転職ノウハウ

応募企業の探し方や履歴書の書き方、面接のポイントから円満退職の秘けつまで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!

実録!激辛スーパーリアル面接
誰しも面接では、相手にとっての「いい人材ぶり」を見せたいもの。しかし本来の自分とのギャップがあると空回りしてしまうのではないだろうか? 今回の挑戦者はシステム開発企業を希望する研究者肌の30代の男性。本企画でもっとも落ち着いた態度で面接をこなしていった。 
 

vol.26 ステップアップ転職 面接官に「採用したい!」と言わせた回答とは!?

激辛面接官
細田 咲江さん
(Sakie Hosoda)
早稲田大学卒業後、1983年に流通会社に入社。12年間、主に人事部で採用担当や人事教育などに従事。1994年にハナマル キャリアコンサルタントを設立。現在は、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広く活躍中。面接官の視点に立ったアドバイスには定評がある。また、埼玉女子短期大学と駒沢女子大学では講師も務める。
今回の募集設定
業種 印刷関連、システム開発
募集職種 印刷業界では老舗の同社が近年、力を入れてきたのがシステム開発やデジタルコンテンツの企画開発業務。今回の募集は経験者の中途採用。システム開発のなかでも、とくにユーザーインターフェイスの開発者を求めている。「ユーザーインターフェイス」はコンピュータ・システムがユーザーに対して情報を表示する方式や、逆に、ユーザーが情報を入力するための方式のこと。ユーザーがより使いやすいフェイスの開発が求められている。
応募資格 25歳~35歳位まで。大卒以上。SI関連業務の経験者に限る。
求める人材 システム開発の知識や能力はもちろん、ユーザーインターフェイスの開発なので、ユーザーの立場に立った開発ができる人。

今回の挑戦者
久野義知さん(仮名)
経験年数
DTPを使った制作を5年。パソコンのインストラクターを3年半。WEBデザイナーを8カ月。
年齢・現状
34歳。派遣社員として働きながら求職活動中。
職務経歴
大学在学中は情報工学科で幅広く情報処理システムに関して学ぶ。大学卒業後に郷里の印刷会社に勤務して、DTPでの印刷物制作に携わる。その後、東京支社を任される。5年間勤務した後に契約社員としてパソコン教室のインストラクターに。DTP、WEB制作の授業を受け持つ。現在は派遣社員として情報WEBサイトのWEBデザイナー。
志望動機
学生時代からシステム開発のなかでもユーザーインターフェイスに興味を持っていた。パソコン教室のインストラクター時代に「より使いやすいシステム」について考え始めていた。
希望年収額
350万円以上



落ち着きのある挑戦者に、面接官が揺さぶりをかける!
挑戦者の久野さんはシステム開発の経験がないが、実務やインストラクターとしてパソコンに関わってきたキャリアが認められて書類選考を通過した。面接会場に現れた久野さんは笑みを浮かべる余裕さえある。その雰囲気を感じ取ったのか、細田さんもいつもよりやさしい語り口だ。面接はいい雰囲気で始まった。
細田さん まず、現在の仕事について教えてください。Point1
久野さん 情報出版社でWEBの更新業務を担当しています。
細田さん WEBの更新とは?
久野さん WEBページというのは更新がないと、ユーザーも見てくださらないので、週に2回とか定期的に行っているんです。(以下、WEBの更新について具体的な業務の説明)
細田さん その前にパソコンのインストラクターとか、印刷物の制作とかをされているみたいなんですが、インストラクターの仕事をされた理由というのは?
久野さん インストラクターの仕事をする前に、印刷会社に勤めていたんですが、そこでは主に印刷物の制作をしていたんです。そこでは営業が持ってきた原稿を印刷物に制作していくんですが、やっているうちに直接、お客様の声を聞きたいと思うようになって、営業に同行してお客様のところへ伺って、問題解決に携わってきたんです。そのうち物をつくるというよりも、直接人に関わって、その人が抱える問題を解決したいと思ってインストラクターになりました。Point2
細田さん 久野さんの履歴のなかで、インストラクターっていうのは特異な感じがするんです。どうして人に関わりたいと思ったんでしょうか?
久野さん 学生のころから心理学に興味がありまして、ユングとかフロイトをよく読んでいました。それと私、中国武術をやっておりまして、それで人間の運動について興味がありまして、そして大学でもバイオメカニクスを専攻しておりまして、人間の身体と心について興味がありまして、それが実社会に出ましてずっとコンピュータに関わっていて、それで人と実際に関わりたいと思うようになりました。
細田さん インストラクターとして人と関わりたいと思うようなったんですね。わかりました。それで印刷物の制作のとき、なにか工夫されていたことはありますか?
久野さん 印刷物の仕事で重要なのは納期です。Point3納期を守るためには最初に計画をたてておかないとたいへんなことになりますので、営業さんから原稿をいただいてからの工程を考えて、何に何日必要なのか何人必要なのかを考えて動かすようにしていました。
細田さん ディレクションのような立場だったんですか?
久野さん 自然とそのような立場になっていました。
 
 
面接官の本音
資質的にはいいものを持っていると好印象。
コンピュータに関わる仕事をしてきた方、とくに理科系の方は「人と関わるのが苦手」という人が多いんです。しかし久野さんの場合は大学時代から心理学に興味があったり、仕事でも人に関わってきています。その点では評価できます。

Point1
臨機応変な対応ができるか?
普通は「ではこれまでのキャリアについてお教えてください」という質問で始まるものだ。しかし、久野さんの場合は理論的に話すイメージがある。そこで面接官は、いきなり予想されない質問をして臨機応変に答えられるかを試している。

Point2
結論がわかりにくい
この説明でなんとなくはわかるのだが、ポイントがぼやけてしまっている。ここでは「なぜ人と関わりたくなったのか」という答えを明確に話すべきだった。
こんな答えがベスト
「営業と同行してお客さんの声を直接聞いたことを制作物に反映させたら、いいものができて、お客さんにも喜んでいただいたんです。人と関わっていい仕事をすると感謝される。ごくシンプルなことですが人と関わることの楽しさを改めて実感しました」

Point3
あまりにも当たり前な答え
制作で納期を守ることは、あまりにも当たり前すぎる。クリエイティブな仕事ならではの独創性とか、いい制作物をつくるためのこだわりとか、久野さんの能力をPRできるような話をすべきだった。

 



面接官が感じていた不安を一蹴する名回答!
細田さんは久野さんが望む、ユーザーインターフェイスの開発についてどのような考えを持っているのかを聞き出そうと試みる。
細田さん 今回我が社で募集しているのは、ユーザーインターフェイスの開発者の募集なんですが、どうして興味を持たれたんでしょうか?
久野さん さきほど申し上げたことと重複するんですが、人間の心理とか身体の動きに興味がありまして、ユーザーインターフェイスはあまり知られた言葉ではないんですが、OSをつくっているルールとか根底になっていると思うんです。ユーザーにとってはシステムに触れられる部分です。以前、インストラクターの仕事をしていたときに、システムに戸惑われる受講生も多かったんです。そういった体験を踏まえて開発に携わりたいと考えています。
細田さん ユーザーインターフェイスをつくるときに、久野さんなりの考えがあったらお答えください。
久野さん できるだけシンプルにしていきたいですね。できればマニュアルがいらないぐらいのものをつくりたいと思います。Point4
細田さん それは誰もが考えることだと思いますが、実際はそうはならない。それはなぜだと思いますか?
久野さん やはり組織で働いていると、個人のビジョンが反映されないこともあると思います。Point5
細田さん 我が社では、そういうのを打ち破る人材がほしいんですが……。
久野さん それはやっぱり、開発に気持ちを持った人間がやっていかなければいけないと思います。だから私も応募させていただきました。
細田さん 風当たりは強いかも知れませんよ。我が社も組織がしっかりしていますから。理想のものをつくるときにいろんな部署から意見が出ます。そんなときに久野さんはどういうふうに調整されていきますか?
久野さん 使いやすさを目標にやっていけば、その意志は伝わると思います。それを信じてやっていこうと思います。
細田さん 我が社は個性的な人間が多いですよ。久野さんは人がよさそうだから、各方面から違う意見が出たときに理想を通さずに引いてしまうのではないか? と思ってしまうんですが……?
久野さん 私自身、確かに気が弱い面があります(笑)。ただ仕事は一人でやるものではないと思うんです。仲間とチームを組んで、抵抗勢力を打ち破る(笑)。そんな策略も練っていこうと思っています(笑)。Point6
細田さん そういった経験はお持ちなんですか(笑)
久野さん これはおかしな話なんですが、印刷会社のときに大きな仕事が入ってきたときに、これは大変だと思って上司に「私に協力してください」とお願いしたんです。他のスタッフからすれば、私がえらそうにすれば反感を買いますので、基本的にその上司にすべて私の意見を言ってもらうことでなんとかうまくいきました。私はチームの一員として仕事をしていたんですが、実は全体を動かしていました(笑)。Point7
細田さん それで当初抱えていた問題を解決したわけですね。その上司には信頼されていたんですね?
久野さん 影で支えるという仕事が向いていると思います。
細田さん どこが信頼を得られていたんでしょうか?
久野さん 責任感です。
細田さん 責任感って簡単に言えることではないですね。なにが責任感なんでしょうか?
久野さん たとえば納期までに残った仕事と日数を考えて、これはまずいと思ったときに対策を練れるのが責任感だと思います。「こうすれば大丈夫ですよ」と提案して安心していただくのが責任感だと思います。Point8
細田さん 今、一番やってみたい開発ってありますか?
久野さん やはり携帯電話は誰しも持っているので開発をやってみたいと思っています。
細田さん たとえはどこが不便だと思います?
久野さん 電話ですから通話できること。次にメールだと思います。その二つの機能をしっかりわかりやすくつくって、あとの機能はおまけだと思っています。そういったものをつくっていきたいと思います。
細田さん 受け入れてもらえると思いますか?
久野さん そのあたりはマーケティングともからんでくると思います。今は多機能であることが人気ですが、使いやすさを訴えていけば受け入れてくれるユーザーも出てくるのではないかと思います。
細田さん はい、わかりました。今日はこれで終了したいと思います。
以上で面接は終了。
 
 
面接官の本音
「一緒に仕事をしたい」と思わせる人間力があります。
久野さんは「気が弱い」という自身の欠点を認める素直さがあります。面接官は「この人と一緒に仕事をしたいのか?」「仲間としてやっていけるのだろうか?」と考えているんです。久野さんが元々持っている資質も評価されますし、大学時代から興味を持って学んできた面も評価されるでしょう。

Point4
アイデアでPRがほしい
ここでの久野さんの回答も当たり前なこと。具体的なアイデアとか発想を語るべきだった。とくに学生時代から勉強してきたこと。パソコンのインストラクターとしてユーザーに接してきた点など自分の武器をアピールする回答がほしかった。
こんな答えがベスト
まずシステム開発を続けているとどうしても、システムの使い勝手について慣れてしまいます。私が開発を担当するならば、機能がわかるデザイン、人間工学に基づいた使いやすさを重視した開発をします。さらに私はインストラクターとして初心者が勘違いしやすい操作についても熟知しています。この二つの知識と経験を役立てれば、今までより使いやすいユーザーインターフェイスを開発できると思います。
Point5
組織のせいにするのはタブー
「組織だから」と言うのであれば個の能力の否定につながる。この回答はタブーだ。

Point6
短所を認め対策を語る、これは名回答!
久野さんは「気が弱い」という短所を認め、それを解決する術を語っている。誰もが否定しそうな点を素直に認めている点、さらにチームプレイを重視している点、以上の2点で評価を上げた。

Point7
仕事のやり方が見える
ここでエピソードを笑い話にして語っている点も評価を上げた。エピソードをまじえることで具体的に仕事のやり方が見えてきた。
Point8
考えが見える
ここでも久野さんは責任感という抽象的になりがちなテーマに対して、自分なりの考えで具体的に答えている。
 

今回の面接教訓
1 落ち着いて自分のよさを伝えれば、合格につながる。
  久野さんは面接時に終始落ち着いていた。だから背伸びしているような回答もなかったのです。「当たり前すぎる」回答も目立ちましたが、それを補う人間的な魅力も感じられました。面接官としては合格を出します。一言でいえば久野さんは「謙虚な人」なんです。それでいて論理的に話せる。この点が評価されます。私なら絶対に採用します。

久野さんから学ぶ点
落ち着いて回答している。
久野さんは「やる気を見せよう」という気負いはなかった。冷静に自己分析をする余裕すら感じられた。気負いがないために、変に突っ込まれることもなかった。

自分の興味とキャリアが一致している。
学生時代から興味あることが今につながり、求める職種につながっていた。面接官が共感する志望理由がきちんとあった点が評価を上げた。

素直に自分を語る。
「気が弱そう」という否定的な質問に対して、笑いながら認めている。しかし誰しも欠点はあるもの。久野さんのように具体的に短所をカバーする術や、エピソードを語れば評価を上げることにつながる。
 
挑戦者の感想
キャリアプランをしっかり考えることができました。

今まで勉強してきたこととか、仕事で経験してきたことをどのようにして整理して伝えればいいのかがわかりました。自信を持って面接に望むことができます。
次回の予告

次回の挑戦者は20代半ばの男性。現在、派遣社員としてWEB媒体の企画営業に従事している。彼は編集者への転職を希望しているのだが、業界での経験が少ない彼の面接はいかに!?




 
併せて読みたい記事
あした転機になあれ。マイナビ転職

豊富な転職・求人情報と転職ノウハウであなたの転職活動を支援する【マイナビ転職】。マイナビ転職は正社員の求人を中心に“日本最大級”常時 約8,000件以上の全国各地の豊富な求人情報をご紹介する転職・求人サイトです。毎週火・金更新であなたの希望の職種や勤務地、業種などの条件から検索することができます。職務経歴書や転職希望条件を匿名で登録するとあなたに興味を持った企業からスカウトされるサービスや、転職活動に役立つ職務経歴書サンプルや転職Q&A、会員登録をすると専門アドバイザーによる履歴書の添削、面接攻略など充実した転職支援サービスを利用できる転職サイトです。

キーワードから記事を探す

検索フォーム

人気コンテンツランキング
転職成功ガイド