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実録!面接徹底攻略法 今回の面接者
【第36回】
第一声でイメージダウン、
不満ばかりが目立つ面接


今回の面接設定 応募業種:電気・電子関連
応募職種:経理
年齢・性別:35歳・男性

挑戦者の前田さんは、メーカーの経理職を希望している。気になるのは、公認会計士の資格取得のため、アルバイトをしながら受験勉強をしていた期間が6年間もあることと、転職回数が多いことだ。面接官は、前田さんが長く勤められる人なのか、年相応の実力とキャリアは持ち合わせているのか? この2つに的をしぼって質問を始めた。


今回の挑戦者

名前:前田幸雄(仮名)
経験年数:約5年
年齢:35歳
職務経歴:大学卒業後、不動産会社に3年間勤務。公認会計士を目指し退職するが、6年間勉強を続けたところで断念。その後、メーカーで約1年半、経理職に就き、さらに情報処理の会社でも2カ月間経理業務を経験。 現在は離職中。
年収実績:670~700万円
希望年収:500万円以上


前田さん(挑戦者)からは、経理職らしい生真面目さが感じられ、言葉づかいも丁寧だ。しかし、かなり緊張している様子でもある。面接官は一番気になっている転職回数の多さについて、まず質問を始めた。

面接官  
経歴を見ると、アルバイトも含めてかなりたくさんの仕事をされていて、1つの会社での在籍期間が短いですね。なにか理由があるのですか?
   
挑戦者  
その時々の事情がございまして、こういう結果にはなったんですが、御社こそは骨をうずめさせていただきたいと考えております。 ポイント1
   
面接官  
ではまず、正社員として入社した会社に3年間いらっしゃいましたが、ここはどうしてお辞めになったんですか?
   
挑戦者   はい、会計士に興味を持ちまして、公認会計士の受験勉強に専念すべく退職いたしました。
     
面接官  
その後、受験勉強に専念されていたんですか?
     
挑戦者   はい。
     
面接官  
公認会計士のどんなところに興味を持ったんですか?
     
挑戦者   はい、監査を通じて資本市場を守るという、社会に広く貢献できる面です。また監査を通じていろんな会社を見られて、おもしろいかと思いました。
     
面接官   公認会計士の資格は取っていないようですが、それはもう諦めたのですか?
   
挑戦者   さようでございます。
     
面接官  
受からなかったのはどうしてだと思いますか?
     
挑戦者   私の能力ですと働きながらの勉強は無理でした。受験に専念しなければいけなかったと。ただ経済的にそれができない状況でした。
     
面接官  
最初の会社をお辞めになったあと2年間くらいは受験勉強に専念されていたのですよね? このときには受からなかったのですか?
     
挑戦者   そうですね、まだこの段階では無理でしたね。
     
面接官  
で、その後6年間くらい働きながら勉強を続けたんですよね。このままアルバイトをしながらやっていくという手もあったのでは?
   
挑戦者   はい、ただですね、30代後半になって合格しても、大手の監査法人に行けませんので、そうしますと公認会計士という資格にこだわる意味がなくなります。そうなると結局は、税理士で個人開業に近い状態になってしまいます。そのような観点から会計士を断念いたしまして、一般企業での経理を再び志しました。
     
面接官  
そして正社員として入社されたんですね。ここは1年くらいですけど、どうしてお辞めになったんですか?
     
挑戦者   はい、当時はだいたい年収が400万円くらいだったのですが、売り上げの横ばい、原油価格の値上がりがございました関係で昇給が見込めなく、同じ年収のままずっと生活していくのもどうなのだろうと思いまして、転職いたしました。ポイント2
     
面接官   管理職などになっても年収は400万円程度だったんでしょうか。
     
挑戦者   管理職になるまで何年もかかるので、それを考えたときに管理職になるまで待つよりも転職したいという思いが強くなってしまいました。ポイント3
     
面接官  
働くモチベーションは年収というか金銭的なものなのですか?
     
挑戦者   まぁそうですね。常識的な労働時間で、合理的な収入を得たいと考えておりまして。
     
面接官   それにはこの会社は合ってなかったということですね。
   
挑戦者   そうですね。
     
面接官  
では次の会社はどういう理由でお辞めになったんですか?
     
挑戦者   こちらは人材紹介会社を通じて入社したのですが、残業が大体月平均30時間くらいと聞いていました。ですが、実際には100時間強制されるというような状況でございまして、体を壊すのは困るので退職いたしました。ポイント4
     
面接官  
体を壊したんですか?
     
挑戦者   私は大丈夫でしたね。ただ体を壊して退職するSEの方がいらっしゃいまして、私もいずれ彼らのようになってしまうのではないかと。骨をうずめる会社には値しなかったので退職いたしました。
     
     
面接官のワンポイント
第一声でイメージがつくられる
開始直後の面接官の質問に、前田さんはきちんと答えていません。最初から「骨をうずめる覚悟です」という常套句を使うことにも違和感がありました。ここで面接官が感じたのは「質問に答えていない」ということ。さらに「本当の理由をごまかそうとしているのでは?」という印象さえ与えてしまいかねません。ファーストインプレッションはかなり重要です。
そして転職理由が「残業時間」「給与」などの条件面ばかりなのも、印象が良くありません。条件面での不満は誰しもあるものですが、まずは自身のキャリアプランや入社希望理由について述べるべきで、そのうえで補足的に条件面の不満を話すべきでした。
 
話は仕事内容へ。30代なので当然、リーダー職としての考え方も問われる。面接官はリーダーの資質を探ろうとするが、挑戦者の言葉の選び方や説明のしかたに難色を示す……。
 
     
スペーサー スペーサー スペーサー
面接官  
私どもの会社に入ったとしたら、どんな仕事をしたいですか?
    スペーサー
挑戦者   はい、御社では決算の統括ですとか、法人税の申告などをいずれやりたいと思っております。
    スペーサー
面接官   それが得意分野ですか?
     
挑戦者   今までやれなかったんですが、決算業務をやっていきたいです。
     
面接官  
今まではやってらっしゃらなかったのですか?
     
挑戦者   はい。
     
面接官  
では、これまでやってきた実務のなかで得意分野はありますか?
     
挑戦者   固定資産や消費税の対応でしたら、御社でも入ってすぐにこれまでと同じような業務ができるかと考えております。
     
面接官  
それは別にやってみたいことではない、ということですか?
     
挑戦者   もちろんそれを入口にすると御社でも仕事がしやすいかと思うのですが、いずれやってみたい業務は決算や統括、法人税の申告です。
     
面接官  
これまで部下を持ってお仕事をされたことはありますか?
     
挑戦者   主任という立場がございましたが、直接的な部下を持っているという感じではありませんでした。
     
面接官  
決算を最終的に取りまとめていく立場ですと、チームで仕事をしていかなければいけないのですが、そういうことに関しての不安はないですか?
     
挑戦者   不安はないですね。私はうまく人を操れると思っています。ポイント5
     
面接官  
どうしてそういう風に思うのですか?
     
挑戦者   そうですね、私は時間の費用対効果を常に考えておりまして、ムダな残業をさせたくありませんし、自分もしたくありません。そのあたりで上手く采配できると考えております。ポイント6
     
面接官  
無駄な残業さえさせなければ、部下たちはついてくると思いますか?
     
挑戦者   最近パワハラなども流行ってますので、人前では叱らないですとか、自尊心を傷つけるような言動はしないですとか、そのように努めて良い管理職になりたいと考えております。
     
面接官  
しかし、これまでそういうことは経験としてはないのですよね?
    スペーサー
挑戦者   そうですね、主任でございますので、マネージャーの一歩手前でした。
    スペーサー
面接官   では仕事だけでなく大学時代も含めて、何かのグループでリーダーになった経験はありますか?
     
挑戦者   固定資産の棚卸しでは、私が全社を統括する立場でした。
     
面接官  
その際にいろんなセクションの方たちと仕事をすることもあったと思います。そういったときに、ご自分なりに気をつけたことはありますか?
     
挑戦者   そうですね、押しと引きの加減が大事なのかなと感じました。
     
面接官  
例えばどんなことがありました?
     
挑戦者   そうですね、ある要求をされたときに、この方はそれをどれくらい本気に思っているのかということを考えました。断ればあっさり引いてもらえるのか、それとも絶対に通さなければいけないものなのか、そのあたりを判断しまして、相手の要求とこちらのスケジュールなどの調整をしました。
     
面接官  
わかりました。今後、財務会計、管理会計、税務会計でキャリアを積みたいと考えていらっしゃるようなんですが、経理という仕事をしていくうえで大切なことってなんだと思いますか?
     
挑戦者   そうですね、経理部門だけで完結せず、経営陣への報告や営業現場などに数字を還元しまして、経営や営業がうまく回るようにフィードバックすることだと思います。
     
面接官  
なにをですか?
     
挑戦者   そうですね、経営に関しましては、損益分析などを通じてセグメントのなかでどこが強みであるとかどこが弱点であるかです。売り上げの推移ですと、そのような点をスピーディーに報告して、経営にフィードバックしていきたいと考えております。

※その後、いくつかの質疑応答があり面接は終了。

     
     
30代で求められるリーダーとしての能力に疑問が残る
どんな仕事でもリーダーシップは求められます。たとえ管理職候補でなくても、大きな仕事を任せられる能力を求められます。前田さんの場合はリーダーシップの面でほとんど経験がないのが残念です。この場合、売り込むべき点は経理についての知識でした。前田さんは公認会計士の勉強をしていただけあって、経理の知識は豊富です。そこをPRしていくべきでした。
面接官のワンポイント
面接心得
自分の“売り”を言えるように話をもっていく
前田さんは終始、面接官から問いただされていた。自分のPRすべき点をあらかじめ準備して面接官に興味を持ってもらえるような回答をしていくべきだった。

例1) 「管理職ではありませんでしたが、経理の知識面では主任として、経験の浅い同僚たちに教えることが多かったです。御社でもまずは経理知識を生かしていきたいと思います」

例2) 「決算や法人税申告の経験はありません。ただ、それらについてひと通り知識がありますので、スタッフの1人としては貢献できるという自負があります

挑戦者の感想

仕事への意欲を前面に出さないといけないと感じました。
面接を振り返ると、前半で給与や残業への不満ばかりになってしまいました。経理についての勉強をしてきたことを生かしたいと考えているので、その面から語れるようにしていきたいと思いました。

面接官プロフィール
名前:細田 咲江さん

早稲田大学卒業後、1983年に流通会社に入社。12年間、主に人事部で採用担当や人事教育などに従事。1994年にハナマル キャリアコンサルタントを設立。現在は、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広く活躍中。面接官の視点に立ったアドバイスには定評がある。また、埼玉女子短期大学と駒沢女子大学では講師も務める。
ポイント1
質問に答えていない
転職理由を聞いているのに、まったく答えになっていない。
模範解答例
転職回数が多いことは、自分自身のキャリアのなかで反省すべき点でもあります。(※まずは謙虚に反省点を認める)ですがあくまでもキャリアアップを考えての転職でした。まず最初の会社を辞めたのは~(※以下、キャリアアップについてを述べる)
ポイント2
給与への不満を前面に出すべきではない
仕事に対する前向きな思いを先に話すべき。
模範解答例
社内の経理をひと通りこなしたため、次へのステップアップを目指しました。具体的に言えば決算業務です。この会社でも努力はしましたが、経営者が親族で構成されていたため、将来的にも決算は任せてもらえないと判断しました。また給与にも不満がありました。
ポイント3
スキルアップを転職理由にすべき
環境を理由にするのではなく、スキルアップを目的とした転職であることをアピールしなければいけない。
模範解答例
そちらの会社では、実践面で大変多くのことを勉強させていただき、受け持つことのできる仕事はすべて把握いたしました。さらなるステップアップをしていきたいと考えておりましたが、私のポジションでは、その上の管理職になるのは難しい状況でした。現状からのスキルアップと年収アップを目的に転職を決意いたしました。
ポイント4
残業時間の多さだけを転職理由にすべきではない
この前に挙げていた給与面での不満と重なり、条件に対して不満ばかり訴える姿勢が目立って、マイナスの印象を与える。
ポイント5
言葉が乱暴だ
「操れる」という言葉を選んだことでコミュニケーションやチームワークを軽視している印象を与えかねず、評価を下げる。
ポイント6
リーダーとしての考え方に疑問が残る
ここでは人材のマネジメントについてまず述べるべきだった。この答えでは前田さんのコミュニケーション能力に対して不信感を抱いてしまう。
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