが実現したうれしい状態だ。
「私が担当している広報という仕事は現場の後方支援だと思っているので、ナナナの運用に限らず、現場からの要望や期待にはできるだけ応えようと決めています。『できない』と言わず、できるようにするためにはどうしたらいいかを常に考えたい。特にナナナは、まだまだ効果的な使い方をしてほしいですしね」
会社の規模が大きすぎないので案外、社内の風通しは良いという。そんな中でナナナの活躍に楽しんで取り組む桐生さん。「キャラクターは絶えず話題を提供し続けていかなければ忘れられてしまうので、現状におごらず、常に何かを仕掛けて盛り上げていきたいと思っています」
テレビ東京グループ社員出演の「ナナナのナナナたいそう」動画
「ナナナのナナナたいそう」というものがあるのですが、これを一般の方にトライしてもらった動画を現在募集中で、サイトでコンテストを実施しています。それに先立ち、テレビ東京グループのいろいろなセクションの社員にナナナたいそうを踊ってもらいました。この企画も、みんなが賛同してくれるかという不安もありながらの社内募集でした。見ると勇気と元気をもらえます。ナナナのサイトで公開中ですので、ぜひご覧ください。http://www.tv-tokyo.co.jp/nanana/
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