転職ノウハウ

応募企業の探し方や履歴書の書き方、面接のポイントから円満退職の秘けつまで。あなたの転職を成功に導くためのノウハウを紹介!

実録!激辛スーパーリアル面接
今回の挑戦者は、テレホンコミュニケーター(パソコンのカスタマーサポート)としての十分なキャリアをもつ32歳の男性。応募するのはコールセンターの企画職だ。会話力が高いだけに面接冒頭からよどみなく自分をPRしているかのように思えたのだが……。
 

vol.32 ステップアップ転職 多弁さあまって評価を落とした!?

激辛面接官
細田 咲江さん
(Sakie Hosoda)
早稲田大学卒業後、1983年に流通会社に入社。12年間、主に人事部で採用担当や人事教育などに従事。1994年にハナマル キャリアコンサルタントを設立。現在は、高校生や大学生の就職、社会人の転職、主婦向けの再就職に関する講演、執筆など幅広く活躍中。面接官の視点に立ったアドバイスには定評がある。また、埼玉女子短期大学と駒沢女子大学では講師も務める。
今回の募集設定
業種 テレマーケティング
募集職種 大手銀行のユーザーサポートをアウトソーシングで受注している企業が業務拡大のため、新たにコールセンターの企画・運営に携わる正社員を募集。
応募資格 35歳ぐらいまで。経験者優遇。
求める人材 テレホンコミュニケーターとしての基本的なノウハウ、SV(スーパー・バイザー)として新人教育や、テレホンセンター管理業務経験のある人。

今回の挑戦者
笹塚道夫(仮名)
経験年数
IT関連企業のコールセンターで5年半のカスタマーサポートの経験。
年齢・現状
32歳。契約社員として在職中だが契約満了を迎え転職活動中。
職務経歴
大学卒業後に機械・電子関連企業でCADオペレーター業務を約1年半、水処理機械の営業、製造設計・管理を半年経験。その後、アルバイトとしてIT関連企業のコールセンターでカスタマーサポート業務に従事。後に同社の契約社員に。2002年からは、別のIT関連企業で派遣社員として勤務。パソコンのサポートでスーパーバイザー業務を経験する。現在は同社に契約社員として勤務。
志望動機
今までのカスタマーサポートとしての経験を活かして、コールセンターの企画・運営に携わりたい。
希望年収額
330万円以上



冒頭、キャリアを語るのに10分! 面接官はここでウンザリ?
面接会場に現れた笹塚さんは生真面目そうな雰囲気をもっていた。ユーザーと接する人材としての資質は備わっているようだ。面接は冒頭から。
細田さん これまでのご経歴をお話いただけますでしょうか?
笹塚さん 私、1996年の3月に大学を卒業しまして、大学院の受験を目指すためにアルバイトをしていましたが、家庭の事情で大学院に進学できないことになり、平成9年の7月より第二新卒という形で会社に就職しました。なにをしている会社かというと、機械・電子関連の設計のアウトソーシング業務をメインでやっている会社で、私自身、車の設計関係、プリント基盤の設計に携わってきました。平成11年の11月に退社をしました。その転職の理由ですが、当時、会社都合による退職だったんですが、会社に余剰人員が出て、他部署への配属も不可能で、会社側が退職金の割増という条件で希望退職者を募りました。Point1それで2社目は10名以下の小さな会社なんですが、水処理機械の販売業務をさせていただきました。わずか半年ほどで退職したんですが、給料の遅配がありまして、社長と相談して経営状態もよくないので退職することになりました。ちょうどそのころ、IT業界の黎明期というか成長企業が多くありました。カスタマーサポートのアルバイトを募集している企業がありましたので、私自身も20代半ばということもあり、新しい業界にチャレンジしてみようと思い、カスタマーサポートの仕事に就きました。それが現在に至るカスタマーサポート業務の原点になります。Point2
この後10分以上、転職理由や業務内容などの経歴が続く。面接官は時折目を伏せていた。Point3
細田さん じゃ、わが社に関連する業務であなた自身の売りになるようスキルがあれば、お話していただけますか?
笹塚さん まずは電話対応においてのコミュニケーション能力、そして2点目はIT系のスキルです。
細田さん それは我が社において、どのように活かされるんでしょうか?
笹塚さん コミュニケーション能力を活かせると思います。Point4
細田さん 我が社に入社された場合、テレホンセンターの企画をしていただくのですが、笹塚さんのコミュニケーション能力はどのように活かされるんでしょうか?
笹塚さん 電話対応としてはクレーム処理。お客様が求めることを最後まで聞いて、お客様に的確な情報を与える。あとは部下のスタッフにベストパフォーマンスできるようなマネジメントをしていきたいと思います。
細田さん ではスーパーバイザーとしてどのようにやっていくのですか?
笹塚さん スーパーバイザーとしてやっていくうえで、上司と部下という関係ではなく、対話を重視していきたいと思います。些細なことですが、勤務態度、とくに欠勤があったときに、なぜ欠勤したのか、など過程を重視して、いいほうに改善していくようにしていきたいと思います。Point5
細田さん 会話を多くするということですか? 忙しい職場ですが、うまく対応できるんでしょうか?
笹塚さん 一言声をかけるだけでスタッフの態度も変わってくると思います。そういった環境をつくる努力をしていきたいと思っています。
 
面接官の本音
理屈っぽい人なのかもしれない。
最初のキャリア説明で、あまりに話が長いと面接官はウンザリします。また、これは理系の人によくみられる傾向ですが、笹塚さんも理屈っぽい人かなというイメージでした。さらに、仕事の現場でも適切な会話ができるんだろうか、と心配になります。

Point1
評価を下げる経歴はあえて話さない。
「会社都合の退職」はいくら事情を説明しようとも、評価を下げる。さらに今回の職種にも関連していないので、ここであえて語る必要はない。

Point2
的を射ない長い回答はPRにならない。
キャリア説明は1分ぐらいで要点をまとめて話すのがベスト。面接官は職務経歴書を読んでいるという前提で、訴えるべき要点をまとめて話すようにする。
こんな答えがベスト
「私のキャリアをまとめると、自信をもって語れることは3点あります。第1点は機械関連の設計に携わったこと。2点目はパソコンのカスタマーサポートとしての経験が豊富なこと。第3点がカスタマーサポートセンターのスーパーバイザーとして管理や運営に携わったことです」

Point3
面接官の表情で反応を見る。
笹塚さんの回答の途中、面接官は話が長いので目を伏せることがあった(話が長いという意思表示)。回答するなかで、面接官が興味を持って聞いているのか? 表情を見て話しをする必要がある。
Point4
具体的に語るべきポイントで抽象的な回答。
ここで笹塚さんはコミュニケーション能力という抽象的な回答ではなく、具体的な話で面接官にアピールすべきだった。
こんな答えがベスト
「カスタマーサポートとしての経験を活かして、テレホンセンター全体の仕事の質を向上させたいと思っています。そのために私ができることはスタッフの電話対応の再研修です。ほかに管理面ではスタッフの目標管理設定をしていきたいと考えています。人件費を抑えつつ、電話対応の質を向上していきたいと考えています」

Point5
会社で何をするのかが不明瞭。
質問に対して不明瞭な回答。面接官にはまったく伝わらない。
こんな答えがベスト
「スーパーバイザーとしては当然ですが、個々のスタッフとの対話ができる機会を増やしたいと思います。顧客満足に対する個々の目標管理をしていき、時間短縮や電話対応の向上に努めたいと考えています」
 



前向きな転職理由でなければマイナス評価
その後、面接は「なぜ転職するのか」「会社で何をしたいのか」という核心へ。
細田さん これまでの笹塚さんの働いていた職場は、対話ができる環境だったんでしょうか?
笹塚さん そうですね、やっぱり対話をしていくのが重要だと思います。そういった会話をしていくなかでスキルが向上してくと思います。
細田さん ならば現在勤めている会社で続けていけばいいのじゃないでしょうか?
笹塚さん 今年の年末で契約満了となります。今のプロジェクトも終了するので、それであれば今度は正社員として自分のキャリアを活かしていきたいと思って、応募しました。Point6
細田さん 今勤めている会社とわが社の違いはなんだと思いますか?Point7
笹塚さん 弊社と御社の違いというのは、弊社のほうが横のつながりがうまくいっていないと思います。
細田さん 社内のコミュニケーションがうまくいっていないということですか?
笹塚さん 違う部署だと別会社のような感じになっています。同じ企業であれば部署が違えど、共通した認識で仕事をすべきだと思います。
細田さん わが社で正社員としてステップアップしたいということですが、どういった点でステップアップしていきたいと考えていらっしゃいますか?
笹塚さん 今後、売上や純利益などマネジメントとしての面を勉強していかなければいけないと思います。Point8今まではクライアントの売上などはまったく携わってこなかったので、会社を成長させるためには、業務として身につけていかなくてはいけないと思っています。
細田さん 今はそういう意識はないんですか?
笹塚さん 売上がいくらあるかは知っているんですが、実際に上司から売上についての指示は受けていません。
細田さん 新しい職場でマネジメント全般にかかわっていくとすれば、今までのキャリアをどのように活かされようとしていますか?
笹塚さん 経験として部下を管理してチームをまとめてきましたので、それをベースとして、今度はマネジメントの仕事に携わることができればいいと思います。Point9
細田さん はい。それではカスタマーサービスの仕事で大切なのは何だと思いますか?
笹塚さん 私が考えるのは3つありまして、まずは顧客満足度ナンバーワンの社風、2点目は消費者の立場に立ったサポートの提供、3つ目は同業他社よりも優れた対応ができるサポート窓口があります。
細田さん そのためにどんなことをやっていきますか?
笹塚さん お客様にプラスアルファのサポートをしていきたいと思います。アルファというのはあったかいサポート、有益なサポート、こういったことを部下に持っていただけるようにしていきたいと思います。
細田さん 同業他社よりも優れたサービスをするためにはどうしますか?
笹塚さん 同業他社であれば1時間かかった電話対応を45分でできるようにする。Point10 そういった具体的なことが挙げられます。
細田さん ありがとうございました。では、これで面接は終了します。
以上で面接は終了。
 
面接官の本音
詳細を長く話すので、言いたいことが伝わらない。
笹塚さんは、こまごまとしたことを多く話されるのですが、面接官が求める質問からずれてしまっているんです。キャリアは十分にある方なので評価されると思いますが、先に結論を述べるという習慣をつけなければコミュニケーション能力の面で評価を落とします。

Point6
「正社員になりたい」は転職理由としては不適切。
ここで聞かれているのは転職理由。「正社員になりたい」では、なぜその会社を選んだのか、どんな仕事をしたいのかがまったく伝わらない。また「契約が満了となる」は、今の勤めている会社が再契約をする人材ではないと考えている、と面接官は判断する。
Point7
ここも転職理由についての質問。
ここでも面接官は転職理由について聞いている。しかし笹塚さんは現会社の不満を語り、評価を下げてしまった。
Point8
「勉強していきたい」はNGワード。
中途採用の面接で「勉強していきたい」は言ってはいけないNGワード。つねに「自分のキャリアを御社で活かしていきたい」という考えを前提に答えるべき。
Point9
マネジメントで何をしたいのかを語るべき。
笹塚さんの回答はマネジメントをしたいという希望で終わっている。ここでは具体例をあげて、どんなマネジメントをしたいのかを語るべきだった。
Point10
具体的な目標で評価を上げる。
最後に具体的に何をしたいのかを語り評価を上げた。
 

今回の面接教訓
 
1 面接官の質問の意図を捉える。
  質問の意図を捉えて結論を先に語る。結論のない回答はどんな内容であっても評価を下げる。
2 要点を語れるようにしておく。
  「キャリアのアピール」「転職理由」「志望理由」。この三つは簡潔な言葉でいえるように準備しておく。
 
挑戦者の感想
何を語るべきかがわかりました。
面接では自分のキャリアのなかで何を語るべきかが、わからずにいたんです。今回の模擬面接で、結論を先に述べることの重要さを知りました。
次回の予告
次回の挑戦者は29歳の女性。カタログや社内報を制作するグラフィックデザイナーとして3年間勤務した会社を退社し、パリのデザイン学校へ留学。現地ではインターンも経験した彼女が、帰国後の再就職を狙う。果たして、その面接の内容とは!?
 
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