
Vol.10人気のクリエイティブ系。やる気をアピールするだけでは通用しない
これまで接客業から事務系の業務まで、さまざまな仕事をこなしてきた挑戦者。今回、未経験ながらフードビジネスを展開する企業の販促企画・デザイナー募集にチャレンジした。内情を見極めずに転職した前職で、職場環境や仕事内容に違和感を持ち4カ月で退職した苦い経験がきっかけだ。「やりたい仕事に就きたい」という思いを強くして、憧れのデザイナー職への道を探る。しかし、42歳という年齢で未経験からの挑戦は、企業側にとっては慎重にならざるを得ない条件。経歴書では伝わらない、人間力やスキル、自分の可能性をアピールできる、面接こそが勝負のカギとなるのだが……。
- 今回の挑戦者
- 挑戦者:石川さん(仮名)応募業種:フードビジネス 応募職種:クリエイティブ 年齢:42歳・女性
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高校卒業後、公益団体で嘱託員として勤務し、接客や労務管理など幅広い業務をこなす。その中で販促用ツールのデザイン業務に関わったことから興味が湧き、働きながら通信制の大学で情報デザインを学ぶ。その後、デザイン関連の仕事を探したがかなわず、派遣社員としてデータ入力の業務に約1年間携わった後、同様の仕事で正社員採用となるが、約4カ月で退職。本来やりたかったデザインの仕事に絞り、転職活動を再開した。
あなたならどう答える?他人の面接を体感してみる!
面接官が経歴書を見てまず感じた疑問が、これまでの仕事に一貫性がないことだった。接客販売や事務職、データ入力などの職種を転々とし、また正社員としての経験も浅い。さらに今回、経験のないデザイナーという職種に応募している。挑戦者の仕事に対する意識や姿勢に問題はないかを確認するため、経歴と転職の経緯をたずねた。鋭い質問に戸惑いを見せる挑戦者。弱みを見せずに、うまく切り抜けたい場面だ。
今回の採用で、もっとも重要なのは、デザイナーとしての技量やセンスだ。特に挑戦者の年齢であれば、当然、即戦力として活躍できるかどうかを見極めたいところだ。そこで面接官が「実績となる作品を見せてほしい」と求めると、準備していた作品を見せる挑戦者。デザイナーとしての実績に乏しいところが弱点だが、むしろ自分の作品を通してその実力をアピールできるチャンスとも言える。面接官の心をつかむプレゼンテーションを展開できるだろうか。
特にクリエイティブな業務では、入社してからどのような仕事をこなしていけるかをイメージできる人材が求められる。面接官は、挑戦者が自社イメージをどれだけ理解し、またそれに合った表現力があるかを知りたいところ。そこで「当社の店舗でメニューを作るとしたら?」と具体的なアイデアをたずねた。当然予測される質問である。きちんとした企業研究を行い、面接への準備を周到に行っていれば、決して困難な質問ではないが、挑戦者の回答は?
挑戦者はどう答えたか?緊迫のシーンを振り返る!
POINT1企業研究がまったくできていない
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細田 咲江さん
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早稲田大学卒業後、流通会社で12年間、主に人事部に従事。1994年に上田晶美さんとともにハナマルキャリアコンサルタントを設立。現在は、埼玉女子短期大学にて准教授としてキャリアに関わる授業を展開。
また、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演・執筆など幅広く活躍中。近著では、転職の最新ノウハウを満載した「転職 書類」「転職 面接」(すばる舎発行)が話題になっている。
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