U・Iターン

建築資材の法人営業を
していた塩道さんが、
残業中に先輩から言われた
ひと言をきっかけに始めた
「あたらしい生き方」

PROFILE

私のあたらしい生き方

U・Iターン

今の働き方・仕事について、詳しく教えてください。

2015年4月から京都府の「担い手養成実践農場」という制度を利用し、2年間農業の実践研修を受けました。地元の農家の方々から、万願寺あまとう(万願寺とうがらし)や丹波栗、フキ、米など、地域の特産品の栽培技術を学び、研修を終えた2017年4月に自営農家として独立。

現在は、自治体や近所の農家から借りているトータル1万平米以上の農地で、万願寺あまとうをメインに、研修で教わった作物を栽培しています。と言っても、すべての農作業を1人でやっているわけではありません。一緒に研修を受けた仲間と協力して、2人で作業を分担しています。お互いに独立した農家ですが、2人で作業したほうが効率的ですし、できることも広がりますからね。

去年は露地栽培のみでしたが、つい最近ビニールハウスが完成し、2年目の今年はハウス栽培にも挑戦します。3月下旬から万願寺あまとうの植え付けを始め、5月から冬の時期まで収穫が続く予定です。さらに、今年は丹波栗やフキの栽培にも力を入れていきたいと思っています。

なぜ今の働き方・仕事を選んだのですか? これまでのキャリアや経緯を教えてください。

以前は、大阪で建築資材の営業を6年間やっていました。関西エリアのハウスメーカーや工務店に、住宅設備や建具などを卸す仕事で、毎日クルマで移動し、夜に会社に戻って事務作業をするのが日課でした。

入社3年目くらいに大きなクライアントを任されるようになってからは、終電で帰るのが当たり前という感じで、終電を逃すこともけっこうありました(笑)。私の要領が悪いこともあるんですが、上司や先輩が残っていると「自分もやらなきゃ」と勝手に思い込んでしまって……。特に営業成績が良くないときは、遅くまで残っていましたね。

そんなハードワークが続く中、「営業から逃げたい」という気持ちはずっと心の中にありました。でも、何をすれば良いのかわからず、収入がなくなるのも不安で、なんとなく踏みとどまっていました。

そんなとき、たまたま残業中に、先輩に「辞めたいんですけど、次にやりたいことが見つからないんですよ」と話したら、「ウチの親戚が農家やっているんだけど、面白いらしいよ」と言われて。すぐに、ネットで調べて農業を体験できるインターンシップに参加したら、これがすごく面白かったんです。

「農業をやろう」と心に決めて会社を退職し、ハローワークで見つけた農業生産法人に転職しました。ところが、その法人が入社3カ月で経営が厳しくなってしまって。どうしたら農業を続けられるか、といろいろと調べて行き着いたのが、京都府の「担い手養成実践農場」という制度でした。

「あたらしい生き方」に変えて、どうなりましたか? 変わったこと、得たものを教えてください。

会社員時代と比べると、だいぶ健康的な生活になりました(笑)。春は朝8時から、日が落ちる17時くらいまで農作業をしています。夏場は暑い時間を避けて、朝5時から作業をスタートし、一度休憩を入れて涼しくなった夕方に作業を再開する感じです。

周りからは「農業はしんどいよ」と言われていましたが、ハードワークには慣れていたので、ツラいと感じることはほとんどありません。夕日が沈めば仕事は終わりですから、こんなにホワイトな職場はないですよ(笑)。

「自分で売上をつくらなくてはいけない」という点では営業時代も今も一緒ですが、やった分だけ自分に直接還ってくるので、自然と頑張ろうと思えますし、ストレスを感じることもありません。また、どう作業を進めるか、すべて自分で自由に決められるのも楽しいですね。夏の暑い日にはビールを飲みながら作業をすることもありますが、怒る人は誰もいません(笑)。

今後は、少しずつですが組織を整えて会社にしていきたいと思っています。自分たちが成功することで農業をもっと盛り上げていきたいですし、雇用をつくって人を集めることで、自分たちに農業をする機会を与えてくれたこの地域に、恩返ししていきたいですね。

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