望まない異動……。転職すべき?
今の会社では人事部で約10年間働きましたが、適当な理由をつけて営業に異動させられてから、1年が経過しました。
そもそも前の会社で営業職に就いていて、営業が自分には合わなかったので転職したのですが……。
現実的には今の会社で人事の仕事に戻れる可能性は限りなく低く、転職を検討しています。ぜいたくな悩みでしょうか?
自分としては適性のある仕事をしたいと考えています。アドバイスをお願いします。
同様の経験がボクにもあります
詩のようなものを書き、それを歌ったり語ったりして生きていこうとした時代がボクにはありました。しかし、いざデビューしてみると、予想もしていなかった仕事ばかりが増えていきました。人の苦悩と対峙(たいじ)するという仕事です。このコラムも含め、ラジオや新聞でもう15年も続けています。正直な話、ボク自身がそのことで悩みました。自分は純粋な表現者でいたかった。なのになぜ?
何度か書きましたが、ボクの挫折のひとつです。これは自分が選んだ人生ではないという思いから、日本を離れたこともあります。かつての芸名とも一度はサヨナラをしました。だからあなたの気持ちはわかります。会社はあなたの心を無視し、別の役割を担わせた。あなたにしてみれば、「なぜ自分の本当の価値を分かってくれないのだ」という思いでしょう。
“その先にあるもの”を見据える
でも、敢えて言います。会社の一員である以上、今与えられている立場を肯定的に捉えるのがすべての始まりなのです。
自分がやりたいことと、組織や社会が自分に望むこと。それが最初からぴたりと重なり合うのはなかなかまれなことです。しかし、働ける環境があるなら、周囲と結びつきながら徐々に自分の立場、やり方を浸透させていくことはできる。時間はかかりますが、艱難(かんなん)辛苦を乗り越えた分だけ、むしろ変わらない自分の芯が見えてくるはずです。
人事で培ったセンスを生かす、新しいタイプの営業マンになる。短気を起こす前に、その線でもう一度取り組まれてみてはいかがでしょう。どんな畑であれ、あなたにしか育てられない果実があります。それが見えていなかった時代がボクにもありました。
年老いても詩のようなものを書いていこう。ボクは今でもそう思っています。たくさんの人の苦悩が、ボクを鍛えてくれました。
あなたも同じです。遠回りをしていると感じるかもしれませんが、自分らしい仕事のヒントはその道程に必ずあるものです。
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