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キリンビールの「グランドキリン」。クラフトビールの世界観をパッケージデザインでどう伝えるか/小野 雅子さん
ディレクションでは常に相手の立場になる イメージ画像

「グランドキリン」の定番3商品。左から「JPL(ジャパン・ペールラガー)」「IPA(インディアン・ペールエール)」「WHITE ALE(ホワイトエール)」

2012年に発売された「グランドキリン」は、日本の大手ビールメーカーが手掛けたクラフトビールの先駆けとなる商品だ。「職人的な」「工芸」といった意味があるクラフトビールは、多種多様な味わいがあり、日本では小さな醸造所などで作られることが多く、コアなファンを増やしてきた。そこにキリンビールが参入し、市場は更に盛り上がっている。

グランドキリンのラインアップは、こだわりの国産ホップを使った「JPL」、個性豊かな複数のホップを使って柑橘(かんきつ)系の香り漂う「IPA」、そして白ワインのような香りの「WHITE ALE」の定番3種類に、季節ごとに限定商品が登場する。「コンビニやスーパーに置いていてクラフトビールを手軽に楽しんで頂けます。いろいろそろえた個性的な味わいを、その日の気分に合わせて選んでいただきたいです」

同商品のパッケージデザインを担当する小野さんはそう語る。他にも「秋味」や「本搾り」などのデザインも担当している。

小野さんは、小さなころから紙と鉛筆さえ持っていればご機嫌な子だったという。美大に進学し、数あるデザインの仕事の中から選んだのが、生活に密着している「パッケージデザイン」だった。そして洋菓子メーカーでの勤務を経て、16年春にキリンビールに転職する。

「もの作りに一から携わりたくて、就職活動の時からデザイン事務所ではなくメーカーを志望しました。キリンビールに転職した理由はお酒が好きなことと、ビールという日常的に多くの人が触れる商品のデザインができること。私は今デザイン開発のディレクションを行う立場ですが、前職はデザイナーで、その思考などを理解した上でデザイナーに伝え、より魅力的なものができるようにと心掛けています」

グランドキリンの担当になったのは16年の夏ごろ。ターゲットを若い層などにも広げ、より手に取りやすいよう、瓶から缶にパッケージをリニューアルするタイミングだった。「グランドキリンのデザインは自由で楽しそうに見え、担当になれてとてもうれしかったです」

缶のデザインは360度、1枚の紙を広げたスペースに表現する。ただ、同社のビール缶のデザインには、シンボルである「麒麟(キリン)」の使い方をはじめ正統感を守るルールが多くある。グランドキリンは嗜好(しこう)性の高いビールなので遊び心や自由な発想に重きが置かれてはいたが、制約との調和もあり、そこが悩みどころだった。

手掛けるものを一歩引いた視点で考える イメージ画像

限定商品「梅雨のエキゾチック」(現在は終売)は、ジメジメした季節に爽やかさを演出しようと、鮮やかなアジサイの絵をラメインクを使用して表現した

「グランドキリン」のパッケージデザインを担当する小野さん。これまでいろいろなラインアップの商品をディレクションしてきた。

デザイン業務はまず、その商品の開発担当者と綿密な打ち合わせを重ね、コンセプトを共有することから始まる。デザインのリニューアルではなく新商品の場合は、まだ味が最終決定していない段階からデザインの方向性などに取り組み始め、味が絞られてきたら微調整を行っていくという。そしてその後、外部のデザイナーにディレクションして共にデザイン開発を進めていく。

「ディレクションでは言葉で説明するだけでなく、イラストなどを使ってイメージを共有することに心を砕き、何度もやりとりすることで更にイメージを固めていきます」

グランドキリンの場合、デザインの自由度が高いため、時にマニアックになり過ぎることもある。「遊び心を大切にしている商品ですが、行き過ぎると偏ります。やはりビールなので正統感は必要で、味を想起させたり、商品名やビアスタイル(種類)などこちらが伝えたい情報を分かりやすく見せたりなど、自由と制約の間の調整がとても難しいですね。ある程度デザインが固まると社内の模擬棚に置き、商品名がしっかり見えるか、周囲の商品に埋没しないかなどを細かくチェックして改良していきます」

小野さんにとって思い入れのある商品は多いそうだ。例えば18年夏の限定商品「GALAXY HOP」は、缶の面を夏の夜のイメージで1枚の絵に見立て、望遠鏡と夏の大三角形の星座を描くなど遊び心満載で、制作側もワクワクしながら取り組んだ。グランドキリンの特色あるパッケージには発売後、消費者がSNSに「かわいい!」という声を上げることも多く、そういった反応はとても励みになるという。

「商品棚にビールの競合商品がたくさん並ぶ中、一瞬の判断で手に取っていただけるかどうかはデザインが勝負でもあります。それはとても厳しいですが、やりがいもある。私は学生のころから、パッケージデザインは見る方、お客様の目線に立ち、一歩引いた視点が大事と考えていましたが、ディレクション業務を担当したことで、そんな広い視点を持てるようになりました」

今回クラフトビールを担当し、ビールとはこんなに種類があって楽しいものだという奥深さを改めて学んだと語る。「今後も、そういう自分が感じる楽しさなどをデザインに生かしていきたいですね」

私の情熱を支えてくれるモノ

初心に戻れる、大好きなデザイナーの作品

学生のころから大好きな、イラストレーターでグラフィックデザイナーの山名文夫さんのデザイン集と、フランスのポスター画家、レイモン・サヴィニャックさんの作品です。日々の仕事でいろいろと落ち込んだりした時に、これらの作品を見ることで自分がデザイナーに憧れていたころの初心に帰り、今自分はその仕事に就けているんだという幸せを感じます。

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