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給料日はいつが多い?雇用形態ごとの違いや振り込まれる時間帯も解説

掲載日:2024年10月17日

給料日はいつが多い?雇用形態ごとの違いや振り込まれる時間帯も解説
篠田 恭子

監修者篠田 恭子

特定社会保険労務士/おひさま社会保険労務士事務所 代表

記事まとめ(要約)
  • 給料日とは、雇用主から給料が支払われる日のこと
  • 一般企業の給料日は25日が多いが、10日、15日、月末などに設定されていることもある
  • 同じ企業でも、月給制・時給制によって、または雇用形態によって、締め日や給料日が異なる場合がある
  • 中途入社した後に初めて受け取る給料は、入社日と締め日によって変動する

雇用主から従業員に給料が支払われる「給料日」は、企業によって設定されている日が異なります。

また、同じ企業でも、正社員とパート・アルバイトといった雇用形態ごとに異なる給料日が設定されていることもあります。

給料日は、一般的には25日に設定されていることが多いものの、そうではないケースもあります。

給料日の違いについて解説するとともに、給料が振り込まれる時間帯や、給料日が土日祝日に重なった場合にどうなるのかについても見ていきましょう。

目次

    給料日はいつが多いか

    給料日はいつが多いか

    給料日は、勤務先によって異なります。

    一般企業では毎月25日、国家公務員は16日から18日、地方公務員は21日に設定されていることが多いようです。

    ここでは、勤務先ごとの給料日の傾向と、その日に設定されることが多い理由を見ていきましょう。

    一般企業の場合

    一般企業において、給料日を毎月25日に設定しているケースが多いのは、経理作業の慣習が関係しています。

    現在はデジタル化が進み、給与計算などの経理処理はシステムを使って行われていますが、昔はタイムカードから勤務時間などを確認し、手当などを個別に計算して、手書きで給与明細を作成するなど、すべて手作業で行われていました。

    そのため、現代よりも給料を支払うための手続きに時間がかかっていました。また、月末から月初にかけては取引先からの請求書に対応したり、入金作業を行ったりすることが多く、給料計算に着手できるのが毎月10日過ぎだったようです。

    そこで、経理の処理が落ち着く毎月10日以降で、きりが良い15日を締め日として給料の計算を行い、25日に給料を振り込むというサイクルが定着したといわれています。

    現在でも、こうした慣習が残り、多くの一般企業で給料日が25日となっているようです。

    国家公務員・地方公務員の場合

    公務員の場合は、法律や条例に定められた日が給料日となり、一般企業のように企業ごとの就業規則によって決められるわけではありません。

    国家公務員の給料日は、所属する組織(省庁・委員会など)によって16日・17日・18日のいずれかに設定されています。

    これは毎月1回、人事院規則で指定された日付に全額支払うことが規定されています。

    一方、地方公務員の給料日は自治体ごとに条例で決められています。21日前後を給料日とする自治体が多い傾向にありますが、国家公務員のように法律で定められた日付はありません。

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    「締め日」と「支払日(給料日)」の関係

    「締め日」と「支払日(給料日)」の関係

    給料の「締め日」とは、給料計算の対象期間における最終日を指します。そして、計算された給料が実際に支払われる日が「支払日(給料日)」です。

    月額で基本給が固定されていても、残業代や交通費、その他手当てなどは月ごとに変動する可能性があるため、その月の給料を計算するための締め日が設定されています。そして、締め日に合わせて支払日が決められます。

    労働基準法により、賃金は「(1)通貨で、(2)直接労働者に、(3)全額を、(4)毎月1回以上、(5)一定の期日を定めて」支払われなければならないと定められています(賃金支払の五原則)。

    締め日や支払日は企業側が就業規則によって設定できますが、このルールは守らければなりません。

    多くの企業で採用されている月給制の場合、給与の計算期間と支払い日の主なパターンとしては以下の3つがあります。

    給与計算の期間と支払い月 一例
    • 前月からまたいだ期間で計算
    • 当月に支払われる
    前月16日~当月15日締め、当月25日支払い
    • 当月の期間で計算
    • 次月に支払われる
    当月1日~月末締め、翌月10日支払い
    • 当月の期間で計算
    • 当月に支払われる(一部前払いとなる)
    当月1日~月末締め、当月25日支払い
    (25日~月末部分は前払い)

    例えば、15日締め、当月25日支払いを採用している企業に転職して、4月1日から勤務開始となった場合、4月1日から4月15日までの給料が4月25日に支払われます。中途入社の給料日については、後半の章で詳しく解説します。

    給料日は雇用形態で異なることも。アルバイト・派遣のケース

    給料日は雇用形態で異なることも。アルバイト・派遣のケース

    アルバイトや派遣などの雇用形態では、正社員とは異なる締め日と給料日が設定されていることがあります。アルバイトや派遣社員として働く場合には、給料日を確認しておきましょう。

    ここでは、アルバイトや派遣社員に多い給料日の傾向を紹介します。

    派遣社員の給料日

    派遣社員の給料日は、派遣先となる企業ではなく、登録している派遣元企業の規定に基づいて決まります。

    多くの場合、給料日は15日か25日のいずれかに設定されることが多いようです。ただし、派遣元企業によっては、前払いや、週払いの制度を設けているケースもあります。

    また、単発の1日派遣や週単位で契約している場合は、勤務した当日や最終出勤日が給料日となることもあります。

    このように、派遣社員は契約内容によって給料日が異なるため、派遣元企業の規定をよく確認しておくことが大切です。

    アルバイトの場合

    数カ月から数年といった長期のアルバイトの場合、毎月25日を給料日としている企業が多いものの、正社員とは異なる場合もあるようです。

    一方、短期のアルバイトであれば、週払いや日払いの場合もあり、働き方や勤務先によって給料日が異なります。

    なお、アルバイトの給与の支払い日は必ずしも正社員と同じにする必要はなく、雇用主が自由に設定できます。ただし、労働基準法に従い、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払う必要があります。

    また、企業や店舗によっては、銀行振込や現金手渡しなど、支払方法も異なります。

    希望の給料日や支払方法がある場合は、アルバイト探しの段階でチェックしておくと良いでしょう。

    給料日が土日・祝日の場合、いつもらえるの?

    給料日が土日・祝日の場合、いつもらえるの?

    もし、給料日が土日や祝日と重なった場合は、企業や銀行が休みになり、同日に給料がもらえるとは限りません。では、実際に、いつ支払いが行われるのでしょうか。

    一般的には、土日祝日前の営業日に前倒しで支払われる

    一般的には、土日や祝日前の営業日に前倒しして支払われるケースがほとんどです。

    例えば、給料日となる25日が土曜日だった場合、前日の24日(金曜日)に給料が支払われることになります。

    企業が前倒しで給料を支払うのは、労働基準法第24条で毎月1回以上の給料の支払いが義務付けられているからです。

    例えば、給料日を30日に設定していて、その日が土日や祝日に重なった場合、支払いを後ろ倒しにすると、月をまたいだ支払いになる可能性があり、労働基準法24条 賃金支払いの5原則「毎月1回払いの原則」に違反 することになります。

    このようなリスクを避けるためにも、前倒しで支払う企業が多いのです。

    本来の給料日が過ぎても、当月中の支払いなら違法ではない

    前倒しで支払う企業が多いものの、中には、翌営業日となる月曜日に後ろ倒しして支払う企業もあります。

    その場合、15日や20日、25日といった月末までに余裕がある給料日に設定されていることが多いでしょう。

    給料日が休日と重なった場合の取り扱いは、勤務先の就業規則で定められているため、事前に確認しておくと安心です。

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    給料日に、給料が振り込まれる時間帯

    給料日に、給料が振り込まれる時間帯

    多くの企業では給料は銀行振り込みで支払われます。

    振り込まれる時間に関しては法的な決まりはありませんが、労働基準監督署では、10:00 までに引き出せるようにしなければならないという指導が行われているようです。

    とはいえ、振り込みが完了するタイミングは、企業の手続きによって異なります。

    振り込まれる時間は、主に以下の3パターンがあります。

    • 給料日の日付が変わった0:00
    • 銀行の営業開始時間である9:00
    • 給料日の午後

    振り込みが完了する時間は、企業が手続きを行うタイミングと、銀行のシステムなどによって差が出ます。

    企業によって、事前に銀行システムを利用して振り込みを予約していることもあれば、当日に振り込み予約を行うところもあります。また、受付する金融機関によってもタイミングが異なるようです。

    事前に銀行システムを利用して振り込み手続きを済ませている企業の場合、0:00や9:00には口座に給料が振り込まれているでしょう。

    一方、給料日当日に振り込み手続きを行う企業であれば、タイミングによっては10:00を過ぎることもあります。

    中途入社の場合、初めての給料日はいつになる?

    中途入社の場合、初めての給料日はいつになる?

    中途入社の場合、初めての給料日がいつになるかは、入社日や、入社する企業の給料計算の締め日、給料の支払日の規定によって異なります。

    入社のタイミングによっては、入社月に給料が支払われないこともあるので注意が必要です。

    中途入社者の初任給の支払いについて、具体的なケースを以下で紹介します。

    入社した当月に初任給が支給されるケース

    以下のケースでは、入社した当月に初任給が支給されます。

    支払日が当月で、当月の締め日より前に入社

    支払日が当月の企業に、当月の締め日より前に入社した場合は、入社した月に初任給がもらえます。

    この場合、締め日によって給与の計算期間が変わるため、入社した当月にもらえる初任給の額が以下のように変動します。

    1. 当月15日締め、当月25日支払いの場合
      例えば、4月5日に入社した場合、4月5日~4月15日までの給与が、4月25日に支払われます。なお、初任給は勤務日数に応じて、固定給が日割り計算されます。

      ただし、企業の規定によっては次月にまとめて支払われるケースもあります。

    2. 当月末締め、当月25日支払いの場合
      例えば、4月5日に入社した場合、4月5日~4月30日までの給与が、4月25日に支払われます。この場合、4月25日~4月30日の分は前払いの扱いです。

      ただし、残業代については、企業の規定によって翌月支給になることがあります。

    「定額残業制」を採用している場合は、4月5日~4月30日の残業代が、固定給とあわせて4月25日に支払われますが、「変動残業代」を採用している企業であれば、4月5日~4月30日の残業代は、翌月(5月25日)に支払われますので注意しましょう。

    入社月の翌月以降に初任給が支給されるケース

    初任給が入社月の翌月以降になるケースでは、入社後しばらくは給料がない期間が発生するので注意が必要です。

    入社月の翌月以降に初任給が支給されるケースは、主に以下の2つのパターンがあります。

    支払日が当月で、当月の締め日より後に入社

    当月支払いの場合でも、締め日よりも後に入社した場合は、初任給は翌月に支給されます。

    例えば「当月15日締め、当月25日支払い」の企業に、4月20日に入社した場合、すでに当月の締め日(4月15日)を過ぎているため、4月に給与は支給されません。

    4月20日~5月15日の給与(固定給の日割り分)が、翌月(5月25日)に支給されます。

    支払日が翌月

    支払日が翌月の場合、どのタイミングで入社しても初任給は翌月に支給されます。

    例えば「当月末締め、翌月15日支払い」の企業に、4月1日に入社した場合、4月1日~4月30日の給与が、翌月(5月15日)に支払われます。

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    Q&A給料日に関するよくある質問

    給料日に関するよくある質問

    ここでは、給料日に関するよくある質問を取り上げ、その対処法について解説します。

    給料が振り込まれない時はどうしたらいい?

    給料日を過ぎても給料の振り込みが確認できない場合、まずは勤務先の担当部署に確認しましょう。

    手続きミスやシステム障害などが原因であれば、早期に解決される可能性が高いでしょう。しかし、担当部署からの回答が遅れたり、未払いが続いたりする場合は注意が必要です。

    このような場合、タイムカードなど自分の働いた時間がわかるものと、これまでの基本給等が分かる給与明細といった証拠を用意しておくと良いでしょう。賃金の請求権は当面の間3年間の時効があるため、すぐに行動することが大切です。

    勤務先との話し合いで解決しない場合は、「給料の未払い」として労働基準法違反にあたる可能性があります。

    内容証明郵便で勤務先に請求したり、労働基準監督署に相談したり、未払賃金立替払制度を利用したりするなど、法的な手段を検討することも必要です。

    給与明細の金額と振込額が違う場合はどうしたらいい?

    給与明細の金額と実際の振込額に差異がある場合、速やかに勤務先の担当部署に問い合わせてください。

    その際、支給額の根拠となるタイムカードなどの資料を準備しておくと良いでしょう。自分の働いた時間や手当などを確認し、明細との差異を確認できるようにしておきます。

    一方、振込額が多い場合(過払いの場合)は、後日返金を求められる可能性があるため、過払いの分には手を付けないようにしてください。

    過払いであることを知ったうえで、過払い分を使い込んだ場合は、利息を上乗せして返還する義務が発生する場合もあります。

    また、退職後の最終的な給料額が異なっている場合も同様です。金額が異なる場合には、必ず前の職場の担当部署に確認しましょう。納得のいく説明が得られない場合は、労働局に相談するのも一つの方法です。

    給料の締め日を確認する方法は?

    過去の給与明細や勤務先の就業規則から確認できます。

    多くの企業では、給与明細に支払い対象期間や締め日を記載しています。過去の明細を確認してみましょう。

    もし、過去の明細を紛失してしまった場合や、まだ明細が発行されていない場合は、人事部や経理部など、給料計算を担当する部署に直接問い合わせるのが確実です。

    これから入社予定の場合は、求人票、雇用契約書(労働条件通知書)を確認してみましょう。給料の計算方法や支払日、締め日に関する規定は、採用時に企業側が明示すべき「絶対的記載事項」であるため、契約書類に記載されているはずです。

    まとめ

    給料日は、企業の規定や雇用形態によって異なります。多くの企業では、毎月25日、国家公務員は16日から18日、地方公務員は21日が一般的です。

    また、中途採用の場合、入社のタイミングによっては、初めての給料日が翌月にずれ込むことがあります。給料日を正しく理解し、スムーズな生活設計や転職活動に役立てましょう。

    監修者
    篠田 恭子

    篠田 恭子(しのだ きょうこ)

    特定社会保険労務士
    おひさま社会保険労務士事務所 代表

    1977年埼玉県川越市生まれ。システムエンジニアとして約10年勤務。仕事・子育てをしながら、2011年社会保険労務士試験に合格。2013年1月社会保険労務士事務所を開業。2014年4月特定社会保険労務士付記。2018年5月移転を機に事務所名を「おひさま社会保険労務士事務所」に変更。「働くすべての人が『楽しい』と思える職場づくりを応援します!」を経営理念に掲げ、地域の企業を元気にするために、日々活動している。

    全国社会保険労務士会連合会、埼玉県社会保険労務士会、埼玉県社会保険労務士会 川越支部所属。

    マイナビ転職 編集部

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