Vol.12 資格を取得してキャリアチェンジ。非常勤講師への道は開かれるか?
大学卒業後、不安定な職場を転々とし、30代からはフリーランスや契約社員という形で10年以上にわたり雑誌やカタログなどの校正業務を行ってきた挑戦者。40代中盤にさしかかり、安定した職業を模索するなかで、日本語教師という職業に興味を持ち、資格を取得。大学時代の塾講師程度しか教育現場での経験がない挑戦者だが、長年の校正経験から日本語に関しての知識は豊富。自身の強みをうまく伝えて評価を高め、結果につなげたいところだ。思い切ったキャリアチェンジに、挑戦者自身の覚悟がうかがわれるのだが……。
今回の挑戦者
挑戦者:奥田さん(仮名) 応募業種:教育 応募職種:非常勤講師 年齢:44歳・男性
【40代前半】【教育】【未経験転職】
大学を卒業後、アルバイトを経て中国に語学留学。帰国後はその経験を生かして、旅行会社などで契約・臨時社員として留学アドバイザーの業務をこなす。30歳のときに出版業界に興味を持ち、校正者に転身。雑誌やカタログ、チラシなどの校正業務を行う。複数回の転職を経験し、いずれも勤務形態は業務委託、契約または派遣社員。半年前より日本語教師養成講座に通い、修了したのを機に日本語教師としての仕事を求め、求職活動を開始した。
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前編の見どころ
大学卒業後から現在まで正社員の経験が一切ない挑戦者。まず面接官はこの点に不安を覚えた。仕事に対して真面目に取り組む姿勢はあるのか、働く意欲はしっかりあるのかを確かめようと、これまでの経緯についてたずねた。転職や校正者になったきっかけなど、そのときどきの事情を事細かに説明する挑戦者。しかし「踏み切れなかった」「年齢的に」などの言い訳がましい言葉に終始してしまい、プラスに評価できる点が見えてこない。仕事に対する意識の甘さが印象に残ってしまった。同じ事実でも表現によって印象は変わる。当然、突かれるであろうと予測される質問に対して、事前準備の甘さが露呈した結果に。
中編の見どころ
面接も中盤に入り、質問も核心へと迫っていく。面接官は、日本語教師としての経験がない挑戦者に、どれだけの実践的な能力が期待できるのかを知りたいと思った。そこで日本語教師として働くにあたって、どのようなイメージを持っているかを問うことにした。採用の有無を決めるにあたって、もっとも重要視される大事なシーンだ。挑戦者は日本語教師としての自分の可能性を、面接官を納得させられる形でアピールできるか。面接の大きな山場がおとずれた。
後編の見どころ
面接官は、当初から感じていた仕事に対する意識の甘さへの不安が拭えない。雇用する側にとっては、採用後もしっかりと働き続けてくれるかは重要なポイントだ。今度はストレートにその疑問を挑戦者にぶつけてみた。言葉を選びつつ答える挑戦者。誠実な回答ではあるのだが、それ以上のものが伝わってこない。そこで面接官は、さらに挑戦者の人柄を探ろうと、踏み込んだ質問を重ねていくことにした。
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【POINT1】可もなく不可もないが、アピール力が弱い
話し方もソフトで、質問に対してもきちんと誠実に回答している姿勢がうかがわれた。コミュニケーション力にも問題がなく、印象は悪くない。しかしアピール力が弱く、本人の魅力や強みが伝わってこなかった。そのため面接を終えたあとの印象が弱くなってしまう結果に。限られた時間の中で、いかに自分の得意分野や人柄をアピールできるかが面接のポイントだ。面接官との単なる会話で終わるのではなく、自分には何ができるか、自分の強みは何かを、伝えられるようにしたい。自己分析、さらに希望する業種にマッチする形での自己アピールを心がけたい。そのためにはきちんとした事前準備が必要だろう。
【POINT2】職業選択が場当たり的
これまでの経歴をたずねると、どれもその場の状況に身を任せて職業選択をしている感があり、将来に向けての展望もなく現在に至っているように見受けられた。それは今回の応募においても、本当にしっかりと働き続けてくれるのかという不安を企業側に与えてしまうことにもつながる。転職回数が多い、離職期間が長いなどマイナスに捉えられがちな状況にある人であれば、この課題を払拭できるように準備と心構えを持って面接にのぞむ意識が必要だろう。加えてこの会社に入りたいという志望動機や、将来のビジョンなど、前向きな熱意を伝えることで働く意欲を強くアピールすることも大切だ。
【POINT3】最後のチャンスを生かせていない
面接の終わりに、「何か質問は?」と面接官が問いかけた。ここは良くも悪くも面接の最終的な印象を残す場面である。挑戦者にとっては最後のチャンスでもあるのだから、もっと踏み込んだ質問がほしかった。特に今回の挑戦者は、面接の全体を通して、具体的に仕事に関して自分をアピールする力が弱かった。最後に与えられたこうした機会を活用できれば、面接官にいい印象を残すことで、全体の評価アップにつながることもある。最後まで気を抜かず、積極的に攻める姿勢を意識しておきたい。
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回答のコツを伝授!面接官からのアドバイス
今回の募集は、専門学校の非常勤講師。会社側にとってはリスクをそれほど賭けずにいい人材を採用したい、という思いもあります。正社員ほどハードルは高くないので、教員としての実績がない挑戦者にも、比較的アプローチしやすい選択でしょう。挑戦者はコミュニケーション能力も十分にあり、人当たりもよく、教員としての素地はあると思われました。ただ、アピール力が弱いため、採用面接で複数の希望者がいた場合、ぜひこの人を採用したいという思いに至らないかもしれません。もっと自分の個性や魅力を伝えられると、より採用の可能性が高まると思います。自身の将来を見据えながらきっちりと展望を描き、求職活動に取り組んでほしいと思います。
挑戦者の感想
現在求職中で、いくつか面接を重ねています。今回は自然体で挑んだのですが、肩の力を抜いて自分らしさが出せたと思いました。しかしその分、アピール力不足を指摘されてしまい、難しさを感じています。また私の場合、これまでの経歴から職業選択が場当たり的だと感じられるという指摘には、第三者からはそう見られるのかと勉強になりました。私自身はそのときどきの状況で真剣に考えて選択してきた道ですが、そうしたことも含めて説得力ある言葉でしっかりと説明できるように、これから準備を整えようと思いました。
今回の面接の心得
- 自分の印象を残すアピール力を持つ
- 過去の職業選択の理由を明確にしておく
- 自分の弱点を補う言葉を持とう
- 逆質問のカードも用意しておこう
今回の面接官 Profile
細田 咲江さん
早稲田大学卒業後、流通会社で12年間、主に人事部に従事。1994年に上田晶美さんとともにハナマルキャリアコンサルタントを設立。現在は、埼玉女子短期大学にて准教授としてキャリアに関わる授業を展開。
また、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演・執筆など幅広く活躍中。近著では、転職の最新ノウハウを満載した「転職 書類」「転職 面接」(すばる舎発行)が話題になっている。
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