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20代社員が上司にタメ口をきいてしまう社会学的理由

ダイヤモンド・オンラインの記者が斬る! 最近のおシゴト事情

2016.3.30

「最近の若者は、本当に理解できないわ~」


バブル世代を中心とした40代の方々と話をすると、こんな話題になることが少なくありません。一方で、20代の若手社員に話を聞いてみると、


「バブル世代のおじさんたちは、説教臭くていやになる」


という声が聞こえてきます。このように会社では表面上、うまくやっているように見える今の20代若手世代と40代上司世代にも、耐え難いギャップが生まれているのです。


お互いが本音を見せ合う機会はほとんどないかもしれませんが、本音を知れば、お互いのギャップを埋めるきっかけになるはずです。そこでダイヤモンド・オンラインでは、アンケート調査会社・ジーリサーチの協力のもと、『20代と40代の職場での世代間ギャップについて』のアンケートを実施(期間は2016年1月27日~2月2日)。20代と40代の会社員100名ずつの声を聞くと、お互いがお互いを見下している?とも思えるような本音が見えてきました。


今回は、「40代が感じる20代の若手社員とのギャップ」を中心に、なぜギャップが起きてしまうのか、その背景にある世代論を交えながらご紹介していきます(次回は、「20代から見た40代社員とのギャップ」を中心にご紹介します)。

先輩が忙しそうでも携帯ゲーム!? 40代の7割が“20代とギャップ”

まず、40代の会社員100人に「職場で20代と世代間ギャップを感じるか?」を尋ねました。すると、「感じる」と回答した人が66%に上りました。20代に同じ質問をしたところ、70%が「感じる」と回答したことから、お互いに約7割がギャップを感じていることがわかります。

しかし、具体的にギャップを感じる場面について尋ねると(複数回答可)、その点にはやや違いがあることがわかりました。40代が20代にギャップを感じる場面として回答が最も多かったのは、「言葉遣い・あいさつ・礼儀」(45%)。次いで、「仕事とプライベートの優先度」が32%、「飲み会」は27%、「連絡手段」が23%となったのに対し、20代から見た場合、最も多かったのは「飲み会」(40%)。40代では27%ですので、20代と40代ではギャップのある・なしで大きな違いが生まれています。また、20代は「仕事とプライベートの優先度」で34%、「連絡手段」で24%の人が40代とギャップを感じており、こちらは40代とほぼ同じ結果に。これらには、お互いが同程度ギャップを感じ合っていることがわかりました。

さて、では40代の上司・先輩たちは20代の具体的にどのような点にギャップを抱いているのでしょうか。場面別にご紹介しましょう。


【言葉遣い・あいさつ・礼儀】
「年上に対しても、遠慮なく友達のように話してくる時」(44歳女性・岡山県)


「報告や挨拶ができない」(44歳男性・神奈川県)


【仕事とプライベートの優先度】
「先輩が忙しくしていても自分の仕事だけして、携帯ゲームをしている」(47歳男性・香川県)


「仕事が中心にない。プライベート優先」(49歳男性・埼玉県)


【飲み会】
「飲みに行かない」(40歳男性・東京都)


「飲み会に誘った時にメンバーを聞いてから参加するか考えるところ」(40歳女性・大阪府)


【連絡手段】
「休むことをラインで連絡してくる」(47歳男性・島根県)


「電話をしたがらない」(41歳女性・北海道)

なぜ20代は上司に“タメ口”なのか 世代論から導いた答えは…

仕事に対する考え方、年上の人に対する態度や連絡方法など、40代のミドル世代から見れば“非常識”と思える行動をする20代。なぜこのようなギャップが生まれてしまったのでしょうか。この理由を日本生産性本部客員研究員である岩間夏樹さんは、こう語ります。


「(入社時期が)1993年~99年頃を境に、世代間の高い壁があり、大きなギャップが生まれています。ですから、今回で言えば特に40代後半以上の人と今の20代はギャップが大きいと言っていいでしょう」


岩間さんが語る最も大きい世代間ギャップは「高度経済成長期の前後」。それが終了してもバブル崩壊前までは、高度成長期に築かれた「終身雇用」の定着する多くの会社で引き続きムラ意識が生まれ、あらゆる世代も会社に入れば、会社に染まっていきました。ムラ社会ですから、当然上下関係があり、序列意識を持っている社員がほとんどです。


ところが、この終身雇用に裏打ちされた「会社の将来性」が、見えなくなったのがまさにバブル崩壊後の93年~99年頃の第一次就職氷河期。これをきっかけに、会社には頼れないと判断した団塊ジュニア世代以降は、上下関係を意識して「会社ではチームプレイを重視」する傾向から「個人プレイを重視」する傾向に移っていきました。


「もともと団塊ジュニア以降の世代は核家族で育っている人が多く、家庭や地域社会でも上下関係を意識することが難しい状況にあります。ですから彼らはもともと人間関係を『上下』ではなく、親しいか疎遠かの『親疎』で見る傾向にあります。だからこそ、最近の若い世代は親しいと感じる上司に対して友達のようにタメ口で話してしまうのかもしれません。もし敬語を使われているとしてもそれは丁寧語にすぎず、むしろあなたが若手から遠い存在だと思われている証拠かもしれません」(岩間さん)


仕事のコミュニケーションも若い世代になればなるほど、会社単位から個人単位を意識するようになります。今のバブル世代以上の年代の人たちも、メールを使うことにはそれほど違和感を持っていませんが、一方でLINEには強い警戒感があります。それはメールではアドレスが「会社のドメイン」である一方、LINEは完全に会社を離れた個人としてのツールだからではないでしょうか。


今はLINEを仕事で使うのは言語道断、と言う40代以上の人は多いかもしれません。しかし、本当にダメな理由を合理的に言えるでしょうか。単に『○○会社の人間』という背景がなくなるのが不安なだけではありませんか?


現在、多くの会社では大量のバブル世代が40代後半~50代を迎え、団塊ジュニア世代以下の数が社内でボリュームを増してきています。しかも昨今の新卒・中途採用市場は売り手優位にあります。


「売り手市場だと、『入ってやった』という意識があるから若手社員はホンネを言いやすい。だから、バブル世代以上と数が増えて勢力も年々増す団塊ジュニア世代以下との世代間ギャップがこれからより顕在化しやすくなる可能性があります」(岩間さん)


こうした若い世代の意見や本音に耳をふさぎたくなるのは仕方のないことです。しかし、意外と若手社員からの意見やホンネは現代にフィットしたもので、変革の機運が失われている停滞ムードが漂う企業にとっては、非常に参考になる場合も少なくありません。


彼らはこういう社会背景があるからこんな意見を言うんだな、こんな行動をとるんだな、と客観的に見ながら、冷静に意見に耳を傾けてみると、40代以上の世代にも良い影響をもたらしてくれるのではないでしょうか。


(ダイヤモンド・オンライン編集部 林恭子)

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