転職ノウハウ 応募企業の探し方、面接のポイントから、円満退職の秘訣まで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!
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面接は“論より実績”。売り込むポイントは決してずらすな!
今回の挑戦者は、PR会社に7年勤めた後、米大学でコミュニケーション論を学んだ女性だ。彼女が挑むのは、PR会社在職時から望んでいた企業広報職。人気職種だけに競争率は高い。キャリアをどのように売りこむかが、彼女の今回のポイントだった。
面接官 須藤さん
今回の挑戦者
ホテル業界への意識は?

子ども用品取扱いチェーンで有名なJ社が企業広報職の募集をすると、100通以上の応募書類が送付されてきた。応募者はPR会社や企業広報の経験者ばかり。採用担当としては、質が高い人材の採用ができる状況だ(以上仮定)。面接会場に現れた清水さんは、シックなスーツを着て、受け答えもハキハキしている。ただ、手ぶりが多くて落着きのない印象もあった。ポイントであるPR会社でのキャリアについての質問から、面接はスタートした。

 
須藤さん PR会社ではどんなことをやっていたんですか?
 
清水さん 小さな会社でしたから、複数のクライアントの担当として、ニュースリリースの発信、それに対する取材対応。私が答えられる場合は答えますが、そうでない場合はクライアントへ伝えて、取材のときに同席して。後は広報活動に伴う記者発表ですとか、販促イベントの制作と運営……(しばらく仕事の内容だけ続く)(1)
 
須藤さん クライアントさんには企業広報のご担当がいらっしゃるわけですよね。あなたがPRしたい方法とクライアントがPRしたい方法にギャップがあったことは?
 
清水さん 基本的にはあまりなかったですね。PR会社の基本としては、まずクライアントのニーズにお応えするっていうのがあります。まずはブリーフィングしていただいて、その過程で問題があれば改善していくっていうのが効率的でしたから。
 
須藤さん たとえばクライアントさんがおっしゃったPR方法で全然効果がなかった場合に、私たちが思っていたやり方を強く押せばよかったなぁというご経験はありませんか?
 
清水さん それはあります。成果が出なかった原因を身内で客観的に考えて、それで自分たちの足りなかった点を述べて、改善すべき点を数字やメディアの人のコメントをつけて、ご説明するようにしていました。
 
須藤さん ひとつのクライアントさんとのお付き合いは長いんですか?(2)
 
清水さん ひとつの会社は、私の入社から退社までの7年間。あとはだいたい半年から1年ぐらい。ノウハウを学ばれて、その後はご自分たちでやられることが多かったんです。
 
須藤さん 7年間やっていて辞められたのはどうしてですか?
 
清水さん もっと効果的に広報していくにはどうしたらよいかと考えたときに、外部では、どうしてもクライアントさんの内部まで立ち入れない。クライアントさんに個人的に聞くと、「わかっているけどできないんだよ」と言われるんです。今まで外から見てきた課題を、内部の人間として取り組んでみたくなったんです。(3)
 
須藤さん それは4年前になりますね。それから、すぐに企業広報へ応募はされなかったんですよね。
 
清水さん PR会社に勤める人は、「企業広報をやってみたい」と思っている人が多いんですが、みんなPR会社の経験だけでは企業広報は無理なんだろうとも思っているんです。(4)それと、漠然と考えていたことの裏づけができるようにしたかったんです。そうすれば方向転換が可能かなぁと思いました。だから、広報に関する理論を学びたいと思ったんです。
 
須藤さん それで4年かかったんですか?
 
清水さん ちょっとかかりすぎました(笑)。実際の留学期間は2年だったんですが、残念ながら英語力がなかったものですから、準備期間に1年半かかりました。
 



人事としての資質はあるのか?

その後、須藤さんは清水さんの海外留学の話についてたずねる。

 
須藤さん 退職されてからは、どんなことをやられていたんですか?
 
清水さん 最初の1年間が出願準備ということで、英語の勉強とさまざまな書類を用意していました。その間に、資金を貯めるために派遣で事務のアシスタントをしていました。
 
須藤さん 目的がはっきりとあったんですよね。広報じゃない仕事をすることに違和感を感じることはありませんでしたか?
 
清水さん それよりも、本当に(米大学に)合格できるのかなぁというのが不安でした。広報以外の仕事でも基本的に仕事が好きなので、勝手に目標を設定してクリアしていくことを楽しめるんです。それに、派遣でいろんな会社を見れたので、広報の仕事じゃなくても気になりませんでした。
 
須藤さん あなたが思っていたことを確かめるために勉強されたということですが、それはアメリカじゃなきゃダメだったんですか?
 
清水さん 日本の社会人大学院やMBAもすすめられたんですが、日本ではターゲットになる大学がなくて、アメリカにあったので。
 
須藤さん 実際にアメリカで勉強して、それだけの成果はあげられましたか?
 
清水さん コミュニケーションっていうのは人間行動なので、望んでいた結果が得られるわけではありませんでした。ただ、引き出しが増えましたし、自分が考えていた「情報の重要度」を確信することができました。(5)
 
須藤さん それをこれからの仕事にどう活かせるんですか?
 
清水さん
「情報が滞ると企業が衰退していく」ということで言うと、情報を抱え込んでしまわないように、外へ情報を出すときにどんな意味があるのかということを、社員の方にわかっていただくように努力すること。外からの反応を社員に返して活用してもらうことのメリットを理解してもらうこと……(以下、論が続く)。(6)
 


人事としてのバランス感覚は?

面接の終盤、須藤さんは改めて、PR会社と企業広報の違いについてたずねる。ここで求められたのは、「あなたが担当すれば、社にどんな成果がもたらされるか」だった。

 
須藤さん 今回はPR会社と違った立場で企業広報に関わるんですが、実際にはどのように違うんでしょうか?(7)
 
清水さん 社内独自の情報、社風、習慣とか、そういったものは企業内の人でないとつかめないと思います。PR会社は企業から与えられた情報しか使えない。でも、担当として、社内にネットワークを構築して情報をキャッチする自信もあります。
 
須藤さん PR会社で勤めた経験があるから、企業広報ではこういうことができるとか、そういった提案はありますか?(8)
 
清水さん こまごまとした情報でしょうか。メディアの媒体特性とかの情報を知っていますから、その特性に応じたメディアの選択ができると思います。また、情報を外に出すことのメリットを伝えていきたいと思います。
 
(その後、企業広報としての仕事の方法についての質疑が続く)
 
須藤さん 広報って、社全体で考えると、どんな立場なのでしょうか?(9)
 
清水さん お客さまを見ていて思ったことは、同じ会社の利益のために動いているのに、(社内の他部署の人から)マスコミ寄りの立場だと思われる、辛い立場だと思います。浮ついているとか、マスコミの人間と勘違いしていると思われたりとか……(以下、同様の広報の悩みが続く)。でも、成果があるときは充実しているでしょうね。
 
須藤さん 当社のような商品を扱っている会社って、どのような広報をしていけばいいんでしょうね?(10)
 
清水さん 御社の場合ですと、生活に密着してどれだけ生活が豊かになるとか、人生が豊かになるとか、そういったイメージアップが利益につながると思います。生活に密着した情報とか社会貢献とかをアピールしていく広報がいいと思います。
 
(その後、広報の仕事について、イメージづくりについての質疑。清水さんのキャリアについての質疑応答が続く)
 
須藤さん 最後に、あなたを採用すれば間違いなく会社は得します、ということがあれば……。PRをお願いします。
 
清水さん 私が考えている「情報が循環することで売上に貢献する」ということを御社で実践できる自信はあります。もちろん広報の方と協力して、そういった体制を築くことができれば、売上に貢献できると思います。(11)
 
以上、約35分で面接は終了。
 
 

今回の面接教訓

1.売り込むべきはキャリアだ!
清水さんが売り込むべきは7年のキャリアです。でも残念ながら、ここからはずれることが多かったんです。PR会社で培った経験を語り、具体的なエピソードをまじえて相手に成果を語るべきでした。現実には、なかなか理論通りに物事は運びません。失敗から成功につなげたエピソードなど、実践的な話こそ面接官の共感を得られます。
2.留学経験はあえてPRポイントにしない!
留学で、望んだ結果を得られなかったのであれば、清水さんの場合、もったいないかもしれませんが、留学経験は前面に出さず、目標達成のために努力し、実現したというPR会社での実績のアピールに重点を置いてみてはいかがでしょうか。留学経験で得た理論ばかりを話すと、「理論ばかりで実践の伴わない人」と誤解される恐れもありますし、割り切ってしまったほうが、アピールすべきキャリアが引き立つかもしれません。
3.必ず売り込むキャッチフレーズを3つ用意する
清水さんのように話が長くなりがちな人は、事前に売り込むべきキャッチフレーズを3つ程度用意しておくことです。そして、そのキャッチフレーズには具体性があることが重要です。「頑張って売上をあげます」ではダメです。実績や具体的なアイデアをふまえて、自分のキャッチフレーズを考えてください。

挑戦者の感想
緊張すると、話すべき言葉を見失います
面接はいつも緊張してしまうんです。今回も事前にこの連載企画を読んで、答えを用意していたんですが、いざ面接となると緊張のために話すべき言葉を見失ってしまいます。この点を注意していきたいと思いました。
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面接官
須藤(すどうよしひろ)さん 株式会社ディ-アンドエムホールディングスHRMシニアマネージャー
1960年生まれ。外資系のクレジットカード会社、システムソリューション会社などで採用担当マネジャーや人事マネジャーを歴任後、2004年12月より現職。
面接の厳しさには定評があるが、特に学生や若年層の面接には時間をかけ、そのアドバイスが役立ったとの声も多い。ヘッドハンターや人材紹介会社とのコネクションも数多く持つ。

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