Vol.9 実績十分な48歳、元管理職が越えるべき壁は?
現在48歳で、転職活動中の挑戦者。これまで正社員として3社に勤務し、営業部門、企画部門での管理職としての実績がある。今回挑戦するのは、これまで経験してきた業種と近い飲料系の企業での法人営業。企業側から見れば、経歴的にも十分期待の持てる人材だ。ただ、直近の離職理由が健康問題にあり、1年間のブランクを経ての社会復帰。さらに40代後半という年齢も、企業にとっては難しい選択となる。挑戦者は、面接の場をうまく活用して、こうした懸念点をプラスに転換できるだろうか。
今回の挑戦者
挑戦者:佐藤さん(仮名) 応募業種:フードビジネス 応募職種:法人営業 年齢:48歳・男性
【40代後半】【営業】【ステップアップ転職】
大学卒業後、大手酒類メーカーに入社。法人営業を担当し、30代前半で管理職に昇格したが、37歳の時に退職。大学院に入学し、MBA(経営学修士)の学位を取得する。その後、同業種の外資系企業に就職するが、業績悪化のため早期退職優遇制度を利用して退職。すぐに中堅の酒類メーカーに転職を果たすも、体調を崩して半年で退職を余儀なくされる。1年間の療養を経て回復し、今回転職活動を再開した。
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前編の見どころ
挑戦者の経歴書を見て、まず面接官が気になったのが二度の転職のタイミングだ。最初は営業として実績を上げ、管理職として責任ある立場を任されていた30代後半、さらに2社目も46歳で退職している。自身の人生の展望をどのように描いていたのか、そして、経歴書からはうかがい知れない理由があるのではないか。経歴をたどりつつ、挑戦者の仕事に取り組む姿勢を明確にしたい面接官。その疑問点をぬぐい去り、納得させられる回答ができるかが、挑戦者にとっての最初のハードルとなった。
中編の見どころ
挑戦者の年齢やこれまでの経歴から、管理職での採用も十分に考えられる。面接官はそれを想定し、挑戦者に「わが社でどんなことをやってくれるのか」とストレートな質問を投げかけた。採用に結び付く回答をするためには、これまでの経験や実績は当然のことながら、その企業にとってのメリットを語りたいところだ。面接に際しての企業研究、事前準備の有無が問われる場面でもある。採用側の視点に立って、自分がどのように貢献できるかをアピールできれば、活路は見いだせるのだが……。
後編の見どころ
ここで面接官は、大きな懸念点であった健康問題に踏み込んだ。今回の募集職種は法人営業。決して体力的にラクな仕事ではない。企業は社員の健康不安をリスクと考える。病気による退職はやむを得ないことではあるが、社会復帰を目指す現状において、相手を納得させるには、どんな言葉や材料が必要か。挑戦者もここは想定の範囲内、準備していた回答で面接官の問いかけに応じる。
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【POINT1】話が長くまとまりがない
一つの質問に対しての回答が長く、しかもまとまりがないため結論が分かりにくい。全体を通して面接官が持った印象だ。特に、冒頭の経歴を話す場面。事前に経歴書を提出しているので、すべてを話す必要はない。ここはむしろ、面接を受ける企業の業種や職種に絞って、求められるスキルや経験をアピールすることに重きをおいた方が、断然評価を上げることになっただろう。知らず知らずのうちに長く語ってしまうクセは、本人が気付きにくいので要注意。重要な部分は何かを整理して、簡潔な言葉で伝えるように心がけると良いだろう。
【POINT2】弱点をカバーするエピソードを入れる
人は誰しも、何かしら弱点を抱えているものだ。しかし面接では、そうした点こそ企業側は気になるもので、あえて追及する場合が多いことも心得ておこう。今回の場合は、なぜ転職したのか、病後の状態はどうか……といった内容は、あって当然の質問として動揺なく答えられるようにしておきたい。さらに、できるだけ具体的なエピソードも加えることで、説得力が増す。後半、病後の体調のことを聞かれた挑戦者が、具体的な例を挙げながら回答していたのは、事前に質問を想定して準備ができていたからだろう。
【POINT3】受け答えが堅く頑固な印象
中途社員を採用する場合、スキルや経験も大事だが、企業側はそれ以上に自社の社風に合うか、他の社員とうまくやっていけるかを判断基準とする場合も多い。人と接する時に柔軟性はあるかどうかという点は、重要なポイントの一つだ。特に年齢が高い場合ほど、その傾向は強くなる。挑戦者は、質問に対して矢継ぎ早に回答をする場面が多く、受け答えに少々頑固そうな印象が感じられた。面接官の質問は、気になる点をたずねるもの。それに対してはね返すような回答をするのではなく、例えば「確かにそうですね。ですが私の場合は……」などと一度受け止めてから回答するようにすると、かなりソフトな印象に変わるだろう。
【POINT4】「やりたいこと」ではなく「できること」を語る
挑戦者のスキルや経験が十分に魅力的であっても、40代後半の人材を採用するのは、会社にとっては大きな賭けでもある。面接官があえて「やりたいこと」ではなく「やれることは何か」と質問したのは、挑戦者に夢や可能性を求めたのではなく、現実にできることが知りたいからだ。この年代ともなれば、さまざまな引き出しを持っていることだろう。その中で企業が欲している力が何かを的確に捉え、自分にできることをアピールすることが、「この人を採用したい」と思わせる大きなポイントとなることは間違いない。
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回答のコツを伝授!面接官からのアドバイス
今回の挑戦者は、経歴的には十分な実績を持っており、企業側は、うまく生かせば力を発揮してくれるだろうという期待感を持つはずです。48歳という年齢ですから、管理職としての採用も当然考えられますが、そうした際には人柄も特に厳しく見極められます。面接を通して、協調性や柔軟性がもう少し感じられると、さらに評価を高められたでしょう。
それなりのポジションにこだわりたくなる年齢ですが、「年齢は上ですが、現場で汗をかいて営業を頑張ります」などと、役職にこだわらずに仕事をしていきたいという姿勢をアピールするのも、一つの選択肢として考えても良いかもしれません。
挑戦者の感想
面接官から話が長過ぎると指摘されたことに関しては、どうしても自分を良く見せようと意識してしまい、ついいろいろな話を盛り込み過ぎてしまっていたと反省しました。今後は伝えるべきことを整理して、簡潔に話すようにしたいと思いました。
また、頑固な印象を受けると指摘された点は、少し驚きました。でも、面接官からの意見を得られる機会は貴重なので、素直に受け止め、受け答えにもう少し気を配りながら、新たなチャンスに挑みたいと思います。
今回の面接の心得
- 伝えたい内容を絞って簡潔に話す
- 弱点には説得力のあるエピソードを盛り込む
- 質問を受けたらワンクッション置いてから回答する
- 実績を期待される年代は「できること」を語れ
今回の面接官 Profile
細田 咲江さん
早稲田大学卒業後、流通会社で12年間、主に人事部に従事。1994年に上田晶美さんとともにハナマルキャリアコンサルタントを設立。現在は、埼玉女子短期大学にて准教授としてキャリアに関わる授業を展開。
また、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演・執筆など幅広く活躍中。近著では、転職の最新ノウハウを満載した「転職 書類」「転職 面接」(すばる舎発行)が話題になっている。
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