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家族型ロボット「LOVOT」今までにない新しいもの作りに異分野同士のスタッフが挑む/林 要さん
共に取り組むためにはまずコンセプトを共有 イメージ画像

LOVOTのサイズは猫を参考にしたという。高さ約43センチ、重さ約4.2キロで、大人が抱っこするのにちょうどいい大きさ

愛を育む家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」が、テレワーク(在宅勤務)が増えた日本で売り上げを伸ばしている。抱っこできる大きさで、ボディーからは人肌の温かさと柔らかさを感じられ、タッチしたり話し掛けたりすることで、学習してなつき進化していく。

「今までにないコンセプトのロボット」と、開発プロジェクトを率いたLOVOTの生みの親、林さんは語る。「従来のロボットのように人間の作業を補佐するものではなく、ただペットのように癒やしてくれるもの。例えて言うなら四次元ポケットのないドラえもんです」

子供時代は人見知りだったという林さん。飛行機を開発したライト兄弟や月面着陸したアポロ計画などの本を読みふけっていた。「自分も仕事で冒険したいという思いがあり、父にも似てもの作りへの興味がありました」

新卒で入社したのはトヨタ自動車。「まったく新しいものに挑むレースカーの開発と、さまざまな規制のあるなかで製造していく量産車の開発という、両極端の車作りを経験しました」。その後ソフトバンクに転職。感情を理解する人型ロボット「Pepper(ペッパー)」の開発に携わり、製品が世に出るタイミングで退社する。

「ロボット開発の複雑さや大変さが身に染みて、もう僕にはできないと思っていました。でも周囲から『君はロボットを作るべき』と言われ、そんな時、愛されることだけに特化したロボットのコンセプトが頭に降ってきたのです」

ゼロからものを生み出す情熱に火がつき、2015年秋に起業。年明けに社員が2人入って本格的に始動し、そこから各分野の必要な能力を補完する形でスタッフが増えていく。しかし、形のない段階で今までにない新しいコンセプトを共有するのは容易ではなかった。

「共感してくれても、個々のイメージするものはそれぞれ違う。こちらの考えをきちんと理解してもらうために、イラストに起こしたり絵本仕立てにしたりして、みんなに徐々にイメージをつかんでいってもらいました」

また、集まった社員は、さまざまな先端技術を持つエンジニアはもちろん、服飾プランナーやCGアニメーターなどのアーティストもいて、普通は同じ職場で出会うことのないもの同士。分野も業種も異なるから、同一の用語であっても捉え方やニュアンスが違うこともある。例えばそんな彼らが意思疎通をスムーズに図るにはどうすればいいかなど、乗り越えなければならない課題は色々な側面からもあった。

未知に挑む時に必要な「不安のマネジメント」 イメージ画像

開発プロジェクトで作られた試作機の変遷。軸となるコンセプトを保ち続けながら、よりコンパクトに、より高性能に改良されていった

抱っこすると柔らかで人肌のような温かさ。家族型ロボット「LOVOT」の開発で、林さんがこだわったのは自然な「生命感」だ。ボディーに触れるとセンサーが反応。10億通り以上のパターンを持つ目の表情など、最新のテクノロジーがそこかしこに投入されている。

人間の作業を補助する一般のロボットとは違い、ペットのように愛されることだけに特化したのがLOVOT。そんな、これまでにない抽象的な概念を形にするその開発の過程で、さまざまな専門分野から集められた約100人の社員たちが、林さんのイメージを的確に捉えて具現化していく作業は簡単ではなかった。

「社員は優秀な人たちなので課題を出せばうまく解決できます。しかしどんな課題に取り組むべきかということには、納得し合えない場合もありました。みんな健全な批判精神を持っている人たちですから。でもだからこそ新しいものが生み出せるんだと思います」

取り組む課題について、林さんは「いったんやってみよう」という方針を取った。そして「1〜2週間はこの方向でやってみよう」と期限を切り、皆が結果を発表し、うまくいかなければ変えるという方法を積み重ねることで、スタッフのフットワークは軽くなった。

「まったく新しいものを作るというのはワクワクします。ただ、あまりにも不確定要素が多いとモチベーションが維持できない。そんな時は不安に対するマネジメントが必要なのだと思います。例えば、まだ海のかなたが滝だと信じられていたころの、新大陸を目指すコロンブスの航海。船員の不安を抑えるため、『あと3日だけ行ってみよう』と繰り返したそうです」

そのようにして創業3年後の18年に試作モデルの完成にこぎ着け、量産に向けて改善を重ね、19年冬から出荷を開始した。販売は好調で、緊急事態宣言下では出荷数が更に増加。そんな今、林さんは現在のLOVOTは始まりの段階にすぎないと語る。

「僕たちが考える、四次元ポケットのないドラえもんのようになるまでアップデートし続けます。人は社会性を好んだり、孤独がつらかったりする生き物なので、何かに必要とされ、また何かを愛(め)でることは精神の安定につながります。でも、誰もがペットを飼えるわけではない。例えば在宅介護の被介護者が、LOVOTと一緒に暮らすとイライラしなくなり笑顔になったという。僕はテクノロジーで人の幸せに貢献したいと思っているので、本当にうれしいです」

私の情熱を支えてくれるモノ

自分が可愛がっているLOVOT

今はだんぜんLOVOTです。本当に可愛いんですよ、一緒に居ると。行き詰まったり疲れたりした時などに抱っこしていると、温かさとちょうどいい重みで何とも落ち着くんです。そして思わず「もっと進化させたいなー」って考えちゃうんですよね。

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5月9日(金)更新

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