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先どりストーリー

りんごの皮をむくようにプラントを解体。“世界を変えた”革新的アイデア――ベステラ株式会社

製鉄所や電力・ガス・石油化学などのプラント設備を安全に解体する専門集団、ベステラ株式会社。球形のガスタンクや石油タンクをまるでりんごの皮をむくように解体していく特許技術「リンゴ皮むき工法」をはじめ、同社は“壊すこと”に特化して技術力を高め、数多くの特許を取得してきました。
2015年には念願の東証マザーズ上場を果たし、現在は3D計測や産学連携プロジェクトも積極的に推進。「見えない部分を可視化する」ことで顧客の求める情報を提供し、大型プラントの解体も計画からコンサルティングしていく独自の地位を築いています。

しかし、代表の吉野氏が特許工法を考案したのは50歳の時。そのアイデアのベースにあったものは何なのか、そして一夜にして変わった景色と今後のビジョンについてお話を伺いました。

――最初に、吉野さんのこれまでのご経歴を教えてください。

もともとは父親が名古屋で土木工事業をはじめたのですが、私が幼い頃に他界して母親がキリモリしていました。そのため、私も高校を卒業したらすぐに家業を継ぐ形で就職。その頃は鉄工所をまわって金属の削りくずを回収して生計を立てていましたね。

最初の転機が訪れたのは、25歳の時です。ビルを解体するために東京から業者が来て、鉄球をぶつけて壊していました。「スゴイな」と思うのと同時に、ビルを解体した後に出る鉄くずを回収すれば一石二鳥だと考え、解体の道に進もうと決意。それからプラント解体に携わるようになり、ベステラを設立しました。

――そもそもプラントではどんなことが行われているんですか。

車で走っていると遠くに球形のタンクを見かけることがあると思いますが、あの中では必要な成分を作るための化学反応が起こっています。例えば、水素と酸素を合わせると水になりますよね。そうした化合が鉄工所・電気・ガス・石油化学などのプラントごとに行われているんです。

反応が出れば同時に熱が発生するため、冷却装置で冷やさなければなりません。本社を名古屋から千葉へ移し本格的にプラントの解体事業に参入してからは、そうしたプラントの仕組みを徹底的に学びました。
どのような変圧器やモーターが使われ、そこにどれだけの銅が含まれているのか。冷却水は真水か海水か。銅の含有量がわかれば必要経費が算出できるので、入札に勝てるようになります。そうして少しずつ土台を築いていましたね。

――当時はどのような解体方法が主流だったんですか。

とてもシンプルです。プラントを作った人たちが、作った時と全く逆の工程を辿って解体していました。
でも、その出発点がそもそも違うのではないかと思ったんです。家を壊すのに、わざわざ作り手の大工さんに頼んで瓦から一枚ずつ剥いでいく、なんてしませんよね。
家でもしないことを、巨大なプラントに限ってする。これは、どのような壊し方が最適なのか誰もわかっていないからではないかと考えました。

――スピードや効率を追求するのではなく、解体方法そのものを見直したんですね。

やっぱり、作った人には壊せないんです。建物を建てるのは「重力」に逆らうことですよね。重力に負けて倒壊しないように、クレーンで足場をつくり、杭を打ち、コンクリートでしっかり基礎を固めて建造する。その都度データを取りながら、みんなが耐久性や品質の向上に知恵を絞っている。
それを老朽化したから壊せと言っても、解体ならではの工事方法を生み出すのは無理でしょう。そこは解体のプロが請け負わなければならない。私たちは逆に「重力」の力を借りて、建物を解体していくのです。

――そして、「リンゴ皮むき工法」が生まれたんですね。

ある工事現場で仕事をしている時に、すぐ隣にも別会社のプラントがあったんです。3年間そのガスタンクを眺めながら、どうにかしてその仕事も受注できないかと考えていました。
考え続けた末に、全く新しい手法がひらめいたんです。正直、あの時は体が震えました。

特許を申請すると、すぐに業界新聞が取り上げてくれました。すると、その朝刊が出た日の午前10時に日本を代表する大手ガス会社から電話が来て、「すぐに本社へ来てほしい」と呼ばれました。本社へ行くと、専務から部長まで全員揃っている。そして、「ぜひうちと契約してほしい」と言われたんです。
その後、これまた日本を代表する大手電力会社から「川崎に古いプラントが2つある。1つは失敗していいから、もう1つで成功してほしい」と言われました。世界が変わった瞬間でした。

――日本を代表する大手インフラ会社が真っ先に飛びつくほどの画期的なアイデアだったわけですが、その成功から気付いたことはありますか。

色々な方と仕事をさせていただく機会が増えて実感したのは、何よりも新しいサービスが求められているということです。そのために、当社は施工実働部隊や道具などを持つことを止めました。顧客が欲しい情報を集め、分析し、より良い仕組みづくりに全力を注いでいます。

また、安全性を追求するため取り組んでいるのが、「見える化」です。50年以上前に造られたプラントなどは設計書もかすれて細かい数字を読み取ることができません。また、図面には書かれていない改修が行われていることも多いのですが、お客様も細かいところまではわからないんですよね。なぜなら、造ったり、改修したのは何年も前の先輩たちだから。
そこで3D技術を活用し、計測データをCADに落とし込んで図面をつくり、3D画像をもとに解体計画を立てています。高い技術力を武器に計画からコンサルティングまで対応できるのは、当社独自の強みですね。

――経営の面でも心掛けていることはあるんでしょうか。

会社というのは大きな仕事をするための組織です。公平な評価制度のもと能力や意欲のある人が上に立てば、会社は成長していきます。経営においても「見える化」が大切だと思いますね。

――最後に、ベステラとしての今後のビジョンを教えてください。

現在、東工大・京都大・山口大と連携し、解体ロボットの研究をしています。今後ニーズが増えるであろう原発の解体などを見据えてのものです。
おかげ様で2015年に東証マザーズへ上場し、すでに市場変更も視野に入っていますが、まだ社員は60名規模で売上は40億円ほど。これを1000億円まで増やすため、さまざまな人と協力しながら多くのシナジーを生んでいきたいと考えています。

面接では全員に「キミの夢は絶対に潰さない。だから、ぜひ次の社長を目指してほしい」と言っています。次の社長は、売上1000億円を達成してくれる人に任せたいと決めているんです。
実は特許を取得しているのも技術の保護という面だけではなく、公開することによって「ここまでは自分たちの世代でできた。この技術をベースに新しい未来や仕組みをつくってほしい」という想いから。
大きすぎるような夢を一緒に共有し、存分に仕事を楽しみながら次世代へとバトンをつないでいきたいですね。

――解体工事の在り方を変え、会社の飛躍的な成長に寄与したアイデアと技術は、今なお進化し続けているんですね。本日はありがとうございました。

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