転職ノウハウ 応募企業の探し方、面接のポイントから、円満退職の秘訣まで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!
このエントリーをはてなブックマークに追加
実録!面接徹底攻略法 今回の面接者
【第33回】
元外資系商社社員は
PRのきっかけを見失っていた


今回の面接設定 応募業種:総合商社
応募職種:営業
年齢・性別:34歳・男性

今回の挑戦者への疑問は、外資系企業を退社して4年制大学に入学したことだ。面接官は1つの回答に納得できないため何度も真意を追及をしていく。限られた面接時間で同じ質問に答えることになると、アピールすべききっかけや時間を失うことになる。


今回の挑戦者

名前:今川道彦(仮名)
経験年数:5年(専門商社で営業)
年齢:34歳
職務経歴:4年制大学を中退して、英会話を学んだ後に専門商社へ。その後、外資系商社へ転職するが30歳のときに退社し、4年制大学で情報学を学び卒業する。現在は求職活動中。
年収実績:500~550万円
希望年収:600万円以上


面接官の疑問はただ1点に絞られていた。なぜ外資系商社を退社してまで大学に入り直したのか? ここで学んだことをアピールできなければ競争率の激しい総合商社の中途採用試験でライバルに勝つことはできないのだが……。具体性のない答えが面接官の疑問を大きくした。

面接官  
会社をお辞めになって大学へお入りになったのは30歳くらいだったと思うのですが、4年のブランクはかなり勇気がいることだったと思います。どうしてそこまでして勉強をしようと思ったのですか?
   
挑戦者  
はい、やはり仕事を通じてですね、学び直したいなという面が多々ありまして、あと残り30年、サラリーマンといいますか職業人生が待ってますので、それに備えるには何が必要かと考えて大学に入り直しました。
   
面接官  
それまで自分がお持ちになっているもので、足りないものがあると思ったのですか?ポイント1
   
挑戦者   そうですね、特に具体的に言いますと語学ですね、あとはIT関連といいますか、パソコンをビジネスのなかに取り入れられて使う機会が90年代後半に多々あったんですけども、プログラミングとか深くですね、そういった面を補いたいなと思いました。
     
面接官  
貿易関連の仕事をしたいと思っていたのに、どうしてIT関連の知識を補いたいと思ったのですか?
     
挑戦者   IT関連にこだわらず、幅広くという意味だったんですけども、人間味を増すためにそういった環境に飛び込みたいなと。具体的には語学とかITという目的はありましたけども、商社も人間味ある人材を求めてると思いますので、そういった人間味を増すためにあえて若い人たちばかりの環境に飛び込んで、マンネリを打破するためにと決意しました。 ポイント2
     
面接官  
30歳ですから会社員生活もすでに5年ありましたよね? この間には成長はあまり感じられなかったということですか? ポイント3
     
挑戦者   僕が在籍した会社は中小の規模の会社でした。(以下、前社で人間的に成長したことを話す。中略)。ただですね、分野が1つでしたので、今後30年と考えたときに、幅を持たせるにはどうしたらいいかと、つまり更に成長したいと願っておりましたので、そういった意味で今度は総合商社といいますか、もっと大きなビジネスで仕事を任されて、責任感を持って取り組める人間力をつけられるというところに魅力を感じたので、前の仕事で成長できなかったというわけではなくて、さらに人間の幅をつけたい、そのためには大きな仕事をやりたいなというのが正直な気持ちですね。 ポイント4
     
     
     
面接官のワンポイント
本音が見えないので、もどかしさが感じられる
特に商社社員の面接ですから、面接官は仕事のスタイルや強味(スキル)を探ろうとします。どの分野でどのぐらいの取引ができる人材なのか? 人間性も当然問いますが、商社社員として即戦力を探ります。しかし今川さんの場合には、大学に入り直した理由が「人間の幅を持たせたかった」などと具体性がなく、答えに納得できません。ですから面接官はまず「どんな人なのか?」「なぜ外資系ではなく日本企業なのか?」といった新卒の大学生に聞くような質問をしたのです。本音が見えないので、「なんだかわからない人だ」というイメージだけが残ってしまい、残念ながらこの時点で不採用の可能性が高くなります。
 
面接官は「この人はうちの会社で働く意志はあるのか?」と感じ始める。こうなると、起死回生のインパクトを与えられないと挽回は難しいのだが……。その後も入社意志を疑うような答えが続く。
 
     
スペーサー スペーサー スペーサー
面接官  
外資系商社にいらしたとき、帰属意識が生まれなかったというのはどうしてですか?
    スペーサー
挑戦者   たとえば外国に行ったとき、日本人であるという自意識が芽生えるというのと同じように、外国人マネージメントのもとで働いていると、誰のために仕事をしているのかということがやはり重要になってくるんです。日本人であるという意識が芽生えてしまって、無気力になってしまい、仕事をする意義を見出せなくなってしまった自分がいたんですね。ポイント5
    スペーサー
面接官  
仕事そのものにやりがいを感じなくなったということですか?
     
挑戦者  
そうですね。はい。ポイント6
     
面接官  
実務経験もお持ちだと思いますし、貿易関係の仕事はお好きなわけですよね?
     
挑戦者   はい。
     
面接官  
仕事の内容そのものよりも、誰のもとで働くかということが大事ということですか?
     
挑戦者  
同じことをやるにしても、もっと根底的なものを求めるようになってきたんですね。家族がいれば子どものためにとか、まわりの人のためと思えばできることもあると思うんですけども、家族もいないですし、そういった根源的なところで、自分のなかでつまずいてしまいました。
     
面接官  
当社に入った場合、誰かのためにって思えますかね?
     
挑戦者  
そうですね、御社は日本人のマネージメントですし、親会社は日本の製造業をリードする会社ですので、やはりそういった意識は外国の会社よりはまた違ったやりがいといいますか、やっていける自信はあります。
     
面接官  
そうすると日本にこだわりたいということですか?
     
挑戦者  
こだわりたいといいますか、日本人ですので、日本のためにとかは究極的なところですけでも、身近な人がですね、例えば家族を持っていたら家族のためとかありますけども、そういうところで僕のなかでは日本のためということになってしまいますね。
     
面接官  
ではその前にいらした会社では、それをクリアしていたということですか?
     
挑戦者  
そうですね、そこは発展途上国の子ども達に向けての製品をつくっていたので、そういった意味ではやりがいを感じていました。
     
面接官  
ビジネスの第一線にいらして、4年間のブランクというのは、そんなに大きなものとは考えなかったのですか?
     
挑戦者  
僕は自分で経営、ビジネスのエッセンスを大学で学びなおしてですね、ゆくゆくは脱サラをして自立したいと考えていたんですね。そういったことから、キャリアを捨てることに対する危機感みたいなのは薄かったです。それよりも新しいものに挑戦したいという精神のほうが大きかったです。
     
面接官  
脱サラをしたいとおっしゃってましたけど、今でも思っていらっしゃるのですか?ポイント7
     
挑戦者  
今はですね、実際、御社で新規事業で種まきをやるということを掲げておりますので、そういったことに関わって経営的なセンスを学びたいなと考えております。
     
面接官  
何か自分のなかで、関心を持っているところとか、新しく立ち上げようと思っている分野はあるんですか?
     
挑戦者  
やはり、やりがいを感じることが第一だと思っておりますので、新しい事業の可能性のある案件を受け持ちたいなと考えております。
     
面接官  
先ほどから何度も出てきている、今川さんにとってのやりがいって何ですか?ポイント8
     
挑戦者  
やりがいというのはやはり、人に奉仕していることだと思うんですね。ピンと来ないかもしれないんですけども、人に奉仕することで自分にも返ってくる面というのが大きくあると思うんですね。
     
面接官  
それは大事なことですが、あくまでもビジネスなので、ボランティア活動ではないですから利益が伴ってこないとね。では今川さんが私どもの会社に入ったら、どういう利益をもたらしてくれますか?
     
挑戦者  
そうですね、僕は過去の実績としまして、15億円の取引を単独でまとめた経験がありますので、御社にとっても新規案件を粘り強く完成させて、利益をもたらすことを約束いたします。ポイント9
     
     
     
とらえどころがないイメージしか残りません
今回は大手総合商社の中途採用での営業募集ですから、面接官はどんなビジネスに可能性を求めている人材なのかを見極めます。しかし今川さんの場合はビジネスよりも「なにを目的に働くのか?」という話に終始しました。面接官は限られた時間で人材を見極めなければならない。当初の目的からはずれた不本意な面接といえます。最初から面接官に事業を提案するような気持ちが必要です。
面接官のワンポイント
面接心得
面接は提案の場であると意識する
面接はプレゼンテーションの場である。ある意味、その人が持つ価値観も大切だが、話す内容が面接官の求めている答えなのか? を常に意識しておく。また、具体性を持たせるためには「もし、私が御社に入社したら」という仮定で提案する。そのためには相応の準備が必要だ。
挑戦者の感想

話してはいけないことばかり気に取られていました。
ネガティブなことは言ってはいけない、と思うばっかりに、まったくPRできずに終りました。会社を辞めてまで大学へ入学した理由をきちんと相手が受け入れることのできる形で話せるように準備したいと思います。

面接官プロフィール
名前:細田 咲江さん

早稲田大学卒業後、1983年に流通会社に入社。12年間、主に人事部で採用担当や人事教育などに従事。1994年にハナマル キャリアコンサルタントを設立。現在は、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広く活躍中。面接官の視点に立ったアドバイスには定評がある。また、埼玉女子短期大学と駒沢女子大学では講師も務める。
ポイント1
この質問に納得しないと前へ進めない
面接官が前半で聞いていたのはこの質問だけ。ここで具体性のあるPRができなければ不採用の可能性が高くなる。
ポイント2
「人間的成長」という答えが疑問を大きくした
模範解答例
私が大学に入学したのは○○大学のA教授のもとで、産学協同の研究をしたいと考えたからです。 (※以下、研究内容を語り、ビジネスに役立つことをアピールする)
ポイント3
モラトリアムを求めたのでは?
前問に対する答えに具体性がないばかりに、能力や経験のアピールにつながる具体的な話題を面接官は打ち切った。このように根本的な質問に後退すること自体が好ましくない。
ポイント4
大学生のような答え
この答えで不採用への可能性がさらに高まってしまった。
ポイント5
マイナスになるだけの答え
良いイメージにはならない話はすべきでない。
ポイント6
ここは否定すべき
模範解答例
けっして仕事に対してやる気がなくなったわけではありません。会社をフィールドと考えたとき、違うフィールドのほうが自分の能力がいかせると確信を持っただけです。転職の意思を固めたにすぎません。
ポイント7
独立の話は避ける
考えていても、面接の場では避ける方向へ。
模範解答例
独立するというのはまだ夢であり、目標ではありません。今の目標は御社で新しいビジネスを確立させることです。
ポイント8
最後にもう一度やりがいが何かを確認をした
面接官はビジネスに直結する具体的な回答を期待していたが、今川さんの回答は聞くたびにぶれて、結局とらえどころがないまま終わってしまった。
ポイント9
具体的な話へつなげる導入にしたかった
ようやくビジネスの話へつながりそうだが、実績を語るだけになったのが残念。
模範解答例
前社での実績として15億円の売上程度でしたが、御社では新規事業に取り組みたいと思います。※以下、考えている事業の簡単な内容と数字を簡潔に述べて、相手の興味を探る。
バックナンバー
バックナンバー

最終回 特別対談 面接を成功に導くための5つの鉄則

100を超える事例から浮き彫りになったどんな面接にも通用する、成功のための鉄則

vol 113 30代後半で、正社員経験はほぼなし。マイナス印象を覆すPRはできるのか?

財団法人での医療系事務→派遣社員→社内SE→社内SE 橋本 美由紀さん(仮名、37歳・女性)

vol 112 入社1年半で、初めての転職に挑戦! 第2新卒の面接で注意する点とは?

人材系企業のイベント企画→人材系企業の営業 佐々木 徹さん(仮名、23歳・男性)


面接コーチが教えるあなたに合った想定質問と回答例
適職をディグる! ジョブリシャス診断(適職診断)
  • マイナビ転職 グローバル
  • マイナビ転職 エンジニア求人サーチ【IT】
  • マイナビ転職 エンジニア求人サーチ【ものづくり】
  • マイナビ転職 女性のおしごと
マイナビ転職 適性診断
マイナビ転職 適性診断
動画版もチェック!

会員登録(無料)


1分で分かる! あなたの強み「社会人力診断」
メカラボ
土地柄タイプ診断
職務経歴書・履歴書テンプレのダウンロード
オフィシャルBOOK
シゴトサプリ