転職ノウハウ

応募企業の探し方や履歴書の書き方、面接のポイントから円満退職の秘けつまで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!

実録!面接徹底攻略法 今回の面接者
【第8回】
元編集者は営業志望としての
訴えるべきポイントがズレていた。


今回の面接設定 応募業種:出版
応募職種:営業
年代:30代前半

関西に本社をおく老舗の広告代理店が九州事業所の営業職を募集した。事業所の現在のスタッフは10人。規模は小さいだけに、営業は制作管理までやっている。その募集にやってきたのは、東京の出版社や制作会社での編集職経験はあるが営業の経験はない近藤さん。面接官は今までのキャリアをどう生かしていくのかが採否のポイントだと考えていた。

今回の挑戦者



名前:近藤 誠(仮名)
経験年数:未経験
年齢:30歳
職務経歴:大手出版社で編集の仕事に携わり、その後編集プロダクションで制作ディレクターとして勤務する。
志望動機:編集・制作の業務を通じて磨いた自分の能力・経験を生かしたい。
希望年収:450万円


短髪で精悍(せいかん)なイメージの近藤さんは面接官に好印象を与えていた。気になるのは制作経験があるとはいえ、営業が未経験なこと。営業職募集だけに、そのプレゼンテーション能力が期待される。面接官はいきなりその点を確かめようと質問を始めた。
面接官   これまでで近藤さんが一番得意としていた仕事はどんなことでしょうか。
   
挑戦者   はい、一番得意としていましたのは、出版社にいたときにつくりましたムックです。 ポイント1そのムックというのはIT系、パソコン系のものと女性のグラビアなどを合わせたもので、そのふたつを合わせて10万部売れたことが成果だと思います。
   
面接官   そのなかで何を担当されていたのですか?
   
挑戦者   企画と制作進行、あとは編集プロダクションの管理であるとか、細かい話をしますと台割を作成したりであるとかスケジュールを管理をしたりであるとかっていうことですね。
   
面接官  
ディレクション業務ですか?
     
挑戦者  
はい、そうですね。
     
面接官  
これまでの経歴を見ると、出版の仕事、編集色が強い感じがするんですけれども、私どもの会社ですとものをつくることは同じなんですけど、つくるものが出版社系のものじゃない、制作物が違ってくるんですけれどもそういったもののご経験というのはありますか?
     
挑戦者  
はい、あります。参考事例をご紹介してよろしいでしょうか。(大学の学校案内のパンフレットを机に出す。※近藤さんの手がけた制作物を紹介)御社の業務といちばん近いのがこういった大学案内とか会社案内のパンフレットだと思います。この1冊のディレクション、ラフを描いたり、クライアントと折衝をしたりしたことが生かせると思います。
     
面接官  
この大学案内のパンフレットは毎年出されていたものだと思うんですが、近藤さんの企画は前年度までと違う、どこに生かされているんですか?
     
挑戦者  
この年のパンフレットが大学創立から区切りのいい年の記念号だったんです。なので巻頭にこのような(ページを開きながら)セピア調の大学創立についての企画、原点回帰の企画を盛り込みました。温故知新とでもいいましょうか……。
     
面接官  
その企画は近藤さんが提案されたということですね?
     
挑戦者  
いや、もともとそういう方向性は決まっていまして、それに乗ったということですね。ポイント1
     
面接官  
営業経験はないのですか?
     
挑戦者  
ありません。ポイント1
     
面接官  
制作に関しては多分自信があるかと思うんですけれども、私どもの仕事というのはお客様と関係を構築しながらご依頼いただくというものなのですけども、つくることではなくて営業職として新しくお客様からお仕事をいただいてくるということに関してはいかがですか?
     
挑戦者  
自分としては、テレビ雑誌の記者をやっていた経験がありまして、そのときに営業という形とは違うんですが、情報の出元というのはプロデューサーさんやディレクターさんなどの制作スタッフですので、その方たちと仲良くなって情報をいかにもらえるかというのが記者の仕事になってくるのです。そういった意味ではコミュニケーション能力と言いますか、相手と仲良くなったり取り入ったりとか、そういった経験は営業に生かせると思います。
     
面接官  
では営業職として当社にお入りいただいたときに、近藤さんが自分の特性として一番生かしていきたことはどんな点ですか?ポイント1
     
挑戦者  
やはり自分は制作物をやっていたことから、お客様に言われたときに具体的に「何か面白いことはないのか」と言われたら、それを具現化する能力があると思うので、それを生かした営業をしたいですね。やはり営業さんとしましては、お客様が言ったことに「何でもできますよ」というのは言えないと思いますので、「それは具現化できない」ということを言えるようなスタンスで営業したいと思っています。
     
面接官のワンポイント クライアントとのやりとりをPRすべき
近藤さんは、そつのない話し方や「結果を出す」ことを重視している点で評価できます。 ただし残念なのは制作経験のなかで、営業としても生かせる能力を訴えなかったことです。最初の「得意としていた仕事」では、出版物で販売実績を持つことと併せて、学校案内のパンフでクライアントとやりとりをしながら顧客満足を得たことをアピールすべきでした。
 
面接官は近藤さんの営業職としての適性を確かめられないまま次の質問をすることにした。
 
     
スペーサー スペーサー スペーサー
面接官  
九州の事業所は人数が少ないので、1人でいろいろなことをやっていかなきゃならないんですけれども、近藤さんはひとつの仕事を一貫してやった経験はありますか?
    スペーサー
挑戦者   基本的にこの仕事というのはトータルで最初から最後まで、自分でスケジュール管理からクライアントさんへの折衝までやってきましたので、大学案内のパンフの仕事は自分1人でやったと言えます。ただ、ライターさんとか外部の方にはお手伝いいただいてます。
    スペーサー
面接官  
なぜUターンというふうに思ったんですか?
     
挑戦者  
大学時代から出版社に就職したいと思っておりまして就職活動をしていたんですけども、年齢も30歳になりまして出版社に入るのは難しいかなと判断しております。そこで出版であれば東京集中なんですけども、広告であれば九州でも仕事があるのかなということで九州へのUターンを希望しております。ポイント1
     
面接官  
もともとUターン希望だったんですか?
     
挑戦者  
頭の片隅にはあったんですけども、やはり年齢が上がると実家や親の事を考えるようになってきてUターンを考えるようになりました。
     
面接官  
同じ広告でも東京でクライアントさんがたくさんいるような市場と、福岡でのマーケットの規模は違うのですが、そのへんは大丈夫ですか? 営業で頑張っていただかなきゃいけない部分も出てくる可能性がありますけれども。
     
挑戦者  
はい、実際兄がカメラマンとして福岡で働いておりまして、大阪でカメラマンをやっていたんですけれども、大阪と福岡の規模の違いであるとか金額の違いであるとか、そういう部分の仕事の大変さというのは聞いていますので、自分はそのなかで働いていけると思います。
     
面接官  
入社された場合はどんな仕事をやりたいですか?
     
挑戦者  
具体的にはWebのコーポレートサイトを作りたいと思っております。現在自分は紙メディアのほうが主でしたので、これからはWebを使ったプロモーション活動をやっていきたいと思っています。
     
面接官  
クライアントさんがそういうことを希望していなかった場合どうします?ポイント1
     
挑戦者  
それはやはり、データを提示してWebのほうが可能性があるということを言っていきたいと思っています。やはりまだ九州は紙文化ということを聞いてまして、Web媒体はやはり厳しいという状況を伺ってますので、ただこれから5年、10年経っていけばどんどんWebに移行していきますし、当然モバイルのほうも盛んになっていくと思うので、その時のための準備を自分で勉強して調べてそこから提案できるようになりたいと思っています。
     
   
この後、仕事観についての質問があって面接は終了。
     
挫折して九州へ戻るのか?
Uターンだからこそ前向きに仕事に取り組む意思を伝えるべき。ですが近藤さんの場合は「出版の夢に敗れて、仕方なく里帰り」と受け取られかねません。せっかく話し方にも意志の強さを感じられるのに残念です。「Uターンを考えて職を探しているなかで、御社に入社して営業がしたいと考えるようになりました。その理由は~」と話す必要があります。
面接官のワンポイント

面接心得
Uターンでのキャリアチェンジだからこそ、志望会社を調べておきたい!
Uターンの場合、「なぜUターンなのか?」「なぜ弊社なのか?」と必ず聞かれる。その準備は会社研究にほかならない。Uターンだからこそ、同級生、知人などのネットワークもあるはず。志望会社の情報を調べて「私はここで何をやりたいのか」を明確にしておくべきだ。
挑戦者の感想

売り込みが弱かった
制作経験ばかりなので、営業職志望として売り込むべき点がわかっていなかった。もう一度キャリアのなかで、営業として生かせる経験を洗い出して、具体的にお話しできるようにしておきたいと思います 。

面接官プロフィール
名前:細田 咲江さん

早稲田大学卒業後、1983年に流通会社に入社。12年間、主に人事部で採用担当や人事教育などに従事。1994年にハナマル キャリアコンサルタントを設立。現在は、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広く活躍中。面接官の視点に立ったアドバイスには定評がある。また、埼玉女子短期大学と駒沢女子大学では講師も務める。



 

 

 

 

 

ポイント1
最初から営業としての能力を語るべきだ
ここではクライアントの制作物(近藤さんの場合は大学案内のパンフレット)を出して、クライアントを満足させたことを語るべきだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポイント1
自分のアイデアではないように聞こえる
模範解答例
大学側から企画案はありましたが、私が何案も提案して相手の考えていた企画プラスアルファのものをつくった自負はあります。制作側の責任者として顧客満足を得られた事例の1つです。

 

ポイント1
ここでは否定だけでは終わらない
模範解答例
営業経験はありません。ただし大学案内のパンフ制作では、クライアントとの打ち合わせを重ね、その課題に対しての解決方法を提案してきました。このことは御社の営業職として生かせると考えています。

 

ポイント1
結局、営業としての能力は?
営業としてのPRを引き出そうとしているが、今ひとつ説得力に欠けるので問いただしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポイント1
Uターンの理由がネガティブに感じられる
 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ポイント1
Webにこだわられても困る
電波媒体、紙媒体、イベントと幅広い制作に関わる可能性も高い。営業として制作物にとらわれすぎのように感じられた。
バックナンバー
併せて読みたい記事
賛成! あたらしい生き方。マイナビ転職

豊富な転職・求人情報と転職ノウハウであなたの転職活動を支援する【マイナビ転職】。マイナビ転職は正社員の求人を中心に“日本最大級”常時 約8,000件以上の全国各地の豊富な求人情報をご紹介する転職・求人サイトです。毎週火・金更新であなたの希望の職種や勤務地、業種などの条件から検索することができます。職務経歴書や転職希望条件を匿名で登録するとあなたに興味を持った企業からスカウトされるサービスや、転職活動に役立つ職務経歴書サンプルや転職Q&A、会員登録をすると専門アドバイザーによる履歴書の添削、面接攻略など充実した転職支援サービスを利用できる転職サイトです。

キーワードから記事を探す

検索フォーム

人気コンテンツランキング
転職成功ガイド