独立・起業
正社員として働いていた
プロキックボクサーの
今野さんが、
安定した生活を捨てて始めた
「あたらしい生き方」

私のあたらしい生き方
独立・起業
- 今の働き方・仕事について、詳しく教えてください。
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現役のキックボクサーとして、年に4〜5戦試合をしています。今のランキングは、新日本キックボクシング協会の日本ミドル級1位(2018年4月現在)。これまで4回、王座獲得のタイトルマッチに挑みましたが、1度もチャンスを掴むことはできませんでした。現在は、2018年中のタイトルマッチ実現を目指し、日々トレーニングを重ねているところです。
また、キックボクシングをやりながら、フリーのインストラクターとしても活動しています。個人や団体などのお客さまから依頼を受けて、いろいろなところに出張し、キックボクシングの指導、フィジカルトレーニング、ダイエット指導などを行っています。
特にその中で力を入れているのは、子ども向けの運動指導。スポーツから夢をもらって生きてきたアスリートとして、運動を通じて子どもたちの成長に貢献したいという思いを強く持っています。現在は、その一環として生活上の包括的な支援を必要とするIN-Child(Inclusive Needs Child)の支援活動にも携わっています。
- なぜ今の働き方・仕事を選んだのですか? これまでのキャリアや経緯を教えてください。
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プロのキックボクサーになってから10年以上、会社員としても働き、二足の草鞋を履いて頑張ってきました。3社の経験がありますが、一時期はとにかくキック中心の生活をするために、16時に仕事が終わる工場作業員として働いていました。1年のうち350日練習に明け暮れ、ランキング上位に入るまで成績も伸びました。
しかし、不景気の煽りで工場の仕事が減り始めると、生活が不安定になって練習に身が入らず、格下の相手にも負けるようになってしまって。ちょうど今の妻と付き合い始めた時期だったので、「次は安定した生活をしよう」と、医療系の事務用品を扱う会社に営業として入社しました。
生活を建て直すために、会社には「引退した」と伝え、1年キックから離れ、ジムにも通わない生活を送りました。ただ、やっぱりキックが好きなんですね。生活が安定してくると「またやりたい」という気持ちが大きくなって、会社に内緒で試合に出るようになりました。中途半端はイヤだったので、キックで日本トップランカーを維持しながら、営業としても売上達成率全国3位になるなど、どちらも100%で頑張っていたつもりでした。
しかし、ある試合でのケガがきっかけで上司にバレてしまい、「仕事かキック、どちらかを選べ」と迫られて。10年後、今と同じ年収は得られるかもしれないが、キックは今と同じようにできない。今辞めて後悔するのはキックボクシングだと思い、安定した正社員の仕事を辞めることにしました。
- 「あたらしい生き方」に変えて、どうなりましたか? 変わったこと、得たものを教えてください。
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実は、会社を辞めてすぐにフリーのインストラクターとして活動を始めたわけではないんです。最初は、どうして良いのかわからず、これまでの自分と逆の行動をしてみようと、意識的にいろいろなセミナーやイベントに参加するようにしました。
そこでいろいろな人と出会い、キックボクシングの話をすると、「今度体験させてください」と声をかけられて。自然と今のカタチになってきたんです。まさかキックが商売になると思っていませんでしたし、「どんな体験でも、必要としている人がいる」と改めて気づかされました。たとえば、世の中には成功し続けている人のほうが少ないわけですから、無敗のチャンピオンの話よりも、私のように挫折を繰り返している選手の話のほうが、自分事として参考にしやすいですよね。
今は、どんなことでも挑戦してみる価値があると思えるようになりましたし、何をやるにしても、その体験を人に伝えることを意識して取り組むようにしています。今後も、子どもたちへの支援を中心に健康を広めながら、アスリートのセカンドキャリアをサポートする活動もしていきたいと思っています。まずは私が身をもって実践し、見本となるような結果を出していきたいですね。


