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着実なステップアップの背景で、永井さんが古巣に対して伝えた思い

私が会社を辞めようと思った瞬間

2015.11.2

「転職を繰り返すのって、あまり良く思われない風潮がありますけど、僕はそうは思っていません。これまで就いた職業で経験して身に付けたことは、すべて何らかのかたちで今の仕事に生かされていますから」


Webサービスやアプリ開発をワンストップで手掛ける「ビットエー」で、広報室長を務める永井さん。そんな言葉のとおり、今日までの永井さんのキャリアは、実にバラエティに富んでいます。


出身は石川県。大学時代を千葉県で過ごし、卒業後は故郷にUターン。印刷会社を皮切りに、映画館、家電量販店、観光土産菓子メーカーなどいくつもの職を重ねた末、故郷での最後の仕事はiPhoneの修理ショップを営む自営業でした。



さまざまな経験を積み重ね、30代半ばで上京


「当時、iPhoneの修理ノウハウを教えてくれるフランチャイズがいくつかあったので、最も条件の良いところと契約し、ほとんどシャッター商店街と化していた地元の一角で安く店舗を構えたんです」


北陸エリアのiPhoneユーザーにとって、永井さんの出店は救世主的存在であったらしく、ネット上に告知を出したその日から修理の依頼が殺到。


「修理1台あたりの粗利がざっと1万円。1台を1時間で直せば、時給1万円ですからね。正直、こんなに儲かるものなのかと、自分でも驚きました」


しかし、需要のあるところに供給が集まるのがこの世の常。ほどなく大手資本が複数参入すると、売り上げはみるみる落ち込んでいきます。結果、永井さんはこのショップを1年ほどで畳み、次の道を模索することに。


「この当時、ショップ運営の傍ら、たまたまネット上でライター募集の告知を見つけて、記事を書く仕事にも少し携わっていました。ちょうどショップを畳もうと思っていたタイミングで、今度はその会社が社員を募集していると知り、“このまま地元にいても面白くない。東京へ行ってみよう”と思い立ったんです」


こうして入社が決まったのが、Web制作を手掛ける「LIG」でした。30代も半ばに差し掛かって上京することに「不安がなかったわけではない」と振り返りますが、それ以上に新天地に対する期待と希望があふれていました。


LIGでの担当は主に、クライアントのオウンドメディアの運営。初めての業務は新鮮で、やりがいもあれば確実に自身のスキルアップにつながっているという手応えもありました。


しかし、1年ほど経って一通りの仕事を覚えると、永井さんの中に更なる欲求が芽生え始めます。

転職を決めた際、仲間に伝えたのは成長への強い思い


「オウンドメディアというのはやはりクライアントのものですから、僕たちスタッフは黒子に徹しなければなりません。当時、LIGで任されていた仕事の中には、自分の個性を前面に出せるようなインタビュー記事の制作もあって、次第に“こういう仕事をもっとやりたい!”という思いが膨らんでいったんです」


北陸にいた自分を拾い上げ、さまざまな経験をさせてくれた会社には、多大な恩義を感じているだけに、ためらいの日々が続きます。しかし、結果的に永井さんは、当時一緒に仕事をしていた「ビットエー」への転職を決断。これには親身に悩みを聞いたうえで、最終的に背中を押してくれた同僚の存在が大きかったと語ります。


「それでも多くの仲間は、僕がなぜLIGを辞めるのか、詳しい事情を知りません。だから退職するその日まで、決して不満があって辞めるのではなく、あくまで自分のステップアップのための転職なのだということを、できる限り伝える努力をしました。そうしなければ、今後も彼らといいパートナーでいられないと思ったからです」


そうした熱意が伝わってのことか、退職が迫ったある日、永井さんは今でも忘れられない、こんな激励を受けます。


「社長がこう言ってくれたんです。『LIGには昔、永井勇成という凄いヤツがいたんだぞ、といつか自慢させてほしい。こっちも、LIGにいたことを自慢できるような会社になるから』と。散々悩んだだけに、この言葉には目から汗が止まらなくなりましたね(笑)」


おかげで、ビットエーにフィールドを移して1年を超える今も、LIGの仲間とは積極的に交流し、良好な関係が維持されています。


転職に逃げの気持ちがあっても、前向きな気持ちもあればいい

振り返れば、人に物を売る営業の面白さや、物を作ることの喜びを知り、それらを常にステップアップのための糧にしてきた永井さん。しかし、自社の認知度をいかに上げていくかという広報業務は、「まだまだ手探りで、悩みは尽きません」と、なかなか手強いようです。


「ただ、手強いからこそやりがいがありますし、難しいと感じるところにこそ何かがあると思っています。」


きっとこれまでと同じように、悩み、苦労した先には、更に成長した自分の姿があるはずだと考えています。


ビットエーという会社には、自分の個性、持ち味を前面に押し出せる環境があり、そしてそれを一つの戦略とした広報活動に大きなやりがいを感じています。


「 “転職したい”と思った時、そこには少なからず逃げの心理が働いていることもあるかもしれません。でも、それは必ずしも悪いことではないと思います。僕自身、今にして思えば逃げであったと感じる転職がないわけではありません。でも、半分は逃げの気持ちがあっても、もう半分は次のステージで何かを得ようという、前向きな気持ちがあれば、その先に道が開けるはずなんです」


今まさに、「東京に出てきて本当に良かった」と笑顔で言えるのも、常に新しい自分との出会いを楽しみに、更なる上を目指してきたたまものなのです。


(友清 哲+ノオト)


取材協力/永井 勇成

1978年生まれ、石川県出身。千葉県内の大学を卒業後、故郷にUターンし、印刷会社や映画館、家電量販店、大手家電メーカー、観光土産菓子メーカーと職を重ねた後、自営でiPhoneの修理工房を開業。その後、上京して株式会社LIGに入社、Web編集者としてキャリアを積む。現在は株式会社ビットエーで広報室・室長を務める。

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