転職ノウハウ

応募企業の探し方や履歴書の書き方、面接のポイントから円満退職の秘けつまで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!

実録!激辛スーパーリアル面接
挑戦者は人事や総務の畑を歩んできた40歳の男性。職歴を見ると華々しさはないが着実な仕事の実績がうかがえた。そんな彼が、今回応募したのは近年急激に売上を伸ばしてきた印刷会社。会社は従業員が増えたために、人事を中心に総務全般で社内改革ができる即戦力を探していた。
 


細田 咲江さん
(Sakie Hosoda)
早稲田大学卒業後、1983年に流通会社に入社。12年間、主に人事部で採用担当や人事教育などに従事。1994年にハナマル キャリアコンサルタントを設立。現在は、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広く活躍中。面接官の視点に立ったアドバイスには定評がある。また、埼玉女子短期大学と駒沢女子大学では講師も務める。
業種 印刷
募集職種 特種印刷技術を有する同社は近年、大きく売上を向上させてきた。経営者は従業員が500名を上回った今、会社の基盤整備の一貫として人事・総務改革に乗り出すことになった。会社が求める人材は、人事・総務の実績を有する人。先頭に立って改革できるノウハウやリーダーシップを発揮できる人だ。
応募資格 30歳~45歳位まで。大卒以上。人事・総務経験者。
求める人材 人事面では社員の目標管理を含めた労務管理ができる人、また総務での実績も判断基準にしている。同社は営業の人材は豊富だが、人事・総務関係では実績面で経験を有する人材がいない。将来的に管理職となれる人材を求めている。

大森和雄さん(仮名)
経験年数
17年(人事として)
年齢・現状
40歳。求職活動中。
職務経歴
大学卒業後に保険会社へ。主に人事・労務・総務の部門で働く。会社が吸収合併されて新会社へ。新卒後9年目に情報処理会社へ転職して約2年間勤務し、福利厚生制度の企画運営、総務・人事の業務フローの改善などに携わる。金融関連企業へ転職してからは就業規則の改訂等、社内規則の整備を担当。
志望動機
現在勤務している会社が将来的に縮小されることが予測されるため。業界・業種に関わらず人事・総務での実績を活かせる職場を探している。
希望年収額
650万円以上




大森さんは人事・総務畑を歩んできた人だけあって、外見やスーツの着こなしを見ると堅実そうな印象を与える。この点で細田さんは好印象を持っていた。面接はオーソドックスに経歴を話してもらうことから始まった。
細田さん まず、簡単に経歴を話していただけますか?
大森さん 大学を卒業して入社した保険会社ではすぐに労務問題の解決支援や文書管理、オフィス管理などをさせていただきました。その後、地方の支社に異動になりまして、営業社員のOJT管理、同行支援等を経験しました。その後また異動になり(その後、職歴書に沿って、時系列での細かな経歴が長く続く)
その後、転職理由についての応答になる。大森さんは事情説明については問題なくこなしていた。面接官は説明能力に関しては評価していた。
細田さん 保険会社から情報処理の会社に変わったときにどんな特性が活かされましたか?
大森さん ねばり強く仕事に取り組んでいくタイプだと思っていますので、福利厚生制度の見なおし、費用対効果を含めてですね。社員の同意をとらなければいけないので、そういう意味でコミュニケーション能力といいますか、相手と相談しながら進めていくということができたと思います。
細田さん 人事・総務の面で得意とされている分野はありますでしょうか?
大森さん 給与計算の経験は長いのですが、社内規定に関わってきたので、御社でも業務の改善に役立てればと思います。
細田さん たとえばどんな規定の改善をされてきたんでしょうか?
大森さん 就業規則とか報酬制度のなかの目標管理とかを改善してきましたので、そちらのほうでお役に立てればと考えています。
細田さん 目標管理を構築されるポイントはどういうことだと思いますか?
大森さん いかにやる気を持って仕事に取り組んでいただけるかということに尽きると思います。昨今ですね、いろんな労働に対する価値観を持っている方もいらっしゃると思いますんで、それに対応する人事制度が重要になってくるのではないかと思っています。
細田さん やる気をアップさせるために、具体的にどんな制度をつくればいいんでしょうか?
大森さん 昨今の流れでいうと成果主義になるんでしょうけど、たんに結果だけを見るのではなくて、そこに至るプロセスを見るという形に変えていくのが重要だと思います。
細田さん 管理部門においては数字という実績がありませんよね? それはどう評価されます?
大森さん そうですね、経費削減だと、それをするためにはいろんなアクションをしなければいけないから、どういうアクションをしたのか? それとフィードバックです。どうしてもフィードバックがおざなりになってきますから、フィードバックを重視することによって本人に気づいてもらうことが大事ですね。
細田さん これまで経験された会社では、そのようなシステムはなかったんですか?
大森さん ありましたけども、えてして形骸化してしまうので、それを活性化する工夫をしてきました。
細田さん どういうふうに活性化してきたんですか?
大森さん そうですね、目標管理ですから、会社の目標があって部の目標があって課の目標があって個人の目標があるわけですから、まず部とか課の目標を明確にすることから活性化すると思います。
細田さん 徹底して部下に対する目標管理について、所属長にアナウンスや啓蒙活動をしていたわけですか?
大森さん 啓蒙もありますが、評価項目を変えるとか、評価のスパン、フィードバックの仕方などを企画していました。
細田さん それまで目標管理はあったんですが、個人までフィードバックされていなかったということですか?
大森さん そうですね途中で止まっていたというか形式化していたんです。結局「結果がこれなのね」で終っていました。そこから「だから、どうしよう」という段階まで行けていなかったんです。こういったところを徹底化していました。
細田さん 報酬や昇進に結びつけていかれた?
大森さん はいそういったところまで結びつけていきます。
細田さん それでかなりモチベーションがアップしたんでしょうか?成果は上がりましたか?
大森さん そうですね取り組む姿勢が変わったのではないかと思っています。
細田さん それは数字に現れてきましたか?
大森さん そうですね、数字は……、これからというところだと思います。
 


これでは、どこがポイントなのかがわかりにくい。面接官は職歴書を読んでいるので、経歴の大筋はわかっている。ここではポイントを押さえてアピールできるのか、つまりプレゼンテーション能力を見ている。「私の経歴で言いたいことは3つあります」と切り出してアピールしたい。
「私の経歴でお伝えしたいことは3つあります。1つは保険会社での目標管理設定を改革して実行してきたこと。(以下、「2つめは」、「3つめは」とポイントでまとめて説明していく)」

コミュニケーション能力はビジネスの大前提だ。大森さんぐらいの年齢になると当然備わっていなければいけない能力。もっと特性を訴えられるキーワードを見つけて訴えるべきだった。


目標管理設定や社内規定の改定で、大森さんが具体的に「何をどのように変えたのか」を話すべきだった。大森さんの回答では面接官に「どんな能力を持っているのか」が伝わらない。

面接官はここで「やる気をアップさせる」と聞いて、「それは当たり前のこと」と思う。そこで具体的な実例を挙げて、どんなシステムをつくり、どのような成果を挙げたかについて質問していたのだ。
答え方は「成果→その理由→例示」が基本です。
「私が保険会社の人事部にいたころ、営業職の目標管理を変えて、若手社員が積極的に営業活動を行うようになりました。目的は当然売上のアップなんですが、今までの新規開拓に対しての行動目標がおおざっぱであまり評価されていなかったんです。例えば何人の新規客にどこまでのステップで営業したか、こういった点を細かくして明確にしたんです。行動は変わったんですが、残念ながら売上数字は当時の経済状況もあり、伸びることはありませんでした」


質問は「大森さんは活性化するためにどんな行動をしたのですか?」ということ。ここも実例やエピソードを入れれば効果的だった。このあたりで「具体性に欠ける」と面接官は感じている。





大森さんは「~~をしました」という回答で終わっていることが多い。面接官が求めているのは成果である。自分なりに成果を語れるようにしておきたい。
 




その後、転職や現在勤めている会社についての質問があった。その後、細田さんの疑問は「入社したらどんな仕事をするのか?」という1点に絞られた……。
細田さん 我が社に入社してからの展望についてお伺いしたいのですが、我が社は従業員が非常に若い、平均年齢30歳そこそこなんですが、大森さんがどんな仕事をしていただけるのかを話していただけますか?
大森さん 人事・総務の経験がありますので、御社の場合は印刷の技術に強味があることを会社案内で知りました。そこで私は会社の発展に貢献できればと考えています。
細田さん 我が社は今年、ジャスダックに株式を上場したばかりなんですが、今後東証に上場ということを視野に含めた場合、上場に関わる業務、コンプライアンスを含めて経験はありますか?
大森さん 今まで株式非公開の会社ばかりでしたので株式上場の経験はありません。その点は勉強させていただければと考えていますが、 人事に関しましては従業員3千人規模のオペレーションをやっておりましたので、そちらの経験を活かせればと思っています。
細田さん まだまだ発展途上の会社なので、総務ということで大森さんにお越しいただいた場合、人事だけではなく総務の仕事もあります。なんでもやっていただくことになります。総務関連の業務に関して大森さんはどうかなぁ?と思うんですが?
大森さん 今までも契約書のチェック、文書管理といったことはしておりました。ただ株主総会だけは、今までは株式非公開の会社だったので経験していませんが、それ以外のことは経験しておりますので今までの経験を活かすことができると思います。
細田さん 若い社員が多くて、いろんなわがままを言いますし、それから私たちと考え方の違う社員も多くいるんですが、そういった社員を大森さんだったら、どのようにリードしていくんでしょうか?
大森さん 若い人でも「仕事をしたい」という思いはあるので、今やっている仕事の重要性をわかってもらったうえで仕事をある程度任せる。ただ放任して任せるというのではなく、チェックしながらやっていけば、若い人も積極的に取り組んでいくのではないかと思います。
細田さん 教育研修、人材育成、目標管理もこれから変えていきたいと考えているんですが、大森さんが我が社に入社した場合は、どんなプランをお持ちですか?
大森さん 本人の能力を伸ばせるような形で目標を設定していくという形がいいと思うんですが
細田さん 具体的にはどうですか?
大森さん 業界の知識がないのでなんですが、営業社員が新規開拓とか既存顧客へより深く入っていくための仕組みづくりが、より重要になってくると思います。
細田さん はい……、はい。どうもありがとうございました。
 


大森さんの欠点を示す代表的な回答だ。ここでは「あなたは何をしますか?」と質問されている。応募は人事・総務なので、大森さんの回答は意味がないものだった。

面接回答でのNGワードだ。面接官は「会社は学校ではない」と感じている。
株式公開については未経験なので、私なりに情報収集や基礎知識を身につけて、お役に立ちたいと考えています。

即戦力としての他業界からの転職の場合でもプランは用意しておきたい。他の応募者で同業界の人がいる可能性も高いのだ。常に他の応募者がどんな人であるかを考えて充分な準備をすることを心がけておきたものだ。
 


面接官の感想
入社してから、どんな仕事をするのかがわからない。
面接官も仕事ですから、上司に合否の理由を説明します。大森さんの回答では、会社でどんなことをするのかがわからないんです。「実績がある人ですから採用にしましょう」とは言えないんです。
でも、職歴書での実績が魅力的です。ただ具体的にどんな成果をあげられる人なのかがまだ伝わっていないのです。今回の一次面接は合格ですね。ただ、もう一度面接をし、そのときに大森さんが残した実績を示す資料をお持ちしてもらって説明してもらうことになります。足りないのは具体的な実例なんです。

 
面接官の表情や相槌の打ち方を見て、具体例でピーアールする。
  大森さんは「どこで、どこまで具体例を語ればいいのかわからない」と語る。たしかに面接官が求めていないことで、具体例を話しては評価が下がる。細田さんは「それは面接官の表情や相槌の打ち方を見てください」と。面接官がそのまま話を聞きたいのか、もう聞きたくないのかは表情を見ればたいていわかるものだ。
 
面接は会話だと思っていました。

面接は会話なので、自分の実績を演説のように語るのはタブーだと考えていました。今回の模擬面接でその点を改めるべきだと思いました。

総合ディスカウントストアで販売スタッフとして勤務していた30代前半の男性。彼があるきっかけから制作・編集の業界への転職を狙う。面接の成り行きはいかに!?

 
 
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