転職ノウハウ

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実録!激辛スーパーリアル面接
ドラスティックな業界改革が続き、競争が激化する金融業界。新卒のプロパーを育てつつ、第二新卒者や中途採用で優秀な人材を集めている。今、もっとも大きなチャンスがある業界のひとつといえよう。今回の挑戦者は信託テラー職採用に応募した。信託テラーとは窓口で個人投資家を相手に資産形成のアドバイスをしつつ商品を提案する仕事だ。
 

vol.30 未経験転職 合格のお墨付き! 面接官を安心させる丁寧な回答

激辛面接官
細田 咲江さん
(Sakie Hosoda)
早稲田大学卒業後、1983年に流通会社に入社。12年間、主に人事部で採用担当や人事教育などに従事。1994年にハナマル キャリアコンサルタントを設立。現在は、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広く活躍中。面接官の視点に立ったアドバイスには定評がある。また、埼玉女子短期大学と駒沢女子大学では講師も務める。
今回の募集設定
業種 金融
募集職種 大手の信託銀行が住宅ローン営業、資産運用コンサルティング業務など職種別に中途採用を実施。今回の挑戦者が応募するのは、銀行窓口で投資信託などの相談に対応する信託テラーという職種だった。
応募資格 短大卒以上、30歳位まで。
求める人材 基礎的な素養があり、将来的に専門職として担当業務を担える人。金融業界の経験者が望ましい。

今回の挑戦者
三島清美さん(仮名)
経験年数
アウトソーシング会社で1年半経理を経験。
年齢・現状
25歳。転職活動中。
職務経歴
4年制大学卒業後にアウトソーシング会社に正社員として入社。大手会社の経理業務を受託しており、月次決算、四半期毎の年次決算の業務に従事していた。
志望動機
経理を経験するなかで株式投資に興味を持ち、信託テラーという職種があることを知って応募することに。
希望年収額
250万円~



経理からのキャリアチェンジ。新たな職種を志す動機を示す
個人投資家の大切な財産を預かる窓口である信託テラー。面接官は自分が投資家の立場に立って、応募者が信託テラーとして信頼を得られる人材なのか、という厳しい視点で面接を行う。面接会場に現れた挑戦者の三島さんは清楚な雰囲気をもっていて、スーツの着こなしも金融業界で十分に通用すると思われた。ただ顔色がよくないように見えるのが唯一気がかりだった。
細田さん 簡単にご経歴をお話いただけますでしょうか?
三島さん 私は前社で1年半、経理の業務に就いておりました。最初の半年は給与の計算などをしておりまして、ここで経理の基本を学んでまいりました。そして1年以上、資産管理の仕事をしておりました…。Point1
細田さん ……以上ですか? 資産管理は具体的にどのような仕事をされていたんでしょうか?
三島さん 子会社に対する貸付金があるんですが、そちらの管理をしたり、本社の配当金の管理などをしておりました。
細田さん 専攻とはあまり関係がない経理職に就かれたのはなぜでしょうか?
三島さん 学生のときには旅行業に興味を持っていたんですが、就職活動で思うような会社から内定をいただけずに、電鉄会社を受けたんですが、そこで前社を紹介されて経理職に就くことになりました。Point2
細田さん でも、学生時代は旅行業を勉強されていたんですよね。旅行業界はあきらめたのですか?
三島さん 何社も受けて採用されなかったので、適性がないのかなと思いました。あと自分で仕事に就くからにはその業界でのスキルを磨きたいと思っていますので、もう旅行業には未練はありません。
細田さん では経理の仕事は、やってみてどうでしたか?
三島さん やる前は暗いイメージだったんです。数字とにらめっこしているのかなぁと思っていたんですが、深いところを考えなければいけないことも多くて、自分で株式のことを調べたりとか、仕分けとかもパズルのような組み合わせで……。学ぶことがたくさんありました。
細田さん やりながら自分には向いている仕事だと?
三島さん はい、そうです。
細田さん では経理の仕事を1年半やって、どうして今回、信託テラーという仕事に就こうと考えられたのですか?
三島さん 1年ほど資産管理の仕事をしまして、株式の勉強をしてみて、非常に興味を持ちました。それで自分で勉強したんです。資産管理についてもっと勉強してスキルをアップさせたいと思ったのがきっかけでした。そこでなにか資格がないかなと思って調べると、ファイナンシャルプランナーの資格があることを知りました。このようなスキルを身につけて、お客様の資産管理についてコンサルティングできるような仕事をしていけたらいいなぁと思って、それで転職しようと決めました。Point3
 
面接官の本音
1年半、きちんと仕事をしてきたことが伝わりました。
三島さんは経理職で単にデータ入力だけをしてきたわけではないことがわかります。経理という仕事を数字だけで捉えるのではなく、経理の仕事についてしっかり勉強してきたことが伝わりました。この点で、三島さんは新たな職種に就いても、積極的に取り組むだろうということが感じられました。

Point1
語尾をはっきりさせる。
話の最後があいまいになっている。例えば、会話の最後に「以上が私の経歴です」のような話を締める言葉を言うようにしたい。

Point2
キャリアの方向変換の理由をしっかり語る。
三島さんの回答では旅行業界から経理業務へ唐突に方向転換したように思える。しっかりとした考えをしていたことを示すには希望業界や業種を変えた理由を語るべきだった。
こんな答えがベスト
「就職活動をするなかで旅行業界が第一希望だったんですが内定に至りませんでした。そこで、経理職なら勉強すれば女性でも活躍する機会を得られることを知り、方向転換をしたのです」

Point3
今に至った流れをていねいに答えている。
ファイナンシャルプランナーを目指すに至った過程をていねいに答えている。面接者が共感できる答えだ。
 



新たな仕事に就いたときの課題を認識している。
細田さんはその後、信託テラーの仕事について踏み込んでいくことになる。
細田さん 今まで一般のお客さまとは接する機会がなかったと思うのですが、その点はどうですか?Point4
三島さん 御社はお金を預かる会社ですから、信頼を得ることが大事だと思います。前社では子会社へ貸付金に関するお知らせをしたり、預り金の満期に関するお知らせをしていました。そのときに信頼を得る仕事をしたいと思いました。それで、電話だけでお知らせするのは間違いが起こりやすいと思いましたので、書面でファックスしてお伝えするようにしました。すると、相手先から「前任者よりもずっと仕事がやりやすくなりました。ありがとう」と言われました。そういう信頼を得ることは得意だと思いますので大丈夫です。Point5
細田さん ファイナンシャルプランナーの仕事に興味をお持ちになったようですが、特にどういった点に興味を持たれましたか?
三島さん …………(言葉に詰まる)、すいません、ちょっと出てきません。Point6
細田さん ファイナンシャルプランナーの仕事はすでに勉強されているんですか?
三島さん いいえ、まず経理の仕事にけじめをつけたいと思っておりまして、簿記の資格の勉強をしています。簿記をとってからファイナンシャルプランナーの資格の勉強をしたいと思っています。
細田さん 勉強するのが好きなんですね(笑)。
三島さん 将来的なことを考えたときに、スキルを持っていたいと思っています。
細田さん 当行で働いていただくと、お客様あっての仕事ですから就業時間内に仕事が終わらなかったり、思うように時間を組めなかったりするんですが、そんななかで勉強ができますか?Point7
三島さん はい大丈夫です。前社でも決算の時期は終電まで仕事をして、次の朝早くに出社するということを繰り返しておりました。そのなかでも電車での空き時間を見つけて勉強していましたので大丈夫です。
細田さん 体力的には大丈夫ですか? 線が細いようにも思えるんですが…。Point7
三島さん 経理の仕事をしていて体力が落ちているように思えたので、最近スポーツジムに通い始めたんです。
細田さん では、三島さんを信託テラーとして採用させていただいた場合、あなたが理想とする信託テラーって、どういう人でしょうか?
三島さん 信託テラーは営業の仕事だと思いますが、相手の話を聞かずに「これはどうですか?」と提案するのではなくて、相手があってのことですから十分に対話するなかで相手に合った商品を提案していきたいと思います。そしてお客様から「またあなたに頼みたい」と言われる仕事をしていきたいです。
細田さん そうはいってもビジネスですので、目標をクリアしていかなければいけません。こういったことをクリアするときに、お客様と会社との間で悩まれる方も多いんですね。今、株価はいい時期なんですが、景気が低迷することもあると思うんです。そういうときに、ご自身の信念と会社の方針とにギャップがあることもあります。そういうときに三島さんはどのように考えられますか?Point8
三島さん やはり利益を出さなければ会社はやっていけないと思いますので、会社との妥協点というわけではないんですが、会社にとってもお客様にとっても利益になる提案をさせていただきたいと思います。
細田さん 話は変わりますが……。信託テラーとしての能力もあると思いますが、前社では本社スタッフとしても高い能力を発揮されていたと思うんです。そこで、たとえば管理部門の業務に関しては興味をお持ちじゃないですか?Point9
三島さん 管理部門についてもまったく興味がないわけではないのですが、ファイナンシャルプランナーの仕事に興味をもったことがきっかけなので、お客様との会話のなかで仕事をしていくことにやりがいを感じたいと思っています。
細田さん たとえば、信託テラーとして10年後にどういう姿になっていたいと思いますか?
三島さん 御社のホームページを拝見したんですが、ファイナンシャルプランナーの方が出ていらっしゃいまして、信託テラーで経験を積んで、今はファイナンシャルプランナーのスペシャリストとして紹介されていたんです。私も最初はいろんな仕事をしていって、最終的にはファイナンシャルプランナーとして仕事をしていきたいと思っています。
細田さん 当行のほかにはどういった会社を受けていらっしゃるのですか? 具体的な企業名は答えなくてもいいのですが……。
三島さん 信託銀行と銀行です。
細田さん 職種としては信託テラーを受けていらっしゃるのですか?
三島さん はい、そうです。
細田さん わかりました。それでは面接は終了します。
 
面接官の本音
信託テラーの適性があります。
三島さんは、面接官が不安に感じていた「勉強する時間」「体力」「会社との考え方の違い」などについて、丁寧に答えています。面接官の不安を解消する回答になっているのです。信託テラーは、個人投資家から投資に関するさまざまな質問や相談を受けます。その際、不安を解消するアドバイスをしなければなりません。もちろん、リスクについてもきちんと説明する能力も必要です。三島さんの場合は、ていねいに回答しているので安心できるのです。つまり信託テラーとしての適性があるといえます。

Point4
コミュニケーション能力についての質問。
三島さんが勉強するのが好きなことがわかっていた。ただ勉強好きな人は、えてして人との対話が苦手な人が多い。そこでこの質問になった。
Point5
自信を裏付けるエピソード。
三島さんの回答のなかで際立ってよかった回答だ。面接官はコミュニケーション能力について質問したのだが、三島さんは具体的に仕事現場でのエピソードを自信の裏付けとして話している。
Point6
予想される質問なので準備しておくべきだった。
三島さんは信託テラーからファイナンシャルプランナー職へ就こうとしているのだから、この質問に対しては準備しておくべきだった。
こんな答えがベスト
「ごく近い親戚に、せっかくの資産を運用する知識に乏しく生活が苦しくなった人がいました。私がファイナンシャルプランナーに興味を持ったのは、こういった資産運用について知識を持たない人に私がアドバイスをすることによって利益が得られる。生活をより豊かにすることができるからです」
Point7
不安を感じさせる質問にどう答えるか?
ここでは「時間の制約」「体力」についてどのように答えるかが重要だ。三島さんは体験を裏付けにして語っている。相手が共感する回答だ。
Point8
仕事に対する柔軟性を問う質問。
どんな仕事でも会社の考えと個人の考えにギャップがある。ここでは、三島さんが柔軟な考えを持って仕事にあたれるかを推し量っている。三島さんの答えはそつのない回答だ。会社とお客との利益を考え、答えている点は評価できる。
Point9
会社への興味はどうなのか?
三島さんがファイナンシャルプランナーになりたいという意志は伝わっていた。しかし経験もないので面接官は最初、管理業務(一般職)としての採用も考えた。この質問に対して三島さんは管理業務も妥協点として受け入れつつ、「自分がやりたいのはファイナンシャルプランナーだ」と最後まで自分の意志を貫いている。
 

今回の面接教訓
1 面接官の不安を解消する丁寧な答えが合格につながる。
  面接官は根拠もないのに「できます」「やります」「大丈夫です」と言われたら不安に感じる。三島さんはほとんどの質問に対して、「私は○○だから、大丈夫です」というように、具体的で体験的な根拠を語っている。こういった回答に面接官は安心する。今回の応募職種である信託テラーという職種を考えた場合、面接官が投げかけた疑問に対して、根拠をもって答えることが重要だった。その点で三島さんは優れていた。
 
挑戦者の感想
面接に関しては自信がつきました。
やはり自信がないと自分自身の長所は出せないと思います。そういった点で今回の模擬面接で自信がつきました。
次回の予告

次回の挑戦者は、日本語と英語を自在に操るバイリンガルな27歳の女性。日本語教師をしていた彼女が、これまでの経験を活かし、アナウンサーを目指す。その面接の行方はいかに!?




 
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