こんにちは! プラスト編集部のOです。
今回ご登場いただくのは、株式会社ディジテックのKさん。 同社で地図用ソフトウェアの開発に携わるKさんは、なんと30代なかばにしてITエンジニア初挑戦。
なぜITエンジニアを目指したのか。そして、なぜ同社への入社を決めたのか…。Kさんの転職ストーリーをひも解きます。
本記事は”転職における様々な決断の瞬間”や”転職成功を実現するための手段”が語られた、先輩たちの転職体験談です。 転職活動中の方はもちろん、これから始めようと考えている方にとっても、きっと参考いただける記事になっていますので、ぜひご一読ください。
※本記事は2022年10月19日時点の情報をもとに作成しています



——順風満帆なキャリアから一転、地元に帰ることを決意

前職では関西にある総合電機メーカーで生産技術職として活躍していたKさん。自動車のリチウムイオンバッテリーを作る工場で、生産設備の設計を担当していた。
「今までの転職経験は2回。取り扱う製品に変化はありましたが、ずっと生産技術職です。九州や関西など様々な土地を渡り歩いてきました。転職ではスキルアップ・待遇アップを第一に考えていたので、居住地が変わることに抵抗はありませんでしたね」
そんなKさんに転機が訪れる。地元の福岡市に住む父親の体調が思わしくないという連絡が入ってきた。
「以前から、いつかは地元に戻りたいと思っていたんです。父についての連絡を受けたことで、『このタイミングで福岡に戻るべきだ』という思いが一気に強まりました」
しかし、地元へ戻るためには大きな障壁を乗り越える必要があったという。
「私が経験してきた生産技術は工場での仕事。工場は田舎にあることがほとんどなので、実家がある福岡市から通うことは難しい。だから、この仕事にこだわれば、父との時間を充分にとれなくなってしまう。キャリアチェンジを考えなければなりませんでした」

——まずは資格を取ることに専念

前職を辞め、福岡に戻ってきたKさん。しかし、本格的に転職活動をスタートしたのは約1年後だったという。その間何をしていたのだろうか。
「改めて自分に合っている仕事を考えると、パッと浮かんできたのは事務職。そして、学生時代に情報分野を学んでいた経験から、ITエンジニアもいいなと思ったんです。いきなり転職活動をするのではなく、資格の勉強などを通して、この2職種への理解を深めることからはじめるべきと考えました」
そこからKさんは1年間で10以上の資格を取得。簿記やFPといった事務系職種に役立ちそうな資格から、ITパスポートや基本情報技術者などのIT系資格までラインナップは多岐にわたる。
「勉強しているうちに、ITエンジニアの方が向いていると感じてきたんです。本当に感覚的なことですが(笑)。そこからはITエンジニアにしぼって転職活動をすることに決めました」
1年間ずっと資格の勉強をしていただけではなく、並行して転職エージェントにも相談していたという。
「私が求める条件としては。福岡市、できれば博多駅近くの勤務地で転勤がないこと。そして社内開発の割合が高く、腰を落ち着けて働けること。やっぱり家族のことを思ってUターンしてきたので、そこは譲れない条件でした」
ただ、エージェントの回答は期待通りとはいかなかった。
「30歳を過ぎてしまうと、どうしても経験者採用の企業が多くなる。そうでない場合でも、研修後に大企業へ派遣されるという雇用形態がほとんどだと言われました。実際におすすめされる求人もそのようなものばかりでしたね。エージェントに頼るだけでなく、自身でも積極的に動く必要があると感じました」

——不安を抱えながらも、マイペースを維持

勉強していたとはいえ、離職期間が1年以上あり、未経験職種へのチャレンジとなる今回の転職活動。不安はなかったのだろうか。
「めちゃくちゃ不安でした…。30代なかばで、かつ未経験の私を拾ってくれる企業はあるのだろうかという心配は常に抱いていました。それに、初めて飛び込む業界だったのでどんな働き方になるかもイメージしづらい。エージェントへの相談に加えて、自身で業界や企業の口コミなども確認して慎重に選定することを心掛けていました」
一方で、楽観的に構えていた一面もあったという。
「働きながらの転職活動だと、どうしても時間の制約があったり、会社の目を気にしたりといったストレスもありますが、今回はすでに離職済み。時間には余裕がありました。それに、過去2回の転職がうまくいった経験もあったので、なるようになるかなという楽観的な考えがあったのも事実です」
「資格の勉強をするために毎日図書館に通っていたのですが、道中にある商店街や知らない道を散歩することがちょっとした趣味になっていました。自分なりの息抜きの仕方を見つけられたのも、頭の中が不安一色にならなかった要因かもしれません」

——資格の勉強が、運命的な出会いを生み出す

数々のIT企業に応募するも、書類選考で落ちることがほとんどだった。そんな状況のなか、ある求人につけた”気になる”が突破口をひらく。
「あるサイトでディジテックの求人を見つけました。博多駅近くという立地から社内開発が多いという業務内容まで希望通り。とりあえず”気になる”を押しておいたんです。そしたら、ディジテックから会いたいというメッセージが届きました。届いた瞬間、思わず『よっしゃ!』という声が漏れてしまいましたね」
福岡で転職活動を開始して初めての面接。何か事前に対策していたことはあったのだろうか。
「面接対策の本を参考に、想定される質問に対して回答を用意しました。志望動機や自己PRはもちろん、私の場合は離職期間が長いので、そこの説明をしっかりしなくてはと考えていました」
Kさんは面接を受けてさらに志望度が上がったという。
「1次選考が部長クラスの方々、最終面接が役員の方々でした。どちらの選考でも気さくに話しかけていただき、とてもなごやかな雰囲気の面接に。形式ばった面接というよりは、会話によってお互いを理解し合っていくという感じがして好感を持ちました」
特に、ある役員からかけられた言葉が印象に残っているようだ。
「未経験にしては年齢も重ねていますし、本当に大丈夫か聞いてみたんです。そしたら、問題ないという回答とともに、離職期間中に資格の勉強をしていたことをすごく褒めていただきました。ディジテックでは、引け目に感じていた離職期間のことをITエンジニアを目指す挑戦意欲というふうにとらえてくれました。やってきたことは無駄じゃなかったと思えたし、人間性や熱意、努力してきた姿をしっかりと見てくれている気がして、とてもうれしくなったのを覚えています」

——仲間想いな社風で入社後ギャップもゼロ

無事、ディジテックから内定が出たKさん。本格的に転職活動を始め、2~3ヵ月で内定をつかみ取ることに成功した。しかも、結果的に内定はもちろん、面接に進んだのもディジテック一社だけ。すぐに承諾したという。
「今までの待遇アップやスキルアップが目的の転職とは違い、今回は企業に還元できるような武器が何もない状態。『地元で働きたい』という想いだけでした。しかも、初挑戦にしては年齢も決して若くはない。難しい戦いになることは覚悟していたし、実際その通りでした。それだけに内定の連絡を受けた時は喜びもひとしおでしたね」
経験の有無にかかわらず、入社直後は人間関係だったり、業務についていけるかといった心配もあるはず。実際はどうだったのだろうか。
「面接で感じた通り、若手から役員までみんなフランクで、社内はいつもワイワイしていますよ。入社前と後でのギャップは本当にありませんでした」
「ただ正直に言うと、最初のほうはやっぱり業務についていくのに精一杯で、しんどくなる時もありました。でも、先輩たちはもちろん、他部署の総務や役員までもが『大丈夫?』って逐一声をかけてくれるんです。みんなの心遣いに何度助けられたことか。仲間想いなカルチャーは弊社の一番の魅力と言っても過言ではないと思います」
「交流の機会が多いことも、すぐになじめた要因です。私が入社した9月は、”八幡東田ウルトラ25時間駅伝”が開催される時期。会社で参加することが恒例となっていて、私も走ることに。新人なので深夜のランを積極的に買って出ました(笑)。普段は会えない北九州事業所のメンバーと交流するいい機会になりました」
「さらに、恒例のクリスマス会にはパートナー企業や社員のご家族も参加します。ステークホルダー全員が一挙に集まるとても賑やかで楽しい時間ですね。他にも社内研修を含め、2~3ヵ月に1回ほどの割合でイベントがあり、メンバーとは自然と仲良くなっていきました」

——転職活動を振り返って

最後に、今現在のKさんから、転職活動中当時のKさんにアドバイスできるとすれば、どんなことを教えてあげたいか聞いてみた。
「まずはもっと早く希望職種をひとつに絞ったほうがいいとはアドバイスしますね。私の場合、途中まで事務職の勉強もしていました。その分をエンジニアの勉強や業界研究にあてていれば、一層広く深い視野で会社探しができていたかもしれません」
「企業研究ももっとしっかりすべきと伝えたいです。当時の書類選考の通過率を考えるとワンチャンスをものにしなければならない。今回は運よく内定をいただけましたが、企業がどんな事業を展開しているのかという基礎的なことから、どんな人材を求めているのかということまでを完全に把握し、万全の対策を立てた状態で臨むべきだったと思います」
いくつもの障壁をはねのけ、見事ディジテックへの入社、そして定着を実現したKさん。あせらずに、着々と準備を進めた継続性・計画性は多くの転職者の参考になるだろう。



《編集後記》

取材中印象的だったのは、ミーティングスペースで取材を受けるKさんの後ろを役員の方がニコニコしながら何度も通っていたこと。誰かと何かおもしろい話をしていたのでしょうか。ときおり笑い声なども聞こえ、とても和気あいあいとした雰囲気でした。
実際、ディジテック社は多くのインタビュー記事をあげているのですが、ほとんどの方が人間関係を魅力として紹介しています。 今回の取材でKさんのお人柄に触れ、エピソードを聞くことで、より一層ディジテック社の魅力を感じることができました。ぜひ同社が投稿した記事も併せて読んでください。

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