転職ノウハウ 応募企業の探し方、面接のポイントから、円満退職の秘訣まで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!
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開口一番“言わなくていいこと”を言ってしまったがために…
今回で第10回を迎える模擬面接企画。今回の挑戦者は、学生時代から法律を学び、企業の法務部を目指す27歳の女性。彼女は、数少ない企業法務の専門職採用を目指して転職活動を続けている。さまざまな求人情報のなかで見つけたのが、水産業では日本屈指の卸売量を誇っている歴史ある企業だった。
面接官 須藤さん
今回の挑戦者
自らPRにつながらない展開へ持っていってしまう

H社の法務部採用への応募はすぐに50通におよんだ。人事部は1名の採用に対し、職務経歴書をもとに6名ほどの面接者に絞った。キャリアや実績は他の5人と比べると劣っているが、挑戦者の川崎さんは比較的年齢が若く、法学部を卒業し、現在も消費者金融で契約書類について扱っているので書類選考はパス。ただし面接担当者は、まず法務業務への資質や素養を確かめ、さらに将来的な成長が見込める人材なのかを見極めようとしていた。

 
須藤さん では、まず当社への応募動機を話していただけますか?
 
川崎さん まず最初に自分のキャリアを考えたなかで、得意分野といえるものがなかったものですから、自分の得意分野っていうか、自分を伸ばしていけるような会社はどういった会社かと考えたのがきっかけなんです。では、どういった会社が自分の得意分野を活かしていけるのか、一生懸命インターネットなどで調べました。今、私は消費者金融の会社に勤めているのですが、仕事としては充実しているのですが、他の人にどういった仕事ですかと言われたときに、引け目を感じることが多かったんです。(1) 仕事に関しては自信を持っているんですが、扱っているものに対して自信が持てないっていうジレンマを感じていまして、自信を持つことのできる会社を探していたんですね。私は食べるのが大好きでして、それに魚好きでしたので、魚に関わった仕事をしたかったのです。いろいろ調べさせていただいたなかで御社を希望しました。(以上、かなり速い口調で)(2)
 
須藤さん 今のお話のなかで、「商品に自信が持てない」とおっしゃられたんですが、そのあたりについて、もう少し詳しく話していただけますか(3)
 
川崎さん 私が直接セールスをしているわけではないんですが、今会社で扱っている商品は無担保ローン、不動産担保ローンです。昔、サラ金といわれた時代とは金利も違いますし、法令も遵守してやっているんですが、世間的に、やはり年輩の方からはサラ金のイメージが強いことや、過剰融資の問題がつきまとってしまいます。そして、みなさんが幸せに暮らされているわけでもなく、自己破産される方もいますので、そういった意味で、幸せに対する働きかけを必ずしもできる仕事でもないと思ってしまっています。
 
須藤さん でも都市銀行でも融資を行っているわけで、何か違うんですか?
 
川崎さん やはり違いますね。大きなものは金利です。無担保であれば法令ギリギリですから…(この後、金利についての話が続く)。
 
須藤さん でも、会社がリスクを負っている部分も大きいんでしょ。
 
川崎さん そうですね。
 
須藤さん 金利が低いところで借りられない人が借りるわけで、それが世間で必要だから企業として成り立っているわけじゃないんですか?(3)
 
川崎さん そうですね。100%自分の会社を否定するわけでもないんですが、いつまでも自分がその仕事を続けていくことが、自分の人生のなかでいいのか、胸を張って生きていけるのかなぁと思ったときに疑問を感じてしまったんです。一度しかない人生なんですから、方向転換をしたいっていうのが理由なんです。
 
須藤さん お仕事全体には満足されているんですね。では、都市銀行なら続けていけるんですか?(3)
 
川崎さん 考え直すとは思うんですが…。もしできるならば、より好きな方向へいきたい。できるならば方向転換をしたいと思っています。(4)
 
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相手がどんなことを聞きたいかを意識しておく!

面接官は、学歴やキャリアのなかで、法務の仕事への興味や、契約書類の業務に関わった実績を聞きたいと考えている。そして、改めて学生時代の就職活動についての質問を始めた。

 
須藤さん では、なぜそういう会社に入ったのか、そして入社して4年経つ間になぜ転職を考えなかったかをお願いします。
 
川崎さん 無担保のローンだけではなくて、不動産担保ローンを扱っていたというのがあります。(その後、不動産担保ローンの説明や、金利を低くする契約変更についての説明が長く続く)。(5) 単に儲けだけでなく、契約変更によって債務者の負担を楽にできる働き方ができると思ったのが、今の会社へ入った理由でもあります。
 
須藤さん では、今のような(消費者金融)会社ばかりまわられたんですか?
 
川崎さん 学生でしたから、ありとあらゆる職業を視野に入れていたんですが、男女の分け隔てなく働かせていただける会社を探していました。(6) そういった意味で今の外資系の会社のほうがいいと思ったんです。それと上を目指している会社に入りたいと考えました。成長企業でしたし…。外資だから男女分け隔てがないってこともないのですが、当時は偏った見方をしていました。
 
須藤さん (自分の会社の商品に自信が持てないということでしたが)新卒で就職するときって、仕方なく入ったんですか?
 
川崎さん いえ、何社か内定をいただいていました。
 
須藤さん 内定をいただいた会社は、かなりバラバラなんですか?
 
川崎さん 生命保険、フード系で外食産業の会社から2社いただいていました。
 
須藤さん では、外食産業を選ばなかったのは? 食べることが好き、なんでしょ?
 
川崎さん 最後の決め手となったのは勤務形態です。やはり外食産業だと朝9時から夜11時までやっているお店もありました。それで体験入社という形でアルバイトもやったのですが、やはり12~14時間労働もありました。外食系ですと、店長を目指していくという形でしたので、自分が好きなパソコンのスキルを伸ばしていけないかなぁと思って、今の会社に決めました。(7)
 
須藤さん 4年間いて、なぜ今転職なんですか?
 
川崎さん いろんな部署をまわったんですね。1年ごとに新しい仕事を経験していたんです。1年ごとに部署が変わってしまっていたので、今の時期になりました。
 
須藤さん では、次の1年では変わらないんですか?
 
川崎さん あるかも知れないんですけど、やはり4年間1つの会社で仕事をしていれば、だいたいどんな仕事があるかもわかっていますし、やはり年齢的なことを考えると、今の私なら新しいことを吸収する力があると思うんです。それをいつまでも、“もしかしたらこの会社でもチャンスがある”と考えていたら、臨機応変な形が持てなくなると思います。今はまだ仕事をさせていただいていて、これというものがないんです。スペシャリストとして、専門性を高めていける可能性が今ならあると思うんです。
 
須藤さん では、あなたにとって専門性というのは?(8)
 
川崎さん やはり、「経理畑何十年」というか、古い言い方なんですが、会社のなかでも専門性が高い方がいらっしゃると思うんですね。やはりそういった方のように、1つのものに精通したいと思っています。
 
須藤さん でも、いくつもの部署をまわっている人は、いくつもの部署を経験しているだけに会社について精通している。「あの人に聞けばなんでもわかる」という人になれるんではないでしょうか?
 
川崎さん 確かにそれはあるのですが、今の会社では、会社の都合で動くというか、1つひとつの部署が独立した形でやっていますので、今の会社にずっといても専門性やスキルを高められるのかは疑問に思います。
 
須藤さん では、あなたが高めたい専門性とはどんなものですか?
 
川崎さん 私は法学部出身なんですが、私はもともと法律が好きで法学部に入ったんですね。今の仕事でも不動産に関する契約書類について扱っているんですが、それが面白かったし、興味深かったんです。ほとんど未経験になってしまうんですが、法務について専門性を高めていきたいと思っています。(その後、契約についての興味を語る)(9)
 


未経験でも、最低限、仕事内容については調べておく

面接は終盤だが、川崎さんはまだなにもアピールできていない。ここで面接官は、やっと仕事の核心について触れていく。

 
須藤さん では、具体的に法律を仕事とする専門職、たとえば、司法書士とか弁護士になるためのアクションを起こされたことはあるんですか?
 
川崎さん 独立するような仕事は自分に向いてないと思って興味はないのですが、現在、ビジネス法務検定の試験を受けておりまして、つい最近3級に受かったのですが、ぜひ1級までとりたいと思っています。(10)
 
須藤さん 企業法務ってどんな仕事ですか?(11)
 
川崎さん ……企業法務。未経験なので正しい答えじゃないかもしれないんですが、会社の契約書に関する監査ではないんですが、もとをつくっていく仕事だと思います。
 
須藤さん 企業法務の領域って、それだけですかね?
 
川崎さん 違うのかもしれませんが、勉強不足で…。
 
須藤さん あなたが専門性を高めたいと思う仕事なのに、勉強不足で転職していいんですか?(12)
 
川崎さん ……勉強不足かもしれないんですが、自分のなかで領域を語るまで勉強していないんですが、でも向いている向いていないに関しては、法律に関して理解するのも早いので向いていると思います。そういう意味で、新しい仕事であっても吸収するのは早いと思います。
 
須藤さん 法律を主たる領域にして仕事をしていきたいということですね。では、当社でなくてもいいわけですよね?(13)
 
川崎さん そう言われればそうかも知れないんですが、同じ法律に関わるのなら、好きな分野でやっていきたい。同じ仕事をするなら、自分が好きな仕事で、好きな食べ物、とくに魚に関わる仕事をしていきたいと思います。
 
須藤さん でも毎日、魚ばっかり食べてるわけでもないんでしょ(笑)。
 
川崎さん それはそうだと思うんですが(笑)。
 
須藤さん では、あなたが今までハードルの高い目標に対して頑張った実績を話してください。
 
川崎さん 支店からマーケティング部門に移ったときに、費用対効果が上がってない地域があったんですね、そのとき、マーケティングに関する知識はなかったんですが、その地域の支店を全国の平均レベルまで上げるという課題に取り組んで、成果を上げることができました(詳しい仕事内容が続く)。
 
須藤さん 当社の場合、英文の契約を見なければいけないんですが、英語は大丈夫ですよね?(14)
 
川崎さん ……はい、……ある程度は話せますし、今現在、勉強しているところです。
 
須藤さん 英文の契約書を見て、この契約でいいかどうかという判断をしてもらいますよ。大丈夫ですか?
 
川崎さん 今までも英文での契約書は扱っていましたので馴染みはありますが、やはり業界によって用語とか違いますので、そのあたりは勉強させていただきます。
 
須藤さん 今までどんな英文の契約書を扱ったことがあるんですか?
 
川崎さん 会社が外資ですので、総務との契約書の確認も英文で出していました。
 
その後、英文契約書の仕事の詳細について川崎さんが語り、給与などの話があって面接は終了。面接時間は30分だった。
 


今回の面接教訓

1.最低限、応募動機はきっちり話せるように!
応募動機は必ず聞かれます。ただ長く話すのではなく、端的にポイントをつかんで話せるようにしておきたいものです。川崎さんの場合なら、学生時代に法律に興味があり、就職のときも法律の仕事に就きたかったが、就職難で仕方なく現在の会社に入り、働きながらも法律に関する勉強をしている。このようなストレートなストーリーのほうが、かえって相手に伝わります。
2.面接で弱点を言うことはない
川崎さんの「自分の働いている会社に自信が持てない」という転職理由は、自分から言う必要はありません。面接で自ら弱点をさらけ出すと、追及されてしまいます。そこでの回答の多くは、今がだめな理由であって、PRにつながらないんです。
3.未経験でも仕事内容は必ず調べておく
専門職採用の場合、仕事内容をきちんと答えられない場合は、その場で不採用です。いくらやる気があるといっても、事前勉強をしていない事実は、やる気がないと思われますし、理解していない仕事をさせることによるミスマッチを面接官は恐れます。
4.専門職でも、まず同じ業界で探す
川崎さんの場合、法務部の仕事を探すのなら、まず、今まで働いていた金融業界で探すことをすすめます。同じ業界なら知識もあるし、仕事内容についてもわかるでしょう。
5.第一希望の企業へ行く前に、面接の経験を
川崎さんのように、新卒で就職試験を経験してから4年もの間、面接の経験がない場合は、面接慣れしておくことも必要です。

挑戦者の感想
具体的なアピールポイントが見えていなかった!
転職活動中といっても情報収集をしている段階だったので、具体的に自分の何をアピールすればいいかがわかっていなかったようです。法務の仕事についての応募動機や仕事内容についても、これからまとめて話せるようにしたいと思いました。
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面接官
須藤(すどうよしひろ)さん 株式会社ディ-アンドエムホールディングスHRMシニアマネージャー
1960年生まれ。外資系のクレジットカード会社、システムソリューション会社などで採用担当マネジャーや人事マネジャーを歴任後、2004年12月より現職。
面接の厳しさには定評があるが、特に学生や若年層の面接には時間をかけ、そのアドバイスが役立ったとの声も多い。ヘッドハンターや人材紹介会社とのコネクションも数多く持つ。

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