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ガツンと香り、パクチーファンの期待を裏切らない「きざみパクチー」。商品に込められた戦略と思いとは/中島 康介さん
ニーズに目を凝らし突破口への課題を探る イメージ画像

左が液状タイプの「クリーミーパクチーソース」。右がヒット中のチューブ型香辛料「きざみパクチー」

エスニック料理には欠かせない香草「パクチー」。その本格的な味わいを再現した、エスビー食品のチューブ入り香辛料「きざみパクチー」が人気だ。同社によると、2017年2月の発売から3カ月で年間の売り上げ目標を達成し、練りスパイス市場に投入される新商品の平均的な売り上げと比べて約7倍の実績だという。

「ここ数年のパクチーブームは、愛好家を意味する『パクチニスト』という言葉も生むほどすごいんです。好き嫌いがはっきりと分かれるパクチーですが、好きな人には熱狂的に受け入れられている。そんなファンも満足させられる商品を使いやすいチューブ型にし、125円(希望小売価格/税別)という手軽な値段にできたことがうまくいった要因と考えています」

そう分析するのは、同商品の企画を手掛け、現在は広報を担当している中島さんである。父親も食品メーカーの商品開発をしていて、子供のころから試作品やさまざまな国の料理に家で触れる機会があり、自分も同じ食品開発の道を目指した。理系の大学院を卒業してエスビー食品に入社。業務用の技術営業と商品開発を経て10年前に家庭用の商品企画に着任した。

レトルトカレーの「噂の名店」シリーズなどさまざまな商品を手掛け、4年前にすべての香辛料をマネジメントする担当に抜擢(ばってき)。そんな中島さんが「ついに来たか!」と勢い込んだのが、約3年前に訪れたパクチーブームだ。子供のころからエスニック料理に親しんでいた中島さんにとって身近だったし、スパイスとハーブの本家である同社としてもブームは見逃せない。

まずは外食から挑もうと、業務用の企画部署がパクチーソースを作ることになる。パクチーが苦手な人でも平気なようにマイルド風味にし、外食業界ではそれなりの実績を残した。そこで同じものを家庭用として中島さんが担当。ところがこれが想定を下回った。

「原因を徹底的に追求しました。そして、パクチー好きの消費者からマイルドにしないでと声が上がってハッとしたんです」。好む人は強烈な香りを求め、嫌いな人はそもそも食べない。つい嫌いな人にも食べてほしいと二兎(にと)を追い、コンセプトがぼやけて両者とも逃していた。また、110g300円(同)では試してみるには高く、量も多いという意見が多かった。

この反省から、パクチーの度合い、値段、量の3つの課題を改良すれば、必ずヒット商品が生まれるはずだと中島さんは奮い立った。

攻めに出て、今までにないものを形に イメージ画像

「きざみパクチー」を使った料理のレシピをホームページで紹介したり、小冊子を配布したりして提案している

17年2月に発売され、ヒットしているチューブ入り香辛料「きざみパクチー」。その誕生のきっかけは、同商品の前身である液状タイプの「クリーミーパクチーソース」の伸び悩みにあった。当時、商品企画に携わっていた中島さんはそこから新たな商品に着手。昨春のことだ。

「クリーミーパクチーソースはパクチーが苦手な人でも平気なようにマイルド風味にしていましたが、好きな人には物足りない。パクチー好きの私としては、開発部から上がってくる試作品には『もっと強烈な香りを!』という意見でした」。でも、苦手な社員からは過度な香りへの疑問が出て堂々巡り。

そこで社内のパクチー好きに料理の試食をしてもらうと、素材そのものに近い風味に人気が集まり、新商品には強めの味を決断。だが分かる人には分かるというものなので、役員会議がまた難関だった。それを乗り越えていくことで製品はブラッシュアップ。こうして生まれたきざみパクチーは気軽に試してもらえることを目指し、練りからしやわさびと同じチューブ入りにして、値段は125円(希望小売価格/税別)と手軽なものに。箱には「ガツン!と香る」と本格派をアピールするコピーも入れた。

「定型にしたことでスーパーの調味料棚に置きやすく、この値段なら百均ショップにも並ぶ。クリーミーパクチーソースは好きな人も嫌いな人もターゲットにしていましたが、今回は日本中のパクチー好きを根こそぎ狙いました」

発売と同時にSNSで好評の声が上がり、商品を求めて販売店を巡る人や、大人買いする人も現れた。こうして発売後3カ月で年間売り上げ目標を達成。「更に、新しい食文化の提案として夏のそうめんへの使用例を箱に明記し、これも当たりました。ベトナムのフォーに使うパクチーなら、そうめんにも合うという提案だったんです」

価格を抑えてこの香りと味を実現させるのは至難の業だったと中島さんは語る。「開発者の頑張りには感謝したいし、密にコミュニケーションを取れたこともありがたい。商品企画は開発やデザイン、工場、販売など多くの人がかかわるので、とにかくコミュニケーションが大事。それが円滑にいった商品は絶対売れると思います。きざみパクチーは、今までになかったものを形にできて本当にうれしいです。そして食品メーカーとしては今後も、食文化を豊かにするという、その役割も担っていきたいですね」

私の情熱を支えてくれるモノ

「クミン」を感じるカードケース

4年前、香辛料の商品企画担当になった時に購入したもので、折り紙のように1枚の革を折りたたんだ作りになっているエルメスのカードケースです。偶然目にした「クミン」という名のカラーについてその由来をスタッフに伺うと、クミンから立ち上る華やかな香りにインスピレーションを受けたと教えてくれました。クミンはカレーに多く使われる香辛料の名前。まさに自分の担当である香辛料の仕事、ひいてはスパイス&ハーブを掲げるS&Bの仕事をするにふさわしいと思い、即決しました。今も日々、この名刺入れを使うことで意気が上がりますね。

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