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【35歳】「普通のキャリア」だけでは、もう正社員にはなれない?
35歳・女性の転職相談目黒洋子さん
マスコミ、旅行業界などを経て、派遣の仕事をしながら転職活動している目黒さん。30代半ばに入り、以前は気に留めなかった「老後」が心配になり、次の転職では安定が期待できる正社員を目指している。いろんな仕事を経験しているもののスキルに自信がなく、強みを打ち出せず困っている。更に念願の正社員計画は年齢がネックで前途多難だという。
そんな転職活動の悩みに、キャリアアドバイザーが答えます。
正社員になったら生活が安定するはず……
――現職で派遣社員を選んだ理由は?
正社員での仕事が見つからなかったためと、自分のペースで働きたかったからです。
――目黒さんがイメージする正社員と派遣社員の違いって何でしょうか?
(正社員は)安定です。あと、老後が不安なので……
――それがそもそも間違いだよね。面接で「なぜ正社員を望むんですか?」と聞かれて「安定しているから」と答えると落とされますよ。
企業は正社員として採用したら、「どのように貢献してくれるのか?」と考えているんです。社会保険があって賞与があるってことは、求職者側のメリットで、採用する側の興味のあることではないんです。
「業務内容の説明」を甘く見ない
――目黒さんは編集の仕事の経験もあるし、旅行業界の経験もある。旅行会社では何を主にやってらっしゃいましたか?
普通の旅行業です。
――【Check】「普通」っていうのが違うんです。そこに何か売り込むべきキャリアがあるはずなんです。
国内の旅行のことは分かるんですが、海外のこととかはまったく分からないんです。だから旅行業界では通用しないんじゃないかと……。
――では目黒さん、接客の経験は?
カウンター業務の経験はあります。
――旅行会社にとっては、どのような接客ができるかも問題なんですよ。その経験は自信を持ってアピールをしていいんです。もっと経験に自信を持ってください。目黒さんは旅行業のほかに、ホームページ作成の経験もありますよね。
ホームページ制作についてはスキルに自信がないんです。今までの仕事で一番経験があるのが旅行関係なんです。それで旅行業で探そうとしているんですが、私が見ている求人だと正社員の採用は30歳までの会社が多いんです。
――うーん。年齢だけの問題ではないんじゃないかな。目黒さん自身が何がやりたいのかがはっきりしていないのかもしれないね。それと、やってきたことを過小評価して自分で可能性を狭めているようなところがある。
一般的に、30代半ばの転職ではある程度のスキルやキャリアが必要なのは確か。でも求められるレベルは企業によります。募集要項をじっくり検討して、企業側が「どんな人材が欲しいのか」を察知して、自分の経験の中でマッチするものがあるかどうかを見てみるのはどうでしょうか? 実際に、職務経歴書を書く際にもこの作業は必要ですし。
「年齢」「雇用形態」よりも採用担当者がシビアになるのは?
折を見て正社員募集を探してはいるんですが、なかなかなくて……。
――もし職種にはこだわりがないというならば、事務系での求人をチェックしてみてはどうかな?
それがパソコンはマックだったので、事務系で求めているウィンドウズのソフトを扱えないんですよ。
――パソコン自体に慣れているのなら、ソフトは自分でちょっと勉強すればできますよ。派遣会社でもパソコン講習会をやっているでしょ。自分で勉強する努力は必要ですよ。
ただ、目黒さんは何をやりたいのかがあいまいなのが問題ですよね。それでは正社員で採用されるのは難しい。繰り返しになるけれど企業側は「年齢」だけに着目しているわけではなく、応募者が「どう自社に貢献してくれるか」に興味を持つんです。そういった視点で転職活動をしてみてください。
あと、できないことをできるというのはダメだけど、転職活動で控えめにしているのは損をしてしまいます。実際目黒さんはいろんな経験やスキルがあるんだから、自信を持ってアピールしてみてください。
「本気度」がバレる!? 入社時期の答え方
話は変わりますが、入社時期が遅れると、不採用になりますか? 以前、入社時期を「1カ月後になります」と言ったら不採用になってしまったんです。
――正社員採用の場合、すぐに働ける人を求めていることは少ないので、その会社はおかしいですね。「半年待って」というのなら悠長すぎと判断されても仕方ありませんが、翌々月から勤務するぐらいは常識の範囲内です。
ここで大事なのは、すぐに入社できない理由を明確に答えられるかどうか。「今働いている会社と相談するので入社は2〜3カ月後ぐらいになります」では、働く意志がないと思われます。はっきりと「翌々月から働けます」と働く意志を相手に伝えることが重要です。
【Check】どんな仕事にもアピールできるポイントはある
正社員だろうと派遣社員だろうと、目標もなく漫然と仕事をしているだけでは実になる経験は得られません。
与えられた業務をただこなしている人と、仕事に対して常に改善意識を持って取り組んでいる人では、同じ職種でも将来大きな差が出ますし、選考ではそうした「働きぶり」を判断材料にすることも多いんです。
コールセンターで、長く派遣社員として勤務されていた方がいました。彼女は、スーパーバイザーとしての役職はなかったのですが、クレーム処理からスタッフのシフト管理といった管理業務全般まで携わっていました。この方が転職される時、コールセンターのオペレーター経験だけでなく、人事管理、クレーム処理業務を詳細にアピールすることで、役職経験がなくても、スーパーバイザーとして転職できました。
前職の役職や雇用形態が重要なのではなく、実際に携わってきた業務を分析し、企業が求めている能力とマッチングさせることが大切なのです。
年齢ではありません。企業はキャリアとスキルを求めています
キャリアアドバイザーの転職アドバイス
- どんな仕事も「地味な作業」の積み重ね。その中から応募先で生かせる経験があなたの「強み」です
- 転職活動は、言わなきゃ分からないことだらけ。「業務内容(やってきたこと)」は要点を絞って説明し、アピールタイムに変えて
- 採用担当者の興味は「正社員だったか」より「どう働いてきたか」。何を大切にし、どんなお客さまにどう貢献してきたのか、働きぶりが分かるように伝えましょう
谷所 健一郎
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 キャリア・デベロップメントアドバイザー(CDA)。1万人以上の面接と人事に携わった経験から、執筆、講演活動にて就職・転職支援を行う。ヤドケン転職道場、キャリアドメインマリッジ、ジャパンヨガアカデミー相模大野を経営。主な著書「はじめての転職 必ず成功する転職」(マイナビ)ほか多数。

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