転職ノウハウ

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実録!激辛スーパーリアル面接
中国で生まれ育った挑戦者は、現在までの7年間、個人事業主としてIT関連業務と中国からの輸入業務を手がけてきた。今回、彼女が挑むのは中国との取引があるバッグメーカー。彼女にとって中国語は母国語なだけにコミュニケーション力の問題はなく、貿易業務も経験がある。しかし、そんな挑戦者にも思わぬ問題点があった。
 


中谷 充宏さん
(Mitsuhiro Nakaya)
社会保険労務士・キャリア・デベロップメント・アドバイザー●1967年生まれ。NTT及びNTTコムウェアではリクルーターとして学生の就職活動の支援に携わり、建設産業車両ディーラーでは新規・中途の人材採用や社員の人材育成計画に従事。現在は、人材育成コンサルタント、キャリアカウンセラー及び社会保険労務士として活躍中。
業種 バッグメーカー貿易業務
募集職種 皮製品の製造、輸入、販売をしている企業がバッグの製造、輸入を管理するスタッフを募集。近年、中国にある複数の企業への製造発注が大部分を占めるため、ビジネスレベルの中国語能力は必要。1カ月に1週間程度の中国への出張も多い。輸入業務の経験者であることが望ましい。
応募資格 25~40歳位まで。大卒以上。輸入業務の経験者のみ。
求める人材 中国語能力と輸入業務経験者が望ましい。製造管理については即戦力として働けるスキルを備えている人を求めている。

山口春夏さん(仮名)
経験年数
7年(貿易業務)
年齢・現状
38歳。求職活動中。
職務経歴
中国で生まれ育ち、中国の大学卒業後に英語教師を。その後、夫の転勤のため日本で暮らすことになる。出版社の翻通訳や国際貿易業務を経験。7年前から自営業でIT関連の下請け及び中国からの輸入業務をしている。
仕事のほかに、中国籍の小中学生への日本語指導や医療通訳のボランティア活動にも従事している。
志望動機
貿易業務。母国語である中国語や経験のある輸入業務を活かした仕事をしていきたい。
希望年収額
300万円以上




冒頭、山口さんはキャリアについての質問に答える。表情は明るく印象は悪くない。しかし、答えを焦る傾向がある。この焦りが次第に歯車を狂わせ、問題を露呈していくことになるのだが、まずは一通りキャリアについて答えた後の質問から。
中谷さん 当社は高級バッグを中国から輸入しているんですが、中国語のスキルは大丈夫ですよね?
山口さん そうですね、もともと中国語はネイティブですから、日常的な会話にしてもビジネス会話にしてもできます。中国から実際に輸入業務をして、その一連の業務を経験させていただいたので。もう一つは中国に二十何年間も暮らしていましたので……。それと中国のビジネス風土もある程度理解しております。どこまで言う必要があるのか、どこまで言ってもいいのか、それは日本人よりは中国についてわかっていると思います。
中谷さん 日本と中国のビジネスの違いはなんですか? 1点だけ挙げてください。
山口さん 日本ではたとえば「大丈夫ですよ」と言ったら、安心して大丈夫だと思えるのですが、あのう、中国の場合、たまに、今は昔とは違いますが、たまに納期にしても品質にしても「大丈夫ですよ。任せなさいよ」と言われても、ある程度細かいことを注意しないと、上がってみると、あのう、やっぱり品質や納期が、あのう、ちょっと約束通りに出来ないことがありますね。
中谷さん それを防止するにはどうしたらいいんでしょう?
山口さん あのう……、それはどこまで言う必要があるか。言うべきところまで言う必要はありますね。
中谷さん 細かいところまで指示を出す、ということですか?
山口さん あのう……、細かいよりは、ここまで言うべきところです。
中谷さん それは相手の領域に踏み込むというところですか?
山口さん 細かいというか、あのう品質管理にしても、あのう、何月何日までって納期が決まっていたら、あのう、それまでに中間のチェックは入れると思います。
 

この話し方は、この例のように重複があり、長くてまとまりがない印象を与える。
「生まれも育ちも中国ですから大丈夫です。ビジネス会話も輸入業を経験していますので大丈夫です。さらに中国のビジネス風土についても理解しています」

山口さんは答えるときに、焦るクセがあります。たとえば「中国との取引についてですね?」と確認をして、考えをまとめるほうがいい。


答えは簡潔に「納期までに何度もチェックします」でいい。「細かいところ」では抽象的で伝わらない。
 




ここまで山口さんは答え方に難はあるものの、決定的なマイナスとなる要素はなかった。しかし、志望動機についての質問が始まると、徐々にネガティブな回答が目立つようになってきた。
中谷さん 当社で働いていただくことになると、中国への出張も多くなるのですが、どれぐらいの出張なら大丈夫ですか?
山口さん 4、5日、いや1週間前後は大丈夫だと思います。
中谷さん 回数は?
山口さん 2カ月に1回ぐらいは。……それは業務に応じて。必要であれば大丈夫ですね。必ず2カ月に1回ということはありません。仕事をする以上は必要に応じて、責任を果たします。
中谷さん 通関業者とのやり取りもあるんですが、その点はいかがでしょうか?
山口さん 今までも輸入業でやってましたので、通関業者とのやり取りを私一人でやってましたので、わりとまぁ、うまくできました。あと運送を含めてですね。
中谷さん 今までの仕事を長くやっていらっしゃるのですが、就職するということは廃業されるわけですね。廃業してまで当社に来たい理由を聞かせてください。
山口さん 理由は二つあります。一つはIT関連業務のほうが業務変更によってなくなりました。それと輸入業のほうなんですが、非常に苦労しましたし、いちばん達成感もありました。元々教師をやってたものですから、専門外のことでしたから。営業までやってましたから。問題は輸入する品物にあったんですね。発送業務は業者にお願いしていたんですが、わりと細かいところで不備があって、そのために再発送しなければならなかったんです。コスト面で考えると、(以下、仕事上での問題点が長く続く)。もう一つは事務所が自宅だったので、昼もなく夜もなく、土日もなくやってましたので、疲れきっているところがあるんです。だから第二ステップとして区切りある生活をしてみたいと思います。
中谷さん ビジネスのほうに時間がとられすぎて、プライベートの時間がないということですか?
山口さん ほとんどないですね。夜も資料づくりとか業者とのやり取りがあって、よく夜中の1時ごろになります。やはり子どももいますので、休みぐらいは子どもとゆっくりしたいですね。
 

この質問は「あなたは業務に対してどれだけ時間をとれますか?」という意図。「残業はできますか?」と同じくだ。
「出張は業務に応じて行くのが当然だと考えています。ただ疲れが出てはいけないので、成果を挙げて出張期間を短くする努力をしたいと思います」
山口さんは現在の仕事の問題点を答えている。会社でどんな仕事をしていきたいのかを答えるべきだった。

話がズレていく。結論を先に述べるクセを日頃からつけておきたい。

これはキャリアプランではなくライフプランだ。面接ではつねにキャリアプランを意識して将来のことを語るべきだ。

この質問に対してはうまく切り上げて、PRする方向へ話をするべきだった。語るほどにマイナス評価になる。
「たしかにそれは私の問題でした。ただし業務の成果が上がっていくのは楽しかったし、やりがいも感じていました」
 




ここで中谷さんは山口さんの個人事業がうまくいっていない点が気になり始めた。個人事業が頓挫したから、仕方なく会社勤めを希望しているのではないか? この点が重要な問題だった。
中谷さん 今まで個人事業主としてやってきて、今度、組織に入られるんですよね。今のまま事業をされるほうがいいと思えるんですが、その点はどうでしょうか?
山口さん その点はずいぶん悩みました。せっかく自分でやってきて大手の企業とまではいかないんですが、中小企業のお客さんは増えてきましたから。でも犠牲にしなくてはいけないものもあると思いました。その組織に入ると、組織のルールに従わなくてはいけないと思うんですね。でも区切りある生活のほうが必要かなぁと思ってます。
中谷さん 厳しい言い方をしますが、個人でうまくやっていけないのに、組織に入ってうまくやっていけるのか、我々は不安なんです。
山口さん 成功できたとはいえないんですが、達成感はありました。
中谷さん そうですよね! だから、それを捨ててまで当社に来る理由を知りたいんです。
山口さん そうですね。だからさっき申し上げたように、区切りある生活をしたいんです。
中谷さん だから、それだったら自分のビジネスですから、いくらでもやりようがあると思うんです。組織のほうが大変ですよ。「明日、出張へ行け」ということがあるかもしれませんし。
山口さん そうですね。でも、それは組織に入った以上、責任はあると思います。でもある程度の業務の範囲があると思うんですね。自分でやっていたら営業からなにからなにまでやることになります。そこまで、自分のすべてをこの仕事に懸けなくてもいいかなぁと思っています
中谷さん 当社のなかでキャリアを積まれるとすれば、どのへんまでやりたいと思いますか?
山口さん 中国の市場の開発までやりたいと思います。事務よりは開発に関わりたいと思っています。
中谷さん 夢はなんですか?
山口さん 立場ある仕事をしたいと思いますし、豊かな生活もしたいと思います。豊かというのは物質的だけではなく、精神的な豊かさですね。
 

この質問は「あなたは今まで築いてきた事業を廃業してまで、当社でやりたいことはなんですか?」という質問だ。

端的に志望動機を語ればいいのだが、山口さんは冷静さを失っていた。

山口さんは「この仕事」を自分の事業を指して語っているのだが、面接官にとっては志望理由がない以上、「区切りある生活ができる会社に勤めたい。それが御社であればいい」と聞こえる。
 

 
まず結論を語る習慣をつけておく
  山口さんの話は結論が話の最後になる。だから話していて論旨がボケてくるんです。これは面接だけでなくビジネスでも重要です。日頃から結論を先に話すように意識して取り組んでください。
志望動機は必ず用意しておく
  このシリーズで面接した人のほとんどが、志望動機を語る準備を怠っています。「なぜ、その会社なのか?」「どんな仕事をやっていきたいのか?」などは必ず準備してください。
ネガティブなことは御法度
  本音では「残業が多くてつらい」「休日が少ない」「上司とソリが合わない」という転職動機はあると思います。しかし面接では禁句です。面接官には愚痴として聞こえます。ネガティブな質問をされたときは切り上げて、「御社で○○をしたい」ということを話してください。
 
疲れている自分を出してしまいました。

たしかに「この仕事が好きだ」という観点で語らなければいけませんね。自分のなかで、きっちりと整理しておくことが必要だと思いました。
志望動機を力説したがため、
墓穴を掘った!?
 
この企画もすでに20回を超えるが、挑戦者に多いのは志望動機が明快でないということ。今回の挑戦者は異業種での社内SEを望んでいる。しかし「社内SE」にこだわるばかりに、自ら墓穴を掘っていくことになる……。

 
 
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