転職ノウハウ

応募企業の探し方や履歴書の書き方、面接のポイントから円満退職の秘けつまで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!

実録!面接徹底攻略法 今回の面接者
【第47回】
同じ公務員、しかも同職種への転職。
曖昧な転職理由では、面接官は納得しない!


今回の面接設定 応募業種:官公庁
応募職種:事務系職員
年齢・性別:33歳・男性

今回の挑戦者は国家公務員の事務職として、物品の調達や管理、職員の退職金管理などを担当し、9年半のキャリアを積んでいる。「やりがいを求めて転職したい」と応募書類には書きながらも、同じ国家公務員、しかも同じ事務職への転職を目指す挑戦者に、面接官は疑問を感じている。果たして、明確な目的やキャリアプランはあるのだろうか……?


今回の挑戦者

名前:三井 啓太(仮名)
経験年数:9年半
年齢:33歳
職務経歴:大学卒業後、9年半にわたり国家公務員として事務の仕事に携わっている。これまでに4つの部署に所属経験があり、現在は物品の調達や管理、職員の退職金管理を担当している。
年収実績:420万円
希望年収:420万円


三井さんは、国家公務員として事務の仕事に携わり、今年で10年目となる。面接官は、三井さんが現在の職場で9年半のキャリアを積みながら、「やりがいのある仕事をしたい」という理由で、別の官公庁への転職を希望していることに疑問を持っていた。まずは、その真意を探るため質問を始めた。

面接官  
三井さんは現在、どのようなお仕事をされているのでしょうか。
   
挑戦者  
最初の2年間は倉庫で部品の搬入及び受領の検査をしていました。だいたい品目としましては、1400品目あります。 ポイント1
   
面接官  
最初の2年間のお仕事については分かりました。現在のお仕事について、具体的にお話しいただけますか?
   
挑戦者   現在は、主に物品の調達や管理と職員の退職金の管理、他には雑務をしています。雑務っていうのは、例えば文書の接受とかです。
     
面接官  
現在の職場へは、どんなことを志して入られたのでしょうか。
     
挑戦者   (口ごもりながら)できれば、些細なことでも国の仕事に携わりたいと思って入りました。社会貢献というか……自分自身が誇りを持ってできる仕事というか……。 ポイント2
     
面接官  
そういう目的を持って就いた仕事なのに、今回なぜ転職を考えているのですか?
     
挑戦者   これまでの9年半、私は4つの部署を経験してきましたが……、なんだか当初、自分が想像していたのとは違うと言いますか……。もっとやりがいのある仕事をしたいと考えておりまして……。それで転職を考えて、いろいろな転職サイトや情報誌を見ていましたところ、こちらの募集が出ておりましたものですから……応募致しました。ポイント3
     
面接官  
三井さんにとって、「やりがいのある仕事」とはどのような仕事ですか?
     
挑戦者   自分の生活と言いますか……。自分の生活に密着していると言うか……。そういうものがやりがいを感じる仕事だと思います。ポイント4
     
面接官  
現在の仕事は、自分の生活に密着していないということですか。
     
挑戦者   そうですね。
     
面接官  
でも、誇りを持てる仕事だと思って現在の仕事を選んだんですよね? その時は生活に密着した仕事に就きたいという考え方はなかったのですか?
     
挑戦者   (口ごもりながら)その頃は……自分も今の仕事に興味を持っていましたし……、知識も……、誇りを持てる仕事だと思っていました。自分の趣味にも生かせると思っていまして……。
     
     
     
面接官のワンポイント
面接の準備ができていない
ここまでで質問をしてきたのは、大きく分けて職務経歴と転職理由の2つ。面接では必ず質問される内容なのに、三井さんは具体的に答えられておらず、準備不足が露呈してしまっています。まずは具体的にどんな業務を担当しているのか、実績を含めて職務経歴を説明できるようにまとめておくこと。そのうえで、今まで培ってきた知識や業務ノウハウを、より生かして働くために転職をしたい、というポジティブな転職理由につなげて、説明できるようにしておくとよいでしょう。また三井さんの話し方から、答えられないことによって、パニックに陥ってしまっているのも分かりました。「不足の事態に対応する能力がないのでは」と受け取られかねないので、万が一答えられない質問を受けた時でも、落ち着いて答えられるよう、心構えも必要です。
 
面接官は三井さんの転職理由や志望動機に納得ができていない。そこで、三井さんが志望する官公庁で何をしたいと思っているのか、仕事についての理解度も確認しながら、さらに志望動機を掘り下げてみることにした。
 
     
スペーサー スペーサー スペーサー
面接官  
では、三井さん、希望するポジションで働いていただくことになったら、具体的にどんな業務に携わりたいと考えていますか?
    スペーサー
挑戦者   生産現場のコスト削減を行いたいと考えております。
    スペーサー
面接官   それはどのようなアイディアですか?
     
挑戦者   まず、国内の需要に対して、国内での生産が減りつつありますが、その最大の理由は国産主力製品の単価が高いからだと考えています。それを下げることが最重要課題だと考えております。
     
面接官  
品物の単価を下げてしまっては、生産現場の方々が困ってしまいませんか?
     
挑戦者   はい。そのために集約化といいますか、零細企業や工場など小規模の生産者を集約して大規模な生産体制を作り、生産力の集約を進めていけばよいのではないかと考えております。
     
面接官  
零細生産者を育てるということですか?
     
挑戦者   いえ、集約して大規模な生産体制を整えるということです。そうすれば国産品の単価を下げることになると考えています。
     
面接官  
欧米のような体制を整えるということですか?
     
挑戦者   そうですね。
     
面接官  
そのためには法律の問題がありますね。確かに今話されたテーマは私たちの課題です。ほかにもさまざまな課題を私たちは抱えていますが、三井さんはどのような立場で課題に向き合わなければいけないと考えますか?
     
挑戦者   そこは、具体的には……勉強不足で……。ポイント5
     
面接官  
分かりました。では、今までの仕事で身に着いたスキルを教えてください。
     
挑戦者   スキルとまではいかないかもしれませんが、何事にも過去の実績やデータを考慮し、根拠を基に仕事ができると思います。
     
面接官  
根拠を基に仕事ができる、とはどういうことでしょう?
     
挑戦者   法令順守といいますか、慎重に物事を進めることができると考えております。ポイント6
     
面接官  
こちらからの質問は以上です。三井さんから、何か質問はありますか?
     
挑戦者   過去のデータなどが貯蔵してある資料室がそちらにあると聞いたのですが、内定が出る前でも利用できますか?ポイント7
     
面接官  
何か借りたいものがあるのでしょうか?
     
挑戦者   こちらで過去に行われた政策など、具体的に知りたいと思っています。
     
面接官  
なるほど、勉強したいということですね。よく分かりました。では、本日はこれで終わります。
     
     

自己アピールが弱すぎる
後半も準備不足は感じられましたが、同時に自己アピールが弱すぎる、という点が気になりました。例えば「身に着いたスキルは?」という質問では、三井さんが実際に仕事でどんな力を発揮できるのかを答えるべきです。「物事を慎重に進められる」ということはとても大切なことですが、具体的なエピソードや実績の説明がないために十分なアピールになっていません。また、これまでの経験で自ら工夫した点や改善した点などを積極的にアピールできるように、一度書き出してまとめてみるとよいでしょう。
面接官のワンポイント
面接心得
同じ公務員、しかも同職種を希望する「明確な理由」を再考すべき!
三井さんのように、同業界・同職種へのステップアップ転職を目指す場合には、「やりたいこと」や「キャリアプラン」が、なぜ今の仕事では叶えられないのかという理由付けがとても重要なポイントです。「9年以上もキャリアがあるのに、なぜ別の官公庁で同職種に就きたいのか?」「やりがいとは、何なのか?」という面接官の疑問を解消するためにも、今の仕事の業務内容と志望している仕事の業務内容を比較したうえで、志望先でしか叶えられない「やりたいこと」や「キャリアプラン」を見つけることが重要です。また、三井さんは「やりがいのある仕事をしたい」とも答えていました。これに対しても「仕事のやりがいとは何なのか」を十分に掘り下げ、具体的に説明できるように準備しておくべきです。

挑戦者の感想

準備不足から必要以上に緊張してしまいました。また、完全に勉強不足だということも痛感しましたので、本番に向けて勉強し直したいと思います。

面接官プロフィール
名前:細田 咲江さん

早稲田大学卒業後、1983年に流通会社に入社。12年間、主に人事部で採用担当や人事教育などに従事。1994年にハナマル キャリアコンサルタントを設立。現在は、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広く活躍中。面接官の視点に立ったアドバイスには定評がある。また、埼玉女子短期大学と駒沢女子大学では講師も務める。
ポイント1
質問の答えになっていない
面接官は、現在の仕事内容について質問しているが、最初の2年間の説明で終わってしまっている。最初の2年間の業務について具体的な数字を入れて説明したのはよいが、これでは質問に対しての回答になっていない。
ポイント2
仕事に対する熱意が感じられない
無難すぎる答えで、さらに口ごもっているために、仕事への熱意が全く感じられない。ここでは「今の仕事には目的を持って就き、それが達成できたので、さらなるステップアップを目指したい」というような答えの組み立て方をして、転職理由にもつなげて話すべき。
模範解答例
国の仕事に携わることができ、誇りが持てる仕事がしたいと考え、今の仕事に就きました。9年半、事務職を経験したことで、社会人としても視野が広がりました。より難しい課題に取り組めるところでこれまでの経験を生かし、ステップアップしたいと考えるようになりました。
ポイント3
「不満から答える」、「主体性の乏しい志望理由」という2つのタブー
「想像していた仕事と違う」など、今の仕事への不満を答えるのは、絶対にNG。また、「応募が出ていたから」という主体性の乏しい志望理由もタブー。転職理由には、ポジティブで熱意が感じられるような答えを準備すべき。
ポイント4
答えがまとまっていない
「やりがいのある仕事がしたい」と答えながら、「やりがい」についての説明がとても曖昧。また、「国の仕事に携わりたかった」という前述の発言からもかなり離れていて、全体的に話にまとまりがない印象を受けてしまう。
ポイント5
志望動機についての勉強が足りない
「何をしたいか」という先の質問には一応答えているのだが、具体的ではないうえに現実的な意見でもなく、勉強不足を露呈してしまっている。志望する業界にはどのような課題があるのか、それに対して自分はどうしたいのか、事前に情報を仕入れて、考えをまとめておく必要がある。
ポイント6
具体的な説明を加える
面接官は、「根拠を基に仕事ができる」という回答に対して具体的な説明を求めている。
模範解答例
ある製品購入の年間予算を立てた経験があるのですが、より適正な予算を算出するために、従来の計算方法と違うアイディアを出しました。それまでは、過去3年分のデータから計算し、予算の算出をしていましたが、過去10年分のデータまでさかのぼって計算する、という方法です。この方法により、現実に即した予算を立てることで、業績が上がった部署もありました。
ポイント7
仕事に対する質問をすべき
面接の最後で「何か質問は?」と、聞かれることは多いが、この時に福利厚生など、仕事以外のことについて聞くと、利己的な印象を与えてしまう。業務内容や面接中に疑問に思ったことについて質問すべきだ。
バックナンバー
併せて読みたい記事
賛成! あたらしい生き方。マイナビ転職

豊富な転職・求人情報と転職ノウハウであなたの転職活動を支援する【マイナビ転職】。マイナビ転職は正社員の求人を中心に“日本最大級”常時 約8,000件以上の全国各地の豊富な求人情報をご紹介する転職・求人サイトです。毎週火・金更新であなたの希望の職種や勤務地、業種などの条件から検索することができます。職務経歴書や転職希望条件を匿名で登録するとあなたに興味を持った企業からスカウトされるサービスや、転職活動に役立つ職務経歴書サンプルや転職Q&A、会員登録をすると専門アドバイザーによる履歴書の添削、面接攻略など充実した転職支援サービスを利用できる転職サイトです。

キーワードから記事を探す

検索フォーム

人気コンテンツランキング
転職成功ガイド