転職ノウハウ

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実録!激辛スーパーリアル面接
同じ答えでも「やりました」と「やらされました」で大きく違うように、面接での会話も、仕事に対して受け身で答えると面接官に対してPRにつながらない。今回の挑戦者は出版社の編集に挑戦する20代の男性だが、せっかくのキャリアを受け身に答えたばっかりに……。 
 

vol.27 未経験転職 仕事に対して消極的な発言は、面接官の心に響かない

激辛面接官
細田 咲江さん
(Sakie Hosoda)
早稲田大学卒業後、1983年に流通会社に入社。12年間、主に人事部で採用担当や人事教育などに従事。1994年にハナマル キャリアコンサルタントを設立。現在は、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広く活躍中。面接官の視点に立ったアドバイスには定評がある。また、埼玉女子短期大学と駒沢女子大学では講師も務める。
今回の募集設定
業種 出版
募集職種 つねに時代を先取りする媒体を発信してきた出版社が、経験の有無を問わず編集職を募集。
応募資格 25歳~35歳位まで。大卒以上。
求める人材 新たな視点で時代を切れること。将来的には編集プロデューサーとして活躍できる人を求めている。

今回の挑戦者
芳本和彦さん(仮名)
経験年数
新聞社での編集アシスタント6カ月。
年齢・現状
25歳。派遣社員として働きながら求職活動中。
職務経歴
大学卒業後に証券会社へ入社。新規開拓業務と顧客管理業務をこなす。2年間勤務したのちに退職し、契約社員として半年間新聞社で編集アシスタントを。現在は派遣社員として出版社に勤務。新しく立ち上げたWEBサイトの企画営業をしている。
志望動機
学生時代から出版社を志望していた。現在は派遣社員として出版社の営業職に就いているが、編集職を希望している。
希望年収額
500万円



面接官の心に響かない答えが続く。
人気のある雑誌を発行している出版社だけに、志望者も個性派が揃う。そのなかで芳本さんは真面目そうな風貌だ。しかし声が小さく、元気のないトーンであることが気になる。
細田さん ご自分のこれまでの経歴をお話ししていただけますか?
芳本さん 新卒で入った会社が証券会社でして、証券会社のほうでは2年いまして、新規開拓営業をしていました。それから新聞社のほうで契約社員として半年間働いていました。現在は情報出版社で紹介予定派遣として広告営業の仕事をしております。Point1
細田さん 新卒で入社された会社(証券)と、その後の会社ではジョブチェンジがあるようなんですが、それはどうしてですか?
芳本さん 1社目の会社は金融だったんですが、どうしても会社の方針でお客にすすめる商品が決まっていて、そこに自分が違和感を感じていまして。Point2そこで自分は何が出来るのかと考えたところ、マスコミ系の仕事がしたいと考えまして、その業界でやってみたいと思いましてジョブチェンジをしました。
細田さん なぜ編集の仕事がしたいんですか?
芳本さん やはり自分がやりたいことを考えた場合、文章を書く仕事をしたくて、編集でもコミュニケーション能力が問われると思います。自分のそういった面を活かしていければと思っています。
細田さん 新聞社での半年間はどのような仕事をしていたんですか?
芳本さん 新聞社のほうではおもに社内報や、配布する広報誌の仕事をしていました。
細田さん 実際に原稿を書かれたりしていたんですか?
芳本さん メインとしてやっていたことはないんですが、社員の方の取材に同行したりしていました。おもに進行管理とか校正が中心でした。
細田さん 新聞社の仕事は向いていると思いましたか?
芳本さん 新聞社の仕事は人と関わることが少なかったので、その点では不向きかもしれません。
細田さん それで半年でお辞めになったんですか?
芳本さん もともと契約期間が半年でしたから、それで辞めました。
細田さん 芳本さんが今までやってきた仕事を総括して、ご自身に向いている仕事はどんな仕事だと思われますか?
芳本さん 自分としては、いろんな人とお会いして話していく仕事が適していると思います。人と会うことで成長していけると思います。たとえば仕事上でお会いして、その人が何を考えているのかだとか、その人のためになにができるのかとか心理的なことが好きです。
細田さん 仕事はボランティアじゃないんで。学んで成長するのはいいんですが、それをどのように仕事に反映するかが大切なんで。そういった意味で芳本さんは学んできたことをどのように活かしてこられましたか?Point3
芳本さん ええっと……(答えが見つからない)
細田さん じゃ質問を変えましょう。仕事で芳本さんが自分のいい点が活かされたところはどういうところですか?
芳本さん 証券会社のほうではねばり強いほうなので、断られたお客さんにもあきらめずに何度も訪問したり、たとえば手紙を書いたりして、アプローチしていくうちに、契約していただくケースもございました。そういうときにやりがいを感じました。
 
 
面接官の本音
アグレッシブさに欠ける
編集者ですから、自ら企画して仕事を開拓していく積極性やフットワークがいい点などは必須です。その点でまず資質的に問題ありと感じています。

Point1
仕事を選んだ理由、辞めた理由で考えを示す
芳本さんの答えは職歴書のまま。ここでは仕事を選んだ理由や辞めた理由などを答えて、自分のキャリアプランを示すべき。
こんな答えがベスト
「新卒のときは金融業界に興味があって証券会社に入社したんですが、実際に営業をしてみると会社の方針で売る商品が決まっていました。そこに疑問を感じたときに、ほんとうに自分がやりたいことを考えてマスコミの道へ進もうと考えたんです。それでまず経験してみようと思い、半年間新聞社で進行管理や校正の仕事をして、現在は出版社の企画営業の仕事をやっています。それらの経験を踏まえて、本来やりたいことが編集職であることが明確になりました」

Point2
前職を述べるときは、よい点を述べたあとに問題点を
キャリアについて述べるときはまずよい点を述べるべき。会社の方針に疑問を抱いてはどこの会社でもやっていけないように受け取られる。
こんな答えがベスト
「証券会社では新規開拓で、顧客と関わって契約を得ることにやりがいを感じていました。しかし社の方針で売る商品が決められることに疑問を感じたんです。もちろん、どこの業界でも会社の方針はあると思います。ただ私はそのときに本来好きなマスコミの世界なら、会社の方針がどうあろうとやりがいを感じられると思いました」

Point3
仕事を受け身で捉えているように思われる
芳本さんの答えはすべて、職歴を答えるにとどまっているので、積極的に仕事に関わってこなかったように思われる。
こんな答えがベスト
「新聞社では進行管理や校正の仕事がメインだったのですが、社員の方にお願いして取材に立ち合わせていただいたり、社員の方に企画についての提案もしてきました」
「出版社の企画営業では編集の方と媒体の方向性について話し合いを持って、自分の編集方針に対する考えを述べてきました」
 



面接官が感じていた不安を一蹴する名回答!
細田さんは具体的に「どんな記事をつくりたいのか?」「どんな本をつくりたいのか?」という質問を繰り出す。ここで必要なのは芳本さんなりの考えや企画なのだが……。
細田さん では我が社の雑誌だと、どんな雑誌をやってみたいですか?
芳本さん 御社の発行している雑誌で「R」という雑誌が好きです。雑誌を読んでいると、ものづくりに関わっていきたいと感じるようになりました。
細田さん 雑誌「R」のどういう点が好きですか?
芳本さん あの、ほんとに抽象的な言葉なんですが温かい感じがします。
細田さん どういう点が温かいですか?
芳本さん ふだんの何気ない1コマを楽しく読者に感じさせる。そんな写真や記事が温かい感じがします。Point4
細田さん 芳本さんが「R」の編集者になったとしたら、どんな企画を考えていらっしゃいますか?
芳本さん 「R」はたとえば京都とか、ディズニーランドとか、読者にいいイメージを与えるものを選んでいたと思うんですが、私が担当になったら、たとえば新潟中越地震のその後だとか、そういった報道にも目を向けていきたいと思います。
細田さん それで、これまでの読者は満足するんでしょうか?
芳本さん やはり既存の枠を壊さないと読者も増えないと思います。たんなる報道ではない「R」の要素を盛り込んだ記事にしていきたいと思います。Point5
細田さん 「R」の要素ってなんでしょう?
芳本さん それは…………。そうですね、普段は読者が気づかない点を取り上げているところでしょうか?
細田さん 芳本さんが編集者として必要な能力でなんでしょうか?Point6
芳本さん つねにアンテナを張って……、ニュースに目を向けることだと思います。
細田さん それだけで優秀な編集者になれると思いますか?
芳本さん なれそうにないですね(苦笑い)。そうですねぇ……、私が新聞社で働いているときに実際に記者の方に接していて、なにが大切かというと、「テーマに対する思い入れが強ければ強いほどいい文章が書ける」と言われていましたので、どれだけ対象に思い入れをかけられるのかが大切だと思います。
細田さん 芳本さんが今、思い入れがある対象ってなんでしょうか?
芳本さん 先ほど申し上げたんですが、新潟中越地震の記事を書きたいと思います。
細田さん どういう視点で?
芳本さん 地震があってから新幹線が止まっていたんですが、そのなかで私は帰郷しまして(実家が新潟)、普段は何気ない風景なのに、新幹線が通過していた場所も自衛隊が来ていて、そこで感慨にふけってしまっていて、もう少しブラウン管のなかだけではなく、もう少し実情をわかってほしいと思いました。Point7
細田さん はい、わかりました。
以上で面接は終了。
 
 
面接官の本音
思い入れが感じられない。
編集者に必要な個人的な思い入れが感じられないんです。地震について取り上げるといっても視点がないので企画としては考えられません。未経験とはいえ企画力は問われます。残念ですが、不採用ですね。

Point4
志望する会社の制作物について調べる
好きな雑誌について述べるのだから、特集記事や連載記事について具体的に述べるべきだった。芳本さんの答えでは「編集者の視点で読んでいない」と思われる。
Point5
企画として述べるべきだった
ここでは読者層について、編集方針について述べたあとに、どういったテーマをどういう視点で取り上げるかを述べるべきだった。芳本さんの発言は企画になっていない。
Point6
訴えるべき能力は?
細田さんはここで「あなたが訴えたい能力はなんですか?」と聞いている。
Point7
自分なりの切り口を語る
細田さんの質問は「芳本さんの視点は?」「どんな切り口で?」ということ。
 

今回の面接教訓
1 制作を希望する人はしっかりと自分の考えをまとめておく。
  なにも制作に限ったことではありませんが、面接時には「その会社で私は何をしたいのか」を伝えなければいけません。また芳本さんの例からも学べるようにキャリアについて「自分なりの仕事を築いてきた」という視点で語ることも必要です。

制作の仕事を志望する人が準備すべきこと
志望先の制作物を調べて、自分の考えをまとめておく。
出版社なら発行している出版物。テレビ局なら番組。デザイン事務所なら制作物。以上をHPなどで調べておく。そして自分なりの制作物に対する考え方をまとめておく。

自分の制作についての考えをまとめておく。
思い入れや好きなことであってもいい。ただ面接で話すときは、「私が探求しているテーマは、御社で利益をもたらせます」という視点で述べることだ。

企画力を訴える
デザイナーやシステムプログラマーでも企画力は問われる。会社の方向性を意識して、具体的な企画を用意しておく。企画書で提出してもいい。

積極的に仕事に関わる姿勢を示す
制作といえども与えられた仕事だけをするような姿勢ではいけない。今までのキャリアのなかでも積極的に仕事に関わってきたことを話せるように準備しておく。
 
挑戦者の感想
準備不足でした。

出版社を受けるんですから、しっかりと会社のことや、雑誌のことを調べておくべきでした。また自分の制作に対する考え方もまとめておくべきでした。準備不足だったことを痛感しています。
次回の予告

次回の挑戦者は25歳の男性。2005年4月から商社で海外営業を担当している。入社したての彼が転職を狙うのだが、果たしてその面接の行方は!?




 
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