転職ノウハウ

応募企業の探し方や履歴書の書き方、面接のポイントから円満退職の秘けつまで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!


第7回になる面接シミュレーション企画の挑戦者は33歳の女性。短大卒業後に新卒で入った会社では、半年後に経営不振を理由に解雇され、その後8年勤めた会社も経営悪化になり退職した。30歳を前に生保営業を経験したのち、派遣スタッフとして働きつつ、正社員としての雇用機会を探っている。
話し上手と話が長いは違う!

通信会社系コンサルタント会社のF社は、一般事務の採用はほとんど行わないが、今回欠員が出たために若干名の求人募集をした。募集年齢を35歳位までと高く設定したのは、教育の必要のない経験者も採用したいから。また、未経験でも可能性を感じられる人は採用を考えている。「キャリアも大事だけど、人間性も重要」という採用方針だ。年齢を高くしたため、応募者は非常に多かった(以上が設定)。面接会場に入った森さんは緊張した様子だ。そして、顔を覆うようなヘアスタイルのためか印象が暗い。「明るい性格」を求めているので第一印象はよくなかった。しかし、話せば変わるのかもしれない…。

 
髭さん では、どういう経験をされてきたか、話していただけますか?
 
森さん いままで一般事務として働いてきたんですが、まだ自分の進んでいく方向が見えないんです。(1)営業経験もあって、確かに貴重な経験をさせていただきましたが、今は総務として会社全体をバックアップしていきたいと考えています。
 
髭さん 卒業して入社された会社は、半年で退職されてますよね。
 
森さん 業績が悪化して、まだ若いから可能性があるだろうからということで…。
 
髭さん 次の会社(漁協関連会社の事務)は8年勤められたのに、なんで辞められた?
 
森さん 前社と同じで、ここも経営が悪化したんです。給料も減額されましたし、責任者も次々に辞めていかれるような状態になって…(表情が暗い)(2)。
 
髭さん 辞めなくてもよかったのでは?
 
森さん まだ30歳前だったので、経験を生かそうと思いました。
 
髭さん 次が、営業を経験された生命保険会社ですよね。
 
森さん でも、じっくり考えずに転職したので失敗だったんです。ただ、お客様に対する姿勢は学びました。お客様の立場になって考えるということを。(以下、生保営業の仕事についての説明。生き生きとした表情はない)
 
髭さん これからは幅広い仕事をしたいと応募動機に書かれていますよね?
 
森さん 今までは漠然と目の前にある仕事をこなしてきたんですが、組織のなかで生き残るスキルを身につけたい。自分自身のスキルを上げていけば、必要な人間になれるのではないかと思いました(3)。
 
ここまで約5分。その後、森さんの派遣スタッフとしての経験についての質問へ。森さんは、派遣スタッフの仕事を「物足りない」という実感を述べるだけで、とくにスキルのアピールはなく、生き生きと仕事について語ることはなかった。面接は15分ほどで終了した。
 
POINT1. 「失敗した経験は?」のとき、表情を見られる!
マーケティング担当者なら、確かな分析力は問われる

この企画では、面接が終了したあと、髭さんに面接の応答やキャリアプランについてのアドバイスをしていただいている。今回は特別に、そのやりとりを紹介していく。面接終了後、髭さんはやさしく語りかけたが、森さんの目からは涙が…。

 
髭さん 全体的に、非常に考えがきっちりされた方だとは思います。ただ、自らが迷っているという現実を受け入れていないんじゃないですか? 「きちんとしたい」という思いばかりが先行している。 
 
森さん 不本意な転職をしてきてしまったという負い目があるので、そこをどうすればいいか…(ふいに核心を突かれたために涙が出てくる)。結局は何も身についていない。何が通用するのかということもわかっているつもりなのに、通用するものを身につけていない。だから話がすべて抽象的になってしまいます。
 
髭さん では一番、時間をかけた仕事を書き出せばいい、3行ぐらいで。たとえばどういうことですか?(4)
 
森さん 書いてしまうと、自分でもこんなものかなぁって思ってしまうんです。
 
髭さん あなたの長所はまじめなところ。コツコツ仕事をこなすタイプでしょ。それを訴えるのは仕事の積み重ねなんですね。仕事は工夫してやってきたんでしょ。(5)
 
森さん 確かにちょっとは工夫しましたが、一般事務の場合はルーティンワークなので、とくに提案するということもなく、どこをどうアピールしていいかわからないんです。
 
髭さん あなたは自分を低く見てしまうんです(6)。
 
その後、髭さんは生き方について言及することになる。森さんの涙は止まらない。

 
POINT1. 「失敗した経験は?」のとき、表情を見られる!
人事担当者は「仕事のプロ」と意識しておく

ここに至ってカウンセリングに近い雰囲気になってきた。森さんの涙ながらの自己分析が続く。髭さんは、どうにか転職活動への心がまえについてアドバイスするのだが…。

 
髭さん 現実を受け入れるということは、自分を認めてあげるっていうことなんですよ。大きな話になりますが、「こんなつまらない人生」と思わずに、「これが私の人生」と、「こんないいこともあった」と認めてあげなければ。そのためには、面接なんかは人生のなかのちょっとした出来事だと思うことです(7)。
 
森さん

でも、落ちるとショックですしね。

 
髭さん 自分を小さく見ているんです。「落ちたからってどうってことねぇや」ぐらいに思っていればいいんです。
 
森さん すでに正社員としてのブランクも長くなっていますし、焦るんです。
 
髭さん だったら、もう少し派遣でやっていればいいと思えばいいんです(7)。
 
森さん そうなると実際に困るのが、転職活動をしても、求人企業が急募なのか違うのかで大きく左右されちゃうんです。急募だったら、派遣で在職中と言っただけで不採用になるんです。
 
髭さん だからね、あなたは自分の思い通りにきちんきちんとやっていきたいんですよ。でも、そうそう思い通りにはならない。いろんな障害がありますよね。そこで葛藤しているんですよ。現実を受け入れていないんです。「これでもいいか」と思えない。「アルバイトでもいいか」と、あなたが思えるかどうかなんです。そういう気持ちになれたら、面接もうまくいくはずですよ。
 
森さん アルバイトは嫌です。知り合いがフリーターみたいになっていて、こうなるのは嫌だなと思ってます。やっぱり定職に就かないとと考えてしまうんです。
 
髭さん 別に死ぬわけでもないし、親を失うわけでもないんだから、アルバイトになってもいいんじゃないかと思えるかどうかなんです。そうすると気楽になれるじゃないですか。
 
森さん (涙が止まらない)気持ち的には楽になっても、その後本当に、そのまま楽なほうへいってしまう…。
 
髭さん いやいや、そうなってしまうと言っているんじゃなくて、気持ちが楽になると表情が明るくなるし、声もはっきり出るんですよ(8)。だから面接の印象もよくなる。かまえて面接を受けると、自分のいいところが出ないんですよ。あなたの場合、現実として年齢のわりにキャリアが少ないから、中小規模の会社をいくつも受けてください。「落ちてもいいや」という気持ちで受ければいいですよ。
 
森さん 自分をどう表現したらいいかがわからないんです。
 
髭さん それはね、さっき言ったように、ちょっとしたことでもいいから、「自分はたいしたことねぇなぁ」なんて思わずに、やってきたことを書き出せばいいんです。それとね、今日の髪型なんだけど、おでこは出したほうがいい。おでこを出すと明るく見えるんです。写真を撮るときもね。
 
森さん おでこを出してしまうと、顔が長くなって、間が抜けているように見える。
 
髭さん 相手がどう見るかですからね(9)。あなたは、自分の基準で生きています。これが正しいからこうしようと思っています。あなたは、「いままでの仕事はつまらない」と思っていますが、会社にとってはつまらない仕事なんてないんですよ。他人から見たらなくてはならない仕事ですよね。いろんな価値観の違いに気づいてください。自分を楽にするということは、価値観の違いに気づくことなんです。
 
その後、キャリアプランについてのアドバイス(後述)があって終了。制作スタッフ一同からも、数々のアドバイスが飛びかった。
POINT1. 「失敗した経験は?」のとき、表情を見られる!
今回の面接教訓

1.生き生きとして働いた経験を思い出そう
森さんのように、自分がやってきた仕事を認められない人は、けっして採用されません。そればかりか表情に出てしまいます。
2.まずは人間性を訴える
どんな企業も人間性を重視しています。基本は、「この人と一緒に働けると楽しい」と思わせることなんです。
3.年齢のわりにスキルがない人は中小規模の会社を
森さんの場合、年齢のわりにスキルがない。そういった売り込むものが少ない人は、中小規模の会社が向いています。たとえば会計事務所とか、企業規模は大きくなくても堅実な経営をしている会社はいくつもあるんです。また、中小規模の会社ではコツコツとした仕事をして、長く勤めている女性もたくさんいらっしゃいます。長く勤める間にスキルを磨いていけばいいんです。ただ、中小規模の会社でも事務職への応募は殺到しています。だから、いくつも受けることです。

森尚子さんの感想
自分の悪いところがわかりました
なんで落ちるのか、自分が悪いところがわかったような気がします。
※森さんは、面接の間、最後まで自分自身を認めることはできませんでした。制作スタッフ一同、森さんが自分のことを、自信を持って語れる日がくることを心から願っています。


面接官
髭彰(ひげ あきら)さん 有限会社キャップ総合研究所代表取締役
1948年生まれ。伊藤忠テクノサイエンス株式会社にて、技術教育課長、QCサークル活動推進事務局長、人事採用研修グループリーダーを歴任。
1998年独立後、キャリアコンサルティング、社員教育企画、数社の人材採用コンサルティングを手掛ける傍ら、某派遣会社のIT就職塾 塾長として大学生への就職指導、キャリアデザイン研修講師を担当。

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