転職ノウハウ

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実録!面接徹底攻略法 今回の面接者
【第24回】
やり手営業担当は、
熱意は伝わるが論理が足りなかった


今回の面接設定 応募業種:家電メーカー(海外メーカーの日本法人)
応募職種:営業
年齢・性別:40歳・男性

昨年、日本進出を果たした欧米メーカーの日本法人。社員は30名弱と少ないが、自社商品の品質のよさもあってデパートを中心に販売チャネルを増やしている。今回募集するのは営業マネジャー。売り上げに貢献するのはもちろん、数名の部下を率いるリーダーシップも求められている。


今回の挑戦者



名前:岸田真男(仮名)
経験年数:17年(日用品卸売業、飲料メーカー、食品メーカーの営業)
年齢:40歳
職務経歴:4年制大学卒業後に雑貨・雑貨メーカー卸売業の企業へ入社。約7年間勤務したのちに飲料メーカー(海外メーカーの日本法人)へ転職したが、2年後に業務縮小のため会社都合により退職。家庭用品関連メーカーへ転職して、セールスレディのグループリーダーを経て営業部へ。営業実績を挙げたが、会社業務縮小を機に希望退職者募集に応じて退職する。
年収実績:800万
希望年収:750万


岸田さんは一言でいえば熱血営業担当タイプ。面接での話し方は身振り手振りをまじえて懸命だ。しかし面接官は社風に合うのか疑問に感じていた。海外メーカー(外資系)が本社なだけに、マーケティング理論をしっかり持っていてほしい。そのあたりを聞き出そうと、経歴を聞いたあとに質問を始めた……。
面接官  
今まで3つの会社を経験されているということなんですが、自分が当社にとって一番力を発揮できるなという部分はどんなところでしょうか?
   
挑戦者  
営業担当なので売上を確実につくってきたということが一点、例えばですね、前社は大手のメーカーということでございます。ですので、やはり得意先と非常に密な売上のつくり方というものを実行してきていたということですね。非常に深い取り組みをしてきたということです。で、この深い取り組みというのは、コミュニケーション能力がないと難しいと思います。例えばバイヤーさんがつねにお話してくれるわけでもないですし……。

※その後、相手のニーズにマッチした営業をしてきたことが語られる。
   
面接官  
なるほど、そのなかでもひとつ成功事例のようなものはありますか?
   
挑戦者   はい、あるスーパーマーケットがございまして、私が担当したときに、年間約2000万円くらいでしたが、その2年後には、4000万円まで売上を伸ばしました。これはなぜこういうことができたかという理由として、先方のバイヤーさんも変わったなど、いろんな事情もあります。ただ、いつも狙ってたんですね。いつ、こっちに向いてくれるか。それまでは2番手の他社メーカーをメインにしてかついで棚変えでも何でもできたと……。

その後、売上を伸ばしたことが語られるが、戦略は語られなかった。 ポイント1
     
面接官  
逆に、戦略通りにいかなかったケースはありますか? ポイント2
     
挑戦者  

はい、ございます。例えばですね、非常に価格の厳しいお得意先様がございました。自社としても価格の条件の上限がございます。そこは何とか、必ず陳列に応援しに行く、そこでおちゃらけてコミュニケーションしたりですね、最終的には自分で売りに行くんですが、そこに何とか商品を入れていただきました。これは人でしか出来ないことだと思いますので、そこのコミュニケーションで何とかやっていただいた部分もございます。

     
面接官  
なるほど、それはかなり苦労したと。そういう戦略をつくっていくときはいろんな手順があると思うんですが、岸田さんが得意としているパターンはありますか?
     
挑戦者  
そうですね、基本的に戦略は会社のほうで戦略を考えるチームもございます。もし私がつくるとしたら、やはり市場状況をリサーチして……。

※マーケティングの基本概念について語られる。
     
面接官  
大きな考え方として何か持っているものはありますか? 総括するような考え方、あるいはスタンスを教えてください。 ポイント3
     
挑戦者   はい、やはりメーカーにとっての立場や今の状況というのがあると思うんですけども、例えばもし御社のように、まだ設立されてから早期の段階だと、元々商品は少し流通していたと、そして本体を立ち上げてやるといったときにまず大事なのは、流通を押さえることだと思います。流通整備をする、当然契約されているなかでどこが本当にパートナーとしてやっていけるか、という部分を選別する……。
     
     
     
面接官のワンポイント
努力型の営業手法は外資系企業の社風に合わないのではないか?
岸田さんについて、面接官としては以下の3点を感じました。
(1) オーバーアクションが焦りを感じさせる。
適度な身振り手振りはコミュニケーションとして有効ですが、岸田さんの場合はつねに手や身体が動いていました。ここに焦りを感じるんですね。率直にいえば落着きがない印象を受けました。
(2) 日本企業には合うが、外資系のマネジャーとしての資質はどうか?
岸田さんはやり手の営業担当だと思います。ただ募集しているのは営業マネジャー。しかも外資系です。ここでは自らが営業現場へ出た経験をもとに、営業戦略をつくれる人を求めているのです。その点で資質疑問を感じます。
(3) マーケティング理論の裏づけがほしい。
営業の採用人事担当者は一通りのマーケティング理論の知識があります。岸田さんはマーケティングについて延々と話すので、面接官は「マーケティングが大事なことは承知している。でもあなたの戦略はどうなの?」と感じているんです。マーケティング理論をふりかざすのも逆に問題ですが、まずは、基本的な理論を語り、実際の戦略ではどのような効果があったのかを語れるような人を求めています。特に少数精鋭の外資系企業ですからね。
 
質問はマネジメントについて……。コーチングの基礎理論があるのか?
 
     
スペーサー スペーサー スペーサー
面接官  
あとは部下を使って達成するという要素もあると思うんですね。人を介して数字を挙げるということでのポイントはありますか?
    スペーサー
挑戦者   そうですね、一番心がけてやってきたことは、基本的に考えてもらうことです。やはり何か問題があったときに、そのまま相談される、これは上司としても非常に嬉しい、頼られているという部分になるかもしれないんですけど、じゃあ組織ではどうなんでしょう? と考えたときに、やはり自分で考えて答えを出して、それでこの方向性に行きたいんですと言ってもらったほうが、実際には組織のクオリティが上がると考えております。
    スペーサー
面接官  
考えてもらうにはどうすればいいんですか?
     
挑戦者  
例えば日頃からコミュニケーションをとり、仕事について問いかけます。そこではじめていろいろ聞きますよね。その時に、例えば本当に困ってること、本当にやらなきゃいけない案件というのは、多分そのままポロッと出たりもすると思うんですよ。そこで、どういう方向性でいくのか、責任を持ってもらうという部分で、きちんと意見というか方向性、戦略をふまえた部分を自分で考えるようリードするということを心がけてやっていました。
     
面接官  
自分で判断できないようなこともありますか? ポイント4
     
挑戦者  
いいえ、私のほうで判断できなかったことはないですね。
     
面接官  
そのなかで、人が自ら動く、あるいは指示に従って動くなど、人を動かしていくために、ここをつかめばいいというのはありますか?
     
挑戦者   人によってさまざまだと思います。例えば非常に頑張ってる人間がいるとしますよね? 私みたいなタイプなんですが、そういう人間に対しては、当然持ち上げてあげる、そうすることでもっと頑張る。例えばすごく自信のない子がいる。そうした場合は基本的に常に、「大丈夫か?」という感じで心配しながら見てあげる。
     
面接官  
そういうのを、いつどこで、どのようにやるんですか?
     
挑戦者   基本的にですね、会社にいるとき、日頃の接し方という部分では逐一見ていますので、そういった意味ですぐ判断できる部分もあります。
     
面接官  
今まで人間関係のトラブルはなかったですか? ポイント5
     
挑戦者   私はないですね。
     
面接官  
じゃあ辞めていった人もいない?
     
挑戦者   私のせいで辞めた人はいません。
     
面接官  
最後に、今後、当社も必ずしも安定志向でもないですからどうなるかわかりませんね。そういう場合もまた転職ということになると思うんですけども、長い目で見た場合、例えば50歳60歳くらい、定年までになったときに、そういうふうなキャリアをどのように考えてられますか?
   
挑戦者   はい。今、自分が60歳くらいのキャリアと考えますと、これまでの3社さまざまな形といえども、基本的にキャリアアップしてきたと考えています。今御社に採用いただければ、今度は新しいキャリアを築ける、これは管理職です。管理職をこれからの20年間御社でやっていきたいと考えております。そのために必要なもの、残念ながら英語はいまひとつでございますので、これを本気でやっていきたいというふうに考えております。
     
     
     
     
     
営業担当としての資質は優れている。しかしマネージメントはどうか?
今回、前半はマーケティングについて、後半はコーチングについての質問に終始しました。というのも、応募者のマネジャーとしての能力を推し量りたかったのです。岸田さんは売上を上げられる営業としては優れています。ただ今回の募集企業は優れた営業マネージャーを求めてるわけです。部下は外資系だけに論理的なものを求めてくる。それに対して論理で説かなければいけない。その能力において疑問を感じます。日本的な人情的な営業マネジャーが求められているなら採用されると思います。
面接官のワンポイント
面接心得
基礎的な理論をマスターすべし!
今営業部門においては「論理的な裏づけ」が求められている。それは得意先へのプレゼンテーション能力にもつながるからだ。今回の岸田さんの場合、マーケティング理論とコーチング理論の基礎をマスターしていれば、もっと相手に伝わったし、戦略的な印象を与え好評価につながったはず。
挑戦者の感想

40代からの転職は難しい!
今まで2社の転職はわりとスムーズだったのですが、40代からの転職はやはり難しいんです。その点、今回の模擬面接で自分が足りない部分がわかりました。その点が有意義でした。

面接官プロフィール
名前:髭 彰さん

株式会社CAP総研 代表取締役、産業カウンセラー 1948年生まれ。伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)にて、技術教育課長、QC推進事務局長、採用研修グループリーダーを歴任。 2001年にCAP総研を設立。自ら開発した行動変革プロセス・メソッドに基づく管理職研修の企画及び講師、学生へのキャリア・デザイン研修講師などを多数担当しながら、キャリア・カウンセリング、人材採用コンサルティング等も手がけている。
ポイント1
具体的な戦略面での創意工夫が語られなかった
面接官が求めていたのは戦略での創意工夫があったのか? 非常に努力する人なのは伝わったが、ここで求められていた答えではなかった。
ポイント1
面接官の質問は一貫していた
面接官の質問の意図はすべて「あなたの営業戦略と、それを生かした事例、生かされなかった事例を教えてください」だが、その意図に合った回答ができていない。
ポイント1
理論はあるのか?
論理的に営業戦略を立案できる根拠があるのか?
模範解答例
SWOT理論(マーケティングの環境分析)を営業戦略でよく用いていました。この理論を用いることは営業会議において営業チーム全員が意識を統一するのに役立ちました。ただ実際はどうか? 日本的には人的要素が大きい部分もありますので、そのあたりはコミュニケーション能力によるところが大きいと思いますが、その点では自信があります。
ポイント1
上司との関係を知りたかった
ここでは自分自身が上司とどういう関係であったのかを聞き出す質問だった。
模範解答例
大いにあります。営業という部署において、課員全員のモチベーションを維持するのは難しいことです。時には冷たい判断を迫られることもありました。そんなときは上司の部長に相談して、自分の考えを述べていました。
ポイント1
マネジャーとしての能力をアピールする機会だった
業務でどのような対応をしているのかが問われる。
模範解答例
トラブルがないということはありません。ただほとんどのトラブルは誤解でした。その点では定期的に課員と個人面談をして解決してきました。ただ感情的なものでのトラブルもあります。そのときも結局は話し合うしかないんです。場合によっては部署異動を言い渡したこともあります。それは課員というチーム全体を考えてのことでした。
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