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実録!面接徹底攻略法 今回の面接者
【第26回】
一流メーカーの総務希望者は、
転職理由があまりにもネガティブだった!


今回の面接設定 応募業種:流通
応募職種:総務
年齢・性別:42歳・男性

日本を代表するナショナルブランドの化学製造メーカーに18年間勤務してきた挑戦者は、流通業界のトップ企業へ転職を希望している。面接官の聞きたいことは「なぜ18年も勤めた企業を退社して、わが社へ?」。この疑問に挑戦者はどう答えるのだろうか?


今回の挑戦者



名前:佐田清嗣(仮名)
経験年数:18年(メーカーでの総務歴は約4年)
年齢:42歳
職務経歴:4年制大学卒業後に大手メーカーに就職。海外営業部門、製造部門、事業企画部門を経て5年前から総務に。
年収実績:700万円
希望年収:700万円


佐田さんは温厚で実直そうな人柄で、総務は適職に思われた。しかし、面接が始まると、話が長く的を射ていない。面接は冒頭から迷走し始めた! 語るべきは、業務のプロセスではなく、個人の貢献だったが……。
面接官  
総務として会社に貢献したことをお話しください。 ポイント1
   
挑戦者  
会社全体として、ISOの規格を取得していこうという流れがありまして、メーカーですから工場、生産部門が中心となって、まず品質ISOとか環境ISOを取ったんです。一方営業部門に関しては「営業の品質って何だろう?」と、社員はつかみどころがないような感じがあったんですけど、そこは営業の顧客満足度を上げることが品質向上であるというふうに考えて、新たな営業品質を設定して06年度に品質認証を取得することができました。
   
面接官  
なるほど、営業として品質認証を取る企業というのは多くはありませんね?
   
挑戦者   顧客満足度というのが何よりも大きいんです。顧客満足というのは、品質とかサービスがすべてではなく、従業員の考え方や仕事のスタイルも影響します。顧客満足度のアップというのは、すべての従業員にとって意味があることだと教えられました。
     
面接官  
その品質認証取得活動のなかで、ご自身が担当された部分はどういうところですか?
     
挑戦者  

品質認証取得には必要な文書が多いんです。会議の資料とか手順書とか。何かと書類が多いんですけども、データベースで管理しました。そのデータベースの中心的な管理者として、文書をアップロードしたり、修正したりメンテナンスしたりしました。 ポイント2

     
面接官  
では、あなたの仕事はデータベースを設計するのではなく使うほうですね。
     
挑戦者  
いろんな要求事項を自分達の部門に伝え、さらに責任者から担当者へ伝えて、必要な文書を作成しアップロードしていくのが私の仕事でした。
     
面接官  
そのなかで自分のアイディアが生きたということはありましたか?
     
挑戦者   特に大きかったのは、最初は認証取得は直接自分たちの仕事にマッチしないというか、悪い言い方をすれば、余計なことをやらされているという意識が社員の間に高かったんです。だから「この分野の仕事は認証取得のテーマに沿ってますね。あなたが今やっている仕事のプロセスを文書にしてくれればいいんですよ。余計なことはする必要ないんです」という形で、できるだけ啓蒙活動をしていたつもりなんですけども。
     
面接官  
なるほど、それは意外と大変ですよね。草の根運動みたいなところがありますよね。
     
挑戦者   はい、けっこう部門によって温度差がありまして、ある事業部はどちらかというと、できればそういった面倒なものは避けて通りたいという雰囲気だったんですけども、ほかの事業部だと、業務をよりスムーズに運ぶために使っていた部門もありました。
     
面接官  
そういう中でうまくいった、いかなかったというところは?
     
挑戦者  
そのあたりになってくると、マネージメントの部門に関わるので、私のレベルでは話はしなかったんです。 ポイント3
     
面接官  
もし自分がそこの部長や課長などの責任者だとしたら、このISOの推進はどのようにやりました?
     
挑戦者   責任者だとしたら、やはりまず啓蒙活動から入り、一番活動が進んでいる部門がやっているように、認証取得活動が余分なことではなくて、今の仕事をスムーズにしていくためのツールであると認識してもらいます。
     
面接官  
わかりました。
     
     
     
面接官のワンポイント
面接官に何を話すべきかわかっていない。
佐田さんの場合、面接官に自分の成果を話すべきなのに、最初から品質認証取得について長々と説明しています。 ある意味、「自分が説明したいことを話したい」という欲が強い、とてもガンコな人だと思います。 だから話がすごく長くなる。面接官は「ここで何を話すべきかわかっていない」と判断します。
温厚だけど、アグレッシブさに欠けるのでは?
総務としては温厚な性格で適性があると思っています。 率先して仕事をしているような話が聞けなかったので、アグレッシブさに欠けるのではないかと判断しています。
 
ようやく要領を得ないPRを終えて、つぎに話題は転職理由に移る。 「応募企業で何をしたいのか」を語るべきだったが、その内容はグチのようにも聞こえ……。
 
     
スペーサー スペーサー スペーサー
面接官  
前社のメーカーに18年くらい在籍しておられるということですが、ここで今なぜ転職されるのか、お話してください。
    スペーサー
挑戦者   はい、ちょうど今42歳という年齢で、会社人生の半分を折り返した時点で、ここへ来て振り返ってみて、同期を含めて自分よりも4年次くらい下の人たちが役職者になっています。そういったなかで自分の評価っていうものがなかなか上がっていかないという不満がありまして、正直このままいても先が見えてしまったかなというようなところがありまして。
    スペーサー
面接官  
なるほどね。 ポイント4
     
挑戦者  
それで今後充分考えられるのは、年下の方が来て、 向こうも自分より年上の部下がいたら正直やりづらいと思うんですけども、 「この分野は任せましたよ」みたいな感じで、ポンと丸投げされてしまって、 細かい指導とかもされないと思うんですね。 でも一方では任せた以上は、結果が出ていないと、 「ダメじゃないですか」と言われてしまって私は途方に暮れてしまうという、 そういうふうに近い将来なってしまうのかなと考えられるので。
     
面接官  
そういう予想になるわけですね(苦笑)
     
挑戦者  
ちょっとこの会社にいても倦怠感がありますので、思い切っていろんな分野の会社にチャレンジして、 もう一度自分のキャリアアップというものを目指していきたいと思ったのが転職のきっかけです。
     
面接官  
今の転職活動の状況はいかがですか?
     
挑戦者  
全然ダメですね。今のところ内定はまだひとつももらってません。 ポイント5
     
面接官  
会社のなかでの評価や、外へ出て社会の風を受けてみて、 なぜそういうふうに評価されているのかは、どの辺まで自己認識されていますか?
     
挑戦者  
私が所属していたメーカーで評価されないと言いながらも、一般的に世間相場でみれば、 前社は給料とかの面でもかなり優遇されていたのかなというのが、外に出て初めてわかりました。 あと外に出て感じるのは、年齢の制約ですね。
     
    ※ その後、総務部での実績について再び質疑があり、面接は終了。
     
     
     
     
ネガティブな人は採用しません。
転職理由で卑下する、つまり否定的予測をする人を採用する会社はまずありません。 転職理由を話された時点で面接は終っています。 「転職して自分がどうなりたいのか」という決意がないので、 言いたいことを絞りきれず、ネガティブな話ばかりが長くなるのでしょう。
話が長くなるのは言いたいことを絞りきれていないから。
佐田さんは言いたいことをまとめていないんです。だから多くを語ろうとする。 面接前に自分を売り込むべきポイントを整理しておいてください。
面接官のワンポイント
面接心得
40代からの転職は、明確な目的意識を持って!
新卒者での面接では夢や憧れを語ることも必要ですが、 40代になると入社後の仕事でのビジョンを明確にする必要がある。 「私はなにをして、会社にどんな利益を与えるのか」を明確にしておくことが絶対に必要だ。 面接ではこの目的意識がPRになる。
挑戦者の感想

話が長くなるという欠点がわかりました。
自分でもわかってはいたんですが、ついつい話が長くなります。 何を話すべきかをはっきりさせずにダラダラと話しがちなんです。 その点を改めたいと思います。

面接官プロフィール
名前:髭 彰さん

株式会社CAP総研 代表取締役、産業カウンセラー 1948年生まれ。伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)にて、技術教育課長、QC推進事務局長、採用研修グループリーダーを歴任。 2001年にCAP総研を設立。自ら開発した行動変革プロセス・メソッドに基づく管理職研修の企画及び講師、学生へのキャリア・デザイン研修講師などを多数担当しながら、キャリア・カウンセリング、人材採用コンサルティング等も手がけている。
ポイント1
あなた個人の成果を語ってほしい
面接官は前半の質問で終始、この点での答えを求めていた。
ポイント2
ここで創意工夫を語ればPRにつながった
面接官は仕事の流れを聞きたいのではなく、 成果を出すため自分なりに創意工夫をした話を期待していた。
模範解答例
簡単に言えば品質認証取得の文書データベースの管理です。 ただ私の工夫としては、他部門の方への原稿締め切り、校正作業、上司への確認と進行管理を徹底したこと。 口で言うのは簡単ですが、ときには他部署の方を昼休みに訪ねて、 書類作成に関してわからないことがあれば相談に乗るなど、自分ができる限りのサポートをしました。
ポイント3
何をPRしたかったのかわからない
ここまで話を聞いても、質問に対する答えが聞けず、面接官はうんざりしていた。効果的にPRをしよう。
ポイント4
面接官は呆れている!
この話を聞いたときに不採用は決まった。
ポイント5
自分の評価を下げるようなことを話すべきでない
個人情報なので正直に答える必要はない。 他社で不採用になったことは評価を下げます。
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