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実録!面接徹底攻略法 今回の面接者
【第16回】
キャリアのある女性一級建築士は
話のメリハリのなさが問題!


今回の面接設定 応募業種:建設業・業界の関連団体
応募職種:確認検査業務の職員
年代:40代前半

挑戦者の荻原さんはゼネコン2社でコスト管理に携わってきた人。応募したのは、建設業界の建築基準法の確認検査機関だ。人物としての公正さはもちろん、数ある案件を的確に処理できる能力が求められていた。


今回の挑戦者



名前:荻原智代(仮名)
経験年数:約16年
年齢:42歳
職務経歴:大学卒業後にゼネコンに入社、12年の間、主に設計や積算業務(コスト管理)に携わってきた。会社の業績悪化により転職し、再びゼネコンでコスト管理業務に4年間携わる。
志望動機:コスト管理のキャリアを生かして、新たな視点から建設業界を見守りたい。
希望年収:550万円


面接官は挑戦者の荻原さんに期待していた。それは確認検査という業務は、女性ならではの細やかさが必要と感じていたからだ。職務経歴書を見れば、荻原さんは充分なキャリアを持ち、能力的に問題はないことはわかる。だが、この仕事で求められるのは処理能力。面接官は荻原さんの話す内容から、的確な処理をできる人なのかを見極めようとしている。
面接官  
大学を出られて、建設会社へ。女性で建設工学専攻というのは珍しいですね。なぜ目指そうと思ったのですか?
   
挑戦者   はい、高校受験勉強中に当時私が住んでいた実家を新築いたしまして、そこで建物を建てるプロセスとか、学生ですので大したことはわからなかったんですけども、それで少しものづくりに興味がありまして、学部を何個か受けたんですが、建設工学科に受かりまして、建設の勉強をしようかなと思いまして、それで入りました。
   
面接官  
それで建設会社に就職できたということですが、十数年やっておられますよね? この中で主にやってきた仕事というのは、どういうことだったんですか?
   
挑戦者   主に建築物の意匠工事といいまして、その中でも設計や積算もあるんですけども、私が最も得意としているのはコスト試算です。
   
面接官  
それはどういう難しさがありますか?
     
挑戦者  

建設業界以外はわからないのですが、コストというのは生き物でございまして、3カ月離れていたらもう浦島太郎状態といいますか、値段が変わっていくというところが非常に難しい点です。あと建設業の場合は一品受注生産が主で、ちょっととらえどころがないところがあります。品物がすべて一つひとつ違いますので、それをふまえた上で、結局コストというのは過去のデータをみながら、新しく建てたらこれぐらいだなっていう形で試算しているようなところがあると思うんですけれども。過去の案件データをとらえながら、今の相場に合わせていく、また受注していただいてから施工するまでタイムラグもございます。そういったところで非常にとらえにくいところがありまして、正直私も6年生7年生になるまで自分が何をやっているのかよくわからなかったような気がします。ポイント1

     
面接官  
それだけ難しいことなんですね。
     
挑戦者  
難しいですね、今でもよくわからないです。
     
面接官   もし退社した会社でずっと働き続けていたら、どのようなキャリアパスを考えていましたか?
     
挑戦者   そうですね……。当時は積算のリーダーとして何人か後輩の方に手伝っていただきながらやっていたので、業務をもっと効率化しようとか、目先のことしか考えてなかったかもしれないです。個人的には社会からの情報収集というのに努めていました。ただ閉鎖的な空間といいますか、当時最大で10人くらいいたのですけど、ひとつの部屋に全員がいて、十数年同じ部署にいましたので、すべての話はツーカーなのですけども、情報が偏っているという認識があり、学会のリフォーム部会の勉強会に出たりして、建設業以外の建設部門の勉強会には熱心に出ていましたので、そうですねぇ……。ポイント1
     
面接官   資格をたくさんお持ちですが、これは必要に応じて取ってきたという感じでしょうか。一級建築士の資格は1社目を辞めて次の会社に移るときに取ったというお話でしたが、なぜ取ろうと思い立ったんでしょうか?
     
挑戦者   まず管理工事士の資格を取りました。その資格を取ったときはですね、クライアントさんとの打ち合わせに行ったときに「あなたそんなに資格持ってないんですね」と言われました(笑)。(※中略、仕事上で必要だったことを話す)。一級建築士を持っていれば逆に資格に助けてもらえる部分もあるし、もちろん一級建築士の勉強を始めてよかったのは、受験勉強ですけど、すごく建築のことがわかりまして、ゼネコンの建築部門の先輩と上手く話せるようになったかなと思います。
     
面接官   では会社を2年7カ月でお辞めになったということなんですが、その理由と、次に違う機関、私どものような団体を受けようと思った経緯を教えてください。
     
挑戦者   まず辞めようと思ったきっかけはですね、最初の会社ではあるセクションの責任者だったのですが、 (※中略、大卒後の入社した会社の話が続く)。 ポイント1 会社の管理の甘さが気になってきまして、何年も働いてきたのである程度先が見えてきたというか、今のコスト管理の甘さが続くと、会社の業績に問題が出てくるんじゃないかなと。
     
     
     
面接官のワンポイント

話が長い。人との対応に問題があるのでは?
荻原さんは、話が丁寧なのと裏腹に、結論が見えない話し方をするのが問題だと感じました。応募する団体は数多くの確認検査を処理していかなければならない。緻密な検査能力も必要ですが、建設会社の担当者との対応能力も必要とされます。問題は話しの持っていき方です。

 
ここから面接官は、建設業界を監査する団体の職員としての意欲を引き出そうとする。
 
     
スペーサー スペーサー スペーサー
面接官  
現在は、ご自身で会社のコスト管理の問題を解決していく立場にいるわけですよね? そちらの業務にやる気は持たなかったんですか?ポイント1
    スペーサー
挑戦者   はい、もちろんやってきました。でもトータルで見ていく方がいないといけないし、私はあくまでもスタッフですから……。
    スペーサー
面接官  
一番仕事の効率を上げるポイントはどこなんでしょうか?
     
挑戦者  
そうですね、受注の時というのもございますし、あとは施工段階で品質を上げながらコストを下げていくとか、そういった方法もあると思うんですけども、当時与えられたセクションではそこまでは言えないと……。全体的なことはまた別の人という色分けがありますし、会社に求められている私の役割とは違いますから。ポイント1
     
面接官  
その会社の先がどうなるかわからない、という理由で辞められたんですか?
     
挑戦者  
わりとそうですね。この先を改善するという立場でもないし、会社としてもそういうものを私に求めていなかったです。
     
面接官  
それで今度は私共のような、安定性のある団体を希望してらっしゃいますが、なぜこういうところを希望したのですか?
     
挑戦者  
まずは、耐震強度偽装問題がありまして、これからはやっぱり確認申請もしくは建物の品質管理を第三者的機関が行うというような職種が、そういったものが必要だと思ったんですね。それは建設会社にいるからわかる内情もありますし。そういったところに魅力も感じますし、せっかくつくるんだったらいいものをつくりたい、それが根本です。建設会社にいたのは、ものづくりの最前線にいたいなと。
     
面接官  
もし当社に来ていただくとなると例えばそれを監視、検査する立場になるわけですよね。目の付け所というのはわかりますか。
     
挑戦者  
目の付けどころ……基本的には一つひとつ見るしかないんじゃないでしょうか。私も前社で性能評価機関の検査を何回か受けてきて、こちらの団体の検査も受けたことがありますが、やっぱり一つひとつ、はい。ポイント1
     
面接官  

もし私共のような公に検査をする立場の機関に入れなかったとしたら、今後どのようなお仕事を考えていますか?

     
挑戦者   はい、大手で品質管理部を設けている会社の募集を見ましたので。検査に関わる、そういう勉強を何年かしたいです。
     
面接官   ということは逆の立場になるわけですね、方向転換するような気がするんですが、それはどう説明されますか?
     
挑戦者   上手く説明できるかわかりませんが、コストと品質は必ずとも比例するわけではないような気がします。建設会社にずっと勤めていて矛盾を感じたことはないです。
     
面接官   もう少しわかりやすく言うと?
     
挑戦者   高くても品質の悪いものはあります。安くても品質のいいものはあるんです。ポイント1
     
面接官   なるほど、わかりやすいですね。
     
     

強い意志を訴えてほしかった
今回の応募先は、業界の検査機関であって、営利団体ではないわけです。ですから職員に求められるものとして社会意識もあります。一時話題になった姉歯建築士の事件以降、世間が建設業界にもっている不信感を払拭するのが我々の仕事です。荻原さんに求められたのは、強い意志と問題提議と、解決するための方法論でした。ただ現場で積み上げた能力がある人ですから、この点をアピールできるようになれば、求める職種に就ける可能性は十分にあります。

面接官のワンポイント

面接心得
質問からそれずに結論から答えるために!
荻原さんに限らず、結論を語らずに、話が長くなる人は次の話し方を心がけてほしい。
(1) 話し始めに要約する言葉を述べる
「要するに」
「ひと言で言えば」
「結論を申し上げると」
(2) 質問を復唱するようにして結論を考える時間を設ける
「応募理由ですね。私が御社に応募したのは」
「御社を志望した理由を端的に申し上げると」
(3) 予想される質問に対する答えを用意しておく
「応募理由は御社の新たな事業、海外事業部の中国での展開に興味があり、私のキャリアが生かせる自信があるからです」
「退社理由は、ひと言でいえば、今の仕事より御社での仕事をする自分に可能性を感じたからです」
挑戦者の感想

いいアドバイスをいただきました。
話し方の問題に気づかされたのはもちろん、新たな仕事に就くうえで、どのように自己PRをしていけばよいかがわかりました。

面接官プロフィール
名前:髭 彰さん

株式会社CAP総研 代表取締役、産業カウンセラー 1948年生まれ。伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)にて、技術教育課長、QC推進事務局長、採用研修グループリーダーを歴任。 2001年にCAP総研を設立。自ら開発した行動変革プロセス・メソッドに基づく管理職研修の企画及び講師、学生へのキャリア・デザイン研修講師などを多数担当しながら、キャリア・カウンセリング、人材採用コンサルティング等も手がけている。


 

 

 

 

 

 






 

 

 

ポイント1
話に焦りが感じられる
思いついたまま答えるので結論が見えずに、その分話が長くなる。
模範解答例
コスト管理の難しさは、発注する品の相場がつねに変動していることです。私も6~7年経験して、やっとコスト管理ができるようになりました。難しさ、つまり課題解決をするのは経験しかないと考えています。











ポイント1
話をはぐらかされた感を与える
ここが問題。質問に答えないばかりか、話がそれていったことで評価を下げる。












ポイント1
また話がそれるので面接官がイライラする
長い話が続くので要点をまとめる能力に欠けると判断された。
















ポイント1
課題に対して無責任ではないか?
会社の課題に対して、他人事のように語っている点が気になる。




ポイント1
会社の問題だけに終始してはいけない
自分が問題に対してどう取り組んでいたかを語るべき。
模範解答例
言い訳になりますが、ゼネコンにおいての全体のコスト管理は経営方針ともいえます。その点では立ち入れませんでした。ただ私は、より緻密なコスト管理方法に取り組んできました。それが実践的改善方法だという自負はあります。











ポイント1
問題提議や提案を語るべきだった
新たな提案がほしかった。




















ポイント1
求められていた答え
強い意志が感じられた。










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