「稼げる仕事」に転職するには?意識すべき3つ、アピール方法や注意点
掲載日:2024年07月25日
記事まとめ(要約)
- 今の会社で市場価値を上げられないなら、転職を視野に入れる
- まずは上司・先輩を見て、近い将来の自分の姿を想定する
- 実績は「コツ」と「再現性」をエピソードで示す
- 過去・現在・未来でアピールする内容を整理し、3つセットで伝える
「稼げる人になるには?市場価値を高めて給料アップを目指そう」では、稼げる人になるには「もうかること」「好きなこと・やりたいこと」「得意なこと」の3つを押さえ、転職市場で高い値段がつく市場価値の高い人になることが重要だとお伝えしました。
今回は、いざ転職をする前に意識すべき3つのこと、応募・面接時など転職活動でのアピール方法や注意点を解説します。
「稼げる転職」をする時に意識すべきこと
今の会社が市場価値を上げる3要素を満たしていない場合、転職を活用して市場価値を上げることも視野に入れましょう。言わば、転職は「自分で行う戦略的な人事異動」です。
人事異動は一度発令されるとなかったことにはできないことと同様に、転職に失敗してもなかったことにはできません。なので稼げる転職を行うために勘所をきちんと押さえておきましょう。
上司・先輩の報酬や役割を見て、近い将来の自分の姿を想定すること
上司や先輩はあなたの未来予想図です。将来、管理職になった時、実際、どれだけの報酬がもらえるか、どの程度、責任がある仕事を任されているか、仕事にやりがいを感じているか等、を客観視しましょう。
上司や先輩が優秀で人柄も良く、稼いでいて、年齢が高くてもより良い条件で転職する人がいる環境であれば、残る選択肢もあります。
ただ、どんなに良い人達でも稼げず、出世できず、良いように使われ、転職できないので残っているような状態であれば、あなたもキャリアの賞味期限が気づいたら切れてしまい、上司や先輩のようになってしまうリスクがあります。
将来、上司や先輩のようになりたいか、その上司や先輩はいざとなったら今より良い条件で転職可能なのか、という視点で今の会社を客観視したうえで、残るか転職するかを考えると良いでしょう。
「他流試合」で自分のスキルレベルを客観視すること
「ポテンシャルやスキルがあるのに、責任のある仕事を任せてくれない」等の不満から転職することはおすすめしません。人は心理学的に自己評価が高くなることが多いからです。
逆に、優秀なのに謙虚に自己評価してしまい、結果埋もれてしまう人もいます。なので、定期的に社外の方々と「他流試合」を行い、自分の現在の実力を客観視すると良いでしょう。
同業の集まりに顔を出すことはもちろん、社外の勉強会や、有名なビジネスパーソンや著者の勉強会やオンラインサロンなど、社外の方々とディスカッションしたり、一緒にワークしたりして学べる場所や機会は、以前より増えました。
転職する前に、一度「他流試合」を通して自分の実力が他社でどの程度、通じそうかを体感することで、「社内では優秀でも、社外では通じないので、転職してスキルアップを図る」「思っていた以上に実力があったので、残る方向と、もっと活躍の幅を広げ、高めるために転職も視野に入れる」等、客観的かつ主体的に自らキャリアの方向性をつかむことができます。
最近では、副業を許可してくれる会社も増えています。実際にやってみたい仕事や働いてみたい会社で副業のチャンスがあれば、思い切って副業してみるのも一考です。
「副業の時間が必要な分、本業を効率よく進める意識が高まり、本業の生産性が上がった」「副業で身に付いた知見を本業にフィードバックしてレベルアップした」等、副業をとおした職業経験も良い他流試合になります。
上司や職場の人間関係からの逃避だけで、転職先を選ばないこと
職場の人間関係の悪さで転職する人は実際に多いものです。「転職動向調査2024年版」(マイナビ調査)でも、「職場の人間関係が悪かった(9.1%)」が転職理由の上位にあがっていることがそれを物語っています。
職場の人間関係が悪くて転職することは否定しませんが、それが理由で転職すると、人間関係でトラブルが起きるたびに転職を繰り返すジョブホッパーになり、キャリアの選択肢を狭め、キャリアダウンになりかねません。
なぜなら、人間関係で転職先を選んだとしても、実際に働いてみると嫌な面が見えてきたり、自分に合わないタイプの人が出てきたりするものだからです。
加えて、人間関係からの逃避だけが理由だと、応募書類審査や面接官に見透かされてしまうため、希望する転職に赤信号が出るリスクがあります。
したがって、人間関係が転職を考える発端であったとしても、いったんそれはなかったことにして自分を客観視し、キャリアプランをきちんと描き、人間関係以上にキャリアとして大事なものを見つけ出してから転職活動を始めるのが得策です。
自社に漏れないことを前提に、すでに転職した先輩や転職エージェント等からアドバイスを受けることも、自分のキャリアを見直す気づきにつながるのでおすすめします。
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「稼げる仕事」に転職するための、応募・面接でのアピール方法や注意点
中途採用は即戦力が求められると考え、「実績や能力」を中心に自己PRしがちですが、半分正解で半分間違いです。
採用する側の立場で考えれば分かりますが、どんなに能力や実績が高くても、「自分推しや圧がすごい人」とは一緒に仕事をしたいとは思わないものです。
組織になじめず、不協和音になったら迷惑だからです。故に、すごい人ではなく、「一緒に働きたい人」と思われることが重要です。
そのためには「一緒に良い形で働いているイメージ」が湧くようにアピールすることです。以下の3つのコツを押さえましょう。
実績は「コツ」と「再現性」をエピソードで示す
実績をアピールする時、「これだけの実績を出した」「どう頑張ったから実績を出せた」など、すごさを言いがちですが、この内容だけだと、面接官はそれが事実であるか確認できません。
「こんなリーダーシップを発揮して、周りから信頼された」等、リーダーシップや信頼などの周りが認めてくれて成立するものは、どんなに熱量高く語っても、面接官から見ると、「私がウソを言っているように見えますか」とアピールしていることと同じに映ります。
面接官は「実績は自社に入社しても再現できそうか?」という視点で実績を判断します。
なので、実績を伝える時は、実績を上げた時のコツを伝えましょう。
例えば「寝ないで頑張った」よりも「キーは〇〇なので××した」と実績を上げるための大事なポイントややり方をコツとして伝えることで、面接官に「再現の仕方が分かっている」と納得してもらえます。
コツは単発で伝えるよりも、エピソードとして実際に経験した場面を切り出して伝えることがポイントです。エピソードを加えることで、コツをどう生かしたのか、映像として具体的に面接官の脳裏にアピールすることができるからです。
面接の場で焦ることがないように、事前にコツとエピソードをきちんと洗い出しておきましょう。
数字と名詞を駆使して解像度を上げる
コツをエピソードで伝える時は「客観的な視点」を組み込みましょう。その際は形容詞ではなく、「数字」と「名詞」を活用します。
例えば「大きい」と形容詞で伝えると、バレーボールくらいの大きさなのか、野球場くらいなのか、人により解釈に幅やズレが出ますが、「オフィスにある業務用プリンターと同じ大きさ」と伝えれば、相手の認識は大きくずれません。
「月末までのノルマに届かない」より「今月残り1週間で3,000万円の受注ノルマがあるなか、見込みが1件もない」と伝えたほうが、相手はストレスなく、正しくイメージできます。
したがって、自己PRしたい内容を一度文章に書き起こし、形容詞のような抽象的な表現は、数字や名詞に置き換え、暗記しておきましょう。
また、数字や名詞で語るということは、物事を客観的な視点で伝えることになるので、自分自身を冷静に保つ効果があり、面接時に焦って緊張したり、パニックになったりすることを防ぎます。
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現在・過去・未来で語る
最後に、アピールの組み立てをお伝えします。アピールした結果、「この中の誰にしようかな」と相手に主導権がある状態から、「ぜひ一緒に働きたいので、我社に来てほしい」と主導権がこちらにくるようにしなくてはいけないからです。
それには、過去・現在・未来でアピールする内容を整理し、この3つをセットで伝えることが要諦です。
具体的には、
- 過去:価値を提供できる根拠となる役割や実績(根拠)
- 現在:今どんな仕事をしているか(現在の役割)
- 未来:過去、現在を踏まえて、相手にどんな価値を提供できるか、どんなことをしていきたいか(提供価値&意思)
になります。
過去の実績だけでは自慢話にしかなりませんし、同業であれば、会社が違ってもビジネスモデルが近いため、同じような経歴や実績になり、「その他大勢枠」に入ってしまいます。
未来で「こんなことをやりたい」「こんな価値を提供できる」と言っても、過去や現在とつながっていなければ、説得力や納得感はありません。
もう一つ、大事なことは過去・現在・未来をセットで語ると、未経験のお仕事でも「この人なら、やれそうだ」という確信を持ってもらうことができます。
これらを意識して組み立てた具体的なアピール例です。
- 過去(根拠):これまで広告代理店A社で営業、B社でマーケティングをしてきました。そこで培った自分の強い分野は、女性向け商品のリサーチとプロモーションです。
- 現在(現在の役割):30代女性向けの化粧品の宣伝のプロジェクトリーダーをしています。
- 未来(提供価値&意思):ヨガやマクロビが長年の趣味であることを生かし、30代の女性が心と身体と精神を輝かせる提案をしていきたい。
いかがでしょうか。この人であれば「やれそうだという安心感」がありますよね。
キーになるのは、一貫性です。過去・現在・未来に一貫性があれば、未経験の分野であっても、「やれそうだという安心感」を持ってもらうことが可能になるので、キャリアチェンジや未経験分野へのチャレンジでも採用される確度が上がります。
過去・現在・未来は順番ではなくセットなので、必ずしもこの順番どおりでなく、面接官が聞きたい順に伝えていけば大丈夫です。
まとめ:「稼げる仕事」に就くために、稼げる人になろう
稼げる人は、一時だけでなく、常に稼ぎ続けられる人であり、世の中に必要とされる人です。そのような人になるために重要なのは、周りの方々を笑顔にすることであり、「ありがとう」と感謝されることです。
この「ありがとう」の声が、あなたの「提供価値」です。この提供価値を自分らしく、ラクに速く、高めていけるかどうかは、「本人の資質や実力」と「環境(業界・職種・会社)」の掛け算で決まります。
したがって、自分の市場価値を上げ、いつでも、どこでも稼げる人になるには、自分とフィットした「環境」に身を置くことです。自分にフィットした環境は、スキルアップも早く、やりがいも感じやすいものです。
稼げる人になり、市場価値を上げるには、スキルアップの前に、前回解説した3つの輪の中心に、今の会社や職場があるかを客観して、居るべき場所を見つけ出しましょう。
執筆者
松本 利明
人事・戦略コンサルタント
HRストラテジー 代表
PwC、マーサージャパン、アクセンチュア等のプリンシパルを経て独立。世界を代表する外資系・日系の大企業からスタートアップまで、600社以上の人事改革を支援。
人事の「裏」を知り尽くす。5万人のリストラと7,000名以上のリーダーの選抜に関わった「人材の目利き」。
近年は、企業向けのコンサルティングに加え、誰でも自分らしく活躍できる世の中に近づけていくため、キャリアアドバイスを5,000名以上にライフワークとして実施。
ベストセラー多数。英国BBC、日本テレビ、TBS、日本経済新聞、週刊東洋経済、新R25を含めメディア実績多数。HR総研客員研究員。日本人材マネジメント協会(JSHRM)元執行役員。
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