Vol.11 まじめすぎる人柄に、面接官が感じたマイナスイメージとは?
長年、金融機関で事務職に従事してきた挑戦者。3年ほど前に家庭の事情で離職し、その後は時間の融通がきくパート職で販売の仕事を行ってきた。再び正社員を目指して1年前から転職活動を開始した挑戦者だが、なかなか成果に結び付いていない。現在も転職活動を継続中だ。これまで培ってきた金融業界でのキャリアを生かそうと、職種を経理や総務の仕事に絞り、今回は広告代理店の総務・経理を中心としたバックオフィス業務を担う人材募集にチャレンジした。面接への苦手意識からか、表情の硬い挑戦者に、面接官はいくつかの問題点があることに気付く。
今回の挑戦者
挑戦者:浅田さん(仮名) 応募業種:広告 応募職種:総務・経理 年齢:35歳・女性
【30代後半】【事務】【ステップアップ転職】
短期大学を卒業後、地元の金融機関に就職。10年間にわたり勤務し、窓口業務でのお客さま対応、渉外サポートなどの業務をこなしてきたが、祖母の介護のため退職。その後は実家近くの和菓子店での販売のパート勤務を約2年間続けた。祖母が施設に入所したことを機に、正社員としての就職を目指すべく、活動を開始する。簿記3級、日商PC検定2級など事務・経理系の各種資格も取得している。
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前編の見どころ
今回の募集は、経理事務をこなせる人材の採用である。中途採用であれば、当然ながら即戦力が求められることから、面接官はこれまでの経歴を問い、実務経験の具体的な内容に関する確認をした。専門的なスキルが求められる職種だけに、挑戦者の能力が問われる部分だ。これまでのキャリアを伝えるだけでなく、エピソードを交えて挑戦者ならではの実績をアピールしたいところ。面接官に好印象を植え付ける最初のポイントとなる。
中編の見どころ
経理事務という職種は、他の多くの企業でも募集している。その中で今回、なぜ当社を選んだのか、面接官はその点を確認したいと思った。特に挑戦者がこれまで働いてきた金融機関と、広告代理店はかなり社風が異なる。それを理解しているのかという疑念を持ったからだ。せっかく採用しても、社風に合わず、すぐに辞めてしまうような人を採用したくない、というのが企業の本音である。挑戦者にとっては、「この会社だからこそ入りたい」と、熱意をアピールするべき場面なのだが……。
後編の見どころ
ここまでの面接を通して、面接官は挑戦者の対応が気がかりだった。ずっと表情に変化が見られず、受け答えも硬いので、柔軟性に欠けるのではないかという印象を持ったのだ。採用の最終判断では、人間的な部分が決め手となることも多い。特に中途採用では、新しい職場にうまくなじむことができるかを見極めたい。そこで「若い社員となじめるか」とストレートに質問を投げかけた面接官。その不安をぬぐう回答ができるだろうか。
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【POINT1】受け答えがマニュアル通り
全体的に質問に対する回答が、事前に準備した内容を述べている、という印象を強く受ける。そのため、挑戦者のまじめさが際立ち過ぎて、柔軟性のない性格のように感じさせてしまう。企業として求める人材は、決められたことをきちんとできるのは当然として、さらにさまざまな状況に応じて、臨機応変に対応できる能力を持つ人だ。そうした点に不安を持たれてしまう結果となった。“この質問にはこの回答”と準備を整えすぎず、いくつかのポイントを念頭に置いて、もう少し自分の言葉で話すように心がけると良いだろう。
【POINT2】表情が硬い
面接中、微動だにせず、口元だけで話しているような感じであった。本来の挑戦者の良さがうかがえず、一緒に働く姿をまったく想像することができなかった。面接では当然緊張もするし、きちんとした姿を見せたい気持ちもわかるが、それが過ぎると堅苦しそうといったマイナスイメージを植え付けてしまうことにもなりかねない。口を大きく開けて話す、笑顔を作る。それを意識するだけでも印象は大きく変わる。タイプにもよるが、今回の挑戦者のようなまじめさが強く印象付けられる人の場合、少し肩の力を抜いて、自然な姿で挑むように心がけてはどうだろうか。
【POINT3】志望動機が不明確
経理事務といった事務系職種の採用では、仕事内容にあまり差異がないため、企業側から「なぜ当社に入りたいと思うのか」と問われる場面は多い。長く働いてもらうためにも、企業と社員のミスマッチを避けたい、という理由からだ。「ちゃんと企業研究をして応募してきている」と採用担当者に思わせることも肝心。今回は特に、挑戦者のまじめで堅実そうな性格と、時代の流れをつかんで動かしていくような広告系の企業の社風には違和感を覚えた。合う企業、合わない企業の見極めは、本人だからできること。企業研究をしっかりと行ったうえで、自分に合った企業を選ぶことはとても重要であると意識しておきたい。
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回答のコツを伝授!面接官からのアドバイス
本来はもっと親しみやすい方だと思うのですが、とにかく表情も回答も堅苦しく、人間味が伝わってこなかったのが全体を通しての印象でした。面接できちんとしようという意識が強過ぎるのかもしれません。しっかりと業務をこなしていくタイプ、まじめな人柄は十分に見て取れます。ただしそれが硬い印象を与えて、仕事でも柔軟性がない、扱いにくいと思われてしまっては、本人にとってももったいないことです。加えて、企業選びに関しても、こうした性格からは今回の広告代理店はちょっとミスマッチな感じがします。もっと人柄の柔らかさを面接で見せることと、自分に合った社風の企業を探すこと。この2点を特に修正して、今後の転職活動に生かしてほしいと思います。
挑戦者の感想
これまで面接後に不採用をいただくことも多く、苦手意識が強くなってしまい、最近はとにかく事前準備に重きを置いていました。緊張したのも含めて、回答での堅苦しさを指摘されたのは、そうした部分で面接官に良くない印象を与えてしまっていたと、新たな気付きとなりました。また仕事を探すうえで、とにかく職種で絞りこんでしまっていたので、会社自体を掘り下げていませんでした。企業研究の甘さも反省すべき点です。もう一度、自分自身を洗い出して整理し、自信を持って、笑顔で面接に挑めるようにしたいと思いました。
今回の面接の心得
- 回答は準備しすぎず、ポイントでまとめておく
- 表情を豊かに、身振りなども加える
- 堅苦しい表情や回答は柔軟性に欠けている印象を与える
- 自分に合った社風の企業を探す
今回の面接官 Profile
細田 咲江さん
早稲田大学卒業後、流通会社で12年間、主に人事部に従事。1994年に上田晶美さんとともにハナマルキャリアコンサルタントを設立。現在は、埼玉女子短期大学にて准教授としてキャリアに関わる授業を展開。
また、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演・執筆など幅広く活躍中。近著では、転職の最新ノウハウを満載した「転職 書類」「転職 面接」(すばる舎発行)が話題になっている。
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