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スペシャル対談 vol.14 経験が自分を形成する(前編)堂珍嘉邦×木下晴香

お互いの良さを盗むことで高め合える

木下:ブロードウェーミュージカル「アナスタシア」の日本初演がいよいよ2020年3月1日(日)から始まります。主演というのは初めてなので、緊張しつつもワクワクするし、自然と気合が入ります。

堂珍:僕は、帝政ロシアでうわさになった話を、豪華なセットでファンタジックに表現したところが気に入っています。

木下:すごくロマンチックなんですよね。私が演じるのは記憶を失った少女アーニャ。過去と自分の居場所を探すため、勇気を出して旅に出ます。彼女には一人で生きてきた強さがある。そこの部分を大事に演じたいです。

堂珍:僕が演じる将官グレブは葛藤のかたまり。軍人の家系に育った宿命と、純朴であるがゆえ、アーニャとの出会いによって変化する自身の心が認められず、ずっと揺れ動いています。本番ではそこをうまく表現できたらいいなと。

木下:台本を読んでまず、グレブが一番難しい役かもって思いました。気持ちが複雑だから……。

堂珍:やっぱり(笑)。ただ、トリプルキャストで同じグレブ役を演じる山本耕史さんが、最初に「互いの良さを盗み合っていこう」と言ってくれたので、勉強させてもらいながら役作りをしています。木下さんのアーニャ役も葵わかなさんとダブルキャスト。それぞれの良さが際立って面白い舞台になりそうですよね。

木下:そうなんです。葵さんならではの解釈を聞くことで新たな発見があったし、私も、お稽古で葵さんの演技を見ながら自分の描きたいアーニャ像というのが定まっていきました。

堂珍:それはいいですね。ところで、そもそも木下さんはなぜミュージカル俳優の道に進んだのですか? それに、これまでで一番衝撃を受け、「これ、やりたい!」って思った作品はありますか?

木下:ミュージカルには小さいころから興味があって、地元のスクールに通っていました。一番衝撃を受けたのは小4の時に見た「ウィキッド」です。もう客席から立ち上がれないくらい感動しました。その後、高1の一時期進路に悩んでいたのですが、福岡の劇場で「レディ・ベス」を見て、これまたすごく衝撃を受けて、迷いなく「ミュージカルを仕事にしたい」と決めたんです。

5月9日(金)更新

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