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好印象を与え続けたが、現場以外の話を伝えきれなかった・・・
今回の挑戦者は、ホテル業界で約4年の現場経験を持つ女性だ。優良外資系ホテルの東京進出が目立っているが、彼女もこれまでのキャリアを活かして、ある代表的な外資系ホテルの人事部採用担当に新たにチャレンジしようとしている。そのホテルは最近になって日本上陸を果たしたのだが、今回は立ち上げスタッフの採用を担当する人材を募集している。
面接官 須藤さん
今回の挑戦者
ホテル業界への意識は?

世界的なホテルチェーンのH社は、今回日本初進出をするにあたって、まずは人事チームをつくろうとしていた。マネジャーは経験者を求めるが、それ以外のスタッフは、新しい考えを持っていて、新たなホテルづくりに意欲的な若いスタッフを求めている(以上仮定)。面接会場に現れた佐々木さんは、黒のスーツを上品に着こなし、髪の毛も清潔感を与えている。ホテルスタッフとしての身なりや話し方は充分だった。面接官は、新しいホテルづくりへの考え方から尋ねはじめた…。

 
須藤さん 業界はよくご存知だと思うのですが、現在、ホテル業界の仕事についてどのように感じていらっしゃいますか?
 
佐々木さん 非常にやりがいのある仕事だと感じております。お客様の反応がすぐに返ってくること。スタッフがホスピタリティあふれる方が多いので、非常に勉強になることが多いと思います。
 
須藤さん ホテルで働く人には、どんな資質を持っている人がいいとお考えですか?
 
佐々木さん まず前向きなことと、人にサービスをしますので、他人のために何ができるかを優先的に考えられる人、まわりを見て行動できる人が適しているのではないかと考えております。(1)
 
須藤さん それは、その人が本来持っているものですか? それともホテルで仕事をしたり、教育を受けて形成されていくものでしょうか?
 
佐々木さん そうですね。積極的とか元気がいいといった資質は、その人が本来持っているものだと思います。ただ、まわりのことを考えたりすることやホスピタリティ精神は、業務や研修のなかで、自分から意識して、先輩や上司から学んで、芽生えていくものだと思います。
 
須藤さん 逆に、ホテルの仕事の問題点は?
 
佐々木さん 時間が不規則であるということと、業務がたいへんですので、自分の将来のことや自身のキャリアのことを考える時間がない。そこが問題だと思います。(2)
 
須藤さん けっこう短い間に辞めていかれる方が多いですよね。
 
佐々木さん はい、そうですね。さきほどの問題点がありますので仕方ないですね。明確な目標があって辞められる方は仕方ないですが、将来が見えないということで辞められる方には、自分が人事だったらこうしてあげられるのにと思ったことがあります。そういった理由で、今回、人事に応募しました。
 
須藤さん そういった問題のいくつかは、人事が働きかけることで解決できると?
 
佐々木さん すべての人の要望に応えることは難しいと思います。ホテルは現場を大事にしますので、現場の所属長の働きかけも大切だと思います。悩んでいるスタッフに話す機会が与えられないことが、どのホテルでも問題なのだと思います。
 
須藤さん そういった問題に対して、人事はどういったソリューションを提供できると考えていますか?(3)
 
佐々木さん やはり話し合う機会を設けて、彼らの持っているキャリアプランを聞いて、実現するにはどうしたらいいかをアドバイスしたり、自分でも気づいていない能力について話したりとか、人事というプロフェッショナルとして、カウンセリングをしていきたいと考えています。
 


人事としての資質はあるのか?

その後、須藤さんは佐々木さんの人事としての能力、資質を見極めようとした。

 
須藤さん 今回は採用の担当者を募集するのですが、あなたが採用担当だとすると、どんなことができますか?(4)
 
佐々木さん そうですね、今までの接客経験とか、まわりのスタッフをサポートしてきた経験が活かせると思います。面接にきた方の本来の力を出すために、緊張をやわらげることができます。そういったことが、私は他人よりもできると思います。
 
須藤さん あなただったら、当社のスタッフを採用するときにどんなやり方をしますか?
 
佐々木さん ホテル業界に携わってきた方も採用したいのですが、やはり、業界の経験がない方もいい刺激となりますので、ホテル業界に特化した求人広告や紹介会社に頼ることはしません。幅広く求人したいと思います。
 
須藤さん 採用担当者が評価されるのは、どういうときですか?(5)
 
佐々木さん 採用された方が本当に気持ちよく働いている。この会社で働けてよかったなと思われるときだと思います。
 
須藤さん でも、採用担当者は働く現場まで見られませんよね。実際に配属された現場の上長とか、教育を担当する人によって変わってきますよね?
 
佐々木さん それは、コミュニケーションをどうとっていくかだと思います。時間をかけて話し合っていくことで解決できると思います。
 
須藤さん でも多くの方に、そんなに手間暇かけて見ていけるんでしょうか?
 
佐々木さん
おっしゃる通り、時間的には難しいかもしれません。(6)
どこの企業でもそうだと思いますが、ホテルはとくに人が財産だと思います。お客様はこのサービスパーソンに会いたいからきたとか、そういったサービスが次のお客様を呼びます。だから、採用とか教育にはじっくり時間をかけたほうがいいと思います。
 
須藤さん 当社のようなホテルでは、採用担当者はどうあるべきだと思いますか?
 
佐々木さん
ゲストはけっして安いお金を払うわけではありません。5万円ものお金を払うわけですから……(言葉を失う)。ごめんなさい。(7)
汚れた食器が出てきただけでも信用を落とすことになりかねないので、そういったことを常にスタッフに教育していこうと思います。他人のためにサービスできる人を見極める能力が必要だと思います。
 
須藤さん ホテルにきて満足感を得てもらうために、たとえばですよ、スタイルもよくて、きれいな女性スタッフに接していただくのと、そうでないスタッフに接していただくのとお客様には違うと思いますか?
 
佐々木さん 外見の美しさとかそういうことは関係ないと思います。人の印象というのは、目鼻立ちとかじゃなくて、雰囲気に左右されるところが大きいと思います。だから笑顔がステキな方を採用したいと思います。(8)
 
須藤さん 人事の仕事って、後向きの気持ちを持った人にも応えなきゃいけないですよね。そういうとき、あなたはどう接してあげますか?
 
佐々木さん どうしても業務を続けていくとモチベーションが下がってくると思います。そういったときに、原点に戻って研修することも必要でしょう。効果的だったのは売上数字について教えること。ホテルも企業なので売上も目標ですので、数字を意識させるのも、ときには有益だと思います。
 
須藤さん もしかして近々、つぶれるかも知れない状態になっても数字を見せるのは有益でしょうか?
 
佐々木さん 数字を見せることによって、ディスカッションする。他の人がどのように考えているかもわかりますから有益だと思います。(9)
 


人事としてのバランス感覚は?

面接の終盤、須藤さんは具体的な事例をあげた質問をして、佐々木さんの人事としてのバランス感覚を見極めようとしていた。

 
須藤さん 人事では、人員を減らさなきゃいけない状況もあるかも知れません。あなたが普段仲良くて、相談相手になってくれるような先輩がリストラの対象になったとき、あなたはその人に話すことができますか?(10)
 
佐々木さん 個人的には言い難いのですが、仕事ですので言います。
 
須藤さん じゃ、2人のうち1人を辞めさせなければいけないとき、1人は仲のいい人で、もう1人はとくに仲のいい人ではないとき、どちらを辞めさせますか?
 
佐々木さん 2人の方の適性、モチベーションを評価して決めようと思います。
 
須藤さん あなたと仲のいい方が、家族が病気でお金がいっぱいかかって、仕事を失うにはつらい状況でもそうしますか?
 
佐々木さん もし、その方に適性がないとなると、変わらないと思います。ただ、その人のために仕事を探すのに協力すると思います。
 
須藤さん あなたが折り合いの悪い所属長の部署にスタッフを採用しなければいけない場合があるとします。そのときに候補者が2人いて、所属長はAという人がいいと思っている。しかしあなたはBを採用したい。そんなときはどうしますか?
 
佐々木さん ホテルスタッフとしては、本来の自分とは違う自分を演出することも必要だと思います。だから、もう一度冷静になって所属長と話し合ってから決めると思います。
 
(その後、いくつかの人事例の質問が続く)
 
須藤さん じゃ、一般的な話として、今度いくつかの法律が変わるんですが、これについてどんなことをご存知ですか?(11)
 
佐々木さん ごめんなさい。人事の勉強はこれからするつもりですので、今のところ答えられません。
 
須藤さん 個人情報保護法とか、次世代育成支援とか、育児介護休暇のこととか、大きく変わることをご存知じゃないですか?
 
佐々木さん 個人情報保護法については知っています。個人のプライバシーに関する情報に関して、すばやく対処することが大事だと思います。
 
須藤さん では、最後にあなた自身のキャリアプランについてどのようにお考えですか?(12)
 
佐々木さん ホテル業界でずっと人事をしていきたいと思います。新卒で採用されて3年未満で辞めていかれる方のほとんどが、将来が見えない、将来の方向性が見えないという理由でしたから。人事のプロフェッショナルとして、そういった人の話を聞いていきたいと思います。
 
須藤さん では、そういった仕事ができるなら場所は問わないのですか? たとえばコンサルタントとかキャリアアドバイザーでも?
 
佐々木さん 私は、外部のコンサルタント会社からホテルへと出向くよりは、ホテルという現場に常にいて、常にホテルを見ていきたいと思っています。
 
約30分で面接は終了。
 




今回の面接教訓

1.未経験でも提案は必要です!
佐々木さんの受け答えには、ホテルで鍛えられたおかげか充分魅力的です。自分の考えもしっかりしています。ただ、採用はあくまでも他者との比較。そうなったときに弱いのが企画提案です。せっかく現場にいたのですから、現場の問題点とそのソリューションを結び付けた具体的な提案もほしかったですね。その点で他の応募者と比較した場合、弱いかもしれません。
2.答えを急がずに!
佐々木さんが一度言葉を失った場面があるのですが、あの質問は実は、漠然としていてあまりよくない質問だったと思います。だから佐々木さんは、質問意図を逆に質問したり、「わかりません」と答えてもよかったんです。答えを急ぐ必要はありません。
3.最低限の勉強はしておく
佐々木さんは、個人情報保護法、次世代育成支援、育児介護休暇などについて答えられなかった。他の応募者との比較になりますが、おそらく応募される方は、人事が知っておかなければいけない法改正については勉強していると思われます。新聞にも掲載されていることですからね。決定的な欠点にはなりませんが、マイナスではありますね。

挑戦者の感想
やはり勉強不足な面が出ます
人事に関して勉強不足だったのを痛感しました。ホテルの現場については、経験していますので答えられるんですが、人事は未経験なので、まだまだ勉強不足でしたね。
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面接官
須藤(すどうよしひろ)さん 株式会社ディ-アンドエムホールディングスHRMシニアマネージャー
1960年生まれ。外資系のクレジットカード会社、システムソリューション会社などで採用担当マネジャーや人事マネジャーを歴任後、2004年12月より現職。
面接の厳しさには定評があるが、特に学生や若年層の面接には時間をかけ、そのアドバイスが役立ったとの声も多い。ヘッドハンターや人材紹介会社とのコネクションも数多く持つ。

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